英才狂育
ブランド名 九頭龍 ジャンル 学園陵辱アドベンチャーゲーム
発売日 2003.12.05 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(163x230x38mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 Disc01 : 404.9MB、CD-DAなし、CD-ROM XA
Disc02 : 318.4MB、CD-DAなし、Alpha-ROM
原画 杉菜水姫 シナリオ 天崎カケル
音声 あり、冬樹みずほ、青山ゆかり、ダイナマイト亜美カンザキカナリ、北都南
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 60箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ 美術室、視聴覚室、音楽室
対象属性 鬼畜、陵辱、学園物、女教師、眼鏡っ娘、幼なじみ、お兄ちゃん、ストレートロング、和服、
着物、お嬢様、ツインテール、リボン、ボクっ娘、病弱、ストッキング
1プレイ時間 3〜10時間 お奨め度 4

レビュー
概要
主人公は実績のある教師。ある日、私立秀華学園の学園長を務める叔父に
呼ばれ、教師としての力を貸して欲しいと頼まれる。なんでも、かつては名門
だったこの学園も、向学意識の低下や度重なる不祥事により、名声が落ちて
いるらしい。主人公は依頼を快く引き受け、何人かの生徒をピックアップし、
その生徒の才能を引き出し、超一流にすることを約束する。しかし、主人公の
教育方法は、快楽を与えて才能を伸ばすというものだった……という、学園
陵辱アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

佐倉ほのか(さくらほのか)。(CV:北都南)
学園に勤める女教師。学園長の秘書。男子生徒の人気は高い。
計算高く、利己的。保身のためなら何でもする。

麻生柚月(あそうゆづき)。(CV:冬樹みずほ)
主人公の幼馴染みで、妹のように可愛がっていた。大人しく控えめだが、
芯は強い。ヴァイオリニスト。主人公のことを「お兄ちゃん」と呼び慕う。

久遠寺椿(くおんじつばき)。(CV:青山ゆかり)
華道を嗜むお嬢様。無口で無表情な大和撫子。

樹若葉(いつきわかば)。(CV:ダイナマイト亜美)
大人しく控えめで、恥ずかしがり屋で人見知りの激しい女の子。
本が好きで、自分でも小説を書き、賞を取ったこともある。

樹双葉(いつきふたば)。(CV:カンザキカナリ)
若葉の双子の妹。気が強く、明るく元気で天真爛漫。フィギュアスケーター。

絵の方は、可愛く綺麗で色っぽい、すっきりとした絵柄ですね。Hシーンでの
構図がなかなかエロいです。CGの処理も綺麗で丁寧で、素晴らしいです。
立ち絵は表情変化・ポーズ変化ともにあり。会話内容や雰囲気に良く合った
表情が使われており、感情移入しやすいです。

キャラクターはそれほど自己主張の強くない、大人しい感じのキャラクターが
多いですね。突飛な設定のキャラはほとんどおらず、ごく普通の生徒という
感じです。まあ、みんな何らかの才能には秀でているわけですけど。

音声は……ちょっと微妙。柚月とか若葉は、今ひとつキャラクターとうまく
馴染んでいない気がします。
演技の方は概ね問題なく、陵辱シーンなどの緊迫感も良く出ていると思う
のですが、柚月は若干物足りなさを感じました。

音楽は、ピアノやストリングスを使用した、広がりのある壮大な雰囲気の
曲が多め。これがなかなかゲームの雰囲気と合っていてちょっとびっくり。
各キャラクターのテーマ曲はキャラクターとぴったり合っていると思いますし、
クリアなサウンドはなにげにかなりクオリティが高いと思います。

プロローグが終わると、オープニングアニメションが流れます。
歌は色っぽい雰囲気のある歌で、なかなかいい感じです。
絵の方は、しっかりアニメーションしていて、結構動いてます。
さすがにゲーム中のイベントCGほど繊細で綺麗な絵ではありませんが、充分
鑑賞に堪えうる絵が動いているのは、なかなか見応えがあります。

エンディングも歌あり。しっとりとした感じの曲ですが、力強さがあって
包み込むような感じで、プレイ後の気持ちを穏やかにしてくれるようです。
……調教物ですけどね(笑)
システム
このゲームはAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、誤爆の可能性が
あるので注意。サポートはアンケート葉書を送る必要があります。

