ティアフルアイズ 〜あなたしかいない〜 | |||
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ブランド名 | 仮面商会 | ジャンル | 正統派恋愛学園アドベンチャー |
発売日 | 2002.09.06 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(163x237x37mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | 615.0MB、CD-DAなし | ||
原画 | Feather Walts | シナリオ | 夏野桔梗 |
音声 | 女性キャラフルボイス、 田中美智、南菜実、佐々木あかり、涼森ちさと、櫻レオナ、紬叶慧、森川明大 |
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インタフェース | ほぼフルキーボード操作可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 20箇所 | 歌 | あり(1曲、主題歌) |
おまけ | BGM鑑賞、CGモード、おまけシナリオ、シーン回想、○○の日記 | ||
対象属性 | 学園物、純愛、ストレートロング、リボン、ドジっ娘、金髪、ツインテール、後輩、 ショートカット、先輩 |
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1プレイ時間 | 約3時間 | お奨め度 | 8 |
レビュー |
概要 |
主人公は校舎裏で、白いワンピース姿の少女『三凪夏美』と出会う。 不思議なことに、一人で愛の告白をしていた。 その後主人公は、同じクラスの吉沢玲と共に学祭の運営委員になった。 学園前では、徳永ミハルというプロのジャグラーが、ジャグリングを していた。学祭中は邪魔になるから、追い出されてしまうことに。 学祭の準備が進む中、主人公は様々な事件や出来事を通じ、彼女たち 3人を深く知ることになる。しかし、明るい彼女たちが、時折見せる暗い影。 何か悩みでもあるのだろうかと、心配する主人公。すると、彼女たちは、 急に主人公を避けるようになった。いったい彼女たちの身に何が起こったと いうのだろうか……という、正統派恋愛学園アドベンチャー。 これ、パッケージからの引用なのですが、なんでこんなことをしたかと いうと、このあらすじで実にゲームの8割まで表現しているからです(笑) この後、彼女たちの問題を解決してハッピーエンドという、非常にわかり やすい王道の恋愛物です。 |
システム |
インタフェースはほぼフルキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、 サブメニューなどは全てキーボードで操作可能ですが、移動場所選択のみ キーボードでは出来ないようで。残念。 あと、インストーラやタイトルメニューもキーボードでは操作できませんが、 まあこのあたりは別にいいでしょう。 ただ、キーボード操作した後、マウスカーソルが画面内に残ってしまうので それをどけるために結局マウスを触らないといけないのはちょっと……。 セーブ/ロードの時などはマウスカーソルが自動的に選択肢の場所に飛んで いくようになってますから、他の所でもマウスカーソルの制御をして欲し かったかな、と。 既読/未読判別スキップ、強制スキップ、バックログ搭載。 メッセージ速度は3段階、バックログはマウスのホイールにも対応しています。 オートモードもあり、機能的には特に問題ないと思います。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方は比較的軽快。 2画面CGの描画はややもたつきますが、これはある程度仕方ないでしょう。 セーブ箇所は20箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 若干少ない気もしますが、それほどセーブ/ロードが必要なゲームとも 思えませんし、作品のボリュームを考えればまあ足りるかと。 システムは移動場所選択・選択肢決定型のアドベンチャー。 移動場所選択はどこに誰がいるのか表示されているので空振りすることも ありません。誰も表示されていないところでイベントが発生することも ありますが、本筋には関係ないですし。 あと、メインヒロイン3人をクリアすると、佐緒里シナリオがプレイ出来る ようになります。おまけモードを見れば一目瞭然ですけど。 そして全キャラクリアするとおまけが1つ増えます。 