ONE2 〜永遠の約束〜 | |||
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ブランド名 | Base Son | ジャンル | 恋愛デジタルノベル |
発売日 | 2002.04.26 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(166x220x32mm) | マニュアル | B6ブックタイプ |
DISC容量 | インストール・CD : 356.9MB、CD-DAなし ゲーム・CD : 19.8MB+CD-DA=536.3MB、CD-DA25トラック crimson : CD-DA=584.0MB、CD-DA15トラック |
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原画 | 片桐雛太、日陰影次 | シナリオ | 青山拓也 |
音声 | なし | ||
インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 30箇所 | 歌 | あり(1曲・OP) |
おまけ | 瞼裏の光景、追憶回想、優囁旋律 | ||
対象属性 | 学園物、純愛、緑髪、女教師、リボン、袴、エプロン、ウエイトレス、金髪、 ショートカット、ポニーテール、ボクっ娘、リボン、おにいちゃん、幼なじみ、 帽子、オーバーニーソックス、妹 |
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1プレイ時間 | 4〜5時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
俺――貴島和宏は夏休みの終わりに単身赴任中の父親の元に引っ越してきた。 訪れたことのない町、名前も知らなかった学校、誰ひとりとして知り合いの いないクラス。俺はそこで新しい生活を始める。初めてのことばかり。 だけど、ありふれたどこにでもある学校生活の中で、俺は思いもしなかった ことを経験することになる。 ――人を好きになり、そしてその相手を失うことを。 珍しくメーカのサイトから紹介を引用。どうしてそんなことをしたかと言うと、 この概要と「ONE2」というタイトルで、ゲームのほとんどを説明できるから です(笑) ストーリーの展開が予想できるよ……(^^; # いきなり「失うことを」まで言うのはどうだろう(^^; 本作は1998年にTacticsから発売された「ONE」の続編という形式をとって います。レビューでは出来る限り比較等は行わないようにはしていますが、 どうしても触れざるを得ない部分もありますのでご了承下さい。 レビュー中で「前作」という記述がある場合はこの「ONE」を指します。 |
システム |
ゲームを起動してメニューを選択して始めようとしたところ、突然エラー ダイアログが表示されて強制終了。どうやらCD-DAの再生に失敗している 模様。……修正ファイル、入れたんだけどな……。 何度か起動を繰り返せば正常に動いたんですが、1度だけOSまるごと固まっ たりして、ちょっとブルー。どういう再生方法(というか、認識方法)して いるんでしょうね……。一度正常に動いてしまえば、その後は問題なく 動いているんですけど。 インタフェースはフルキーボードサポート。ブラボー(^^) スキップはありますが、未読既読の判別はありません。 読み返し機能搭載。ただし読み返しは特定のポイントごとに履歴がクリアされる ようで、履歴がクリアされた直後に読み返しをしようとしても読み返しが出来ず、 ちょっと不便ですね。 さらに言うと、スキップも読み返しもメニューを開いてその中で選択せねばならず、 ちょっと使いづらいですね。 あと、テキストの表示方法が気になります。 メッセージ欄に収まる分を一気に表示するわけではなくて、その中でもいくつ かに分けて表示されるのですが、新しいメッセージが表示される場所が今まで 表示されていたメッセージの直後だったり次の行だったり不定なので、どこに 新しいメッセージが表示されたのかを探すことが多々ありました。 もう少しわかりやすくして欲しかったですね。 特に瞬間表示にした場合は先頭を探すのが大変です。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は比較的軽快。 