インタフェースはややキーボード操作可。
メッセージ送りや選択肢決定はキーボードで出来ますが、セーブ/ロードや
環境設定の内部はキーボードで操作できないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、自動モード搭載。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方はやや重め。
通常の動作は軽いのですが、描画が非常に重いです。画面効果をOFFにして
やっとマトモに見られるかな、という感じ。

セーブ箇所は60箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、ゲーム内日付と時間帯が保存されます。
数としては、クリアするためには結構セーブ/ロードを多用することになるかも
知れませんが、1箇所を使い回せばいいだけですし、これだけあれば足りる
かと思います。

システムは、スケジュール決定型+選択肢決定型のアドベンチャー。
1日は朝・昼休み・放課後の3つのパートに分かれており、各パートごとに
どこに移動するかを選択します。1日の初めにその日1日の行動を全て決定
するわけではないため、スケジュール決定型というよりも、移動場所選択型と
いった方が相応しいかもですが。一応、放課後は5ターンあって、5ターン分の
移動場所はまとめて決定する方式にはなっていますけど。
移動箇所は10箇所あって、移動場所にカーソルを合わせると、誰がいるのか
表示されます。

それとこのゲーム、めちゃくちゃ頻繁に落ちます。15分ぐらいプレイして
いると、突然固まったり、ダイアログが出たり、OSまで巻き込んで落ちたり、
不安定にも程がある、という感じで、もはやマトモにプレイ出来ません。
特に、私はプロテクト誤動作で起動する確率自体が低いため、苦行でした。
この現象は、Windows95系のOSのみらしいのですが、プレイするときはその
ことを念頭に置いておきましょう。
最新版の修正ファイルを適用すれば、この現象は収まると思いますので、
プレイする前には必ず修正ファイルを適用するべし。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、主人公が学園の教師を引き受け、ピックアップした生徒を
調査し始める所から始まります。ターゲットとなる生徒を確認し、それぞれ
どういう方法で堕とすかを画策します。

ストーリーは終始落ち着いた感じで、重苦しく、淫靡に進みます。
どういう方法で堕とすかを決めたら即座に行動に移り、それ以降はひたすら
調教を続けるという展開になります。

特筆すべきは心情描写。ヒロイン達が主人公をどう思っているかや、調教を
受ける中で気持ちがどう変わっていくかなど、心理描写が丁寧にされており、
気持ちがよく伝わってきます。
ちょっと心境の変化が早すぎるように感じることもありましたが、短い期間で
話を進めるわけで、ある程度は仕方ないでしょう。

気になったのは、イベント間の繋がりの弱さ。一緒に帰るために約束するだけ
しておいて、一緒に帰る描写はなかったり、まだ一度も酷いことをしていない
にも関わらず、異常に嫌悪されていたり、若葉を助けたその当日に、若葉に
「あの日は私先に帰っていて」と言われたり、2回目のHが2回あったりなど、
整合性でも気になる部分がちらほら。

そして、ラストはかなりあっけなく、ご都合主義的な印象は受けますが、あまり
奇をてらってもしょうがないでしょうし、これはこれでいいでしょう。すっきりと
綺麗にまとめてくれる感じです。

H度は高め。シーンの数は多く、描写も濃いめ。尺の長さもたっぷり用意されて
おり、丁寧に描かれています。ただ、陵辱的なシーンがほとんどで、第三者に
よる陵辱や、器具を使用した調教など、普通でないシーンがほとんどですので、
耐性のない人にはちょっとキツいかもです。
ただ、最後の方はヒロイン達も調教を受け入れていますので、それほどひどい
印象は受けませんけど。
# いや、鬼畜は鬼畜なんですけどね(^^;

テキストは誤字等もあまり気にならず、クセもあまりなく、読みやすいテキスト
だと思います。ただ、ちょっとうんちくくさい文章がたまに出てくるのは気には
なりましたけど。あと、行頭に『。』や『」』が来ていることもありました。
プレイ時間・難易度
ゲームは9月1日の月曜日から始まります。ゲーム期間は約1ヶ月。

