斬魔大聖デモンベイン | |||
---|---|---|---|
ブランド名 | Nitro+ | ジャンル | 荒唐無稽スーパーロボットADV |
発売日 | 2003.04.25 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(136x190x38mm) | マニュアル | B6ブックタイプ |
DISC容量 | Install Disc1 : 589.3MB、CD-DAなし Install Disc2 : 220.8MB、CD-DAなし Game Disc : 655.1MB、CD-DAなし、SafeDisc |
||
原画 | Niθ | シナリオ | 鋼屋ジン |
音声 | 一部あり、朝宮咲、赤白杏奈、本山美奈、成瀬未亜、篠崎双葉、神村ひな、 ヘルシー太郎、Prof.紫龍、鴇原翔、氷河流 |
||
インタフェース | フルキーボード操作可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 60箇所 | 歌 | あり(3曲、OP・ED) |
おまけ | EVENT CG、回想、MOVIE、スタッフ後記 | ||
対象属性 | クトゥルー神話、巨大ロボット、アクション、オカルト、ギャグ、金髪、眼鏡っ娘、シスター、 黒髪、ツインテール、オーバーニーソックス、ボクっ娘、銀髪、ストレートロング、体操着、 ブルマ、ロリ、ピンク髪、ドリル、メイド、ポニーテール、緑髪、赤髪、ショートカット、触手、 猫耳、肉球、尻尾、羽根 |
||
1プレイ時間 | 15〜20時間 | お奨め度 | 5 |
レビュー |
概要 |
探偵である主人公・大十字九郎の元にある日、魔導書探索の依頼が舞い込む。 依頼を引き受けて調査をしているとき、謎の少女・アルと出会う。彼女は魔導書 『アル・アジフ』に宿る精霊だという。アルと契約を結び魔術師としての力を手に 入れた九郎は、魔導組織『ブラックロッジ』との戦いに巻き込まれていく。 ひょんなことから巨大ロボット・デモンベインに乗ることになってしまった九郎は、 アルと共に魔と戦うことになるのだった……という荒唐無稽スーパーロボットADV。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 アル・アジフ。(CV:朝宮咲) 主人公が出会った魔導書の精霊。主人公と契約を結び、デモンベインに乗って 共に戦うことになる。千年以上生きているが、見た目は子供で性格も子供。 結構口は悪い。 # 「おうおう勇ましいのう。早漏なわりには」(笑) シスター・ライカ。(CV:本山美奈) 主人公がよくやっかいになっている教会のシスター。孤児達を養っている。 優しくて面倒見がいいが、主人公に対してはズバズバとものを言う。 # 「結婚しようか、シスター」「断る」(笑) 覇道瑠璃(はどうるり)。(CV:赤白杏奈) 大財閥の総帥。デモンベインの所有者で、ブラックロッジとの戦いを指揮する。 気が強く怒りっぽい。 他にもキャラクターはいっぱいいるのですが、紹介しづらかったりネタバレに なったりするので割愛(^^; ドクターウェストとかエルザとか美味しいキャラいっぱいます。 女性キャラよりもむしろ男性キャラの方がいい味だしてるキャラ多いかも。 絵の方はまずロボットなどの3DCGについて言うとかなり綺麗で格好いいです。 ロボットの質感や光沢なども良く出ていますし、細かいところまできっちり描き 込まれている感じです。ムービーもなかなか格好いいですね。 ただ惜しむらくは全体的にやや画像が暗めで、ロボットの輪郭などがいまいち はっきり見えないのは勿体ないですね。 そして2DCGの方ですが……ショボめ。キャラは可愛らしいのですが、彩色の せいかどうも安っぽく見えてしまいます。3DCGが描き込みバリバリなため より一層際立ってしまっている感じですね。 ムービーの方も2D部分はなんかチープな感じで、パッとしません。 立ち絵の方はポーズ変化、表情変化共にそこそこ用意されており、シーンと 合った絵が使われていますね。