パラダイム・シフト 〜目醒めの時〜
ブランド名 Tail ジャンル AVG
発売日 2002.09.06 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(150x214x36mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 Install Disc : 562.8MB、CD-DAなし
Game Disc : 517.0MB、CD-DAなし、SafeDisc
原画 綾風柳晶 シナリオ 黒音晧
音声 女性キャラフルボイス、春瀬みき、かわしまりの、草柳順子、YUKI、吉川華生、歌織
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 30箇所 あり(1曲、OP)
おまけ Graphic、Music、Replay
対象属性 学園物、陵辱、触手、ツインテール、赤髪、ショートカット、緑髪、後輩、ナース服、
看護婦、黒髪、ストレートロング、リボン、先輩、白衣、ヘアバンド、眼鏡っ娘、
ボブカット、ショタ
1プレイ時間 約3時間 お奨め度 5

レビュー
概要
平凡な日常を送る主人公・鳳桐雄。しかしある日、謎の光に包まれたときに
変な夢を見、それ以来不思議な力を身につけてしまう。そして、同じく光に
包まれて不思議な力を手に入れた幼馴染みの松岡美鶴と、謎の上級生
桜庭紫と共に、解放されてしまった魔物(ミニスター)を浄化することになる。
主人公と魔物たちとの戦いが、今始まる……というアドベンチャーゲーム。
システム
まずインタフェースですが、私が普段使っているドライブではインストール
するときにメディアを認識すらしませんでした……。
いい加減、正規ユーザに誤爆を引き起こすプロテクトはやめませんか?
繰り返すこと20回。運良く認識したのでようやくインストール。
インストールさえしてしまえばディスクレスで起動できるようなので、誤爆の
心配もなくプレイできて良かった良かった。……ホント勘弁してください……。
# インストールするまでに4〜5回ほどOSごと叩き落とされました(T_T)

インタフェースはややキーボード操作可。
メッセージ送りや選択肢決定はキーボードで行えますが、セーブ箇所の選択や
タイトルメニューはキーボードでは操作出来ないっぽいですね。
もうひと頑張り欲しかったところです。
既読スキップ、バックログ搭載。
ただ、既読はルート毎に設定されているのか、ほとんど同じ文章で一部だけ
違うという場合でも、スキップが効かない場合もありました。
ただ、その違っている部分だけスキップ出来なくなるということもあったので、
既読フラグ管理にちょっと問題があるのかも知れませんが。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方は比較的軽快。

セーブ箇所は30箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
エンディングの数が結構あり、難易度もそこそこなのでもう少しあってもいい
かなー、という感じですね。まあ、足りなくはないかも知れませんけど。
セーブはそのシーンのサムネイル画像もあっていい感じ。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
特筆すべき点は特になし。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

松岡美鶴(まつおかみつる)。(CV:春瀬みき)
主人公の幼馴染みでクラスメート。正義に燃える……というより、自分の手で
悪者をぶちのめしたがる(笑)

山咲皐月(やまざきさつき)。(CV:草柳順子)
陸上部の一年生。中学の頃からの顔見知り。主人公の事を慕っている。

猪俣千秋(いのまたちあき)。(CV:YUKI)
学園のマドンナと言われる上級生。病弱で保健室の常連。

菊池茜(きくちあかね)。(CV:歌織)
保健医。優しく面倒見がよい。

桜庭紫(さくらばゆかり)。(CV:かわしまりの)
物静かで冷静な上級生。魔術マニア(笑)

八橋綾芽(やつはしあやめ)。(CV:吉川華生)
読書やパソコンいじりが趣味の図書委員……だそうですが、ゲーム中では
そんな設定出てこなかったような(^^;


絵の方は可愛らしくていいですねー。元気なキャラは元気な雰囲気が、
冷たいキャラは冷たい雰囲気がきっちり出ていて、馴染みやすいです。
ただ、若干髪の毛の色に違和感は覚えますが(^^;、まあ問題ないでしょう。
立ち絵は表情のバリエーションが非常に多く、ポーズ変化や服装の違いも
結構あるので見ていて飽きません。
特に美鶴はめちゃめちゃ表情のパターンがあるので面白いです(^^)

イベントCGも安定していて綺麗でいいですね。
技を使っているシーンの絵も格好良くて動きがあってすごい好きかも。

「廊下は夜だった」と言いつつめっちゃ昼間のCGが出ているのはご愛敬(^^;
# 1箇所立ち絵が残ったまま次の絵が出てくることもありましたけど。

キャラクターはみんな魅力的なんですが、一番好きなキャラクターは……
実は雨宮先生だったりします(^^; ←男です
いや、なんかすっごいいい味出してましたよ。かっこいいっス(^^)


音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技も問題なしですね。
紫の冷めた感じの演技とか、綾芽の見下したような呆れたような口調は
とってもツボにはまりました。痺れます(^^)

