そら色メモリーズ
ブランド名 GA-BANG ジャンル 青空まったりアドベンチャー
発売日 2002.09.27 定価 \7,800
パッケージ DVDタイプのトールケース マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 632.9MB、CD-DAなし
原画 明音 シナリオ 渡部好範、DAI
音声 女性のみフルボイス、
松永亜夜、乃田あす実、彩世ゆう、鈴木みやび、大庭奈々、中瀬ゆき
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 50箇所 あり(2曲、OP・挿入歌)
おまけ フォトアルバム、音楽アルバム、思い出アルバム、
おまけCGギャラリー、声優さんコメント
対象属性 純愛、ツインテール、緑髪、触角、ロリ、貧乳、つるぺた、お兄ちゃん、ボブカット、
リボン、巫女さん、黒髪、先輩、ストレートロング、幼馴染み、ポニーテール、紫髪、
巫女装束、金髪、眼鏡っ娘、赤髪、ショートカット、メイド
1プレイ時間 4〜5時間 お奨め度 6

レビュー
概要
5年ぶりに故郷の島に戻ってきた主人公。
父の墓参りをすませ、実家に帰ってゆっくり休むことにする。
そして次の日の朝、目を覚ますと布団の中に見知らぬ少女がいた。
記憶を失っているらしい彼女のことを島の人達に聞いてみると、みな主人公の
妹だと言う。かくして、島にいる一週間、その少女の記憶を探すことになる……
という、青空まったりアドベンチャー。
このプロローグだと、とてもまったりしていられる雰囲気じゃないような気が
しないでもないのですが(^^;
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
メッセージの表示にエフェクトがかかっていて、「はやい」の設定にしても
じんわり表示されるような感じですので、ちょっとストレス溜まるかも。
既読スキップ、バックログ搭載。スキップ動作は遅め。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方は上記のメッセージ表示の
問題もあり、描画もかなり重いので鈍重。音楽や音声再生のCPU負荷も
かなりです。マシンパワーが要求されますね。

セーブ箇所は50箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
数としては充分だと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
1日の始めに誰と行動するかを決定し、あとはイベント中に出てくる選択肢を
決定していくという感じです。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

そら。(CV:松永亜夜)
目を覚ますと布団の中にいた少女。島の人達から主人公の妹だと言われた
ため、そういうことになる(笑) もちろん主人公のことは「お兄ちゃん」と呼ぶ。
明るく元気なロリっ娘。

千葉紗苗。(CV:乃田あす実)
主人公の幼なじみで、大金持ちのご令嬢。普段はお嬢様であるべく毅然と
振る舞っているが、主人公の前ではのびのびと振る舞う。むしろ乱暴(笑)
文武両道で人間離れした体力・格闘能力を持つ。ただし、料理は破壊的(笑)
# 黒紫色の物を卵焼きだと認識できる人はこの世にいません……(笑)

津斎清音。(CV:彩世ゆう)
主人公の幼なじみで、主人公の事を「先輩」と慕う巫女さん。
体が弱く、あまり歩き回ったり出来ない……ハズが、結構無茶してます(^^;
タコさんウインナーマニア(笑)
# 「これが……真のタコさんウインナーです」(笑)
##タコさんウインナーの真の意味っていったい……(^^;

河田透子。(CV:鈴木みやび)
島一番だった科学者の孫。ドジでおっちょこちょいな天然眼鏡っ娘。

津斎綾音。(CV:大庭奈々)
清音の姉。あっけらかんとした性格で、主人公のことをいつもからかう。

白の少女。(CV:中瀬ゆき)
主人公が船から見かけた不思議な少女。

日辻香。(CV:中瀬ゆき)
紗苗付きのメイド。無感動・無表情で淡々と行動する。

岬。(CV:大庭奈々)
主人公の実家の近所に住んでいるおばちゃん(笑)


絵の方はやや個性的で、好みが分かれるところかも知れませんね。
私は可愛いと思いますしOKです(^^)

立ち絵は非常に表情・仕草が豊かで、感情に合わせてころころと変わるため、
見ていて非常に楽しいです。表情も仕草も非常にオーバーなアニメ的手法で
描かれていますので、ちょっと気になる人もいるかもですけど。
その他にも、「ボカーン」とか「がーん」とか、擬音が画面に文字で表示
されたり、アニメ的手法が目立ちますね。

