After...
ブランド名 Ciel ジャンル AVG
発売日 2003.06.27 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(233x169x42mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 Disc1 : 638.0MB、CD-DAなし
Disc2 : 451.0MB、CD-DAなし
原画 Tony シナリオ さとだみつひこ
音声 主人公を除く全キャラフルボイス、芹園みや、柘翁そのか、みちる、深井晴花、マルコ、
神無月季、機知通、木村あやか、山口一樹、早瀬碧、前中礼二、中澤アユム、佐倉徹
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 無制限 あり(8曲、OP・ED・挿入歌)
おまけ Cg Mode、回想 Mode、音楽 Mode、Another Story
対象属性 純愛、学園物、陵辱、幼馴染み、ポニーテール、リボン、オーバーニーソックス、浴衣、
チャイナドレス、お兄ちゃん、妹、ボブカット、ヘアバンド、スクール水着、眼鏡っ娘、
紫髪、ナース服、白衣、黒髪、ストレートロング
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 6

レビュー
概要
主人公は友人の鉱太郎、慶生と共に学園でワンダーフォーゲル部を結成した。
そして、学園生活の最後に冬の日本アルプス、穂高縦走を目標として活動を
していた。3年の夏休み、卒業まで残り半年で穂高縦走の計画が本格的に動き
だそうとしていた頃、幼馴染の香奈美と妹の渚、そして鉱太郎の幼馴染である
陽子の3人が反対を押し切って入部してきた。果たして彼らは穂高縦走を無事
成功させることが出来るのか……というアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

汐宮香奈美(しおみや・かなみ)。(CV:芹園みや)
主人公の幼馴染。口うるさいタイプで何かと主人公の世話を焼こうとする。
とてもさばさばしていて諦めが良すぎる(笑)

高鷲渚(たかわし・なぎさ)。(CV:みちる)
主人公の妹。大人しくて引っ込み思案。両親が長期海外出張で不在のため、
家事全般を担当している。お兄ちゃん思いのいい娘。

喜志陽子(きし・ようこ)。(CV:柘翁そのか)
紘太郎の幼馴染みで、同じ学校。冷静沈着であまり感情を表に出さない。

絵は独特の雰囲気を持つ、柔らかいタッチの絵ですね。色っぽさがにじみ出て
いるような感じでいいですね。
CGも絵の味を殺さないように丁寧に処理されていると思います。
ただ、一部輪郭線が太くはっきりしているためやや浮いている印象の絵もあり
ましたが、まあ許容範囲でしょう。
立ち絵の方はポーズ変化表情変化ともアクションは小さいもののそこそこ数は
用意されていて、会話中違和感を覚えることはありませんでした。

キャラクターは口やかましい幼馴染み、大人しい妹、クールな友人と、明確に
位置づけがされていて、会話の反応もはっきりしていていいですね。
ここはやっぱり渚に萌えておくのが正義でしょう(笑)

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
女性キャラクターは勿論ですが、男性キャラクターもぴったりハマっていて
会話に臨場感がありますね。特に慶生の声はとても心に響きました。主に
マイナスの方向で(笑)

音楽は単体で聴いてもイケるぐらいの結構クオリティの高い曲が揃っている
ように思います。ただ、シーンの雰囲気と合っていない場合が多かった気が。
ちょっと曲が自己主張して勝ってしまっているような感じですね。

ゲームを開始すると、短いプロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。歌はポップな曲ですが、優しい歌声でいい雰囲気です。
絵の方は基本的に静止画の切り替えですが、800x600でアニメーションする
ため結構迫力がありますね。そして、曲に合わせて切り替わったりと、演出も
凝っていて見応えがあります。
ただ、若干線の処理が粗く太く目立ってしまっている部分があるのは残念。

エンディングはキャラによって別の曲が使われています。さらに、挿入歌も
あって、曲数はスタッフロールによると合計8曲のようです。
……すみません、プレイしているとどの曲を聴いたことがあるかとかそう
いうことを考えている余裕ありませんでした(^^;
もしかしたらホントに使われている曲は8曲じゃないかも……。
どの曲も総じてクオリティは高く、力強さや切なさを感じさせるいい歌ばかり
だと思います。
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。
設定メニューの中以外は全てキーボードで操作可能かと思います。
既読スキップ、未読スキップ、バックログ搭載。
バックログはマウスのホイール機能にも対応しています。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作の方は比較的軽快。ただ、スキップ動作はやや重めかも。

セーブ箇所は無制限? 最初は10箇所しか表示されていませんが、使い切ると
新たに10箇所増えます。どこまで増やせるかは未確認です。100箇所までは
確認しました。セーブ/ロードは随時可能です。セーブデータはセーブ日時の他、
シナリオ名とシーン画像、コメントが保存されます。
セーブデータは個別に色を設定したりする事が出来、その色や日時などで
ソートすることが可能になっています。
操作方法がやや解りづらいのが難点ですが、機能的には申し分なしかと。
もちろん、数は無制限なため問題なしです。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャーです。
シナリオ・プレイ感
ゲームは3年の夏休み、卒業まで半年余りとなっていよいよ穂高縦走計画が
本格的に動き出す所から始まります。