ただ、ポーズが変わったのに表情はそのまま というシーンがいくつか見受けられてちょっと不自然なところもあるかも。 あと、背景がやたら綺麗に描き込まれているため、ちょっとキャラが浮いて いるように感じるかも知れませんね。 キャラクターはみんな個性的というかマトモなヤツがいないというか。 そもそも普通の人間は数えるほどしかいない気がするのですが(^^; 一応メインヒロインっぽいアルなんて、ぶっちゃけた話「本」ですからね。 ……まさか「アル・アジフ」とか「ナコト写本」なんてものに萌える日が来る とは思いませんでした(笑) # ちっちゃくなったアル・アジフ萌え(笑) 音声はややキャラから浮いているように感じることが多かったです。 最初、ちょっとイメージ違うかなー、と感じたキャラが何人かいました。まあ、 しばらくプレイしていれば慣れましたけど。 マスターテリオンは「少年」「中世的」という設定なわけですが、声を聴いて いるとどうもそうは思えないんですけどねぇ……。この声に対する固定概念が 私の中に出来てしまっているからでしょうか。 そんな中、ドクターウェストの声はさいこー。もうウザいぐらいのくどい演技は 脱帽です(笑) そして、音声に関して言っておかなければなないことが一つ。 このゲーム、フルボイスではなく一部音声ありなわけですが……一部過ぎです。 最初の方は結構音声が入っているのですが、話が進むにつれどんどん音声が なくなり、途中全く音声なしの状態が延々と続きます。さすがにラストの方は 音声が復活しますが、あまりにも少なすぎでしょう。全体の20%ぐらいしか音声が 入っていないような印象です。 どう考えても音声があった方がいいような重要と思えるシーンに音声が入って いないかと思えば、どうだっていいような日常のイベントに音声が入っていたり、 もう訳わかりません。極めつけは、Hシーンでも音声がない所が結構あります。 どういう基準で音声の付けるシーンを選んだんでしょうね。 音楽は全体的にちょっと不思議な独特の雰囲気が漂う曲が多いですね。 作品の雰囲気をうまく盛り上げてくれます。 ちなみにおまけに「音楽鑑賞」がないのはちょっとマイナスかも。 せっかくこれだけのクオリティの音楽なんですから、単体でもじっくり聞きたい ですよねぇ。 プロローグの後、オープニングムービーが流れます。 歌は男性ボーカルの渋い歌で、力強くていいですね。 絵の方もメカが非常に格好良く、エフェクトも上手く利用されていて非常に 見応えがあるのですが……たまに出てくる人間キャラのアニメーションが なんかショボくて、メカアニメとのギャップもあって安っぽく見えます(^^; エンディングも歌あり……なのですが、どうもラストの展開と歌が合って いない気が……。まあ、男性ボーカルの曲はなかなか雰囲気もあって 良かったと思うのですが。 |
システム |
まずインストール。システムドライブ以外のドライブにインストールしようと 思ったら、残りディスク容量0MBとか言われてインストール出来ませんでした。 ……あのー、結構空いてると思うんですけど?(^^; 修正版のインストーラを使えばシステムドライブ以外にもインストールが出来 ましたが、これはいくらなんでも……。 さらに、ゲームを起動しようと思うと、SafeDiscでした(T_T) まあ、サポートにメール投げたらすぐに対応して貰えましたのでいいですが、 なんとかならんもんですかねぇ……。 さらにさらに、修正ファイルを入れない状態だとオープニングムービーを 見た後で百発百中落ちます。 スキップできる設定にして無理矢理先に進めても、突然固まったりします。 ……勘弁してください。 修正ファイルを入れることによってほぼ安定動作するようになりましたが、 ちょっとこれは酷いでしょう。これ、商品ですよ? 店頭で売ってるんですよ? これで金取ってるんですよ? もーちょっとマトモなもの作ってください。 インタフェースはフルキーボード操作可。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 メッセージ送りやバックログはマウスのホイール機能に対応しているのですが、 ログモードからの離脱が右クリックやESCキーで出来ないなどやや直感的でない インタフェースになっていますね。 