家族計画 | |||
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ブランド名 | D.O. | ジャンル | ハートフルコメディADV |
発売日 | 2001.11.02 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(152x217x32mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | インストールディスク : 504.9MB、CD-DAなし ゲームディスク : 58.8MB+CD-DA=653.6MB、CD-DA26トラック、Ring |
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原画 | 福永ユミ | シナリオ | 山田一 |
音声 | なし | ||
インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 27箇所 | 歌 | あり(2曲、OP・ED) |
おまけ | CG鑑賞、シーン鑑賞、音楽鑑賞 | ||
対象属性 | 感動、ギャグ、コメディ、中華娘、チャイナドレス、ショートカット、お兄ちゃん、黒髪、 ストレートロング、赤髪、ショートカット、眼鏡っ娘、カチューシャ、ロリ、緑髪、リボン、 ピンク髪、ボブカット、お下げ |
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1プレイ時間 | 12〜15時間 | お奨め度 | 8 |
レビュー |
概要 |
孤独な一人暮らしをしていた主人公はアルバイト先の店の裏で謎の中国人 王春花を拾う。仕方なく部屋に連れ帰り二人暮らしを始めた主人公は、それ 以降どんどんパンチの効いた不運に見舞われる(笑) そして主人公の周りに集まってくる暗い過去と心に傷を持った人達。一軒の 古い屋敷を見付けた主人公一行は、その家で暮らすことにする。 ここに、相互扶助計画「家族計画」が発動する……という、涙と笑いの ハートフルコメディアドベンチャー。つーか、家族計画て……(笑) |
システム |
インタフェースはフルキーボードサポート。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ完備。バックログはマウスのホイール 機能にも対応しています。というか、ホイール機能を使わないとマトモに使え ないような気が(^^; スキップはそこそこ高速ですが、テキスト量がかなりのものですのでやや 厳しいかも。欲を言えば選択肢までスキップとかも欲しかったかな。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作はやや重め。 このシステムは何故かCPU負荷高いんですよねぇ。音声の再生をしている わけでもないのですが……。 セーブ箇所は27箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 数としては結構な長さのあるゲームなので微妙ですが、まあそれほどセーブ ロードを多用するゲームでもないのでまあなんとか足りるでしょう。 セーブ/ロード動作はやや重め。 システムはD.O.のいつものシステムですね。 フルキーボード操作が可能になっていい感じですが、もう少し軽くならない ものですかねぇ……。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 王春花。謎の中国人(笑) 周りに気を遣い、笑顔を絶やさない。 あのような格好であのようなことをされた……何をされたんだ(^^; 身体はまだだけど心は立派な魔性の女(笑) 高屋敷青葉。保身に手段を選ばない女(笑) 口からは毒しか吐かない猛毒指定の女(笑) 背中を預けてはいけないランキング世界ランカー。 置いておくと妖気が漂ったり夜中にラップ音が聞こえる似顔絵を描く(笑) # それはある意味才能だと思う(^^; 大河原準。主人公と因縁浅からぬ関係。 無口で感情表現に乏しく、何を考えているのかわからない。 川原末莉。のっぴきならぬ事情によりホームレスの少女。 酒乱の素質あり(笑) ……えーっと、今1年生なんですよね? めっちゃくちゃ 好意的に受け取って大学だとしても18……(^^; # 「大学に行って欲しかったが」……ガッデム!! 板倉真純。自殺志願者。自殺直前で死への恐怖から現実逃避する。 てゆーか、自殺しようとすんな(^^; 広田寛。武装逃亡の身。