忘レナ草 〜Forget-me-Not〜
ブランド名 ユニゾンシフト ジャンル ダーク/シリアス系
ノベルティ・アドベンチャー
発売日 2002.04.12 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(191x232x44mm) マニュアル ブックレット
DISC容量 DISC1 : 691.8MB、CD-DAなし
DISC2 : 639.0MB、CD-DAなし
原画 いとうのいぢ シナリオ 渡部好範
音声 あり、宗川梗、かわい乙女、鷹月さくら、望月アスカ、岩田由貴、葉月ミカ
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 108箇所 あり(2曲、ED)
おまけ CG Mode、Sound Mode、H SCENE PLAY BACK
対象属性 病院物、幼なじみ、ストレートロング、看護婦、眼鏡っ娘、ボブカット、ストッキング、
ガーターベルト、お兄ちゃん、ショートカット、ロリ、お下げ、無口、ツインテール、
オーバーニーソックス、ボクっ娘
1プレイ時間 2〜3時間 お奨め度 5

レビュー
概要
喧嘩をして病院に担ぎ込まれた主人公。そこで主人公は死神と名乗る少女に
「キミ…死ぬよ」と宣告される。しかし、同時に生き残る方法があることも
告げられる。その方法とは、女性と交わることにより生を分けて貰うという
ことだった。そのための力も与えられた主人公は生き延びるために力を使い
女性を襲う。しかしその行為は相手の命を縮める行為でもあった……。
という、ダーク/シリアス系ノベルティ・アドベンチャー。
……ノベルティっていうと、なんかグッズみたいですね(^^;
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。
バックログや既読スキップと、設定メニュー内のキャラ個別音声設定のみ
キーボードで操作できないようですね。残念。
既読/未読判別スキップ、強制スキップ、バックログ装備。
バックログはちょっと行間が空きすぎていて使いづらい気がしますけど。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600。
動作の方は比較的軽快。

セーブ箇所は108箇所。充分すぎるでしょう。セーブ/ロードは随時可能です。

ゲームシステムは選択肢決定型のアドベンチャー。
夜は誰を襲いに行くかを決定するマップ移動場所選択になりますが、何処に
誰がいるかは表示されていて、移動場所選択というより襲う対象選択ですね。

主人公は生きるために夜は必ず誰かを襲わなければいけないわけですが、
同じ人から連続して生を吸い続けるとその人が死んでしまうので注意が
必要です。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

エアリオ。死神。主人公に死を宣告し、同時に生きる方法も与える。
主人公をやけに気に懸けるが……。

朝比奈香澄。主人公が幼い頃よく遊んでいた女の子。道ばたで倒れていた
主人公を病院に連れ込んだ張本人。明るく元気でマイペース。とても病弱
には見えません(笑)

坂崎こより。足が折れてるのにギブスで走る元気な女の子。……いや、元気
とかそーいうレベルじゃない気もしますが……。
1人で鬼ごっこをする、不可能を可能にする女の子(笑)
……で、どう見ても子供なんスけど……(^^;
主人公のことを「お兄ちゃん」と呼び慕う。

真柴沙耶。無口で人間嫌いな女の子。感情をほとんど表に出さない。
しかし何故か主人公とは比較的よく喋る。何故入院しているか謎(笑)

東堂真綾。沙耶の親友、かつ保護者(笑) 沙耶が唯一心を開く存在。
自分勝手で人の話を聞かない(笑)

新田穂波。婦長。お説教マニア。日が沈むまでお説教を続ける。
てゆーか、お前、仕事しろよ(笑)


絵の方はなかなか可愛らしくていいですね。表情も活き活きしてますし。
淡い色彩の独特の塗りも丁寧でなかなかいい感じです。独特の雰囲気を
醸し出していますね。

あと、立ち絵ではそうでもないのですが、イベント絵でちょっと線が太す
ぎるかなー、という気がしないでもないですね。
結構繊細なタッチの綺麗な絵なだけに、これはちょっと気になりました。
まあ、それはごく一部の絵だけですので、基本的には安定した綺麗な絵で
良かったと思います。

香澄萌え……かな。何か企んでるときの表情がたまりません(笑)
キャラ的には真綾も好きなんですけど、そう来たか、って感じ(^^;


音声の方は、キャラクターにばっちりイメージ合っていていいですねー。
演技の方も全く問題なし。感情表現もしっかりされてますし、Hシーンの
演技もばっちり。安心してプレイできます。
エアリオやこよりの演技はたまにちょっと気になる部分もありましたが、
まあ許容範囲でしょう。


音楽の方は、作品の雰囲気にあったやや静かな曲が多いですね。
ちょっともの悲しいメロディーラインは単体で聴いてもイケます(^^)


エンディングの歌は非常にいい歌なんですが……ちょっとボーカルが力強
すぎのような気が(^^; もう少し静かな染み入るような歌で余韻を残すように
してくれた方がラストの雰囲気をそのまま楽しめたような気がします。
このボーカルだと、染み入るというより刻みつけるという感じ。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、突然死の宣告をされた主人公が生きるために罪悪感を感じ
つつも夜は能力を使って女性を抱き、そして昼にその女性と接している
うちにその女性が抱えた悩みに直面し、苦悩する……という展開。