ただ、一部メッセージと音声が違っている部分がありますね。
「肉体の負荷が大きいわ」と出ているところで「無駄な抵抗はやめることね」
という音声が出てきたときはびびりました(笑)
さらに、某エンディングの1シーンで、ぜーんぜん関係ないシーンの音声が
突然出てきたのには唖然としました(^^;
# 「もう〜、敵が動くかも知れないから〜」というセリフ、あちこちで4回
# ぐらい聴きました(^^;


音楽はおおむねシーンに合った曲が使われているのですが……どうも音数が
少ない感じで薄っぺらく聞こえてしまいます。
実際にはそれほど音数は少なくないと思うのですが、どうもバランスが悪い
みたいですね。もう少し音のバランスを調整すれば、広がりと深みが出ると
思うんですけどねぇ。ちょっと勿体ないかも。

それと、この作品は戦闘などが多いわけですが、そういったシーンに効果音が
ほとんど使われていないためにいまいち盛り上がりません。
せめて必殺技を撃つシーンぐらいは効果音入れてください(^^;


ゲームを開始すると短いプロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。なかなか格好いい歌をバックに、静止画をベースとしたキャラ
紹介がなされるといった感じなのですが、カットインなどの演出がなかなか
上手くて結構見応えはありますね。非常にスピード感のあるアニメーション
だと思います。歌もパンチがあってステキです。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、夢の中で変な力を手に入れた主人公とヒロイン達が、解放
された魔物たちを浄化していく話。魔物を浄化するには主人公の能力が
必要で、浄化の方法は魔物を宿す人物の奥深くに魔力を注入すること。
……ぶっちゃけた話、中出ししろってこった(笑) お約束だねっ☆
# 「赤ちゃん出来ちゃうじゃない!」「その可能性もゼロではないわ」
# ……紫さん、あんたドライすぎです(^^;

前半は、状況が理解できないまま流されたり、同じ力を持つ仲間達とも上手く
連携が取れずにいる主人公が、己の置かれた立場を理解し、仲間達ともうち
解けていくところが上手く描写されています。
戦いなどもあるので基本的には張りつめた緊張感のある展開なのですが、
コメディ的な要素も入っていて雰囲気はそれほど暗くなく、入りやすいです。
# 「実は、私ね…」「皐月ちゃんだろ」……早っ(笑)

そして後半。敵も組織的になり、こちらの戦力を分析しつつ計画を進めていく。
話は盛り上がっていざ最後の対決。ここは最大の見せ場でしょうからさぞかし
気合いの入った演出をしてくれるだろう……と思ったら、5分で終わりました(^^;
てゆーか、敵が出てきました。倒しました。また出てきました。逃げました。
本当の敵が出てきました。頑張って倒しました。……これで終わり?(^^;
もう少し盛り上げ方ってもんがあるでしょう。いくらなんでも端折り過ぎです(^^;
てゆーか、たったメッセージ2行で倒された最強のミニスターが可哀想で
なりません(笑)
# 後半に出てくる強い敵ほどあっさり倒された気がするのですが(^^;

そして敵を倒した後のエピローグ。ここはストーリーを締めるためにも重要な
ところですから、さぞかし丁寧な描写をしてくれる……5分で終わったよ!(^^;
しかもキャラによってはすっごい中途半端だよ!
「気が付いたときは、もう空が白み始めていた」の一言で片づけないで(T_T)
その、空が白んでくるまでの間に何をしてたのか、詳細な描写を〜。
# いや、ナニをしてたんですけど(笑)

……ということで、1時間は続くだろうと思われたクライマックスシーンから
エピローグがなんと10分で終わってしまう怒濤の展開。……怒濤すぎ(^^;

前半部分は確かにテンポは早いものの、そこそこ丁寧に描写されていたと
思いますし、キャラクターたちの心の動きもそれなりに描写されていたの
ですが、後半になってなんでいきなりこんなにぶっ飛ばすかな(^^;
本来なら盛り上がるであろう所が一瞬で終わってしまうので、感動も何も
あったもんじゃないです……。

あと、主人公がヒロインに惹かれる過程が端折られている場合も多いですね。
基本的に戦いがメインな話なので恋愛云々はおまけなんでしょうけど、それ
でももう少し描写が欲しいところです。
ヒロイン側も主人公に惹かれる過程が描かれていなかったりもしますけど。
# 「俺は先生を尊敬しているし、愛してもいます」……いつの間に!?(^^;


Hシーンについては、悪魔を浄化するときには必ずありますし、それ以外でも
あちこちに散りばめられていて数はそこそこあります。ただ、1つ1つがやや
短く、描写もあっさりしているのでちょっと物足りないかも。
陵辱があったり、触手が出てきたりもするんですけどねー。
# ものすごい中途半端で終わったりもしますし(^^;