前半は幼馴染みの香奈美や妹の渚たちがワンダーフォーゲル部に入ってくる
ドタバタ的な展開や、クリスマスや誕生日などのイベントを通じて、ヒロインの
誰かと接近していく部分が描かれたほのぼの学園物という雰囲気で進みます。

キャラクターの心情描写などが上手くされており、会話もなかなか楽しいです。
ただ、イベントのある日だけをつまんでプレイするような形式になっているため、
イベントとイベントの繋がりがちょっと怪しいですね。知っているハズのことを
知らないと言ってみたり、やや整合性が気になります。
そして、イベントとイベントの間にあったことが端折られているために、展開が
やや唐突ですね。陽子が主人公に惹かれた理由とか、陽子ルートじゃないと
全然わかりませんし。ちょっと急速に接近しすぎという感じがします。
いや、実際には半年ぐらい期間があるのでゆっくりなんですけどね……。

そして後半、前半とはうって変わって非常に重くシリアスな展開。
衝撃の展開があったり、「この後どうなるんだろう」とドキドキするような展開が
てんこ盛りで、ぐいぐいと引き込んで行くような感じです。
ただ、かなりイタい展開が多いため、耐性のない人にはちょっとキツいかも。
エンディングも全て解決して爽やかハッピーエンドという感じではなく、それで
ハッピーエンドなの? という感じで後味もあまり良くないですし。

Hシーンはやや薄め。各キャラクターとも複数回用意されてはいるのですが、
シーン1つ1つはそれほど長くなく、描写もあっさりめだと思います。
そして注意しなければいけないのは、陵辱的なシーンがあること。
ゲームの雰囲気から純愛ラブラブHばかりかと思っていたのですが、そういう
シーンが出てきてびっくりしました。あんど、ヘコみました(^^;
回避してもハッピーエンドを迎えられるのですが(というか、見てしまったら
バッドエンドなのですが(^^;)、途中にもあまり気分の良くないシーンが入って
いたりしますので、覚悟はしておきましょう。
ただ、おまけのAnother Storyでは本編中では見られないキャラのHシーンが
入っていて、こちらはなかなか良かったです。

テキストは誤字もほとんど気にならず、丁寧で読みやすいと思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは8月4日から始まります。ゲーム期間は半年+α。
期間はそこそこ長いですが、1日ずつプレイしていくわけではなく、イベントの
ある日だけをかいつまんでプレイしていくような感じです。

ワンプレイは5〜6時間。テンポが良く、引き込むようなシナリオのために余り
長さは感じませんでした。

難易度はクリアするだけならそれほど高くはないと思いますが、一部しっかり
シナリオを読んでいないと正解がわからない選択肢があったりするので注意が
必要です。あと、思いも寄らないところでイベントが分岐していたりしますので、
CGをコンプリートするのはちょっと大変かもです。
総評
お奨め度ですが、純愛学園物&不思議系シリアスストーリーが好きな人にお奨め。
前半は純愛でラブラブな展開が楽しめて、後半は徹底的に重いシリアスな展開に
なりますので、1本で両方楽しめるのはお得かもです。
ただ、徹底した純愛を求める人には、後半に重い展開や陵辱的なシーンがある
こともあって、ちょっとお奨めはし辛いかも知れません。

前半は各キャラクターが活き活きとしていて会話も楽しく、主人公とヒロインが
惹かれあっていく過程はなかなかにラブラブで見ていて楽しいです。

しかし、このゲームのポイントとなるのはなんと言っても後半部分。
この部分を語ってしまうとめちゃめちゃネタバレになってしまうので詳しく語る
ことが出来ないのですが、ドロドロとした重い展開で、各キャラクターの苦悩や
葛藤などがダイレクトに伝わってくる凄いシナリオでした。
ただ、はっきり言って、プレイしていて楽しくないです。ひたすら辛く、苦しい
展開が続きますので、明るく楽しくプレイしたい人は避けた方が無難です。
前半とのギャップも非常に激しく、覚悟していないとかなりダメージを受けると
思います。特に、渚LOVEな人は相当の覚悟をしておかないとヘコみます。
ええ、めっちゃくちゃヘコみました(T_T)
# バッドエンドは回避した方が無難です……。

前半、ややイベントがぶつ切りで入り込み難いのと、後半はかなり人を選ぶ
展開になるためお奨め度はちょっと下げてありますが、そういったキツい
展開に耐えられる人であればかなり楽しめると思いますので、お奨め度に+1
しても問題ないかと思います。それだけの力のあるシナリオだと思いますから。

最後に。慶生は俺がぶっ倒す。
久しぶりにゲームやってて胸くそ悪くなりました……。
# それだけ感情移入度が高かった、ということでしょうけど。


ルー萌え〜。
ちゃんとエンディングが用意されているあたり、よく解ってますね(^^)



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