青春18ラヂオ
ブランド名 Ark ジャンル AVG+タクティカルボードゲーム
発売日 2002.03.29 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(170x231x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 DISC1(インストールディスク) : 557.8MB、CD-DAなし
DISC 2(ゲームディスク) : 517.8MB、CD-DAなし
原画 わざきた シナリオ 田中元、おおやぎしんいちろぉ
音声 あり、弥月りん、MASAE、ふくみ、神田るか、日向ほづみ、KOUJI、寺島秀人、
大八木慎一郎、森木レオ、柊源太郎、双海翔、通りすがりの悲鳴少女
インタフェース キーボード不可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 オートセーブ+クイックセーブ1箇所 なし
おまけ memorial scene、BGM PLAYER
対象属性 青春、ボブカット、リボン、巨乳、青髪、ストレートロング、ヘアバンド、無口、クール、
赤髪、眼鏡っ娘、お団子頭、ツインテール、ボクっ娘、ロリ、お下げ、お兄ちゃん、
オーバーニーソックス
1プレイ時間 11〜13時間 お奨め度 4

レビュー
概要
ローカルラジオ局「青春18ララヂオ」で働く主人公。ある日、先輩から局の
ディレクターを任される。局で働く幼なじみ達と共に、ラジオ局を成長させる
ことが出来るのか。そして仲間達との関係は? という、正統派青春ゲームです。
システム
まずインストールですが、パッケージに「プロテクト」と書いてあるので
ドキドキしながらインストールしたのですが(私の環境は何故かプロテクト
誤爆率が異常に高いのです)、何の問題もなくインストール終了。
何の問題もなく起動。良かった良かった。

…プロテクト、ホントにかかってますか? てゆーか、フルインストールすると
CDなしでも起動できるんですが…。まあ、誤爆しないプロテクトなら歓迎です。

インタフェースはキーボード不可。メッセージ送りすらも。…ヤな感じです(^^;

未読・既読判別スキップあり、バックログあり。
…このゲームに未読・既読判別スキップが必要か、微妙な所ですが(^^;

描画はWindow・フルスクリーン両対応。…なのですが、私の環境では何故か
フルスクリーンに切り替えられません(^^;
Windowモードに出来ないならわかるのですが…。
動作の方はやや重め。なんか、メモリがりがり削っていってるんですけど(^^;

セーブ箇所はちょっと特殊。
アドベンチャーパートは各話の最後までプレイした後に自動的にセーブ
されるという仕組みで、能動的なセーブは存在しません。
…つまり、途中でやめちゃうと全部クリアされてしまうわけで…。
# 既読フラグは残っているようですけど。

ボードゲームパートはクイックセーブで1箇所のみセーブすることが出来ます。

この仕様はなかなかに辛いです。セーブポイントからセーブポイントまでは
1時間弱ぐらいの時間がかかりますので、その間一切セーブできず、途中で
やめると寂しいことになります。既読スキップで読んだところまで飛ばせば
いいのですが、スキップはお世辞にも高速と言えない代物で、該当個所まで
到達するにはかなりの時間がかかると思います。

システム的には選択肢決定型アドベンチャー+ボードゲーム。

アドベンチャーパートですが、選択肢のシステムが従来のアドベンチャー
ゲームとちょっと異なっています。
トピックコマンドと呼ばれるシステムが採用されており、会話の中で
特定の言葉をかけられる状態になった時、メッセージウインドウの上に
選択できる話題が表示されます。それを選択してメッセージを送れば、
そのセリフを言った後に会話が継続されます。この時何も選ばずそのまま
メッセージを送れば、そのシーンでは何も言わずに会話を続けることに
なります。これによってよりリアルな会話が楽しめる…ということなの
でしょうけど、これが出てくる場面は数えるほどしかなく、しかも大抵は
それっぽいコマンドを選択すればいいので、あーんまり効果があるとは
思えませんでした。気付かずスルーしてしまうとアレですが。

ボードゲームパートは、本気で説明すると凄まじい行数を喰うので軽く
説明すると、陣取りゲームです。自分の陣を広げていって、最終的に
クリア条件を満たしていれば先に進めるようになります。
…はい、全然意味不明ですね(^^; パッケージ裏にこのあたりの説明が
ちょこっと書かれていますので、そちらを参考にしてください(^^;

ちなみに、特殊カードを使うときに全体マップの移動が出来ないのは減点。
まあ一度「使用」を選択してマップを見た後で中止すればいいのですが…。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

