とらかぷっ! -TROUBLE CAPTOR-
ブランド名 PULLTOP ジャンル コメディタッチAVG+お手軽SLG
発売日 2002.06.28 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(156x224x51mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 DISC-1 : 529.9MB、CD-DAなし
DISC-2 : 575.6MB、CD-DAなし
SoundTrackCD : CD-DA=562.3MB、CD-DA23トラック
原画 たけやまさみ シナリオ 椎原旬下原正
音声 あり、日向裕羅、天馬和音、木葉楓、松本あゆな、みなみ、柳井流海、飯田空
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 39箇所+クイックセーブ1箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ CG鑑賞、イベント回想、音楽鑑賞、黒払い記録箱
対象属性 ドタバタ、コメディ、ギャグ、純愛、金髪、猫耳、尻尾、眼鏡っ娘、ボブカット、ボクっ娘、
巫女装束、ツインテール、リボン、ショートカット、ヘアバンド、緑髪、ストレートロング、
角、紫髪、着物、和服、オーバーニーソックス、黒髪、巫女さん、羽根
1プレイ時間 6〜7時間 お奨め度 8

レビュー
概要
夏休みに入ったばかりの7月。四方山町に引っ越してきたばかりの主人公は、
ひょんな事から『四方山大大祭』で神様のパートナーとして選ばれる。
訳の分からないまま祭に参加することになった主人公は、祭の間の一ヶ月を
どう過ごしていくのか……という、コメディタッチAVG+お手軽SLG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

桜姫(おうき)。(CV:日向裕羅)
獣ノ神、猛き牙の一族の代表者。ひょんなことから主人公をパートナーに選び、
シモベとしてこき使う。負けず嫌いの元気娘。
撫でられるのが大好きで、撫でられると脱力する。通称『にゃふる』(笑)
虎の神様で、皆には猫耳とか言われてますが、私にはネズミ耳に見えます(^^;
# 「…………僕に選択権は……」「ないわよ!」(笑)

萩嶋歌夜(おぎしまかよ)。(CV:松本あゆな)
3丁目の荻嶋さんちの歌夜ちゃん(笑)
この町を取り仕切っている荻嶋グループのお嬢様。全くそうは見えませんが。
冗談で生きてて、冗談を言わないと死んじゃうような子(笑)
「歌夜でも、おぎ〜でも、ぷりてぃーガールでも好きに呼んで頂いて結構です」
……ぷりてぃーガールて(^^;
# 歌夜さんはNGワードらしい(^^;

日乃宮夏葉(ひのみやなつは)。(CV:みなみ)
伝説とも言える少女漫画的出会いシリーズ49番、『お風呂でばったり、きゃあ、
いやーん』で出会った少女(笑)
龍野神社の娘。剣術の腕前は一流。
# 神坂邸お風呂愛好会、会員番号2番(笑)
##『見られて困るほどのものもついてないかっ』(笑)

御翼(みつば)。(CV:天馬和音)
鳥ノ一族、鳥ノ神の代表。天真爛漫で細かいことは気にしない。というか、
理解できない。桜姫と同じく負けず嫌いで、いつも桜姫と張り合っている。

静波(しずな)。(CV:木葉楓)
高き雲の一族、竜ノ神の代表。
片づけが大好きで、整理整頓されていないと落ち着かない。
一見大人しく物静かな印象を受けるが、実はかなり気の強い激しい性格。
# 可愛い子には巫女服を着せろ(笑)

蕨紀子(わらびのりこ)。(CV:木葉楓)
歌夜や夏葉のクラスメイト。通称わらびー。明るく元気でテンション高め。
かわいい子に目がない。それこそ病気なくらい。人呼んでゲロマブ病(笑)
桜姫に惚れ込み、隙あらば撫でようとする。
# 心の萌えランキング、略してKMR(笑)

武藤睦美(むとうむつみ)。(CV:天馬和音)
歌夜や夏葉のクラスメイト。通称むっちー(と呼ぶのは却下らしい)。
いつもわらびーと一緒に行動しているお守り役的存在。
# クラスメイト戦隊……(笑)