テキストについては、結構読みやすいとは思うのですが、ちょっと誤字が
目立つような気がします。つーか、綾目って誰や(^^;
意識不明の重態になったり、方膝をついたり、催陰能力を持っていたり、
机上に笑ってみせたり、緊張感のあるシリアスな場面でこういう誤字が
出てくると、どうしても緊張がゆるんでしまいます……。

それと、若干イベントの不整合も見受けられますね。
ルートによってはミニスターのナンバー5は正体を現してもいないのに倒した
ことになってたりしますし、他にも説明されていないことを知っていたり。

あと、とっても意味ありげに出てきたキャラクター・清田恵都ですが、
こいつは結局何だったんでしょうか(^^;
てっきりストーリーに絡んでくると思ったら、一度出てきたっきり全然
出てこなくなってるし(^^;
# 茜と恵都が喋っているシーン、とっても違和感(笑)
##声、同じですよね(^^;
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は特に意識する必要なしですね。一応3月という期間が明示されて
いたりしますけど、ストーリーは時間軸に影響受けませんし。

ワンプレイは約3時間。プレイ時間はやや短めながらもまあそれなりにあるの
ですが、シナリオ後半の猛烈なダッシュのために体感時間はめっちゃくちゃ
短く感じます(^^; え? もう終わったの? って感じです。

難易度は……やや高めでしょうか。エンディングの数は結構あり、あちこちの
選択肢でシナリオが分岐するようになっていますから、全てのエンディングを
見るのはちょっと面倒です。まあ、1つ2つの選択肢で簡単にシナリオは分岐
しますから、難易度が高いと言うよりは手間がかかる、という感じですが。
ただ、選択を1つ間違うといきなりバッドエンドに向かったりするので要注意。
総評
お奨め度ですが、ちょっぴりサスペンス要素の入った学園退魔物が好きな人
にはお奨め。主人公達と魔物達との駆け引きなんかはそれなりに描かれて
いて楽しめると思います。雰囲気は非常に良く出ていますね。

ただ、後半の展開が非常に駆け足で、盛り上がるべき所が一瞬で過ぎていく
ような感じですので、今ひとつ感情移入はし辛いですね。
テンポのいいスピード感のある作品が好きな人にはいいかも知れませんが、
そのスピードはF1並なので失神しないように注意してください(笑)
# 黒幕の正体あっさりバラすしね(^^;

あと、若干ボリューム不足も気になるところでしょうか。
確かにエンディングは結構数があるのですが、シナリオは共通部分が結構多く、
メッセージスキップを使いつつすんなりクリアすれば5時間程度で終わって
しまいます。まあ、やや難易度高めなのでそんなにすんなりとはクリア出来
ないとは思いますけど。

そして、不具合の方もちょっと気になりますね。
インストール時のプロテクト誤爆は環境依存の問題でしょうから起こらない
人も多いでしょうけど、それ以外にも誤字が結構多かったり、立ち絵の表示が
おかしかったり、メッセージと全然違う音声が流れたりしますので、もう少し
きっちりテストプレイをして不具合を潰して欲しかったところです。
特に音声の違いはプレイすれば気付くと思うのですが……。

ということで、プレイするときは必ず修正ファイルを入れましょう。
修正ファイルを入れてもまだ各所にちらほらと不具合が見受けられますので、
入れないと大変なことになります(笑)
# 修正ファイルを入れないと、いきなり回想が全部使えたりします(笑)
# ……それは嬉しい?(^^;
##修正ファイルを入れないと、茜シナリオに入るのは神業らしいですけど(^^;

非常に雰囲気のあるゲームで設定なども興味深く、絵も綺麗ですし声優さんの
演技もばっちり。キャラクターも活き活きしていてストーリー展開も自然で
入り込みやすいのですが、後半のあまりの短さのために折角のいい素材を
しっかり味わうまでに終わってしまったような感があります。非常に勿体ない。
もう少し後半を丁寧に描いてくれれば、かなりいい作品になったと思うんです
けどねー。ホント、残念です。
まあ、テンポがよくプレイはしやすいですから、ちょっと時間が出来たときに
やるにはちょうどいいかもですね。本気でやれば1日で終わりますけど(^^;


最後に。女性に取り憑いた悪魔を浄化するには膣内で射精をすればOK。
なら男性に取り憑いた悪魔を浄化するには……。
# 主人公はそっち方面もOKですか!?(^^;
##残念ながら描写はありませんでした(笑)

てゆーか、ナンバー1はどーやって浄化するんだろ(笑)
まさか主人公は獣姦まで!?(笑) ←しかも攻め(^^;
# 殺せばいいじゃん、という意見は却下。動物愛護の精神を忘れずに(笑)



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