君が望む永遠
ブランド名 a^ge ジャンル 多重恋愛アドベンチャーゲーム
発売日 2001.08.03 定価 \8,800
パッケージ DVDタイプトールケース(136x192x15mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 DISK 1(INSTALL DISK) : 639.3MB、CD-DAなし
DISK 2(GAME DISK) : 119.10MB+CD-DA=625.5MB、CD-DA28トラック
原画 バカ王子ペルシャ シナリオ 鬼畜人タムー、マロ☆ガッツ、
反重力生命マー
音声 フルボイス、栗林みな実、石橋朋子、上原ともみ、大友清里、吉田恭子、雨宮麻紀、
窪田聡子、北都南、小林まりこ、安藤正輝、岡島雅夫、藤田義晴、門松健
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 フリー(無制限) あり(2曲、OP・ED)
おまけ CGギャラリー、SOUNDギャラリー、回想モード、エンディング確認
対象属性 純愛、感動、学園物、青髪、ポニーテール、パンチラ、浴衣、ブルマ、ピンク髪、リボン、
ボブカット、緑髪、眼鏡っ娘、お下げ、看護婦、ヘアバンド、赤髪、お兄ちゃん、金髪、
ツインテール、ウエイトレス、黒髪、ショートボブ、女医、白衣、ロリ、ストレートロング
1プレイ時間 12〜13時間 お奨め度 7

レビュー
主人公、慎二、水月の仲良し3人組は、楽しい学園生活を送っていた。そこに、
水月の親友であり主人公に憧れている遥が加わり、いつしか主人公と遥は付き合い
始める。そして幸せの絶頂にある二人に起こった衝撃の事件。
それから3年、止まっていた時間が動き出す…という、前半はほのぼの学園物、
後半はどろどろ人間ドラマのシリアスアドベンチャーです。


マニュアルはB6ブックタイプ。
表紙はなんかコミカルな漫画になってますね(^^;
# 遙、めっちゃ可愛いし(笑)


インタフェースはインストーラからしてキーボードサポート。
ただタイトルメニューはキーボード不可で、システムメニューを出すのもマウス
でしかできないようですね。これもキーボードで出来れば良かったんですけど。

既読スキップ・強制スキップ・メッセージ履歴表示完備。
ただ、メッセージ履歴表示はESCキーとか右クリックとかワンアクションで
消せるようにしてくれた方がありがたかったかな、と。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600。
ただし、フルスクリーン状態では他のウインドウ情報を破壊します…。

セーブ箇所は…何ヶ所だろ(^^; セーブするたびにどんどん増えていきます。
容量の許す限りでしょうか。セーブ/ロードは随時可能です。


キャラクターは以下の通り。

親友の平慎二。
めちゃめちゃいいヤツで、こいつを主人公にしろと思うぐらい(笑)
# デブ専の獣姦マニア(笑)

同級生で仲良しの速瀬水月。ポニーテールの元気娘。水泳部のホープ。
神のタイミングで入る過剰なツッコミは絶大な破壊力を誇る(笑)
# 「…ご両親にお別れの挨拶は済んでるわね?」(笑)

水月の親友、涼宮遙。主人公に想いを寄せる健気で大人しい女の子。
引っ込み思案で片思いのプロらしい(笑)
ちなみに、へび花火が好き(笑)
# 「花」でも「火」でもないと思うんだが(笑)
##「ケナゲな感じがしませんか?」(笑)

遙の妹、涼宮茜。水月に憧れる女の子。
速瀬の放ったヒットマン(笑) 速瀬教原理主義者(笑)
# 「おい! 今すげえバカにしてるだろ!?」(笑)

穂村愛美。保健委員の眼鏡っ娘。
このキャラについては深くは触れまい…(^^;
# 「献身的で母性愛が強い」…ぜってーズレてる…(^^;

主人公のバイト仲間、大空寺あゆ。
邪悪な性格と殺人的な口の悪さを誇る(笑)
# 「お前は悪魔か」「うん、よく言われるわ。羨ましい?」(笑)

主人公のバイト仲間、玉野まゆ。元気で明るい純粋な娘。
ただし破壊的にドジ(笑) 時代劇ファンで、武士口調(笑)
# 「お名前が頭の片隅にすら残ってませんでした」(笑)

女医の香月モトコ。鋭いところをずばずば突いてくる。謎の多い人(笑)
# 「もう少し、デリカシーっていうか、女らしさが欲しいと思います、僕」(笑)

看護婦・天川蛍。どう見ても○学生(笑)


看護婦・星乃文緒。一見遊んでる風だが、ホントに遊んでる(笑)
# 「ケンジかなぁ。あ、ヒロシかも」(笑)


