ALMA〜ずっとそばに…〜 | |||
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ブランド名 | Bonbee! | ジャンル | 王道学園恋愛ADV |
発売日 | 2003.05.02 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(215x305x28mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | Disc:1 : 519.4MB、CD-DAなし Disc:2 : 340.4MB、CD-DAなし Disc:3 : 545.7MB、CD-DAなし 主題歌&挿入歌マキシシングルCD : CD-DA=254.6MB、CD-DA6トラック |
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原画 | 的良みらん | シナリオ | 魁 |
音声 | 本格フルボイス、 田中美智、涼森ちさと、紬叶慧、朝咲そよ、佐々木あかり、征十郎、須藤彦一、新田祐一 |
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インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 64箇所 | 歌 | あり(2曲、OP・挿入歌) |
おまけ | CG MODE、SCENE MODE、BGM MODE、? MODE | ||
対象属性 | 純愛、学園物、幼なじみ、ストレートロング、お下げ、眼鏡っ娘、ポニーテール、リボン、 金髪、体操服、ブルマ、浴衣、黒髪、ボブカット、後輩、巫女さん、巫女装束、赤髪、 ヘアバンド、オーバーニーソックス、妹、お兄ちゃん、スクール水着、銀髪 |
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1プレイ時間 | 5〜6時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
3年前に事故で両親を亡くした主人公は、妹と二人で仲良く暮らしていた。 そんなある日、主人公のクラスに一人の少女が転校してくる。彼女は主人公の ことを知っているような素振りを見せる。そして、その日を境に主人公の周りを 取り巻く環境が動き始める。 果たして主人公の運命は……という、王道学園恋愛アドベンチャー。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 御月香苗(みつきかなえ)。(CV:田中美智) 主人公の幼なじみでクラスメイト。マイペースでちょっぴり天然。 一途で健気で優しいいい娘。 麻宮梗(あさみやきょう)。(CV:紬叶慧) 主人公のクラスメイト。スポーツ万能の元気少女。 口よりも先に手が出る乱暴娘。 四堂鈴(しどうすず)。(CV:朝咲そよ) 主人公の後輩。無口で控えめ、恥ずかしがり屋。何もないところで転ける。 箒が好き(笑) 十崎由衣(とざきゆい)。(CV:涼森ちさと) 主人公の妹。明るく元気でハイテンション。何かと主人公の世話を焼く。 荒良木円(あららぎまどか)。(CV:佐々木あかり) 転入生。古くから続く名家の一人娘で、古風な話し方をする。 絵の方は可愛らしいのですが若干バランスの崩れた絵が見受けられますね。 特に立ち絵に多いかも。イベントCGは概ね綺麗だと思います。光源の処理 等もしっかりされていて、丁寧だと思います。 立ち絵はポーズ変化こそ少ないものの、表情の変化は豊富で、会話にあわ せてコロコロと変わるので見ていて楽しいです。コミカルな表情が結構多い ので見ているだけでも楽しめます。 キャラクターは個性がはっきりしていて性格付けもはっきりしており、作品中 での役割も明確で活き活きとしています。 ただ、キャラクターによって登場頻度が大きく違っていて、円と鈴は出番が 少なくてちょっと可哀想ですね。特に鈴は鈴ルート以外はほとんど出てこない ような感じですし。逆に由衣や香苗はどのルートでも出まくっていますけど。 ということで由衣萌え。明るく元気でお兄ちゃん想いのいい娘で、この娘に 萌えずに誰に萌えるんですか、という感じ。……いや、梗や香苗にもかなり 萌えましたけど……(笑) 特に梗は後半の萌えがかなり反則気味(^^; 音声の方ですが、第一印象でちょっとイメージ違うなー、と思うことが多かった 気がします。まあ、すぐに慣れましたけど。 由衣はテンション高めでハイトーンな声がやや突き抜けすぎというか、浮いて いるように感じました。ちょっと無理しているように聞こえるというか、いっぱい いっぱいな感じがして。普段の話し声は全然問題ないんですけどねー。 梗はちょっと乱暴すぎる気が(^^; なんか巻き舌ですし、ガラ悪い……。 香苗も若干声が浮いているように感じましたが一瞬で慣れました(笑) 鈴は……あんまり喋りませんからね(^^; 全体的に、録音の関係か高音部がちょっと突き抜けているような感じで、 張った演技の多い由衣や梗の声が浮いて聞こえることが多かったです。 