戒流の渦 | |||
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ブランド名 | raziel | ジャンル | AVG |
発売日 | 2001.08.10 | 定価 | \7,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(168x230x40mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | 639.2MB、CD-DAなし | ||
原画 | 春 | シナリオ | 亜神風拾、つくよん |
音声 | あり | ||
インタフェース | メッセージ送りのみキーボード可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 20箇所+クイックセーブ3箇所 | 歌 | あり(1曲、ED) |
おまけ | CGモード、回想モード、音楽モード | ||
対象属性 | 金髪、ショートカット、シスター、ストレートロング、黒髪、ポニーテール、リボン、 エプロンドレス、パンチラ |
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1プレイ時間 | 約2時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
人間とは違う、ユニコニアンという種族の主人公。異種族のため、 人間達に迫害され続ける主人公は、ある事件をきっかけに幼馴染みの フローラを失う。傷心の主人公は自棄になって放浪し、とある土地で 倒れている所をフローラにそっくりの少女、クレアに助けられる。 罪の意識を背負いつつも、クレアにフローラの面影を見て、主人公は 苦悩しながらも生きていく…という、いきなりかなり重いゲームです。 インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。 メッセージスキップは未読メッセージは飛ばせませんが、たまに飛びます(笑) ちなみに、既読メッセージ自動スキップはなくて、Ctrlキーを押すことによって スキップ動作になります。 メッセージ履歴表示機能はあるのですが、ちょっと使い勝手が悪いかな。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。 ただし、モードの切り替えはゲーム中には出来ず、起動時にどちらにするかを 決定します。ちょっと不便ですね。 動作の方は比較的軽快ですが、描画エフェクトをOFFに出来ないので、 表示が若干遅く感じます。ゲーム中ではそれほど気にならないのですが、 起動時とCGモードで激しく重く感じます。 セーブ箇所は20箇所+クイックセーブ3箇所。数としては問題ないと思います。 セーブ/ロードは随時可能です。 キャラクターは以下の通り。 幼馴染みのフローラ。最初、男の子かと思いました(^^; ちなみに、物語の初っ端で死にます(爆) クレア・オールドマン。フローラとよく似ている女の子。 明るく元気で病弱な娘(笑) ←元気じゃないじゃん(^^; 教会で働くシスター、レイシー・グレイス。 倒れていた主人公を手厚く介護してくれる。 教会で暮らしている孤児、サヤ。 口を利くのは「ご飯はまだか」と「散歩に行く」だけという無口な少女(笑) ただ、主人公とは結構喋る。 パン屋で働いている、リタ・ホワイト。 のーてんきな元気の塊。というかむしろ騒がしい(笑) 傍若無人を絵に描いたような、自由奔放な人(笑) 教会の神父でクレアの父親、ニコラス・オールドマン。 にこやかで穏やかな外見とは裏腹に、かなり強かな性格(笑) 絵の方はかなり綺麗で好みです。立ち絵もイベント絵も丁寧でいいですね。 どのキャラクターも魅力的に個性的に活き活きと描かれている感じです。 クレア萌え(^^) でも、物語後半ではサヤもかなりいい感じ(^^) 声の方もイメージばっちり。特に神父さんはイケてます(笑) 最初、サヤの声はちょっと低すぎるんでないかい? と思っていたのですが、 プレイをしてみて納得です。きゃぴきゃぴした声だと引きます(笑) ゲームを開始すると、主人公の名前入力の後にプロローグが始まります。 かなりイタい始まり方です…。 そしてプロローグが終わると、オープニングアニメーションが流れます。 