絵の方は…つり目、ロリキャラオンパレードですね(^^;
丁寧で綺麗とは思うのですが、そーんなに萌えはしませんでした。

とりあえず萌えキャラは、やっぱ天川さんですよね〜。
………ああっ、みんな、私をそんな目で見ないでっ(T_T)

じゃあまゆってことで…って、あんまり変わってなーい(^^;

でもまあ、やっぱり遙ですよね〜。すっごい辛かったけど…(T_T)
# あゆの「邪悪な性格と殺人的な口の悪さ」という設定はステキ(笑)


そして、目を引くのは映像の特殊効果でしょうか。
至る所に入る視覚的演出は見ていて楽しいです。
雨の描写にこれだけ力を入れている作品はそうそうないでしょう。
# お花畑(笑)

表情の変化とか仕草かとも見事に動きが表現されていて、なかなか凄いですね。
たまにウザいと感じましたけど(^^;
# まあ、その時は画面効果を切ればいいだけの話で。


声の方は、どのキャラもイメージばっちりですね。
あゆは口癖とか喋り方にかなり無理ある気もしますけど(笑)

演技の方は全く問題なし。鬼気迫るシーンでの感情移入度もばっちりです。

特筆すべき点は、驚いて息を呑むシーンや、言い負かされて言葉に詰まる
シーンなんかでも、メッセージは「………」なのですがきっちりブレスが
入っていたり、細かいところまで拘って感情表現しているという所でしょうか。
なかなかここまでやる作品はないでしょう。


音楽の方もなかなかいい感じ。基本的には静かな曲が多いのですが、
衝撃的なシーンでかかる緊迫感のある曲はなかなかです。

オープニング・エンディングもいい曲ですしね。
# オープニングはとある理由であまり楽しめませんでしたけど。詳しくは後述。


システム的には選択肢決定型のアドベンチャー。

ゲームは2章構成になっていて、1章は主人公達の学園生活を描いたほのぼの
学園恋愛もので、2章はある事件以降のどろどろとした人間ドラマになっています。

まず1章をプレイして思ったこと。
「これだけでじゅーぶんゲームとして成り立っているのでわ」(笑)

主人公と慎二、そして水月の仲良し3人組がメインで話が進み、そこに水月の
親友である遙が現れ、主人公に告白して付き合うようになり、いろいろとあって
主人公と遙は本当に愛し合うようになる…という、学園恋愛物の王道を行くような
ストーリー。主人公と遙が正式に付き合うようになった所でエンディングに入っても
文句が出ないような立派な内容になってます。


話の内容は基本的に明るく楽しいほのぼのドラマ。たまーにシリアスなシーンも
ありますが、すぐに解決されて明るくなるので安心してプレイできます。

ギャグやパロディも至る所に散りばめられていて、なかなかいい感じです。

健康戦隊トレッキング5(笑)
# 看護婦戦隊クリニックVとか言ってる私に笑う権利は全くない(^^;

銀河微風フウライボー(笑)
# ホントにありそうでヤだ(笑)
##主題歌は山本正之さんで(笑)

一億万回死んだ犬…栗と倉…(^^;
# 絵本までパクりだ…(笑)

「完全コックピット視点て、結構ハズレ多くない? バトル・テッカとか」
「プレスタに優れた2Dシューティングがあるかね? 慎二君?」
…いいのでしょうか、このネタは(^^;
# 名古屋打ち(笑)

プールに行ったときの演出・ナレーション、さいこー(笑)
「鳴海さん……目がすごくイヤらしかったです」(笑)
# 遙伝説のデフォルメ絵がすげーらぶりー(笑)


そして、いろいろあったけど付き合うようになった主人公と遙。
見ていて微笑ましくなるようなラブラブぶりはとっても良かったです。
遙、いい娘すぎ(T_T)

4人の友情も、すごくいいですね〜。
「オレたち、ひょっとしてすげーはずかしい青春してない?」…その通り(笑)
でも、それが出来るっていうのは素晴らしいことですよね。

友達を大切に出来ない人は、誰も大切に出来ない。
友達を大切にされたことを喜べない人は、何も喜べない。
…うーん、いい言葉ですね。友情をメインにしたこの1章を表しているかの
ような言葉です。
# 「男に必要な物は学歴や地位じゃないよ。頑張ろうという向上心と、
#  目標を見定める目だ。全てはその結果に過ぎない」…くぅ〜。


ちなみにこの1章だけで4時間ぐらいかかりました(^^;
ボリューム的にも充分ゲーム1本分の内容ですね。
# これが体験版として配布されたというからびっくりだ(^^;

