innocent world
ブランド名 Dress ジャンル 純愛系AVG
発売日 2002.12.20 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(163x237x36mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 Install Disc : 528.9MB、CD-DAなし
Game Disc : 36.0MB+CD-DA=492.5MB、CD-DA22トラック
原画 F.L.A.T、白黒ひつじ シナリオ 神代いづみ
音声 女の子のみフルボイス、
田中美智、櫻レオナ、紬叶慧、もっち、イズミ、武島あや、秋月桃子
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 28箇所 あり(1曲、OP)
おまけ CG world、HCG world、Music
対象属性 純愛、異世界、ファンタジー、黒髪、ボブカット、義妹、お兄ちゃん、ストレートロング、
メイド、エプロンドレス、ショートカット、赤髪、ロリ、青髪、猫耳、尻尾、肉球、リボン、
巫女服、紫髪、妖精、羽根、お下げ、ヘアバンド、ウエディングドレス、ボクっ娘、
オーバーニーソックス、ショタ
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 6

レビュー
概要
久しぶりに義妹と再会した主人公は、アンティークショップに立ち寄る。
そこで見付けたペンダントを手にすると、異世界に迷い込んでしまう。
異世界で様々な想いや悩みを持つ少女達に出逢い、現実世界でも同じように
思い悩む少女達に出逢う。2つの世界を行き来して、少女達と触れ合ううち、
主人公は少女達に惹かれていく……という、異世界純愛アドベンチャー。
システム
インタフェースはマウスカーソルのキーボードエミュレーションによる
フルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード完備。
バックログはマウスのホイール機能にも割り当てられており、音声の
再生にも対応しています。
スキップ動作はやや遅め。CGの切り替わりの度に引っかかります。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方は比較的軽快。
ただし、画面の書き換えは若干重いので、上記の通りスキップではちょっと
引っかかる感じになってしまっています。

セーブ箇所は28箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブはセーブした日時とゲーム内日付だけのシンプルな物で、やや不便。
数はゲームの難易度を考えるとやや少な目でしょうか。
選択肢の数も結構多いので、もう少し欲しいところですね。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

有泉明日香。(CV:田中美智)
主人公の義妹。昔は引っ込み思案で泣き虫だったが、今は明るく元気な
いい娘に成長している。

ナオ。(CV:櫻レオナ)
異世界の城で働くメイド。メイドの仕事は完璧にこなし、非常に頭も良く
身体能力も高い、完璧な女性。でも、可愛い物マニア(笑)
# 「え〜い、にくきゅう♪」(笑)

杉本千影。(CV:紬叶慧)
自殺願望少女。無口で感情表現に乏しく、人を信じない。
# 「にゃ〜お」……可愛すぎ(T_T)

アカネ。(CV:もっち)
異世界の住人である猫娘。いつも明るく元気で力持ち。
自分の思ったことに正直で、考えついたらすぐに行動する直情型。
酒癖悪し(笑)

ユキ。(CV:武島あや)
人見知りで臆病な妖精。いつも陰に隠れている。
魔法を使うことが出来、動物と会話することも出来る。とても心優しい娘。

麻倉明。(CV:イズミ)
異世界で出逢った明るく楽しいおねーさん。現実世界の住人で、現実
世界では様々な悩みを抱えた全く雰囲気の違う女性。


絵の方は非常に可愛らしい……のですが、シーン毎のクオリティがバラバラ。
別人に見えるぐらい崩れていたり、線の処理が非常に粗かったり、塗りが
雑に見えたり、もう少し丁寧さが欲しかったですね。
これが顕著なのが立ち絵。キャラによって、また絵によってもかなり差が
あるのですが、「これはちょっといくらなんでも」と思えるぐらい粗い処理の
絵があったりしてちょっと……。もう少し丁寧さが欲しいところです。
あと、立ち絵がシーンとちょっと合っていないこともありました。