セーブ箇所は30箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 選択肢の数はそれほど多くないですし、セーブ/ロードもさほどは必要ないと思い ますので数としてはまあ足りるでしょう。 システムは選択肢決定型のアドベンチャー。……というか、メッセージが画面の 半分まで表示されるビジュアルノベル、という感じですね。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 深月遙。主人公の副担任の先生。 担任のフリをして日本の現状を調べに来たスパイ(笑) 教え子でストレスを解消する(笑) 小菅奈穂。職員室の前で倒れていた女の子(笑) 執行部の仕事をやっている真面目でいい子。ほんのちょっと変わってる。 # ホンノチョットデスカ?(笑) 「未確認生命体とMJ12」「愛しいあの人もこれでイチコロ誘惑の暗黒魔術百科」 「道教から呪禁道、その移り変わり」などという本を読んでいる文学少女(笑) 望月綾芽。主人公のクラスメイト。無口で物静かな女の子。 香咲乃逢。明るくノリの良い元気な子。たまにあっちの世界に旅立つ(笑) 芹沢心音。通学路で出逢った女の子。主人公をつけ回し、挙げ句の果てには おにいちゃん呼ばわりまでする(笑) 貴島佳菜美。主人公の妹。電話でのみ登場(^^; 結構いいヤツ。 及川穣。クラスメイト。通学途中、道角でぶつかる。 遅刻しそうになって慌てて準備をして食パンを加えて走る。そして角で 誰かにぶつかり……「どうして男なんだ?」(笑) 絵の方はかなり個性的な絵ですね。目の描き方が特徴的です。 表情や角度によってかなり印象が違っていて、めちゃめちゃ可愛く見える絵が あるかと思えばすっごい怖く見える絵もあったり(^^; 例えば奈穂の立ち絵だと、正面から見た笑顔や驚いた表情は可愛く見えるん ですけど、横を向いた哀しそうな表情なんかはちょっと崩れて見えますね。 キャラクターはみんな個性的で、活き活きと描かれています。 心音萌え。ちなみに心音は最初のプレイでは出てこなくて、1度エンディングを 見た後で(奈穂エンドを見た後で?)ないと出てこないようです。 隠れキャラみたいなものなのかも知れませんが、まあ平然とマニュアルに出て きていますので紹介しちゃってもいいよね(^^; 音声はなし。ストーリー重視のノベルで、萌え萌えな展開やまくし立てるような ギャグがあるわけではありませんので、まあ別にいいかな、と。 音楽はシーンに合った曲が多く、曲単体の出来もかなりいいと思います。 ただ……どこかで聞いたことのあるフレーズが多いんですよね(^^; というか、ほとんど前作そのまんまの曲もあったりするんですけど……。 もう少しオリジナリティを出して欲しかったですね。どうしても似た曲が 出てくると前作のシーンが蘇ってきてしまいますので……。 ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。 絵は基本的に静止画のスクロールですが、ところどころに絶妙な効果が 入っていて、なかなか見応えがあります。 歌の方もどちらかというと渋めの格好いい系の歌ですが、映像とも相まって かなり魅力的です。 「わたしのこと おぼえててくれますか」 ……なんとなく某ゲームと被るんですけど(笑)、でもこの言葉を見た瞬間、 ちょっと鳥肌立ちましたね。 # きっと「わたしのこと、わすれてください」とか言うんだ(笑) エンディングは……え? 歌なしなの?(^^; |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームの方は、転校してきた主人公が、そこで出逢った人達と絆を深め ながらそれぞれの想いや悩みにぶつかり、そしてそれを解決していく という王道の学園恋愛物です。 前半は比較的コミカルな日常が描かれ、キャラクターの様々な面が魅力的に 表現されています。 「くそぅ、幼なじみが起こしに来てくれたらこんなことにはならないのに!」 引っ越し先で無茶を言う俺(笑) ……てゆーか、幼なじみだからと言って、 起こしに来てくれるとは限らないと思います(^^; 可愛い弁当箱に入っていた物は---漬け物、だった。それも一面を埋め尽く さんばかりの。「ばり渋いッス!!」(笑) ……どこが少女趣味やねん(^^; # 栄養のバランスは?