緋の月
ブランド名 みるくそふと ジャンル 幕末マルチサイトADV
発売日 2003.10.24 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(154x222x50mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 壱 : 500.2MB、CD-DAなし
弐 : 320.4MB、CD-DAなし
オーディオドラマ夢七夜 : CD-DA=579.3MB、CD-DA10トラック
原画 ねこにゃん、川合正起 シナリオ G・ハギス、根上広行
音声 主人公を含む完全フルボイス、児玉さとみ理多あ・ろま、楠鈴音、
間寺司、中瀬ひな鳩野比奈緒田マリ、胸肩腎、向井弥・葵
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所 あり(2曲、ED)
おまけ 閲覧(音楽鑑賞、画像鑑賞、思ひ出回想)
対象属性 時代物、活劇、純愛、侍、着物、和服、ツインテール、幼なじみ、ショートカット、くノ一、
オーバーニーソックス、触角、ストレートロング、リボン、女医、病弱、妹、お兄様
1プレイ時間 2〜3時間 お奨め度 6

レビュー
概要
父の仇を探して日本中を旅している霧と惣一。その仇が御津鍬藩にいると聞き、
町で捜査を始める。しかし町では、神隠しや、危険な薬の蔓延など、きな臭い
話が持ち上がっていた。そして二人も事件に巻き込まれていく。果たして二人は、
無事に仇・神崎を討つことが出来るのだろうか。そして、町で起こっている事件の
真相は……という、幕末マルチサイトADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

霧。(CV:理多)
剣客小町と謳われる剣の達人。惣一の師匠。
せっかちで気まぐれで意地っ張り。大食らいで我が侭で頑固。でも、子供っぽく
可愛らしい一面や、優しい面も持っている。

茜。(CV:あ・ろま)
ごろつきに絡まれているところを惣一達に助けられた少女。
料理店・胡桃屋の娘で、惣一達に宿を提供する。

明るく元気で好奇心旺盛な女の子。

香澄。(CV:楠鈴音)
茜の姉で、医者。おっとりしているように見えて、結構あわてん坊。

和泉。(CV:中瀬ひな)
城代家老の姫君。清楚で気品に溢れた美しさを持つ。大人しく物静かな女性。

さくら。(CV:緒田マリ)
茜の親友。薬問屋の娘で、父親が神隠しに遭っている。

静音。(CV:児玉さとみ)
胡桃屋の雇われ女将。町一番の情報通。

絵の方は可愛らしく綺麗な絵柄ですね。ちょっと色気が足りないような気は
しますけど。整いすぎている感じ?
CGの処理は輪郭のはっきりしたコントラストが強めの仕上げになっています。
私は結構こういうタッチの絵は好きかも。
立ち絵はポーズ変化は全くないのですが、表情変化は豊富で、会話中に
表情がコロコロ変わるので見ていて楽しいです。
背景の月が、日にちによってちゃんと満ち欠けしているのはなかなか良げ。
ところで、背景CGに「行殺☆新選組」の沖田鈴音や土方歳江がいるのは
何故ですか?(^^;
# メーカも違うし原画家さんも違うと思うのですが……幕末だから?(^^;
##よそ様のキャラを出したら切腹よ♪

キャラクターは個性がはっきりしており、活き活きしています。
二面性を持っているキャラが多く、そのギャップも楽しいですね。
さくら萌え。礼儀正しくてええ娘や(T_T)
そして和泉萌え。……いや、第一印象で、ね(^^;
霧もなかなか可愛らしいですね。そして何気に静音さんも好きかも。
キャラクターはみんななかなか魅力的です。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も申し分なし。
霧の声は最初ちょっと浮いた感じを受けましたが、すぐに馴染みました。
茜は終始浮いた感じですが、まあ元々そういうキャラなので(^^;

音楽は、静かで、もの悲しい感じの曲が多めですね。和楽器がふんだんに
使われており、雰囲気が良く出ています。

エンディングは歌あり。静かながらも力強く綺麗な歌で、心に染み入ってくる
感じです。詩も良く、演奏と歌のバランスもばっちりで、とても良くできた歌
だと思います。

そして、最後のシナリオの時は別の歌が使われるのですが……これがまた
非常にいい歌で、歌を聴いただけでも涙が出そうです。確かな歌唱力に
裏打ちされた、しっとりとした落ち着いた歌は、とても切なく、心に響く
ような感じです。この歌だけでもプレイした価値がある感じ。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
バックログもキーボードで操作できたりはしますが、復帰できないので(^^;
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能にも対応しています。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作の方はやや重め。画面の切り替えなどでエフェクトが入るのですが、これを
OFFに出来ないのは辛いですね。

セーブ箇所は100箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他に、何夜目かと、自由記述のコメント、そして
シーン画像が格納されます。
数としては充分でしょう。全選択肢でセーブしても余ると思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
特徴としては、メッセージウインドウが縦書きか横書きかを選べるようになって
いるところでしょうか。なかなか面白いですね。
初期値では縦書きになっているのですが、さすがにこれだけ横書きに慣れて
しまうとちょっと馴染めなかったので、横書きにしました。
ただ、メッセージウインドウがテキスト2行分の幅しかないので、ちょっとクリック
回数が多めになってしまっているかもですね。
# これは縦書き・横書きともに同じですけど。