これはあまりにもネタバレなので内容は伏せておきます。レビュー表の 項目でもあからさまに伏せてあります(笑) |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 三凪夏美。主人公が校舎裏で見かけた女の子。 いつも明るく元気だが、おっちょこちょいでそそっかしい。 吉沢玲。主人公のクラスメイト。後輩から頼りにされることが多く、女子に 圧倒的な人気を誇る(笑) グーで殴ったり飛び膝蹴りをかます。 熊谷佐緒里。文芸部。物静かで無口。感情をほとんど表に出さず、人との 関わりも極力避けている。 高崎麻衣子。玲の後輩。玲に対して強い憧れを抱いている。 玲と親しい主人公を毛嫌いしている。つーか。バカバカ言うなバカー(笑) 「ああ、鷹戸先輩が、交通事故に遭わないかしら」……一回泣かす(笑) 三浦薫。夏美のクラスメイトで、佐緒里と同じクラブ。 コロッケ屋の娘で、コロッケにはちょっとうるさい。 徳永ミハル。学園前でジャグリングを披露しているジャグラー。 明るく溌剌としたお姉さん。主人公のことを「少年」と呼ぶ。 ……ゲームの性質上、その呼称はすれすれな気もします……(^^; # 登場人物は全て18歳以上です(笑) 絵の方は、髪の毛が印象的な絵ですね。顔だけでなく、髪の毛にも表情が あるというか。若干髪の毛が浮いてしまっている部分も見受けられますが。 イベントCGは、若干バランスが崩れている絵も見受けられますが、基本的に 綺麗でなかなかいいと思います。塗りも非常に丁寧で好感が持てます。 立ち絵ですが、結構バリエーションがあり、表情や仕草がシーンに合わせて ころころ変わるのはなかなかいいですね。 麻衣子はイベントCGより立ち絵の方が好きかも。 キャラクターはそれほど突飛なキャラもおらず、ごく普通の学生という感じ ですね。無個性……というわけではないんですけど、今ひとつインパクト には欠けるような気もします。 とりあえず麻衣子萌え……なんですが、玲シナリオではごっつい鬱陶しい お邪魔キャラでした……(^^; 他のシナリオでは可愛いいい娘なんですが、 玲シナリオで評価鰻下がり(笑) 逆に、佐緒里は最初は評価最低だったんですが、プレイしてみるとすっごい 可愛いいい子で評価鰻登り(^^) ベニヤ板絡みのイベントではちょっとぐっと来ました。 で、最終的には全てのキャラが横一線、という感じかな……。 どのキャラもなかなかいい味出してるんですよね。 音声の方はキャラクターにマッチしていて、演技の方もほとんど問題なく 安心して聴けるレベルでしょう。 ただ、麻衣子と佐緒里の音量のギャップがデカいので、同一音量で聴いて いると麻衣子はうるさく佐緒里の声は聞き取りづらいという気がしました。 もう少しレベルの調整が欲しかったかも。 音楽の方は、ほのぼのとした曲やコミカルな曲などシーンに合わせた曲が 使われていてなかなか好感触。曲自体の出来もなかなか良いです。 ただ、曲が再生されるまでに若干のタイムラグがあるようで、曲の切り 替わり等で一拍の無音部分が発生するのはちょっと。 タイトルメニューバックでは主題歌が流れます。 うーん、I've Sound(笑) パカパカ鳴るパーカッションが印象的です。 ……オープニングムービーとかはないんですね? で、エンディングは歌なしなんですね。ちょっと物足りないかも。 ……と思ってたら、なるほど、そう来ましたかって感じです。 なかなかに心憎い演出ですねー。このあたりはプレイしてご確認を(笑) |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームの方は、学園祭の準備をしていく中で、女の子と触れ合い、その 女の子の抱えている問題を解決しつつ親密になっていく……という、 学園恋愛物の王道な展開。 基本的には明るくややコミカルに話は進むのですが、後半ちょっぴり重い 展開になったりもします。 # いつも揚げ物の匂いのしている教室……ちょっと嫌かも(^^; シナリオで、まず気になったのが展開の急さ。 薫とか橋詰とか、主人公とほぼ初対面のハズなのに、次に逢ったときには いきなり打ち解けてすっごいフランクに話してるし(^^; 他にもシーンとシーンの間の切り替えが急すぎて、ちょっと着いていけない 部分もありました。特に玲シナリオで感じたんですけど、さっきまで親密 だったと思ったら、次のシーンでいきなり避けられていたり、急転直下の 連続でちょっと置いていかれたように感じました。 そしてHシーンですが、決して薄くはないと思うんですが、どのキャラも 構成・展開が似たようなものなので、バリエーションには乏しいですね。 