性格破綻者。路地裏の王(笑) 劉家輝。主人公のアルバイト先、中華料理店『龍龍』店長代理。 ちょっと腕に覚えのある小粋な小悪党(笑) 「私はバイだっ!!」……アホや、コイツ。 # 「変態の下で働きたくない」(笑) 劉楓。劉家輝の妹で主人公の婚約者(笑) 久美景。主人公の同級生。明るく楽しく人の話を聞かない娘(笑) 小夜。久美景が働いている施設にいる女の子。 ……え? こんなサブキャラまで紹介すんな? だって可愛いんだもん(爆) 絵の方はなかなか可愛らしくていいのですが、やや輪郭が崩れている感じが する絵があるのと(つーか、顎尖りすぎ)、背景にキャラが溶け込んでしまって いるような感じがして勿体ないですね。色使いにメリハリがないというか。 キャラクターはみんな個性的……というか、一癖も二癖もあるキャラ揃い。 性格付けが非常にはっきりしていて、キャラクターが活き活きしています。 ということで小夜萌え。←そこか? そこなのか!? ……えー、だって可愛いじゃんよー。そう思いますよね? ←同意求めんな じゃあ山名由利萌え? ←出番少なすぎです まあ、メインキャラで言うと……久美景? ←全然メインちゃいます ……えーっと、やっぱ末莉ですかね。準もけっこー好きですけど。 真純も春花も青葉までもがいい味だしているので甲乙付けがたいですが。 # 昔の準はかなり萌え(笑) 音声はなし。会話がメインの作品ですので男性キャラも含めて音声が あったら面白いかも、と思う反面、イメージが違っていると激しく萎える と思うので、なくて正解かもとも思ったり。まあ私はなくてもOK。 音楽の方は様々な種類の曲が用意されていて、ころころ変わるシーンに 合わせた曲が使われていますね。やや明るい曲が多いでしょうか。 3時間以上にも渡るプロローグの後に、オープニングムービーが流れます。 歌はバリバリのI'veソング。取り立てて言うことなし(笑) 絵の方ですが、基本的にはキャラクター紹介的なものなのですが、演出が 秀逸。基本的には静止画なんですが、動かし方がや効果、カットインなどが 見事で非常に見応えがあります。素晴らしいですね。 エンディングも歌ありですが、なかなかいいですね。包み込むような暖かさを 感じる柔らかいボーカルと曲が非常に心地よいです。 絵の方もクリアしたキャラにスポットを当てた演出がされていていいですね。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームの方は主人公が謎の中国人・春花を拾うところから始まります。 その後も主人公の周りに問題を抱えた人(存在その物が問題な人(笑))が 集まってきて、みんなで一つ屋根の下で暮らす相互扶助計画「家族計画」が 発動されます。そして、その中で発生する様々な問題や、個々の抱えた 問題を解決しながらストーリーは進んでいきます。 前半は基本的にギャグの応酬のコミカルな展開。 キャラクター同士の会話が非常に面白く、結構笑えます。 とりあえず、お兄ちゃまだのチェキだの言うのはやめよう(笑) 「侮るなよ愚息よ、私のバックにはソフ○ウェア倫理審査委員会がついて いるのだぞうっ!」……うわ、D.O.が言うとシャレになんねーよ(^^; ただ、基本的にはコミカルに進むのですが、たまにシリアスなシーンが挿入 されたりして、なかなかメリハリの利いた展開になっています。 てゆーか、プロローグの最後、家族計画成立の段階で軽く泣きましたし(^^; その後もかりそめの日常が面白おかしく描かれつつ、個々の抱えた問題を 解決したりするのですが、そこで新たな問題が発生してきて物語は大きな 転機を迎えます。 そこからは怒濤のシリアスな展開。若干ギャグも交えられていますが もはやわき目もふらず読み進めていくような状態でした。 私の最初のプレイは何故か真純シナリオでしたが(末莉か春花あたりを狙って いたハズなんですが(^^;)、ラストは綺麗にまとめましたね。 「え? 他の人ほったらかし?」とか思ったりもしたんですが……やられました。 そう来ましたかー、という感じです。ちょっとご都合主義な気もしますけど。 その後は折角なので年上から順番にクリアしていくことに。 どのシナリオも各キャラクターが非常に活き活きしていて、悩み苦しみ ながらも過去の傷を振り払っていく過程が上手く描かれていて、話に引き 込まれてしまいました。 このシナリオのいいところは、シナリオのメインとなるヒロインだけでなく、 周りのキャラクター全てが話に参加していて、全員でストーリーを進めている というところでしょうね。主人公とヒロインの2人だけで進んでいく話とは違い、 非常に広がりのある展開だと思います。 