ちょっと残念ですね。 1階と2階で会話するときの声のこもり具合とか、風呂場で話すときのエコー なんかはとてもよく再現されていたんですけど。 音楽はコミカルなものからシリアスなものまで幅広く用意されており、シーンに よく合った曲が使われていると思います。 効果音の方はちょっと気になりました。「ここには効果音が欲しいだろう」と 思うところに入っていないことが多かったです。 バイクのエンジン音が「バルルーン」という文字だけで片づけられるのは いくらなんでも寂しいです(^^; ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。 歌はビートの効いた格好いい系の曲。 絵の方は基本的にはキャラクター紹介とシーン紹介なのですが、演出が結構 凝っていてなかなか見応えがありました。 エンディングは歌なし。これはちょっと寂しかったです。 エンディング付近が結構いい雰囲気で進むので、最後に歌があればさらに 破壊力デカかったと思うんですけどねぇ。 1つだけ挿入歌が流れエンディングにまた歌が流れるシナリオがあるのですが、 挿入歌の使いどころがやや微妙。 そして一番気になったのはエンディング。このゲームは音声を再生するときは BGMのボリュームを落としてくれるのですが、エンディングの歌にもこの機能が 活きているため、キャラクターが喋っているときは歌の音量が下がります。 これは結構気になります。歌が波打っているような感じに聞こえて酔いそうです。 せめて歌ぐらいは一定の音量で流して良かったのでは。 もちろん若干音量抑えめにする必要はあるでしょうけど。 ちょっと演出面で失敗してるんじゃないかな? と思えて残念です。 |
システム |
インタフェースはマウスカーソルのキーボードエミュレーションによるフル キーボードサポート。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 直前の選択肢に戻る機能も搭載されていていいですね。 バックログ中の音声再生機能もあり。マウスのホイール機能にも対応して います。インタフェースとしては必要な物はほとんど揃っているかと。 ただし、メニューはいくつかの階層を辿らないと必要な機能に辿り着けな かったり、やや使い勝手が悪いですが。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は比較的軽快。 セーブ箇所は64箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、ゲーム内日付も保存されます。 数としてはこれだけあれば充分かと思います。 システムは移動場所選択&選択肢決定型のアドベンチャー。 移動場所選択はどの場所に誰がいるかは表示されますので、誰と会いに 行くか決定する、という感じですね。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは荒良木円が主人公のクラスに転校してくるところから始まります。 幼なじみやクラスメイト、妹や後輩と明るく楽しい日常を謳歌しつつ、次第に その中の誰かとの絆を強めていくという部分が前半です。 このパートは基本的にコメディタッチの明るい展開で、各所にギャグも散り ばめられていてプレイしていて楽しいです。 爆弾発言を平気でかっ飛ばす由衣や、口よりも先に手が出る梗との会話は 見ていて楽しかったです。……梗との会話はかなり殺伐としていた気が しないでもないですが(^^; そして後半、主人公の過去が明らかになり、そこからどシリアスな展開に なだれ込みます。プレイしていて非常にもどかしい、重い展開が続いて ドキドキしながら進めていました。 基本的な設定がどのシナリオでも同じなので、先の展開が読めてしまうの ではないかなーと思っていたのですが、様々な展開が用意されていて そんなことは全然なくて良かったです。 まあ、最後は非常にご都合主義な展開な訳ですが(^^; 基本的な設定はどのシナリオでも同じなだけに、ベースがしっかりしていて 安定したシナリオだったと思います。 各ヒロインの個別シナリオに入っても他のヒロインが話しに絡んで来たり、 広がりのある展開もなかなか良かったです。 ヒロイン同士の会話とか、ヒロインと主人公を絡めた会話はなかなか楽し かったです。まあ、全然出てこなくなるキャラもいますけどね。 あまり詳しく書くと速攻でネタバレしてしまいそうですので書けませんが、 一つだけ言えることは、あの病院には入院したくない、ということですね。 色んな意味で(笑) # どこか壊れたスタッフ(笑) H度は低め。キャラによっては複数回あったりしますが、各シーンの尺はさほど 長くないです。描写の方も挿入まではそこそこ丁寧で濃いめの描写がされて いるのですが、挿入してからがあっさりしすぎ。てゆーか、主人公早すぎ(^^; テキストは誤字はさほど目立たなかったのですが、禁則処理を無視した文が やや目立ちました。