小鶴羽(おづる・はね)。(CV:柳井流海)
四方山大大祭を取り仕切る祭司。小さいながらも落ち着いていて博識。

絵の方は発色のいい、明るい色遣いの可愛らしい絵ですね。とても鮮やかで
印象に残ります。コミカルな絵が多く、見ているだけでもとても楽しいですね。
立ち絵は表情変化・ポーズ変化とも非常に多彩で、アクションも大きいために
見ていて非常に楽しいです。感情がこれ以上ないぐらいに伝わってくる、入り
込みやすい演出ですね。

キャラクターはみんな個性的。3人の神様は言うに及ばず、サブキャラである
わらびーも強烈な個性を放っていて、みんなとても活き活きしています。
ということでわらびー萌え。色んな意味でステキすぎ(笑)
羽もなかなかいいのですがー。

音声はキャラクターとのマッチングもよく、演技もばっちり。
キャラクターがより一層活き活きとしている感じです。
ただ、桜姫の「がるるる」とか「にゃふ〜」など、擬音系のセリフはちょっと違和感
ありましたけど。まあ、元々これを音声化するのは難しいと思いますけどね(^^;

音楽は明るく激しい曲から静かで切ない曲までメリハリの利いた様々な曲が
揃っていて、ゲームの雰囲気を盛り上げてくれます。
基本的にコミカルな作品ですので、明るめの曲が多いですね。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポなノリのいい曲で、躍動感があっていいですね。
絵の方は800x600の絵が使われており、1枚1枚の絵は明るい色遣いで発色が
よく鮮やかなうえに丁寧で綺麗で見事です。演出もなかなか凝っていて、見て
いて楽しくなるオープニングですね。つかみはOKという感じです。

エンディングも歌あり。こちらはちょっと切ない感じの漂う、しかし明るい感じの
歌で、なかなか雰囲気があっていいですね。ただ、ちょっと歌声が演奏に負けて
いるように感じて、ちょっと勿体ないかも。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、自動モード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応していますが、バックログの表示は
ホイールでは出来ないようです。メッセージ送りはホイールでも可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。

セーブ箇所は39箇所とクイックセーブが1箇所。セーブ/ロードは戦闘中以外は
随時可能です。移動場所選択シーンではクイックセーブは使えませんが。
セーブデータはセーブ日時の他に、シーン画像とシーンタイトル、ゲーム内日付、
そしてメッセージが保存されます。
数としてはそーんなにセーブ/ロードを多用するゲームでもないように思います
ので、これだけあればまあ足りるかと。クイックセーブもありますし。

システムは、マップ移動場所選択AVG&黒玉回収SLG。
マップには誰がどこにいるかが表示され、誰もいないところにはそもそも移動
出来ないようになっていますので、空振りすることはありません。

で、SLGパート(黒払い)ですが、いろいろなコマンドやフェーズがあるため、
非常に説明し辛いですね(^^;
とりあえず8箇所あるポイントに湯玉を放って、黒玉を回収して、回収した数が
一番多い人が勝ち、というものです。
SLGパートは1日3ターンあって、コマンドは「湯玉を放つ」「温泉につかる」
「黒玉回収」の3つがあります。
湯玉を放つと回収できる黒玉の数が増えたり、その土地を自分の領地にしたり
出来ます。湯玉を放つには精神力が必要で、その精神力や戦闘で失った体力を
快復させるために温泉につかります。最後の黒玉回収は、文字通りその場で
黒玉を回収するのですが、あんまり集まりません(^^;
あと、マップ上に黒玉怪獣が表示されている所に行くと戦闘になります。
戦闘に勝てば黒玉を大量に手に入れることが出来ますが、1ターン消費して
しまうので注意が必要です。
他にもアイテムを作ったり湯玉をトレードしたり様々な要素があるのですが、
長くなるので割愛。

ゲーム中でこのあたりのシステムは丁寧に説明して貰えますし、戸惑うような
ことは……あるかも知れませんけど(^^;、まあすぐ慣れると思います。
# 「桜姫の3分間講座! 四方山祭、入門編!」……なんでBGMが3分間クッキング
# なんですか……(^^;
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が桜姫のシモベ(獲り手)となって、祭(黒払い)に参加する
ことになるところから始まります。
ライバルである鳥ノ神チーム、竜ノ神チームと交流を深めつつ、修行をして
黒払いに挑む、という感じです。

