Silvern 〜銀の月、迷いの森〜 | |||
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ブランド名 | g-clef | ジャンル | ファンタジー神官寮生活ADV |
発売日 | 2002.07.12 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(168x230x43mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | DISK1 : 596.8MB、CD-DAなし DISK2 : 614.1MB、CD-DAなし |
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原画 | 卓太郎 | シナリオ | 布施はるか |
音声 | あり | ||
インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 30箇所 | 歌 | あり(1曲、ED) |
おまけ | CG・BGMモード、シーン回想モード | ||
対象属性 | ファンタジー、純愛、鬼畜、凌辱、シスター、ストレートロング、ピンク髪、ロリ、 オーバーニーソックス、金髪、ボクっ娘、ボブカット、長耳、幼馴染み、青髪、 ショートカット、銀髪、精霊、エルフ |
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1プレイ時間 | 2〜3時間 | お奨め度 | 3 |
レビュー |
概要 |
細身で可愛らしくよく女性に間違われるため男らしい男に憧れる主人公。 そんな主人公が手違いで女子寮の管理人を1週間だけやることになる。 女の子ばかりの中に男性が入るということで、様々なトラブルが……。 そんな中、寮で不思議な現象が起こるようになる。一体それは誰の仕業 なのだろうか……という、ちょっぴりミステリータッチのファンタジー神官 寮生活アドベンチャー。 |
システム |
インタフェースはマウスカーソルのキーボードエミュレーションによる フルキーボードサポート。 未読/既読判別スキップ、強制スキップ、バックログ搭載。 バックログはマウスのホイールにも対応しています。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方は比較的軽快。 セーブ箇所は30箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 数としてはゲームの難易度を考えるとちょっと足りないかも。 シーンのサムネイル表示とかもあった方が嬉しいですね。この作品の場合。 インタフェースはビジュアルアーツお馴染みのシステムで、機能的には ほぼ問題ないと思います。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。 ただし、エンディングを見るたびに選択肢が追加される、シナリオ増加型の システムになっています。私は自由度が低いのでこのシステムはあーんまり 好きではなかったりするんですが、シナリオ間のネタバレを極力防ぐ為には 仕方ないのかも知れませんけどね……。 # その割には最初のシナリオで結構バラしてる気も(^^; |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 マリアンヌ・フォン=フォルシュテイン。学園の理事長。若くてとても朗らか。 テンション高め。寝起きが悪く、細かいことは気にしない。 一応国で一番偉い神官ということですが、とてもそうは見えません(^^; ウイニィフレッド・アステア。寮生。元気いっぱいのお子様。 健気で愛らしく、無垢で無邪気。イノセントなパワーを発する(笑) ノアン・オーラムフォージ=アルキミィ。寮生。無口でぶっきらぼう。 何かにつけて主人公に冷たい言葉を浴びせてくる。 ……いや、ノアンの温かい言葉ってほとんど聞いたことありませんが(^^; アヤソフィア・イル=クロスマチス。寮生。主人公の幼馴染み。 生真面目で控えめな優しい娘。しかし結構気性は激しく怒ると怖い。 ローズマリー・ルイーズ。寮生。ちょっとがさつでおっちょこちょい。 戦う修道僧。 絵の方は可愛らしくていいですね。ちょっと面長に見えるんですけど、 普通の人間の顔のバランスからいうとこのぐらいが当たり前という気も します。ちょっと鼻は小さい気もしますけど。アニメ調の絵に慣れすぎて いるとちょっと不自然に感じてしまいますが……。 塗りの方もなかなか丁寧で綺麗でいいですね。発色のいい塗り方で、私は 結構好きです。繊細な絵が好きな人には受けないかも知れませんが。 あと、立ち絵の表情も豊かでいいですね。特にウイニィの表情変化は見て いてとても楽しかったです。おめめうるうるウイニィ萌え(^^) キャラクターはみな個性的で役割もはっきりしています。 アヤはかなり謎な気もしますけど(^^; アヤ萌え。ウイニィも可愛いですけどねー。マリアンヌも好きかも。 音声の方は、キャラクターとのマッチングもばっちりで、演技力の方も 全く問題なく、安心して聴けますね。