ワンプレイは3〜10時間。ターゲットを1人に絞ってプレイした場合は3時間強
ですが、全員同時に進めると10時間ぐらいはかかると思います。
まあ、1人ずつクリアしていって、最後に全員同時攻略をすれば、スキップが
景気よく効きますので、あまり時間はかからないでしょうけど。
逆に、最初に全員同時攻略すれば、個別攻略でスキップが効きまくりますが、
いきなり全員同時攻略はまず無理でしょう(笑)

難易度はやや高め。1人ずつクリアする分には、狙ったキャラとひたすら会い
続ければいいのでそれほど難しくはないのですが、トゥルーエンドを見るため
には全員同時攻略する必要があり、イベントがバッティングしないように注意
する必要があります。選択肢の数もやや多く、1つ間違えるだけでクリア出来
なくなったりするので注意が必要ですね。
総評
お奨め度ですが、鬼畜・陵辱・調教好きな人にお奨め。キャラクターによって
アプローチが違い、様々なイベントを楽しむことが出来ると思います。
心情描写も巧みで、ヒロインの心の動きなどもよく解ります。

ただ、主人公は一見クールで計算高いヤツに見えますが、結構アバウトで
いきあたりばったりです(^^;
# 「へー、かっこいい」はないだろう(笑)
最初に襲いかかるシーンも、色々と計画こねくりまわしている割には、結局
普通に襲いかかって写真撮って脅すなど、ありきたりな行動に収まっていたり
します。もう少し巧妙で狡猾な手口を期待していたのでちょっと拍子抜け。
# ラスト付近の攻防は、なかなか面白かったですけど。

それと、中盤はひたすらHシーンの連続で、それ以外のイベントがランダム
イベントぐらいしかないため、中だるみがするというか、話が全然進んで
いないように感じるかも知れません。
Hシーンの中の心情描写が変わっていけば良いのですが、同じイベントの
選択肢違いを3回見せられたりとかしますので、今ひとつ盛り上がりに欠け
ます。もう少しメリハリも欲しいところですね。

そして何よりシステムの不安定さ。修正ファイルを当てずにWindows95系の
OSでプレイすると、もはやマトモにプレイできません。
ホントにWindows95系のOSでテストプレイをしたのか、疑いたくなります。
正常に動作しないのなら、動作対象OSとして記述しないで欲しいです。
作品としてはともかく、製品としては論外です。
修正ファイルを適用すればこの現象は解消されるようですので、プレイする
前には必ず修正ファイルを適用しましょう。
Windows95系のOSで、修正ファイルを適用せずにプレイするのは自殺行為
です。ヘタするとOSぶっ壊されます。ええ、クラスタやられましたとも。
私も最初マトモに動作しなくて、耐えきれなくなり投げ出して、修正ファイルが
出たのでようやく再開した、という感じです。

ゲームの内容としては、非常にエロく、イベントやCGのボリュームもあって、
やや整合性などは怪しいものの、それなりに楽しめると思います。
ただ、システムに爆弾を抱えていて、Windows95系のOSではマトモに動作
しないなど、お金を取っている製品としてあまりにお粗末です。
修正ファイルを当てないとマトモに動作しない、いわば不完全な不良品を
買わされるユーザの立場になって考えて欲しいものです。

お奨め度の方は、プロテクト誤爆によって印象が悪くなっているところに、
システムのあまりの不安定さにムカっ腹が立っていて感じ悪かったため、
かなり低めになっています。私が最初からWindows XPでプレイしていたら、
もう少し評価は高くなっていたと思います。ですので、純粋に作品のみで
評価した場合は、お奨め度に+2ぐらいして考えて戴ければと思います。
ゲームとしては決してつまらないわけではありません。念のため。
製品・商品として、あまりにお粗末だった、というだけです。

ちなみに、サポートの対応はアンケート葉書を送らねばならなかったものの、
マメに状況報告があり、修正版のCDと一緒に新たなアンケート葉書自体と、
葉書を送るのに必要だった切手代が同封されていて、好感は持てました。
次回作ではこういった不具合のない、しっかりとした製品を作ってくれれば、
高い評価が出来るんじゃないかと思える感じですね。期待したいところです。
……出来れば陵辱物以外を……(笑)
# ついでに、プロテクトもなしで(笑)

最後に。「最近構ってくれない」……いや、昨日しただろ(^^;



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