しかし、この夜パートと昼パートの関連が非常に薄く、昼パートだけで
ストーリーが進み、夜はやるだけという感が強いです。
まあ、夜のことはヒロインは全然覚えていないのである程度仕方ないとは
思いますけど、もう少し関連性を持たせて欲しかったかも。

あと、能力を使って何度も寝たのに、能力を使わないで寝たときは初物
なんですか?(^^; なんてご都合主義な能力……。


それと、主人公は最初無茶苦茶とんがったヤツなわけですが、それがいき
なり普通のヤツになって、最後にはめちゃめちゃ優しい奴になっていると
いう過程の描き方がちょっと弱くて、変化が唐突に感じてしまいました。
# 沙耶の態度変化も相当に唐突ですが(^^;


で、私は最初に香澄シナリオをクリアしたわけですが……クリアしたときに
まず出てきた言葉が「なんでやねん」でした(^^;
いや、香澄シナリオをクリアした人、十中八九このセリフ言うと思うよ(^^;
だって、設定の説明なし、伏線の消化なし、ご都合主義な終わり方ですし。
てゆーか、どうやってそうなったんだ?(^^;

他のシナリオである程度説明されるとはいえ、もーちょっと終わらせ方に
工夫が欲しかったところですね。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は満月から月が欠けきるまで。つまり2週間ってことですね。

ワンプレイは2〜3時間。イベント1つ1つが短くテンポよくサクサク進むので、
かなり短く感じます。

難易度はクリアするだけなら比較的簡単。狙ったキャラと逢い続けて、
夜は殺さない程度に(笑)襲い続ければいいだけですので。
ただ、トゥルーシナリオ(?)はちょっと見付けづらいかもですね。
これを見ないとホント設定とか意味不明なんですけど(^^;

あと、イベント・CGの回収はちょっとやっかいです。
同じイベントでも発生条件が異なると別のイベントとして認識されるため、
どのタイミングでイベントを起こすかを考えないといけません。
まあ、言ってしまえば総当たりですから、難しくはないんですけど。
ちょっと手間がかかるだけで。
あと、バッドエンドのCGも、月の欠け方でバージョン違いになりますので、
何日目にバッドエンドを見るかでCGが変わってきます。
……細かいところに拘りすぎです(笑)
総評
お奨め度ですが……正直、難しいです(^^;

メインテーマが「生」と「死」なわけですが、これを簡単に操作しすぎ(^^;
「死にたくないよ」「じゃあこうしなさい」、「あの子を助けたいよ」
「じゃあこうしなさい」……重みなんてカケラもないです(^^;
もう少し生と死について苦悩するとか、葛藤するシーンを丁寧に描いても
よかったのではないでしょうか。ちょっとあっさりしすぎですね。

そして主人公は生きるために能力を使って生を吸い取るわけですが、この
時相手の記憶は完全に消されてしまうため、夜パートと昼パートはほとんど
関連性がなくなってしまい、ほとんど夜パートに意味が無くなってしまって
いるのは非常に勿体ないですね。
何度も寝ていると昼パートに影響が出るとか、うっすらと記憶に残るように
なるとか、何か工夫が欲しかったところ。

そしてCGの使い回しの多さ。同じ絵が表示されるイベントでも、発生条件が
異なると別のイベントと認識されるため、何度も同じ絵を見るハメになり
ます。CGモードは全て埋まっているのに、イベント回想は全然埋まっていな
い……という、とってもステキな状態が発生します(^^;
このあたりももう少しバリエーションが欲しかったですね。

全体的に見て、設定やシチュエーションはとってもいいんですけど、それを
上手く生かし切れておらず、非常に中途半端な出来になってしまったという
感が強いです。もう少し練り込めばいくらでも面白く出来たと思うんですけど。

ボリュームも少な目で、イベントのバリエーションも少ないため、かなり
物足りなさを感じると思います。

ただ、私はこよりシナリオや沙耶シナリオのラストの方の展開は結構好き
だったりするんですけどね。まあ、こよりシナリオは最初からそうしろよ、
と思わなくもないですし、沙耶シナリオはお前なんでそんなに爽やかやねん
と思わなくもないですが(笑)
ラストをもっと余韻を残すように引っ張ってくれれば、もっと良かったと
思うんですけどねぇ。ちょっとあっさりしすぎかな。

まあ、キャラクターは結構活き活きしてますし、絵も綺麗だと思いますので
あまり深いストーリー性や設定に拘らず、ちょっとシリアスなシナリオを
手軽に楽しみたい人にはお奨めってことで。
システム周りも安定していますので、プレイストレスはないと思います。


最後に。あんな都合のいい能力、私も欲しいぞ(^^;


で、結局主人公はなんで死ぬ運命になったの?(^^;
あと、あみはどうして死神になったのかとか、そもそも最後はどうして
主人公も香澄も生きてるんだよとか、そーいうのもほったらかしですか?(^^;
死神は魂を無に帰すだけじゃないのか? 万能過ぎるぞ(^^;



ロビーに戻る  レビュートップに戻る