非常に感情移入度も高いです。 ウイニィの声は、なんちゅーか、こう、破壊力デカいですね(^^; あと、アヤの声が非常に落ち着いていて凄い好きかも。でも、怒ったシーン とかは本気で怖いんですけどね(^^; さりげなくミシェルも好き。みょーに自然な関西弁が、なんか、こう(笑) # 注)めっちゃちょい役です(^^; 他のキャラも、みんないいんですけどねー。 # ノアンだけちょっと一部違和感感じたかな。最後の方で。 音楽の方は、それほど自己主張はしないのですが、シーンにぴったり合った 曲が使われていて、音質も非常にクリアでいいですね。曲単体で聞いても 結構イケます。 歌は最後の最後、TRUEエンドのエンディングにのみ流れます。 なかなかいい歌だと思うのですが、その時には私はもう疲れ果て、脱力して いたのであまり印象に残ってません(^^; |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームの方ですが、クリアする毎にシナリオが増えるタイプですので、 順番にクリアしていくしかないようで。 序盤はちょっぴりコミカルな展開で寮生活を描き、後半はそれぞれの抱えた 問題を解決するべく行動するシリアスな展開……という感じ。 # 「も…、もしかして、僕は世に言う"ロリコン"なんだろうか…?」 # ……ほっとけ(笑) まず最初のシナリオですが、ちょっと突飛な設定ではありますけど、なかなか ドラマティックで意外な展開にドキドキしながら進めていたのですが…… その終わり方はなんやねん(^^; その状態からなんでそんな爽やかな終わり方に なるかな? ふつー、あのラストだと後悔の念に苛まれてどんより沈んで終わる ような気がするですけど……。どうやったらそんなに好意的に取れるんだ? そして次のプレイ。当然ファーストプレイで上手く行かなかったことが上手く 行くようになる選択肢が用意されているのだろうと思いつつプレイ。 ……解決してない……全然解決してないよ……。 てゆーかむしろ無かったことにされてるよ!(^^; その後もどんどん進めていったんですが、進めれば進めるほど設定が こんがらがってきて、一向に収束する気配を見せません。というか、次から 次に新しい設定が出てきて、もはや訳わかんなくなってるんですけど(^^; 設定を小出しにするのはかまわないのですが、新しい設定が出てきた おかげでそれまであった他の設定が無かったことにされたり、ねじ曲げ られたりしているのはどうも……。 具体的に書くとネタバレになってしまうので書きませんが、このゲームには アヤ絡みの設定と歴史絡みの設定の2つの大きな柱があります。 しかし、この2つの設定が互いにほぼ完全に独立していて絡むことがない ため、ストーリーの方向性が2方向を向いてしまうことになり、結局何が 言いたいのかよくわからない、という結果を招いている気がします。 # てゆーか、アヤ、ほったらかされすぎ(^^; もう少しそれぞれの設定をうまく絡めるか、それとも最初からどちらか片方 だけをメインにして、もう片方はおまけにしても良かったんじゃないかなと。 そうすれば、最後のシナリオのエンディングをあんな強引なまとめ方に しなくてもすんだんじゃないかなー、と思うんですけど。 てゆーか、あそこまで引っ張ってあのご都合主義な終わり方は……。 # 久しぶりにエンディングを見て「はぁ?」と思いました(^^; そもそも「銀の月、迷いの森」というサブタイトル自体が、今ひとつ生きて いないような気がするのですが……。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は1週間。最初から明確に終わりがわかっていますね。 ワンプレイは2〜3時間。やや短めでプレイはしやすいです。 ただ、このゲームは最後のエンディングを見ないと全ての謎が解決しない 作りになっていますので、1回のプレイ時間はあまり意味がないかもしれ ませんが……。 # いや、最後までやっても全部解決してるとは言い難い気もしますけど(^^; さて、難易度ですが……ふざけんなってぐらい高いです(^^; このゲームは完全にクリア順が決まっていて、エンディングを見ると次の シナリオに進む選択肢が追加されるようになっています。 追加された選択肢で、次に誰をクリアすべきかはある程度わかるようには なっているのですが、どうもこの形式は好きじゃないです。 例えば、一番最初のシナリオをクリアした後、次はそのシナリオの解決編と いうか、心残りだったところをカバーするようなエンディングを見たいのに、 全然関係ないエンディングを見せられたりとか……。 キーになるシーンで選択肢が出てこなくて、がっくりしました。 もう少し自由度が欲しいです。こう、インタラクティブに。 そして、選択肢を1つ間違えた瞬間バッドエンドに直行することも多々あり ました。ただ、選択肢を間違えたところからバッドエンドになるまでは 結構長かったりするので、延々と報われない話を読まされます(^^; しかも、バッドエンドはほとんどもれなく唐突で強引な展開のため、 そのルートに乗った時点で感情移入もへったくれもなくなっています。 唯一の救いはバッドルートにも大抵CGが用意されていることぐらいですか。 選択肢の内容も、抽象的で効果がわかりづらいものがあったり、明らかに 思ったのとは逆の選択をしなければならなかったり、かなりいやらしい 作りになっています。特に各シナリオの一番最後の選択肢は、どう考え ても普通そっちは選ばないだろうという方が正解だったりして、ちょっと ひねくれすぎに感じました。その後の展開もかなり無理矢理ですし。 |