もう少しキャラによる差異を出しても良かったのでは。 あと、ラストシーンですが、どのキャラクターもあっさりとエンディングに 突入してしまうので今ひとつ余韻を味わう暇がないように感じました。 もう少しラストを引っ張って、余韻に浸らせてくれてもいいんじゃない かなーと思いました。ただ、すっきり後味良く終わっていますので、これは これでいいような気もしますけど。まあ、このあたりは好みの問題ですか。 ただ、エンディングの絵がどのキャラも同じというのはちょっと物足り なかったかも。歌もないですし、何よりスキップできませんから、同じ エンディングを何度も見ることになりますし。このあたりはもう少し工夫が 欲しいところですね。 それ以外では特に気になることもなく、なかなか楽しめました。 主人公はヘタレでもなく、それほど個性が強いわけでもないので、とっても 感情移入しやすくて良かったです。 佐緒里シナリオは主人公が私の言いたかったことをそのまま言って、行動 してくれたのでとっても感情移入できました。 まあ、たまにちょっと「あれ?」と思うところがないでもないですが。 # 玲を捜している麻衣子を見送って、その後のこのこ玲に会いに行ったり。 # ……居場所知ってるなら教えたれよ……(笑) あと、テキストで難しい漢字などにはルビが振られているのですが、 「当たり」に「ハズレ」とルビが振られていたり、なかなかいい感じです(^^) # 確かに、運営委員決めるときの当たりくじはハズレだわな(^^; それと、特定のルートでは夜に見ることの出来るTVドラマに音声が付くの ですが、このドラマがなかなか面白いです。 「ケーキの形を崩さずに、お手玉するなんて無茶よ! 危険過ぎるよぉ!」(爆笑) ば、バカすぎる……てゆーか、危険なのか?(^^; |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は学園祭終了までの約10日間。 まあ、ゲーム中で日付を意識することはほとんどありませんけど。 たまに「学園祭まであと○日」という説明が出てくる程度で。 ワンプレイは約3時間。やや短めですがまあプレイはしやすい長さです。 難易度は低め。基本的に目当てのキャラクターと逢い続けていれば簡単に クリア出来ると思います。ただ、選んだ選択肢によってその後のイベントが 微妙に変わったりしますので、全てのイベントを見るのはちょっと手間かも しれませんけど。まあ、イベントCGのないイベントが多いので、CG回収は それほど手間ではないと思います。 |
総評 |
お奨め度ですが、王道の恋愛ストーリーが好きな人にはお奨め。 それほど甘ったるい展開があるわけでもなく、感動でぼろぼろ泣けると いうわけでもありませんが、心温まるちょっとほろっと出来るような シナリオで、なかなか楽しめると思います。 ゲーム中にいろいろと伏線が張り巡らされているんですが、全てのシナリオ (最後に追加されるおまけも含む)をクリアしたとき、それらが全てすっきり 解決されていて、とっても後味が良かったです。 「あなたしかいない」というサブタイトルもきっちりと生きていて、大変 素晴らしかったです。 選んだ選択肢によってその後のイベントが微妙に変わったり、繰り返し プレイでも飽きないような工夫もされていると思います。 ただ、本筋のシナリオが短めなので、ゲームのボリュームとしてはやや 薄く思えてしまうのは残念ですね。もう少し枝葉の部分を削っても本筋 部分のボリュームをアップして欲しかったかな? という感じです。 ゲーム期間が短めなこともあって、ちょっと展開が急で描写不足に感じる ところが多々ありました。 ただ、不具合らしい不具合はありませんでしたし、誤字・脱字等も殆ど 気にならず、非常に丁寧に作られているな、と感じました。 小粒ながらもとてもよくまとまっている作品だと思います。 ただ、ちょっとうまくまとめすぎているような気もしますけど……。 もっとどこか飛び抜けている部分があってもいいかな、と。 やや無個性でインパクトに欠ける気がします。優等生過ぎると言うか。 若干地味な印象を受けました。まあ、ちょっと高望みかも知れませんが。 でも、私個人的には充分満足できました。個人的に好きな傾向の作品 なので若干評価は甘めになってしまっていますが、良質のゲームである ことは間違いないと思います。 ボリュームの件も、サイトからおまけシナリオをダウンロードしてプレイ することが出来ますので、なんとかカバー出来るかな、と。 最後に。このゲームのメインヒロインって、夏美じゃないのね(^^; 玲×麻衣子シナリオってのも見てみたいところですね(笑) |