むしろメインヒロインが後半全然出てこなくなるシナリオもあったりして、 会話主体で非常に上手く作られているな、と感じました。 ラストも上手く綺麗にまとめられていますし、後味はかなり爽快です。 ただ、いくつかのシナリオで若干の不満はあります。それは、泣き所が短い こと。盛り上がってきて盛り上がってきてそれがピークに達してだくだく泣き 始めたと思ったら、そこでゲームが終了してタイトルメニューに戻ってしまって いたりとか。「なんで私はタイトルメニュー見て泣いてるんだろ?」とちょっと ブルーになりました(^^; 泣き所のあとはもう少し余韻を楽しめるように話を引っ張るとか、そこで もう一度エンディングを挟むとかして欲しかったですね。 いきなりタイトルメニューに戻るのは酷いよ……。 まあ、クリアしたキャラがタイトルメニューに出て来るというのはなかなか いい感じなんですけどね。 あと、冷静に考えるとおかしな点はいくつか見受けられますね。 まず一番気になったのは時間の進み方。夕方に起きて、それから5時間掃除 して晩飯?(^^; 晩飯10時過ぎっスか!? 他にも6時に駅前にいて帰ってきて、スイカを食べてしばらくして夕食とか。 明日の朝発つと言いながら実際に出たのは2日後だったり、ちょっと時系列は かなりアバウトになっている気がします。 そして、春花に何もしてないのにさも何かしたように話が進んだり、大きく 見るとやや矛盾点もありますね。 # 抱いてない抱いてない(^^; 絵に関しても、全身ボロボロのハズなのに普段と変わらない絵だったり。 酷い火傷してるはずなのに手には包帯もしてないし(^^; それと主人公ですが、それほどヘタレというわけではないのですが、独自の 思想を持っていてその思想に意固地なので、感情移入はちょっとし辛いかも 知れませんね。私も第三者視点で見ているような感じでした。 ただ、そんな細かいことはどうでもいいと思わせるほどの力を持った シナリオであるのは間違いないと思います。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は不定。数ヶ月から数年までめちゃめちゃ幅広いです。 ワンプレイは12〜15時間程度でしょうか。音声なしでテキスト量はかなり 多いので、読む速度によってかなり違ってくるとは思いますけど。 まあ全テキストをきっちり読めば、10時間はかかるでしょう。長いです。 難易度は比較的低め。狙ったキャラ寄りの選択を続けていればOKです。 ただ、ちょっと効果のわかりづらい選択肢なんかもあったりしますけど。 |
総評 |
お奨め度ですが、コメディ・感動系のシナリオが好きな人にはお奨め。 ちょっとほのぼのホームコメディ、スリリングな展開、重くシリアスな展開、 そして感動のラストと、いろんな要素が詰まった作品ですので、かなり幅広く お奨め出来ると思います。まあ鬼畜・陵辱好きの人にはお奨めしませんが(^^; あと、音声がないので音声至上主義の人にもお奨めはできないかも。 そして何より長いので、時間のない人にはちょっと厳しいかもですね。 プレイしているときはあまり時間は気にならないんですけど。 この作品を一言で評するなら、シナリオの勝利、これに尽きるでしょう。 非常に読みやすいテキストとプレイヤーを引き込むメリハリのある展開、 キャラクター同士が絶妙に絡み合う会話、そして感動のラストと、楽しく プレイするための要素が詰まっているという感じです。 後から冷静に考えるとどうだっていいような日常のシーンも結構いっぱい 入っているんですけど、そういうシーンも非常に楽しいのでプレイしている ときは全く気になりませんでした。さすがに繰り返しプレイの時は気になり ましたけど(^^; この繰り返しプレイについてですが、共通部分が非常に多いので、若干 つまらないというか、作業になってしまいますね。まあ、これだけの長さの シナリオを最初の方から全キャラ分用意すると、書くのもプレイするのも 大変だと思いますけど(^^; 若干重いシステム、あか抜けないCG、長く冗長な共通部分、余韻を味わう 暇のないラスト、時間の概念やイベントの矛盾など、細かく見ていけば 問題は結構あるわけですが、それを補って余りある素晴らしいシナリオは、 プレイしておく価値は充分あると思います。時間に余裕のある方、声が なくても気にしない方はプレイしてみてはいかがでしょうか。 最後に。「人は一人でも生きていけるけど、それだと生きていくことしか できない」……このセリフはかなりキましたね〜。 # 「ぜんぶ許すね」もかなりキましたけど。 |