そしてログモードに入ったとき、表示されているログは現在表示されている メッセージだけの場合が非常に多く、遡って見ようと思うと必ずボタン操作が 必要になります。直前のメッセージを見返したいだけでもその動作が必要に なるわけで、ちょっと使いづらいですね。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は軽め。CPU利用率も低くいい感じです。 ただ、メッセージウインドウの表示にエフェクトがかかっていて重いので、 ちょっと苛々するかもです。設定でエフェクトを切れば問題ないですが。 あと1つ気になったのは、フルスクリーン状態からウインドウモードに戻すと 他のウインドウ位置をことごとく破壊してくださりやがります。 もはやこんな仕様は絶滅したと思っていたのですが、未だに残っているのを 見ると目頭が熱くなります。色んな意味で。 それと、フルスクリーンモードの状態でゲームを終了しても、次回起動時には Windowモードに戻ってしまっているのもちょっと。 セーブ箇所は60箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、そのシーンの縮小画像とメッセージの一部が 格納されます。設定を変更することにより、このメッセージを編集することが 出来るようになります。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。 フラグの積み重ねでシナリオが分岐し、特定の選択肢でエンディングが分岐する タイプのようです。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは主人公が飢え死にしそうな所から始まります(笑) そして魔導書探しの依頼を受けてアルと出会い、デモンベインに乗ることに なって物語が動き始める、という感じですね。 まず最初に触れておくべきこととしては、この作品のベースとなる設定は クトゥルー神話です。 さらに、ロボットを駆使して魔と戦うという話な訳ですから、自然とハードで シリアスな展開になる……と思っていたのですが、実際にプレイしてみると なんのなんの。非常にギャグアニメ的展開が多いです。会話の掛け合いは ギャグそのものですし、どんなに吹っ飛ばされても高いところから落ちても 死にません。ちょっと壁や地面にめり込んだりするだけです。 シリアスな部分もありますが、基本的にはギャグっぽいですね。全体の半分 以上ギャグだった気が。 しかも、シリアスなシーンでもちょっと気が緩むとすぐにギャグになるような 感じで、いまいち緊迫感に欠けているような気がします。 さすがにラストの方はなかなか重いシリアスな展開にはなるのですが、それでも 会話の端々におちゃらけたセリフが混じっていてちょっと締まりがないなー、と。 もう少しシリアスなところは徹底的にシリアスにして欲しいところです。 まあ、それを差し引いてもテンポのよいスリルのある展開で、ドラマティックな 演出も多用されていて、話に引き込むだけの力を持ったシナリオだとは思います。 ただ、ヘタにクトゥルー神話を知っているからか、やや先の展開が読めることも あって、今ひとつ乗り切れなかったなぁ、という感じだったのは残念。 いくつか感動的なシーンもあるのですが、そういうシーンの引っ張り方もやや 弱く、もう一押し欲しかったかな、という感じですね。 Hシーンは数はそこそこ多いものの、本番が少なかったり短かったりでやや薄め。 特に音声のないシーンが結構あるのは勿体ないですね。 テキストですが、誤字が非常に多く、しかも難しい言い回しや回りくどい表現が 多いため、誤字ではないにしても読みづらく解りづらい文章が多いです。 設定上仕方ないかも知れませんが、もう少し配慮が欲しかったですね。 特に漢字にルビを振るシステムはあるわけですから、難しい漢字や表現には ルビや注釈をもっと付けるとか、方法はあるかと思うのですが。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は特になし。 ワンプレイは15〜20時間。シナリオによっても結構差がありますし、ほとんど 音声なしなので文章を読む速度でもかなり差が出てくると思います。 難易度は低め。選択肢の数はそれほど多くないですし、選択肢の効果は だいたいわかりますのでそれほど悩むことはないでしょう。エンディングも 最後の方の選択肢だけで分岐している感じなので網羅するのも楽でしょう。 |