キャラクターはみな非常に個性的……というか、突飛な設定のキャラが多く、
役割がはっきりしている感じですね。
明日香萌え。つーか、めちゃめちゃええ娘や(T_T)
ナオも千影もアカネも明もユキも、みんなとってもいい娘で可愛らしいん
ですけどね。みんな非常に活き活きしていて素敵です(^^)
# 叔父さんが何げに凄い格好いい☆
##明日香の母親、祥子さんもなかなかいい味だしてますね。

音声はキャラクターとのマッチングもほぼOK。ほとんど違和感を感じる
ことはありませんでした。アカネはちょっとうるさいなーと思うことも
ありましたが、そーいうキャラですしねー。
演技の方も特に問題なし。千影やユキの声は若干聞き取りづらい所も
ありましたが、これもそういうキャラですし。

音楽は基本的に静かで広がりのある包み込むような曲が多いですね。
非常にBGMらしいBGMなのですが、単体で聴いても結構クオリティが高く、
なかなか良かったです。ファンタジックな雰囲気を醸し出しています。

プロローグが終わるとオープニングアニメーションが流れます。
歌は非常に綺麗な旋律に澄んだ歌声の歌で、聴き惚れてしまいます。
ただ、折角これだけ綺麗なメロディーラインを持った曲なんですから、
もう少しテンポを落として聴かせるような感じにしても良かったのでは。
ちょっと急ぎすぎかなー、と言う気がしてしまいました。
絵の方は静止画を使用したキャラクター紹介と、ゲーム中の画面の
切り張りで特に目新しいところはありませんでした。
シナリオ・プレイ感
ゲームは1年ぶりに義妹と逢うところから始まります。
そして2人でアンティークショップに入り、そこで見付けたペンダントを手に
取った瞬間主人公は異世界に飛ばされ、そこで様々な人に出会う……
という展開になります。

前半は現実世界と異世界を行き来して、各キャラクター達と出会い、交流を
しつつ相手のことを知っていく……という感じ。
基本的にちょっとほのぼのとした雰囲気で淡々と進むような印象があります。

そして後半は、各ヒロインが抱えた問題を解決していって、めでたく結ばれる
という純愛物の王道な展開。
最後はちょっとほろっと出来るような展開で、心が温かくなるような終わり方で
後味もすっきり。安心してプレイできるという感じですね。
エンディングあたりの演出は私が最も好きな演出だったので、とても満足(^^)

前半部分の何気ないセリフが後半への伏線になっていたり、個別シナリオに
入っても対象となるキャラ以外のキャラがしっかり話に絡んで来ているあたりも
なかなかいいですね。非常に丁寧で上手く作られていると思います。
# 一部無かったことにされるキャラもいますけど(^^;

1つ気になったのは、異世界と実世界との関係ですね。
異世界に行ってるとき、実世界の身体はどうなってるのでしょうか?
同じように移動してるなら、いつか事故るぞ(^^;
# 明なんて知らない場所に出てきたらどうするんだ(^^;

あと、異世界での肉体的影響って、実世界にも出るのでしょうか?
ぶっちゃけ、異世界でヤっちゃったら実世界でもヤっちゃったことになるの
でしょうか(笑)

この点だけがちょっと気になりました。
ずっと異世界にとどまっていると、実世界ではどうなるんでしょうね。


Hシーンは純愛物ということを考えればまずまず。
殆どのキャラは2回用意されていますし、シチュエーションもバリエーション
豊かですので充分楽しめるかと思います。ボリュームもそこそこありますし。
ただ、純愛物ということで基本的には普通の行為ばかりですので、あまり
ハードなものはありません。どちらかというとHさよりも可愛らしさを感じる
Hシーンで、私は結構こういうのが好きだったりします(^^)
# 某キャラとのHシーンは漫才でしたけど(笑)
##「いきなり呼び捨てか」(笑)