ただ、このゲームではこの1章はあくまでプロローグ。
1度ゲームをクリアすると2章から始められるようになるところを見ると、どうも
1章はエンディングには影響なさそうですね。
…過去最大級に長いプロローグですね…(^^;

まあ、選択肢によって見られるCGが違ったりしますから、2回ぐらいはプレイ
する必要はあるかも知れませんけど。
# って、違うの1箇所だけか(^^;


そして遙とラブラブの絶頂の中、突如訪れる衝撃的な事件。
その後オープニングアニメーションが流れるのですが…はっきり言って
頭の中真っ白で、アニメーションなんか見てられませんでした…。

歌は格好いいですし、絵もシンクロしていていい感じだと思うんですけど、
とても評価なんて出来る状態じゃありません…。
# 800x600のサイズでアニメーションしていたような気もします。凄い。

なんか、久しぶりにゲームプレイしていて思考停止しました。
いや、エンディング直前に落ちて思考停止したことはありましたけど(笑)、
そーいうレベルでなく、シナリオ自体で息を呑んだのは久しぶりかも。


そして2章。…いきなりそんな展開ですか(^^;
つーか、なんでそーいうことになってるデスか(^^;

あのー、1章のあの終わり方からいきなりのこの展開は着いていけないん
ですけど…。もうちょっと気持ちの切り替えをする時間が欲しかったです…。
# もしかして、体験版をプレイすることを前提にされてますか!?(^^;

で、この2章ですが、内容について触れるとそれだけでネタバレになって
しまいかねないので(^^;、さらっと流します。

内容的には、どろどろダークな人間ドラマ。めっちゃくちゃシリアスです。
ただ、主人公のバイト先のレストラン「すかいふんぷる」での話はほとんど
ギャグですけど(^^;
# 2章唯一のオアシスですね(^^;

「大丈夫ですか? このような場所で死なれると私としては迷惑なので、
できたら起きてください」(笑)
# 優しさの欠片も見えない励ましありがとうございます(笑)

「………熱いです。火傷、確実です」…店長、いい味だしすぎ(^^;
「洒落になってないので、ちょっと姿をくらまします」…そうしてください(笑)
# 「たぶん数分後には立派な水脹れができてます」(笑)


ただ、このバイト先でのシーンは随時挿入されるのですが、シリアスな
シーンが続いている中で突然このバイト先のシーンになると、一気に
醒めてしまうのでそのあたりはちょっと考えて欲しかったですね。

まあ、あんまりシリアスの連続だとプレイヤーも疲れますし、それ以上に
主人公が壊れる(笑)という配慮なのかも知れませんけど…。
でもやっぱり、シリアスなシーンはずっと続けて欲しいです。特に後半の
盛り上がってきたあたりからは。


そんなこんなで話は進み、ストーリーは二転三転してもはや泥沼に(^^;

………修羅場ってる時にいきなり過去の話を出すのもどうかと…。
しかも、平和な日常の話を。
はっきり言って、これは感情移入の阻害以外の何物でもなかったです。
バイト先のシーンでもそうですが、盛り上がってるときはそのまま一気に
突っ走って欲しいんですけどねぇ。一段落させるにも、もう少し方法が
あるような気がするのですが…。
# メリハリと言ってしまえばそれまでですけど、それにしても…。


そして、くらーいおもーい雰囲気のまま、しんみりとしたエンディングに。
いったいどうなることかと思いましたが、最後はまあ上手くまとまったのかな?
でも、とてもハッピーエンドとは呼べない気がしますけど…(^^;


このゲーム、水月への感情移入度が鍵ですね。
2章に入る前に、どれだけ水月に心惹かれているか、2章に入ったときに、
どれだけ水月を大事に思っているか。

残念ながら私はそーんなに水月への思い入れがなかったために、二者択一を
迫られたときでもあまり迷ったりしませんでした。
# というか、あっさり「じゃ、水月。そーいうことで」って感じ(笑)

確かに水月も可愛いですし、好きではあるんですけど、それは友達としての
好きって感じかな。

2章に入る前に、どういう経緯でそうなったのかをもっと描いてくれていれば、
気持ちも変わったかも知れないんですけどねぇ。
というか、やっぱり2章の冒頭はちょっと唐突すぎでしょ(^^;
あれで感情移入しろって方が難しいような気がします…。

ということで、ラストはちょっとほろっと来ましたが、それ以外では特に
泣くようなこともなく、私自身は板挟みになって苦しむようなことも
なかったので、それほどイタさも感じませんでした(^^;

ただ、逆に水月シナリオでは、罪悪感いっぱいでした。
というか、あまりにも切なくて、とてもハッピーな気持ちにはなれませんでした。
# それ以外のキャラの場合、水月とかはあっさりなかったことにしますしね(^^;