それと、最初、タイトルメニューを見て「始込境覧」と「開読環閲」と「終了」の
3つのメニューしかないと思った私は大バカ野郎でしょうか(^^;
# だって、縦書きだと思ったんだもん……。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、惣一と霧が、仇である神崎がいるという町に到着するところから
始まります。そこで、ごろつきに絡まれていた茜とさくらを助け、茜の家に泊めて
もらえることになる。そして、いろんなツテを使ったり、自分たちで動いたりして、
神崎の居所を確かめ、仇討ちを行うという流れになります。

途中、神隠しに遭って失踪したさくらの父親を探したり、「緋」と呼ばれる薬の
出所も併せて捜査する流れになったりします。
# 「礼の金銭などは求めぬ。土地の美味などで良いからな」……求めてんじゃん(^^;

前半はややコミカルに進みますが、元々仇討ちのためだったり、深刻な事件が
発生していたりするので、どこか重さが漂っている感じです。

そして後半はシリアスで重い展開。それぞれヒロインが抱えている悩みや問題を
解決しつつ、仇討ちや事件を解決していくという感じです。

気になったのは後半の盛りあがり。
前半は比較的描写が丁寧でしっかりしているのですが、後半はやや駆け足で、
描写もあっさり気味なのがちょっと気になりました。
1日ずつプレイしていくタイプのゲームなのですが、1日あたりのプレイ時間が
日が進むにつれてどんどん短くなっていく感じです。
中盤はあっさりでもいいと思うのですが、ラストはもう少し丁寧に、きっちり盛り
上げて欲しいところですね。あっという間に終わってしまうので、ちょっと拍子
抜けです。

あと、1周目をクリアしたとき、「第一幕 完」と出てびっくりしました。
どういうことかと思って2周目をプレイすると「第二幕 完」と出ました。
どうやら全体がひと繋がりになっている、という感じのようですね。
そして、全キャラ攻略すると、タイトルメニューにメニューが追加され、
新たに別キャラ視点のストーリーをプレイすることが出来るようになります。
ここまでプレイしないと意味がない、という作りのようですね。
# パッケージのあちこちにその旨が書いてありますが。

H度は低め。ほとんどおまけのような感じで、導入も唐突なら尺も短め、描写も
あっさりめです。なくても気にならないような感じ。
一番最後の最後のシーンだけは、ちょっとH度高めでした。このシーンはなかなか
良かったと思います。あと、1シーンだけかなりきっついシーンがあってヘコみ
ました。ホントに一瞬だけなんですけどね……。

テキストは、時代物ということでやや独特の言葉遣いですが、それほど小難しい
わけではないので入りやすいとは思います。誤字等も殆ど気になりませんでした。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は15日間。1日ずつプレイしていくタイプです。

ワンプレイは2〜3時間。ラストの展開が非常に早いため、あっけなく感じました。

難易度は低め。どの選択肢が誰に影響するのかが判りやすく、個別ルートに
入るポイントも明確ですので、悩むことはないでしょう。
# まあ、私はいきなり和泉狙いで行って自爆したわけですが(笑)
総評
お奨め度ですが、幕末時代物剣客アドベンチャー好きな人にお奨め。
雰囲気はとても良く出ていますし、戦闘シーンも結構用意されていて、なかなか
楽しめると思います。

ただ、難点はやはり後半の弱さですね。前半は描写が丁寧なのに、後半になると
どんどん駆け足になるのは勿体無いです。特に、一番盛りあがるであろう仇討ち
シーンや事件解決シーンが非常にあっさりしているのは、一体今まで何のために
話を進めてきたんだろう、という気持ちになってしまいます。

それと、「幕末マルチサイトADV」というジャンルを謳っているので、いったい
どれだけ視点が切り替わるんだろうと思ったら、ラストのシナリオが別キャラの
視点になっているだけで、ちょっと拍子抜け。てっきりヒロイン視点とかもある
かと思ってました。
# 「へぇ、そうだったのか!」と思うことはほとんどなく、「やっぱりね」と思う
# ことがほとんどでした。

とにもかくにもシナリオの弱さが勿体無い作品ですね。
絵は綺麗ですし、音声もいいですし、音楽も雰囲気を良く出してくれています。
設定もなかなか面白いのですが、いかんせん後半の展開が駆け足で圧倒的に
描写不足のため、せっかくの素材が活かされていない感じで残念です。
マルチサイトももっと有効に利用して欲しいところですね。

ただ、ラストのシナリオは切ないいい話だと思いますし、エンディングは
素晴らしい出来だと思いますので、これを見るためにプレイしてもいいかも、
という感じです。ややボリュームも少な目で、そーんなに長くないですし、ね。

最後に。神崎の剣の流派って、やっぱり神崎一刀流なのでしょうか?(笑)
# 微妙に字が違います(^^;
##(C)とらいあんぐるハート2・3


じゃあ、さくらの流派は北辰一刀流ですか?
てゆーか、さくらの姓は「真宮寺」ですか?(笑)
# 剣士じゃないし太正でもない(^^;

しかも、無残に殺されるしなっ(T_T)
さくらにも救いの手を……(T_T)
# 「緋の月」シナリオでは酷いことに……(T_T)

しかし、このゲームって、惣一や霧は主人公ではなく、神崎と和泉、そして
椿がメインの話なんですよね。もう少しそれを前面に出しても良かったのでは。
ラストの椿の笑顔は最高でした。



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