総評 |
お奨め度ですが……難しいところですね。 まず、クトゥルー神話が好きな人にはお奨めできるかと思います。 「クトゥルー」「ナコト写本」「ネクロノミコン」「ルルイエ」あたりの単語を聞いて 興味をもつ人なら、なかなか楽しめるかと思います。 逆にこのあたりの知識が全然ない人は、やや難しいかも知れませんね。 そして、巨大ロボット好きな人にもお奨め。各所で巨大ロボットによる戦闘が 行われますし、その一部シーンはムービーが使われていたりと、なかなか 格好良く描かれていると思います。 ただ、注意しなければならないのは決してハードでシリアスなストーリーを求め すぎないこと。シナリオの半分ぐらいはギャグで占められており、シリアスな シーンの中でもギャグっぽいセリフが出てきたりしますので、今ひとつ緊迫感が なくメリハリに欠けている気がします。 まあ、ギャグはそこそこ笑えるのでそういうのが好きな人にはいいかもですね。 ジャンルにある「荒唐無稽」という言葉の意味がこういう方向だとは思いません でしたね(^^; それさえ気にしなければ、シナリオはなかなか面白いですし、クトゥルーに対する 知識がそれなりにあれば感情移入度もなかなか高いと思いますので、そこそこ 楽しめるかと思います。やや共通シナリオが多めですけどね。 しかし、問題点が2点。まずはシステム的な問題。 インストーラからしてボロボロで、プロテクト誤爆の可能性はあるわ、スクリーン 状態の制御がなんかおかしいわ、バックログが使いづらいわ、誤字が多いわ、 極めつけは修正ファイルを入れないとマトモにプレイできないという有様。 もう少ししっかり作り込んで欲しいものです。 そして音声の問題。「一部音声あり」とのことですが、一部過ぎます。 ほとんどのキャラは登場シーンでは音声があるのですが、その後は音声がなく なることが多く、序盤と終盤はそれなりに音声があるけど中盤にはないという 所から、音声の収録をしたときにシナリオがほとんどあがっていなかったんじゃ ないかなー、と勘ぐってしまいそうです。 システムに関しても音声に関してもそうですが、どうも大急ぎでやっつけで作った のではないか? という印象が拭えません。 ゲーム自体はそこそこ面白いのですが、この2点で激しく印象を悪くしています。 これらがクリアされれば元々の設定からやや人は選ぶものの、感情移入度の 高いぐいぐい引き込まれるような作品になったんじゃないかな、と思えるだけに 残念です。 システムの問題がなくなりフルボイス化されれば、お奨め度は7付けてもいいです。 作品の面白さだけで判断すると、そのぐらいの出来はあると思います。 で、思うんですけど、こんな中途半端な状態でとても完成とは思えませんので、 おそらくDVD-ROMなりDVD-PGなりコンシューマ移植なりでフルボイス完全版が 出るような気がしてなりません。 ですので、もし購入を迷っているのでしたら、完全版が出るまで待ってみると いうのも手かも知れませんね。 結構プレイ時間が長いゲームですから、こんな中途半端な状態の時に手を 出して完全版が出たときに再プレイするとなるとかなり時間の無駄になると 思いますので、それなら最初からそれを待った方が賢明かと思います。 まあ、あくまで私の予想ですので完全版なんて出ないかも知れませんけど……。 もし「それでもいい。今プレイする」という方も、必ず修正ファイルは入れて からプレイしましょう。じゃないととっても寂しいことになります。 # 私の環境ではそれ以前にマトモにプレイ出来なかったわけですが。 ##というか、インストールすら出来なかったわけですが……。 最後に。 スーパーウェスト無敵ロボ28號改ドリル・エディション〜男の夢よ永遠に〜(笑) 神様弱すぎ(^^; 人間にあっさり殺されるなよ……。 |