バイナリィ・ポット
ブランド名 オーガスト ジャンル ネットカフェウェイトレスADV
発売日 2002.02.22 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x230x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 インストールディスク : 614.1MB、CD-DAなし
データ・おまけディスク : 176.3MB、CD-DAなし
オリジナルサウンドトラック : CD-DA=474.4MB、CD-DA20トラック
原画 べっかんこう シナリオ 榊原拓
音声 女性キャラフルボイス、
鳥居花音、日向裕羅、春野日和、小鳥田麗子、上下容子、春日アン
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ CG Mode、Memories、Sound Mode、Omake
対象属性 幼馴染み、ウェイトレス、ポニーテール、リボン、オーバーニーソックス、黒髪、
ボブカット、ツインテール、眼鏡っ娘、ピンク髪、ストレートロング、お兄ちゃん、
ご主人様、ロリ、ショートパンツ、赤髪、青髪、ショートカット、ストッキング、
凌辱、触手、ウェディングドレス
1プレイ時間 4〜5時間 お奨め度 6

レビュー
概要
コーヒー好きの父親と、PCマニアの母親のおかげで、家の1階がネットカフェに
なっている主人公の自宅。しかし当の両親は興した事業が当たったときに、南の
シマに高飛びしてしまった。そして主人公はネットカフェ「バイナリィ・ポット」
の店長を押しつけられてしまう。昼はアルバイトの女の子達とネットカフェの経営、
夜はネット世界「ワールド」での冒険を行う主人公。そんな中で、女の子達と
主人公の関係はどうなっていくのか…という、現実世界とネット世界の2つの
世界を舞台に繰り広げられるアドベンチャーゲーム。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読/未読判別メッセージスキップ、メッセージバックログ搭載。
バックログの操作はややトリッキーな気もしますけど(^^;

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600。
動作の方はやや重め。描画がマシンパワーに依存しているようですね。

セーブ箇所は80箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
数としては充分でしょう。それほどセーブ/ロードが必要なゲームとも思え
ませんし、そもそも選択肢の数はそれほど多くありませんので。
選択肢全てでセーブしても足りるかも(^^;

ベースシステムはNScripterのようですね。必要最低限の機能は搭載している
と思います。やや重めなのが玉に瑕ですけどね…。

システム的にはマップ移動場所選択型&選択肢決定型のアドベンチャー。
移動場所には誰がいるのか表示されており、いる場所は常に固定ですから、
移動場所選択と言うより会いに行くキャラ選択と言った方がよいかも。
悩むことはまずないでしょう。お目当ての子の所にLet's go!です。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

羽根井優希。主人公の幼馴染みで従兄妹。明るく前向きな女の子。
店では主にコーヒー関係の仕事を担当。パソコンはてんでダメ。

諏訪奈都子。バイナリィ・ポットで働く女の子。主人公の後輩。
店では調理をメインに担当。やや引っ込み思案で接客は苦手。

川中島里美。新しくバイナリィ・ポットで働くことになった女の子。
奈都子の親友。甘党の過激派(笑)
# 小麦粉と砂糖の量が、全く逆の疑いのあるスコーン(笑)

吉野香澄。バイナリィ・ポットが開店したときからのスタッフで、
店長代理を務めることもある女性。店では事務関係と機械周り担当。
眼鏡っ娘なおねーさん。

小津千歳。バイナリィ・ポットのお客さん。
朝から晩までネットに繋ぎっぱなしという、非常に身体に悪そうな
生活を送る(笑)
店への1日の支払額はどのぐらいかとても気になります(笑)
コーヒーを冒涜した飲み方をする(笑)

ミリィ。ネットワークゲーム世界『ワールド』の仮想キャラ。
主人公とパーティーを組んで行動する。

カーマイン。ワールド内に登場するキャラ。
特A級のハッカーで、恐るべき技術力を誇る。人格に問題あり(笑)

ミキ。ワールド内に登場するキャラ。
ワールドを統括するエナジーワークス社のデバッグ室に勤める
フリーのデバッガ。カーマインに敵意を燃やす。


絵の方は非常に可愛くていいですね〜。ただ、あまりに可愛すぎて萌えられ
ません(笑) というか、1人を選ぶのは無理(爆)

会話時のメッセージウインドウ横に出る顔絵も感情に合わせてころころと
変わるので見ていて楽しいですね。
ただ、表情絵は変わっても立ち絵に変化がないのは寂しいけど…。

移動場所選択時に表示されるちびキャラも可愛くてGOOD。
カーソルを合わせた時に変化する絵もらぶり〜。

ということで、ビジュアル的にはほぼ満足。
でも、何故か特定の萌えキャラは見つかりませんでした(^^;
中では里美がけっこー好きかな?
「今夜は寝かせませんよ〜」…ミリィ萌え(爆)
# 「お兄ちゃん、だい好きっ」…ぐはっ(撃沈)


音声の方は、基本的に可愛い系の声の人を集めている感じですね。
絵柄も可愛い系なので合っているとは思うのですが、言ってしまえば似た
ような声の人ばかり集まっている状態なので、キャラクターに幅がない
ような気もします。
まあ、萌え系の作品だと思いますのでこれはこれはありかな。

演技の面では全く問題なし。ネタバレになるので問題のないところを例に
挙げて詳しく言えないのが辛いところです(^^;


音楽の方は現実世界ですほのぼのとした曲が多く、ネット世界では緊迫
した音楽が多かったような。まあ、それぞれの世界を上手く表現している
とは思います。ただ、あまり印象には残りませんでした。


オープニングはスタートメニューから見ることが出来ます。
…何故本編で見せてくれないのでしょうか(^^;