背景の光の加減とか、水に光が反射してキラキラしているところとか、細かい
ところにもきっちり拘られています。光がきらきらしている所なんかは結構
感動ものです。……その分重いんですけどね(^^;

キャラクターはみな個性がはっきりしています。特異な設定をもったキャラが
多いので、ちょっと馴染み辛いかも知れませんけど。
そら萌え。……ああっ、そんな目でボクを見ないで(T_T)
ちゃうねん! ちっちゃくて元気でめっちゃ可愛いねん! ←ドツボ
# 喜んで万歳してる絵なんか、もう!(笑)


音声はキャラクターとイメージも合っていて、演技の方もほぼ問題なく、いい
感じです。そらのロリぃ演技はかなりイケてます(^^)
# 紗苗の演技もかなり好きかもです。
メッセージとして記述されていない部分、「……」の所に入る息づかいとか
「うーん」「むー」と言ったちょっとしたセリフが非常にいいです。

ただ、録音環境の問題か再生環境の問題かわかりませんが、ちょっと全体的に
声が浮いているというか、突き抜けているように聞こえてしまうのが残念。
イベントCGが出ているときはそうでもないのですが、立ち絵の時は特に。
録音レベルのバランスもちょっとバラつきがあるように感じますし。
あと、大声で叫ぶシーンでは、声が反響して残響音が残ってしまっています。
屋外で叫んでいるにもかかわらず、狭い部屋の中で叫んでいるように聞こえて
しまうのはちょっとマイナスかと。


音楽はシーンに良く合った曲が使われており好感触。
こちらもアニメ的な大袈裟な曲が多いですね。
びっくりしたり焦ったときの曲なんか、非常にアップテンポで騒がしく、
驚いているという雰囲気がひしひしと伝わってきます。
ただ、ちょっと曲数が少ないのか、同じ曲を常に聴いているような印象が
ありました。もう少しバリエーションは欲しかったかも。

あと、途中で挿入歌が入るところがあるのですが、音声と比べて挿入歌の
音量があまりにも小さいため、ほとんど聞き取れませんでした……。
個別の音量設定が欲しいところですね。


プロローグが終わるとオープニングアニメーションが流れます。
歌は非常に幻想的で広がりのある曲で、なかなか雰囲気醸し出してます。
絵の方もキャラクター紹介がメインですが、独特のエフェクトでこちらも
非常にいい雰囲気です。
ただ、1つ非常に残念なのは、映像の途中で歌が終わってしまうこと。
歌が終わって無音になっているのに、絵だけはねりねり動いているのは
見ていて滑稽です。どうも絵と歌の同期がされていないようで、マシン
パワーが不足していると絵が遅れてしまっているような感じですね。
……PentiumIII 1GHzでもスペック足りないとか仰いますか?(^^;
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、見知らぬ少女の記憶を取り戻すため、幼なじみたちと一緒に
今の中を探索しまくる話。とてもそれで記憶が戻るとは思えません(笑)

前半は終始和やかなまったりした雰囲気で進んでいきます。
ちょっとコミカルな演出があったり、会話も非常に楽しいですね。

そして後半、個別シナリオに入ると話は一気にシリアスになります。
ヒロインの抱える問題を解決していく、というのが基本になるのですが……
どのシナリオも似たような展開なので、ちょっと面白味に欠けるかも。

結構唐突に設定が出てきたりとか、無理矢理な仕掛けがしてあったりとか。
もう少し自然な流れが欲しかったかなー、と。ご都合主義も目に付きました
しね(^^; 別に悪いとは言いませんけど、もう少し自然に……。
まあ、元々結構不思議な雰囲気の作品ですから、そーいうものだと思って
おけばいいんでしょうけど。

最後はちょっといい話系で締めくくってくれるので、プレイ後の爽快感は
あっていいんですけど。ただ、そのラストの展開についても言いたいことが
あるのですが、ちょっとネタバレになってしまうので、レビューの一番最後に
こっそりと書いておきます。


Hシーンは各キャラ2回。描写はややライトでしょうか。
純愛ものですから、こんなものかなー、という感じ。
みんな初めてなので、あーんまり濃い描写はし辛いでしょうしね。


テキストは読みやすく問題なしですね。
誤字の方も、「海の生物をを」みたいな細かいものはいくつか見受けられます
けど、そんなに気になるほどではないでしょう。
目の前にいる人を「あの人」呼ばわりしていたのはちょっと気になりましたが(^^;
あと、香が紗苗を「紗苗」と呼び捨てているのはびっくりしました(笑)
# 音声ではちゃんと「紗苗様」って言ってましたけどね。