はっきり言って私、意識してプレイしていないと、何度プレイしても特定の
エンディングにしか辿り着かないと思います。
そのエンディング以外を見るときは、もはや作業でした。感情移入も何も
ありません。そんな状態でなかなかゲームを楽しむ、ストーリーを楽しむ
ことって出来ませんよ。まあ、元々このゲームはあまり「楽しむ」という
表現が似つかわしくない作品ではありますが…。


それと、このゲームは「多重恋愛アドベンチャー」ということで、私はてっきり
主人公と慎二と水月と遥のどろどろ四角関係とか、そーいうのを思い描いて
いたのですが、実際は単に主人公があっちふらふらこっちふらふらするだけの
浮気ストーリーでした(^^; これのどこが多重恋愛?(^^;
# まあ、たまに慎二が活躍しますけど(笑)


ゲーム期間は約1ヶ月+1ヶ月。

ワンプレイはごっつ長め(笑)
1章が4時間程度で、2章が8〜10時間ぐらいでしょうか(^^;
1度クリアすれば2章から始められるようにはなるのですが、それでも
じゅーぶん長いです(^^;
メッセージスキップなしでコンプリートなんてしようと思ったら、一体
どれだけの時間がかかることやら(^^;
メッセージスキップを使っても、個別シナリオに入ってからがまた長いので(^^;
30時間ぐらいはかかったような気がします…。
# 最後、選択肢がなくなってから2時間とかザラでしたからね(^^;


お奨め度ですが、めっちゃくちゃ難しいです(^^;
はっきり言って、楽しめるというゲームではありません。ただひたすら悩み、
苦しむゲームです(^^;
# 1章はほのぼのラブコメって感じですけど。

なので、どろどろした人間ドラマが好きな人にはお奨め、という感じでしょうか。
人生を見つめ直したいとき、人間の本性を見たいとき、落ち込みたいとき(笑)、
そーいう時にプレイしてみるのがいいかも。
ハッピーでハイな時にプレイしても、ブルーになること請け合い(笑)
逆に、失意のどん底でプレイしたら、もう生きていくのが嫌になるかも(^^;
そのぐらい、重いゲームです。

軽い気持ちでプレイするには全く向きません。プレイ時間も長いですしね。
なので、プレイするときはそれなりの覚悟が必要です(^^;


そして、このゲーム最大の難点はそのあまりにも長いプレイ時間でしょう。
まあ、プレイ時間10時間越えるようなゲームはそれなりにありますが、
このゲームはより一層長く感じます。

その理由としては、まず内容が重く、お世辞にもテンポよく進むと言えない
ことがあるでしょう。まあ、これはゲームの性質上仕方ないことですね。

もう1つの理由としては、ほぼ全てのキャラクターの話が同時に進むから
という点があると思います。例えば水月一直線に話を進めても、病院では
看護婦達の話が進みますし、バイト先ではウエイトレスの話が進みます。
各ヒロインの個別シナリオに入ればそれも少なくはなりますが、それでも
皆無ではありませんし、そこまでにかなりの時間がかかりますしね。

もう少し早い段階でシナリオを絞り込んで、不要なシーンは省くように
してくれれば、プレイ負荷は軽かったような気がするのですが…。

そして、シリアスなシーンのあちこちで挿入される過去の話なども、
どこかでまとめてやっておいてくれればプレイのテンポを崩される事も
ないので、そーんなに長くは感じなかったかも知れませんね。
# というか、2章に入ってすぐの段階でそのあたりの説明しておいてよ(^^;


あと、システム的なことについても1つ。おまけのエンディング確認で
いくつのエンディングを見たかを確認できるのはいいんですが、全部で
いくつエンディングがあるかとか、他にどんなエンディングがあるかを表示
してくれないと全く意味がないのでわ?(^^;
これでは見たエンディングの名前がわかるだけ…。


まあ、いろいろと書いてきましたが、だらだら長いことを除けばシナリオの
出来はなかなかいいですし、途中で余計なシーンが挟まれることを除けば
シナリオに引き込む力は充分にありますし、演出効果は秀逸ですし、
ここまで人間の弱い面・汚い面を真正面から描いた作品というのはなかなか
ないと思いますので、その点だけでも充分評価に値すると思います。

「面白い」と言える作品ではありませんけど、「凄い」作品であることは
間違いないでしょう。願わくば、もう少しプレイストレスを少なく…(^^;


最後に。慎二、いいヤツ過ぎ。
主人公が慎二だったら、もう少し話がかわったかもしれないんですけどねぇ。


ところで、どれが回収対象になったCGなんでしょうか?(^^;
私は全く気付きませんでした…。




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