(^^; つーか、塩分摂りすぎだろう(^^; 「そんなんじゃ森崎くんの足下にもおよばねぇぜ」とか「あはは、わたしを 殺しにいらっしゃい」とか、さりげなくパロディ要素も入ってますね。 そして後半は一転してどシリアスな展開。ヒロインが持つ想いや悩みが爆発し、 意外な展開を迎えます。……この意外な展開があまりも唐突で、しかも何の 説明もなしにやってくるので、はっきり言って着いていけません(^^; 私は前作をプレイしていますので「あー、たぶんこうなんだろーなー」という 予測は出来ますが、前作をプレイしていない人にはちんぷんかんぷんでは……。 はっきり言って、この展開は本当に必要だったのか? と思ってしまいます。 せっかく今までいい雰囲気で進んできたのに、突然謎の設定押しつけられて 突拍子もない展開になり、そしてうやむやのままにエンディングという、非常に 勿体ない終わり方になってしまったような気がします。 ラストもいまいち余韻の残らない終わり方ですね。もう少し盛り上げて欲し かったかも。 あと、誤字……というか、文字抜け(脱字)が結構目立ちますね。 「わしわしと犬の躰を撫でるだった。」とか、「あんなに明るけど……いろいろ あるんだな……」とか、「納得ているような」とか。 それに、掃除当番、E班かF班かどっちやねん!(笑) 小菅さんのいるE班に入ったはずなのに、何故F班の男子に引き連れられて いるんだ!(笑) 「解法の方法」というのも微妙な表現ですね(^^; 「微笑えんだ」という謎な表現もありますし(笑) オリエンタルな味と香りのおそばやさん(笑) てゆーか、いつの間にかうどんやさんになってる!?(^^; ……えー、突っ込み出したらキリがないのでやめときます(^^; 音声なしのテキストメインな作品ですから、このあたりはもう少し気を遣って 欲しかったですね。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は……不定。イベントのある所のみをプレイするようなタイプで、 たまに日付が意味を持つこともありますが、基本的には日付は意識する必要の ないゲームです。 ワンプレイは4〜5時間。音声なしですのでメッセージを読む速度でかなり影響 されるとは思いますが。 難易度は比較的簡単。常識的な選択肢を選んでいれば、まあ大丈夫でしょう。 ただ、一つ選択肢を間違えただけでバッドエンド直行になったり、狙った シナリオに入れなくなったりするのでちょっと注意かも。 まあ、大抵の選択肢はどれが正しいかわかりやすいですし、それほど問題 ないとは思いますけど。ただ、心音だけはちょっと引っかかるかも。 |
総評 |
お奨め度ですが、ちょっと切ない純愛系の話が好きな人にはお奨め。 ストーリーは非常に良く練られていて、登場人物の感情表現なども丁寧で、 会話も上手く組み立てられていて素晴らしいと思います。 ただしそれも中盤までで、終盤に突然突きつけられる設定がそれまでの 雰囲気をうち消してしまっている気がします。 折角今まで丁寧に描かれていたのに、そこでどうして? という気がして、 残念でなりません。おかげでラストがどうしても取って付けたように感じて しまい、今ひとつ感動できませんでした。 前作の設定に縛られてしまって、折角の持ち味が殺されてしまったような 感じで、非常に勿体ないです。 あと、主人公がどうも私の思ったとおりに動いてくれず、ちょっと感情移入が し辛い面もありました。まあこれは私だけの問題かも知れませんが。 そーんなにヘタレな主人公というわけではないんですけど、ちょっと余計な ことを考えすぎて臆病になっている、という気がします。 それと、細かいところで言えば、メッセージの表示方法にやや問題があったり、 メッセージスキップが既読/未読の判別をしてくれなかったり、誤字が目立つ といったところでしょうか。音声なしのシナリオ重視なノベルな訳ですから、 このあたりはもう少し気を遣って欲しかったです。 なかなかいい話だと思いますし、決してつまらなかったわけではありません。 でも、何かが足りない。こう、心に来る何かが。そんな作品です。 やっぱり前作の存在は大きいな、という印象ですね。 最後に。禁句かも知れませんが言わせて下さい。 ONEの続編である必要っていったい? 続編という形でなかったら、もっと面白かったような気がします……。 |