あと、巫女姉妹の唱える呪文、文字を入れ替えると結構愉快です(笑)
# 「おめぐみお」とか(^^;
プレイ時間・難易度
ゲームは5月1日の土曜日から始まります。
ゲーム期間は主人公が島に滞在している1週間……のハズなんですが、
後日談で結構ずるずると島に残っている気が(笑) まあ、1週間+αってことで。

ワンプレイは4〜5時間。そこそこテンポもあるのでサクサク進んだ印象があり
ますね。ただ、動作が重いので(^^;、通常よりちょっと時間かかってるかも。

難易度は簡単。基本的に狙ったキャラクターと行動して、常識的な選択肢を
選んでいれば良いと思います。多少選択肢を間違ってもフォローは可能だと
思いますし。そらだけはちょっと特殊ですけど、まあプレイしていれば気付く
でしょう。
総評
お奨め度ですが、ほのぼの純愛アドベンチャーミステリー風味な作品が
好きな人にはお奨め。……微妙なゾーンですが(^^;

ストーリー自体はよくあるちょっと不思議系の話なのですが、演出などが
アニメ的で見ていて楽しく、独特の雰囲気を持っています。
ただ、特異な設定が突然出てきたり、結局ほとんど説明されなかったりと
ちょっと感情移入はし辛いかもです。。

そして、何より気になったのはその動作の重さ。画面効果を切っても描画は
かなり重いですし、メッセージもじわじわ出てくるような感じで、どうしても
テンポに乗り切れないような印象がありました。
エフェクトを全て切って、サクサクと進められるような設定も用意して欲しい
ところですね。メッセージスキップも遅いため、繰り返しプレイもかなり辛い
かと思います。もっとも、あーんまりシナリオの重複はないんですけど。

あと、特筆すべき点は、私の環境では何度か突然落ちました(T_T)
どうやらガンガンメモリをリークしてくださっている模様です。
てゆーか、起動にえっらい時間がかかったりもしたのですが。
ちょっとベースシステムには問題ありそうですね。

絵は好みが分かれそうですがCGは綺麗だと思いますし、光の差込や反射、
画面効果などは非常に凝っていて良かったですし、アニメ的な演出もなかなか
効果的に使われていて良かったと思います。キャラクターはみんな活き活きと
していますし、声の演技も良く、シナリオもパーツパーツは良かったと思い
ます。ただ、それを支えるべきシステムが弱く、シナリオも最後の最後の
まとめでちょっと強引さが目立ってしまったのが残念ですね。
でもまあ、充分楽しめるとは思いますし、定価も若干安めに設定されています
ので、興味がある方はどうぞ、という感じでしょうか。


最後に。Yシャツ1枚しか身につけていないそらを、島中あちこち引っ張り回す
主人公はどうかと思う(^^;
# 服ぐらい用意してあげようよ(^^;


以下、ネタバレを含むツッコミ。

透子シナリオ、あの仕掛けに気付かなかったらどうするつもりだったんで
しょうね(^^; てゆーか、じーさんは何を思ってあんな所に仕掛けたんだ?
未来予知なのか? エスパーなのか?(笑)

あと、島が津波に襲われた後、なんかふつーに暮らしてるんですけど(^^;
家の中もっとスゴいことになってたり、そもそも家自体が流されたりして
そうなんですけどね(^^; テレビまでちゃんとありますよ?(笑)

そして、ラスト付近のそらの扱い、いくらなんでもヒドいような……。
現れたときはあんなに騒いだクセに、いなくなったときは「それでいいと
思った」とかですませるのですか(^^; ドライな主人公ですね……。
つーか、みんなの記憶から消えて無くなってるの、おかしいと思えよ(^^;
……なるほど。自分はもうラブラブだから、そらがいなくなっても別に
寂しくないと、気にしないと、そういうことですね?(笑)

で、一番気になったのはこれ。シナリオの根幹に関わる部分ですが……。
主人公、大切なノートを手放して一回り成長した気になってますけど、
親しい人に預けてるだけなのって、すっごい逃げなのでは?(^^;
いつでも取り戻せるじゃん……。どうせだったら燃やすとか埋めるとか当初の
予定通り墓前に捧げるとか何かしようよ(^^;
結局、主人公はファザコンでヘタレなまま終わった気がするのですが……。



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