柚木優。青春18ラヂオでは雑用。後にパーソナリティとなる。
胸、デカすぎ(笑)

三條綾乃。ラジオDJ。パーソナリティーとか、サウンドクルーとか、
そーいう言い方もあるらしい(笑)

香澄冬華。構成・脚本担当。無口でクール。

三條綾瀬。経理・渉外などの庶務担当。綾乃の双子の妹。
引っ込み思案で他人との距離を取りたがる。

新田まりも。雑用。DJをやっているお兄の手伝い担当。

新田杏一郎。ラジオDJ。まりもの兄。

眞嶋幸介。音声・機械回り担当。熱血漢。てゆーか暑苦しい(^^;

財前秀駿。プロデューサー。嫌な奴(笑)


絵は個性的で、キャラクターの魅力が非常に良く出ていると思います。
全て同じ人が描いたとは思えない、非常に個性的で描き分けのきっちり
出来たキャラクターですね。

塗りも丁寧だと思いますし、金魚鉢への写り込みとか、細かいところにも
凝っていて、なかなか好感が持てます。

会話の時は目パチ・口パクありで、表情もころころ変わるので、キャラが
活き活きしています。

誰がなんと言おうと綾瀬萌え。ここにまりもも萌えなんていうと、人格を
疑われること請け合いな気がしますが、萌えなものは仕方がない(^^;


音声はややキャラから浮いているような印象を受けますね。
音声のボリュームがバラバラなのもマイナス。てゆーか、幸介、うるさい(^^;
香澄の声はなんかノイズ入ってるように聞こえますし…。

そして演技の方ですが、これもちょっといまいち。
優が素人っぽいのは雰囲気出ているのかも知れませんが、綾乃や杏一郎は
もう少し頑張って欲しかったかも。


音楽の方はのどかな田舎の雰囲気を醸し出す落ち着いた静かな曲が多く、
あまり印象には残りませんでした。まあ、雰囲気は出ていたかと。


ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はなしで、ほのぼのとした曲のみ。
絵の方は、キャラクター紹介からシーン紹介、それ以外にも結構凝った
演出がされていて、なかなかいい感じ。


エンディングも歌はなしで、凄い勢いでスタッフロールが流れます。
…とてもメモ取れないんスけど…(^^;
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は。ラジオ局を任された主人公が、仲間達と協力してなんとか
放送を続けていく。そんな中で仲間達との間にもいろいろな事が起こり、
それを乗り越えてより結束を深める…という、バリバリ正統派の青春
ストーリーになっています。努力・友情・そして愛って感じです(笑)

舞台はローカルラジオ局とその周辺という限られた範囲で、出てくるキャラも
ほとんどが幼なじみということで、出会いなどのイベントはなく、今の関係を
どのように変えていくか、がメインになっています。


ゲームは全15話で構成されていて、各章の終わりにしかセーブ出来ない
(されない)ので注意が必要です。

で、シナリオですが…飛び飛びすぎ。話繋がらない。
ゲーム期間は3ヶ月で、イベントが起こるところのみを抽出してプレイする
ようなスタイルになっているわけですが、突然何の前フリもなく事件が
起こっていたり、その話がきっちりまとまるまでに次のイベントに移って
しまったりと、かなりちぐはぐで中途半端な印象を受けました。
イベント1つ1つをきっちり最後まで描ききっていないというか。

そんな状態なのに、父親からのメールは毎日きっちり描かれるというのは
いかがなものか。いったいこれに何の意味があったのでしょうか?
正直、かなりウザかったです…。

そして、展開を急ぎすぎな印象も受けました。
突然新たな設定が出てきたと思ったら、イベント1つで解決してしまったり、
いろんなイベントを詰め込んだ弊害か、1つ1つのイベントが非常に性急な
印象を受けます。

さらに、Hしても次の話では何事もなかったように進んだり、ちょっと
淡泊に感じます。Hしてもしなくても展開変わらないというのは…。
Hへの導入もかなり唐突ですしね。てゆーか、いつの間に!? って感じ。
幼なじみの女の子達を、そんなにほいほいとっかえひっかえ出来るか?(^^;

で、そのHシーンですけど、いくらなんでも最後引っ張りすぎ(笑)
終わるのかと思ってから、延々と引っ張る様は壮観です(^^;
# 我慢、しすぎです(笑)