一応歌は入っているのですが…これは歌と言っていいのでしょうか?(^^; どこの国の言葉?(^^; 絵の方は基本的に静止画のスクロール程度なのですが、不思議な雰囲気の 歌と相まって、なかなかいい雰囲気を醸し出しています。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。 ストーリー的には、瀕死の状態を助けて貰った主人公が、その教会で しばらくやっかいになっているうちに、その教会に残りたいと思うように なり、そして…という感じ。 ちなみに、私は最初のプレイでは教会に残りたいと思わなかったようで、 そのまま旅に出てしまいましたが(笑) 話は、基本的に主人公が重い設定を背負っているので、そーんなに 明るく楽しい感じではないのですが、でも前半部分は結構ほのぼのした 感じで進んでいきます。 主人公は基本的に真面目で暗いヤツなので(笑)、あんまりお茶らけた 雰囲気にはなりませんけどね。 ただ、リタが出てくるといきなりのーてんきな雰囲気になります(笑) # お笑い担当(笑) 私が一番好きなエピソードは、大雨の中、雨漏りの修理をしてくれと 神父様に頼まれる主人公。それを見守るグレイス。 「ご武運を祈っています」「祈らなくていいです。止めてください」(笑) 「すごい熱じゃないですか。お部屋で寝てらした方がいいですよ」 「どうせなら、昨日、そういう優しい言葉が欲しかった」(笑) 「そうです。クレアに伝染ったら大変ですから」 「オレの心配もして下さい、神父様」(笑) この一連のやりとりはすっごい好き(^^) 主人公は真面目なんですよね…(^^; そして後半、各ヒロインの個別シナリオに入ってからは、一転重い 展開に突入します。このメリハリはなかなかいいですね。 物語にぐっと引き込んでくれる感じです。 どのシナリオも綺麗にまとまっていて、設定なども上手く利用して あって、かなり楽しめました。 特にクレアシナリオは、全然展開が読めなくて、「このあとどうなるん だろう」とドキドキしながら話を進めてました。 そしてラストは…かなり衝撃的な終わり方でした…。 話としてはかなり綺麗にまとまっていて、一応ハッピーエンドなのかも 知れませんけど、私には辛かったです…。 ゲーム期間は…キャラによって違うので一概に言えませんが、だいたい 1ヶ月強でしょうか。ファーストプレイでは10日ほどで終わりましたが(笑) ワンプレイは2時間弱。ちょっと短めですが、この中にいろん設定が 入っていたり伏線が張り巡らされていて、それを上手く利用しつつ話を 盛り上げてくれています。 お奨め度ですが、あまりクセのない作品なので、幅広い人にお奨め 出来るかと思います。ただ、基本的にちょっと重い話ですので、 シリアスな展開が苦手な人には向かないかも知れませんが。 どのエンディングも、明確なハッピーエンドではなくちょっと哀しい 終わり方という感じですし。 ただ、特に欠点らしい欠点も見つからない、綺麗にまとまったゲーム だと思います。 難点を挙げるとすれば、まず第一に難易度。キー選択肢を1つ間違えた だけでエンディングにたどり着けなくなるうえ、どれがキー選択肢かが 非常に分かりづらくなっています。 バッドエンドになっても、どこが悪かったのかなかなか見当が付きません。 選択肢の数はそれほど多くないので、何度かプレイしていればコツは 分かってきますが、もう少し難易度は低めにして、話に集中させて 欲しかったかな、と思います。 あとはやっぱりボリューム不足ですかねぇ。 シナリオ1つ1つは確かにメリハリがあって充分楽しめるのですが、 ワンプレイ2時間ほどのシナリオが3本+α というのは、やっぱり ちょっとだけ物足りなさを感じます。 特に、一番思ったのは、「え? リタシナリオってないの?」ってこと(^^; これだけいい味だしてるキャラのシナリオがないというのは勿体ないですね。 あと、細かいところで若干誤字があったりもしますが、まあさほど気になる こともありません。 生まれたての赤ん坊に髪の毛がふさふさ生えているのも気にしません(笑) 新ブランドのデビュー作ということを考えると、充分すぎるほどの出来だと 思います。 若干のボリューム不足に関しても、値段が通常より若干低めに設定 されていることを考えれば、まあ目を瞑れる程度でしょう。 次回作が非常に期待できます(^^) 最後に。サヤシナリオ、あの後いったいどうなったんだっ(T_T) |