この作品は文頭に全角1文字分の空白が入るのですが、 それが悪さをしているんじゃないかなー、と思えます。 その空白を考慮せずに1行の文字数を揃えられている感じです。 そのあたりがちょっと気になりました。 あと、1箇所強制的にオートモードになる箇所があるのですが、そこの テキストスピードがやや速く、頑張って読まないと置いて行かれてしまう ために、テキストを追うのに必死でじっくり味わって感情移入することが 出来ませんでした。あらかじめオートモードの速度をゆっくりめにして おけばいいのかも知れませんが……。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは7月7日の土曜日から始まります。 ゲーム期間は3週間弱。ただしシナリオによってはさらに続いたりします。 ワンプレイは5〜6時間。後半、個別シナリオに入って選択肢がほとんど なくなってからが結構長く、しかも重い話のため、やや長く感じました。 難易度は普通にクリアするだけなら低めだと思います。ただ、クリア順の 制御されているシナリオがあったりしますので、全てのエンディングを見る のはちょっと面倒かも知れませんね。 あと、このゲームはCGを100%にするとおまけの? MODEが選択できるように なるのですが、このCGを100%にするのがちょっと大変でした。 途中で選んだ選択肢によって、ちょっと先のCGパターンが変わったりします ので、なかなか気付きにくいです。 # ちなみに? MODE、とっても頭が悪い内容です(笑) ##でも、ちょっと気分悪くなった……。これはちょっと……。 |
総評 |
お奨め度ですが、ちょっと切なくもどかしい恋愛ストーリーが好きな人にお奨め。 前半はコミカルで後半はどシリアスという、この手の作品の王道的な展開です ので、そういう流れの作品が好きな人は安心してプレイ出来ると思います。 これといった問題点は見あたらないのですが、逆にこれといった特徴も見付け られない、というのが難点でしょうか。 システム的に目新しい点があるわけでもなく、シナリオもそれほど大きな盛り 上がりもなく、ごく普通の手堅い作品、という印象です。 もう少しどこかインパクトが欲しかったかな? と思いました。 あと、後半の設定に関して若干疑問を覚えたのですが、これは書くと重大な ネタバレになってしまうので、最後に伏せて書いておきますね。 ……プレイ前には読まない方が無難です。 まあ、シナリオはなかなか読ませる内容で、私はいまいちツボに入らず梗 シナリオでうるうるした程度でしたが、ツボにハマればかなり泣けると思い ますので、感動物を求める人にもいいかもしれませんね。 非常に手堅い作りの作品ですから、御お外しすることはないかと思います。 最後に。ナマコってかわいいッス(笑) ここからは致命的なネタバレ全開の突っ込みですので、コンプリートして いない人は読まない方が無難です。 というか、読んでも意味不明だと思いますし。 後半、主人公が物理的干渉能力を失うわけですが、この設定がアバウトで ちょっと疑問を感じました。 まず、物理的干渉能力がない状態で数日間バレずに過ごすのは無理でしょう。 だって、そもそも服すら着られないのでわ(^^; 靴は玄関に残したまま外出するわ、トイレも行かない風呂も入らない。 はっきり言って、雲隠れする以外にバレずにすむ方法はないような気がして ならないのですが……。 それと、香苗も自分の正体に気付いた瞬間に物理的干渉能力を失うのでは? そしてそれが他の人にバレたら香苗も消えるのでは? なんか、このあたりがさらっとスルーされてる気がするんですけど……。 # カナエルートでは明記されてましたけど。 そして、主人公と香苗を同時に復活させることが出来るなら、それよりも 前に香苗だけを復活させることも出来たんじゃないですか? ……荒良木さん、手、抜きましたか?(笑) あと、ラスト付近の時系列がやや怪しいですね。 主人公が生き返った時点で主人公は3年間眠り続けていたことになっている ハズですが……じゃあ梗や鈴といつ出会った? 幽体の状態で逢っていたときの記憶が残っているんだとしたら、今度は 「3年間待った」というセリフが意味不明ですし……。 こんな感じで、根幹に関わる設定の部分でやや疑問を抱いてしまったため、 ちょっと感情移入しきれませんでした。ちょっと詰めが甘い感じですね。 それとカナエルートのラスト、挿入歌が使われた時点で泣けるかなーと 思っていたのですが、考えてみたらあの後は香苗が目を覚ます展開ぐらい しか考えられないわけで、挿入歌まで入れて盛り上げられてもなぁ、と 妙に醒めてしまいました(^^; まあ、テキストが勝手に流れていって追うので精一杯だった、というのも あるかも知れませんけど。 最後に。梗や鈴ルートのエンディング後の、由衣や香苗の状態を考えると 結構ブルー入るんですけど(^^; 大変なことになっているのでは……。 # 円シナリオを見る限りでは、由衣の設定は変わってる気がしますけど。 |