歌の方はポップな感じで作品に合っている…のですが、どうせだったらもっと
可愛い声の人に歌って貰っても良かったのでわ。

絵の方は基本的にキャラクター紹介と、あとは本編中の絵の切り張り。
もう少し工夫が欲しかったかも。


エンディングの歌は格好いい系のアップテンポな歌で、なんか途中にセリフが
入ったりもしているのですか…果たして作品に合っているのかどうか…。
まあ、ネット世界の方の雰囲気には合ってる…のかな?
ラストシーンからのつなぎで考えるとどうかと思うけど(^^;
# 爽やかに終わってこの歌はねぇ…。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、現実世界ではネットカフェ「バイナリィ・ポット」を女の子達と
一緒に経営していき、夜はネットゲーム世界「ワールド」で仲間達と一緒に
いろんな事件を解決するという、2つの世界での話が平行して進みます。

現実世界は基本的にちょっとコメディタッチのほのぼのとした展開。
随所にギャグも織り交ぜられていて、プレイしやすいです。
# ロッカーに液晶テレビとかマイ調味料とか漫画100冊とかトゲ付きの革ジャン
# とか入れてるような娘っていったい…(^^;

ネット世界の方は、コミカルな部分も多いのですが、事件を解決するという
関係上、そういうシーンでは緊迫感溢れる展開になります。

ギルドの親父がいい味だしてますが。
# まったりとしていてそれでいてしつこいカクテル…嫌かも(^^;

そして、物語後半ではネット世界での出来事が現実世界にも影響を及ぼし、
それを解決するために行動を始める…という展開になるのですが…逆に言えば、
後半になるまでは2つの世界は完全に独立しています。

しかも、ネット世界パートは全キャラほぼ共通で、最後の方が若干違うのみ。
つまり、1度クリアしてしまえばあとは全部スキップ出来てしまうというのは
いかがなものか。せめてもう少しバリエーションが欲しかったです…。

さらに言うと、このゲームはキャラクターが2人1組でシナリオが構成されて
います。つまり、対になっている2人のキャラクターは同じシナリオが展開
され、途中の選択(というか、誰に会うか)によって、エンディングが変わる、
という仕掛けになっています。

つまり、ヒロインは5人ですからシナリオは3本。
…そこ。「ヒロインの数、奇数じゃねーか」とか突っ込むのは却下。
ちゃんと辻褄は合うようになってます。てゆーか、エンディングは7つです。

…しまった。エンディングの数も奇数だよ…(笑)
ほら、そこで「は、ハーレムエンドですか!?」とか思った人。
やるゲーム間違ってます(笑)
# CGモードを見ればバレバレですけどね…。

…えー、ようするに、ネット世界のシナリオは全キャラほぼ共通なうえに、
シナリオ自体も2人1組みなので、全体的なボリュームはかなり落ちてます。
ちょっと物足りないかも。


あと、システム的な部分でも若干気になる点がありますね。
誤字がやや目立ちますし、表示されているメッセージとセリフが違ったりする
こともたまにありました「ログイン」と「ログオン」とか。
あと、雨に降られたのは里美なのに、奈都子を風呂に入れたりとか…。
音声の再生関係でも、たまにBGMが不安定になったり音声が再生されなく
なったりと、若干問題があるような気がします。
このあたりは、きっちり修正してから発売して欲しかったですね。


さらに、てっきり萌え系の作品だと思っていたので、ネット世界のハードさに
ちょっと引いていたところに、追い打ちをかけるようにダークな展開が…。
私はこのゲームにこんな展開は求めていない!(T_T)
結構お気に入りのキャラだっただけに、かなりキツかったです…。

まあ、ラストは爽やかに終わってくれるのでまだ良かったですが…。
ただ、キツい展開のあるキャラのうち、1人はそのキツい展開をなかったかの
ように話が進んでいくのはちょっと(^^; なんか拍子抜けしました…。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は3月17日から30日までの2週間。

ワンプレイは4〜5時間。ただし、1度クリアするとネット世界の部分は殆ど
共通になっているのでスキップを使えば飛ばせます。それを考慮すると、
ワンプレイは1〜2時間ぐらいまで短縮可能です。

難易度は基本的には低め。狙ったキャラに逢い続けていれば、クリアするのは
簡単だと思います。ただ、あるエンディングを見るのは難しいかも。
というか、最初はその存在に気付きませんでした…。
# ものすごくさりげなーく選択肢増えてるんですね(^^;
総評
お奨め度ですが…実は結構難しかったり(^^;
ほのぼの萌え系純愛好きの人にお奨めしたいところなんですが、途中でやや
キツいシーンが入っていたりするので、耐性のない人には辛いかも。
まあ、ダークなシーンのうち1つは回避も出来ますし、それほど描写も強烈と
いうわけでもないと思うんですけど、こういう作品に出てくると、ね。

ネット世界は基本的にややハードな世界なので、そーいうのが好きな人に
お奨めしようにも、ネット世界パートは全キャラほぼ共通なので1度クリア
してしまったらおしまいで、物足りないでしょうし…。

今ひとつ、作品の方向性が中途半端な気がしますね。
もう少しどちらかに絞った方が良かったのではないでしょうか。
というか、この作品に萌え以外の物を期待して買う人がいるとはあまり
思えないのですが…。

そういう意味では、ダークな要素は排除して、徹底的に萌えを極めて欲し
かった気がしますね。

まあ、ひとつ言えることは、「絵が気に入ったなら買い」ってことで(笑)
ただし、絵の枚数はやや少な目ですけどね…。


ちなみに、あるエンディングを見るとタイトル絵が変わって、おまけの
ショートストーリーが見られるようになるのですが…このショートストーリーが
なんかいいです。バカで(笑)


最後に。これはもしかしたら聞いてはいけないことなのかも知れません
けど………千歳って、何歳?(爆)



ロビーに戻る  レビュートップに戻る