テキストは読みやすくていいですね。誤字もほとんど見受けられませんでした。
人称も一貫してますし、丁寧に作られている感じがします。
プレイ時間・難易度
ゲームは10/9の水曜日から始まります。……9月末ぐらいに出ていればリアル
タイムプレイが可能だったんですかね(^^; ゲーム期間は3週間弱。

ワンプレイは5〜6時間。結構淡々と進むので、やや長く感じました。
前半は共通部分が多いので、既読スキップを使えば1〜2時間でクリア出来る
と思いますけど。

難易度はやや高め。このゲームはヒロインを2人1組で話を進めていく必要が
あるのですが、その組み合わせに気付かずバラバラの行動をしているとクリア
出来なくなってしまいます。まあ、プレイしていれば組み合わせは自然に解る
とは思いますけど……。
そして選択肢の方もなかなかシビア。結構数があり、必須の選択肢がいくつか
あるようで、その中の1つでも外すとクリアできなくなってしまいます。
もう少し選択肢の重みを分散するなり、ヒントを増やすなり、間違った時に
すぐわかるような展開を用意するなりしてくれればもう少しプレイはし易かった
のではないかなー、と思います。
特に1本非常に入り辛いシナリオがありますしね……。
総評
お奨め度ですが、2重世界純愛物が好きな人にお奨め。
実世界のキャラと異世界のキャラを上手く絡めて、主人公との関係が丁寧に
描かれていると思いますし、安心してプレイできるかと。

ちょっと異世界の人を好きになる葛藤などの描写は薄いので、もう少しその
あたりを丁寧に描いても良かったかな、という感じですが。まあ、それを差し
引いてもなかなか綺麗にまとまった話だったと思います。
共通シナリオが多いというのはやや難点かも知れませんが。

ただ、「異世界」の設定は作中では殆ど語られませんし、語られるところでも
非常に抽象的な説明だけですので、このなんだかよくわからない異世界を
受け入れられない人にはお奨めできません。
「そーいうものなんだ」と思えるおおらかな人(笑)でないと、若干違和感を
覚えてしまうかも知れません。そういう意味では、ちょっとプレイする人を
選ぶ内容かも知れないですね。
先に書きましたが、私も「異世界にいるときは実世界ではどーなってるの?」
という疑問は抱きましたし。
まあ、作中で語られたときに主人公もそのあまりの抽象的な説明に意味不明
状態に陥ってましたから、主人公とプレイヤーとシンクロ率としては高いと
思いますけど。

こんな感じでストーリーはやや好みが分かれるもののなかなかいいと思うの
ですが……大きな問題点が一つ。CGです。
既に述べてありますが、はっきり言ってCGのクオリティは低いです。
シーンによって別人のように見えたり絵がちょっと崩れているというのも
あるのですが、CGの処理が難あり。特に立ち絵はかなり気になりました。
イベントCGは綺麗なものはすっごい綺麗なんですけどねー。
ちょっとばらつきが大きすぎです。

あと、システム的な面で言えば、やや難易度が高いという点と、スキップの
動作が遅い点が問題でしょうか。難易度が高めで繰り返しプレイが必要で、
共通部分がかなり長いのもあってスキップは多用されるかと思うのですが、
このスキップがやや遅いというのはかなりのプレイストレスかと。

ということで、話としてはなかなか面白いんですけど、システムや絵がやや
足を引っ張っている勿体ない作品、という感じでしょうか。舞台が実世界と
異世界の2重世界ということでプレイする人を選ぶと思いますし。
でもまあ、設定や雰囲気が気に入った人であれば、充分楽しめるかと思い
ます。ただし、CGには目を瞑ってください(^^;
絵がもっと綺麗だったら、印象もだいぶ変わったと思うんですけどねぇ……。
# パッケージ絵のクオリティが保たれていれば、お奨め度は確実に1点加点。


最後に、黒猫のタンゴ(笑) ←古っ(^^;



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