鳥ノ神チーム、竜ノ神チームとはライバル関係ではありますが、祭りは楽しく
やらないといけないということで、そんなにギスギスした空気もなく、明るく
楽しく和気藹々と過ごしている感じです。

そして、そんな楽しくも厳しい祭りの中で、それぞれが持った悩みなどを解決
しながら、繋がりを深めていく……という感じですね。

前半は終始コミカルに進みます。個性たっぷりのキャラクターたちの会話は
とても楽しく、キャラクターがみんな活き活きしています。
一番活き活きしているのは桜姫を前にしたわらびーな気がしますけど(笑)
# あと、人をからかうときの歌夜も。

後半はそれぞれが抱えた悩みに直面しつつ、それでも祭に打ち込むという、
ややシリアスな展開になります。ただ、基本的にみんな明るく前向きなので、
それほどドロドロした感じはありませんけど。
# 一部鬱になるキャラクターもいますが……。

そして最後は……なんやねんそれ。そんな無茶苦茶な。と言ってしまうほど
強引で無理矢理な展開に。まあいいか。神様だし(笑)

ラストはすっきり爽やかにまとまるような感じで後味はいいのですが、よく
考えるとちょっともの悲しい雰囲気もある、余韻の残る終わり方ですね。

H度はやや低め。各シーンは描写も比較的丁寧で、尺もそこそこ長いのですが、
基本的に1キャラにつき1回しかないためやや物足りなさを感じます。
話自体が明るく楽しい感じなので、あまりHシーンに突入するような雰囲気が
漂っていない、というのもありますが。

テキストはノリが良く読みやすいですね。ちらほら誤字が見受けられますが、
ノリと勢いで押し切っているような感じです。
# 同じ文字が重なっている所が多く見受けられましたね。「私はは」みたいな。
プレイ時間・難易度
ゲームは7月24日の水曜日から始まります。ゲーム期間は約1ヶ月。

ワンプレイは6〜7時間。テンポがいいためあまり長さは感じませんでした。

難易度は、個別シナリオに入るだけなら簡単。マップ移動で狙ったキャラに逢い
続けていれば、すんなり個別シナリオに入れると思います。ただし、神様とその
獲り手はセットになっているので注意が必要です。
問題は、黒払いで優勝しようと思ったとき。殆どのシナリオは黒払いの結果には
影響しないと思うのですが、黒払いの成績によってアイテムが貰えたりしますし、
おまけで壁紙が追加されたりします。
コツをつかめばそこそこ簡単に勝てるとは思うんですけど、コツを掴むまでは
ちょっと厳しいかもですね。
ポイントは、自分の湯玉でその土地を埋め尽くして『独占』にすることと、自分の
領地が隣接することによる『連鎖』を作ること。
この2点を念頭に置いておけば、面白いように黒玉が回収できます。
自力で回収したりとか、黒玉怪獣と闘う必要は殆どありません。特に後半は。
前半はやや厳しいですが、1日で湯玉を100以上貰えるようにさえなればもう
楽勝かと思います。
# あと、おまけシナリオはちょっと見つけにくいかもですね。
総評
お奨め度ですが、コミカルなノリのゲームが好きな人にお奨め。
後半やや重い展開があったりもしますけど、基本的には明るく楽しいおバカな
ノリで、テンポよくプレイできると思います。
そして、黒払いはゲーム性も高く、いい成績を収めようと思ったら、ちょっと
頭を使わないといけなかったり、攻略性も高くて結構遊べると思います。

ラストがかなり強引で無茶苦茶な展開になるシナリオがあったりとか、やたら
抽象的な話になって理解し辛いところがあったりとかもしますけど、笑いあり、
涙あり、ほのぼのありの、非常にメリハリの効いたいい作品でした。

設定も結構よく考えられていますし、キャラクター同士の会話もとても楽しく、
どのシナリオでも全てのキャラクターがしっかり話に絡んできていて、とても
自然な流れで楽しめました。キャラクターが活き活きとしていて会話が楽しい、
これが最大の魅力だと思います。

これと言った不満のない、とてもよくまとまったいい作品だと思います。
ゲームらしいゲームという感じですね。

最後に。ところで、どこらへんが『TROUBLE CAPTOR』?(^^;



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