あと、一部選択肢の出ている場面(てゆーか、綾瀬のイベントですが)で、
選択の内容によっては全然話が繋がらなかったり。家で何があったのさ(^^;
後からそれっぽい説明はありますけどね…。
# それに、「ゴネンね」って(^^;


とりあえず、「なんか話飛び飛びだなー」と思いつつも、サクサクとプレイ。
14話のラスト、今まさにボードゲームに入ろうとする時に衝撃のメッセージが。
「アプリケーション実行中に原因不明のエラーが発生しました」…(^^;
しかも、これからボードゲームに入ろうってその瞬間に…。
そう、つまり、セーブできてないんだよぉぉぉぉぉ(T_T)
幸い、既読スキップは効いていたので、その章の最初からやり直したさ…。


そんな(ゲーム中のキャラクターには何ら関係のない)苦難を乗り越えつつも
なんとかエンディング。…15章に入ったあたりから、「ちょっとヤバいかもー」
とは思っていたのですが、予想通り、結局何が言いたかったのかわからない、
結論がどうなったのかもわからないステキなエンディング(^^;
え? それで終わりなの? って感じです。その後もう1つイベントがあって、
それでハッピーエンドじゃないんですか?(^^;

ということで、プレイ後の爽快感がなかったです(^^;
最後までぼかさなくてもいいのに…。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は上述の通り3ヶ月。ただし、1日ずつプレイするわけではなく、
イベントがある日のみピックアップしてプレイするという感じ。ゲーム中でも
特に日付を意識するようなことはありません。

ワンプレイは11〜13時間。ボードゲームをクリアするのにかかる時間でかなり
変わってくるとは思いますけど。
結構長めですが、基本的に1本道の話なので1回クリアすれば終わりです。
1回のプレイでほぼ全てのイベントを見ることが出来るため、全体的な
ボリュームとしてはそんなに大きくはないかと思います。

難易度はアドベンチャーパートは低め、ボードゲームパートもコツさえ掴んで
しまえばそれほど難しくはないでしょう。最後の方はちょっと鬼畜いけど(^^;
運の要素もありますからねぇ…。

ただ、アドベンチャーパートのトピックコマンドですが、これの選択を1つ
間違えるとイベントが見られなくなったりしますので、コンプリートするのは
ちょっとだけ難しいかも知れません。特に、何も選択しないことで見られる
イベントもありますので、それに気付かないとちょっと苦労するかも。

ちなみに、一度その章をクリアすれば次からその章は選択肢の直前から
始めることが可能になりますので、後からゆっくりイベント回収が可能です。
総評
お奨め度ですが…ボードゲームが好きな人にはお奨め。
ボードゲームは結構ハマるかも。

で、それ以外の人には…難しいところですね。
確かに「青春」という雰囲気はよく出ていますし、みんなで協力して放送を
作り上げているという感じも良く出ているのですが、いかんせんシナリオが
飛び飛びで、突然設定が出てきたかと思えばロクに解決もしないまま次に
進んでしまったりと、非常に消化不良な印象が強いです。

音声の方も、録音レベルや演技の面で問題ありますし、システムもセーブが
自由に出来ない、突然落ちる(私だけ?)など問題がありますので、積極的に
お奨めするのは難しい状態です。
最低1時間はまとまった時間がないと、プレイすることも出来ないという
状態ですからね…。せめてセーブぐらいはさせて欲しかった…。

ただ、キャラクターは非常に個性的に描かれていますので、キャラクター
重視の人であればお奨めできるかも。なかなかいい味出してます。

あと、ボードゲームが苦手な人とか、ウザいと思う人は避けましょう。
これは楽しめないとストーリーの流れを止めるだけの邪魔な存在になって
しまいますので(^^;


キャラクターは個性的ですし、青春という雰囲気は良く出ている。
コンセプトはなかなかいいと思いますし、ボードゲームも面白い。
もう少しユーザのことを考えたシステムにして、各シナリオをきっちり
描ききれば、かなりいい作品になったと思えるだけに勿体ないです。
作り手の自己満足でなく、プレイする人の事を考えて作って欲しいな、
という印象を強く受けました。


ところでこの話、季節的には春じゃないんですか? なんかみんな、半袖や
ノースリーブなんですが(^^; しかも、泳いだりしてるし…。
# でも、「まだ寒いだろっ」って言ってる(笑)


最後に。財前、結局お前は何者なんだ(^^;



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