総評 |
お奨め度ですが、ファンタジーな世界観が好きで、難しければ難しいほど 燃えるという人にはお奨め(笑) ただし、厚いストーリーや深い設定は期待しないこと。 エンディングを見る毎にシナリオが追加されていくシステムからして、 シナリオ重視の作品だと思ったら大間違い。シナリオは散文的で一貫性が なく、無茶な選択肢に取って付けたようなエンディングと、とてもシナリオ 重視な作品とは思えません。 主人公の全く知らない設定が後半になって突然出てきたり、複雑な背景を 出したはいいけど説明が散文的でいまいち飲み込めなかったり、設定自体も 消化し切れてないというか、意味の薄いものが多かった気がします。 主人公が何故子供の頃女装させられていたのかとか。 一週間という期間の中にいろんなことを詰め込みすぎ、というのもあるかも 知れませんね。どうしてもそれぞれの説明が不足している気がします。 というか、ストーリーが本格的に動き出すのは、後半唐突に新しい設定が 湧いて来てからなので、はっきり言って前半部分はあんまりいらない気が します。ぶっちゃけ、最後の2日だけあればいーです(笑) そしてそのあまりにも高い難易度。クリア順が固定になっているだけでも かなり厳しいところに、さらに選択肢を1つ間違えるとバッドエンドに直行 したり、さらにその選択肢もかなりひねくれていたりと、もはや嫌がらせ かとも思えるぐらいです。全てのシナリオをクリアするだけでも大変ですが、 全てのCGを回収するとなるともっと大変です。 ……あ、バッドエンドを網羅しながら進めば大丈夫かも(笑) この難易度のおかげで、クリアするまでに何度も何度もバッドエンド見せ られるために、ストーリーを追いかけるどころじゃなくなってしまうため、 設定とかも消化しきれなかったような気がします。 もう少しストーリーに集中させてくれたら、或いはそれまで見えなかった ところまで見えてくるのかも知れませんね。 とても感情移入どころではありませんでした。 しかもこの凶悪な難易度をくぐり抜けてクリアしても、エンディングは唐突に 変な設定が出てきたり、かなり取って付けたような印象が強いという、苦労が 報われない作品ですね。クリアした後どっと疲れます。 せめて最後のシナリオぐらいはすっきり無理なくまとめて綺麗に終わって 欲しかったです……。 # 最後の最後であのご都合主義はやっちゃダメでしょ(^^; あと、シーン回想モードですが、どうも本筋に絡むシーンしか閲覧できない ようで、一部バッドエンドルート途中に出てくるシーンなどは登録されない ようです。これも残念ですね。 絵は綺麗ですし、キャラクターも個性的、声優さんの演技もばっちりで、 音楽もなかなかいい。設定自体もなかなか面白そうではあるんです。 この鬼畜いまでの難易度と、折角の設定が消化不良になってしまった 唐突な展開のシナリオ、この2点だけが大きく評価を下げています。 せめてもう少し難易度を下げて、設定や背景を序盤から丁寧に説明して くれれば、もっと楽しめたと思うんですけどね……。 難しすぎてなかなかクリアできず、しかも唐突に主人公も知らない設定が 飛び出してきて、とても感情移入できなかったです。 まあ、主人公も知らない設定なので、プレイヤーとの情報格差はないの ですが、主人公の(そしてプレイヤーの)知らないところでストーリー動き すぎです(^^; 主人公はただ巻き込まれているだけという感じですね。 クリア順が決まっていることもあって、「やらされてる」「読まされてる」 という感覚が強かったです。 最後に。ノアンの呪文、それはないだろう(^^; # エンター(笑) ##「無駄無駄無駄無駄ーっ」だの「やらせはせんっ! やらせはせんぞォォォ!」 ##とかいうのもかなりどうかと思いますけど(^^; あと、どうしてもクリアできずに困っている人のために、シナリオのクリア 順だけ書いておきます。必要であれば参考にしてくださいませ。 ……クリア順がわかっても、選択肢がひねくれているのでなかなかクリア 出来ないとは思いますけどね……。 ちなみに、クリア順にもネタバレが含まれているので伏せておきます。 アヤ、ウイニィ、ローズ、マリアンヌ、シルヴァ、ノアン、TRUEの順です。 これ以外の順番ではクリア不可だと思います。かなり酷いです(^^; 隠したついでにネタバレちっくな感想も。 アヤって、けっこー怖い女ですね(^^; どのキャラのエンディングでもアヤの目が光ってるみたい(笑) そしてこのゲームをクリアして私が一番思ったことは……。 アヤの手紙、本筋と全然関係ないんかい!! てっきりあの手紙を出す前に確認することで、アヤのトゥルーエンドに 入れるものだと思ってました……。クリアしたとき脱力しました……。 |