ブランド名 light ジャンル ノベル型ADV
発売日 2003.11.14 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x232x42mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 INSTALL DISC : 493.6MB、CD-DAなし
BGMコレクション : CD-DA=524.7MB、CD-DA20トラック
原画 泉まひる シナリオ はっと、渡部真也
音声 女性のみあり、
松永雪希、歌織、桜川未央、華花、成瀬未亜、かわしまりの、一色ヒカル日向裕羅
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 60箇所+クイックセーブ10箇所 なし
おまけ Album(CG、回想、音楽)、Another Story
対象属性 猟奇物、陵辱、純愛、ピンク髪、猫耳、黒髪、ストレートロング、ご主人様、お下げ、
カチューシャ、女医、緑髪、ボブカット、金髪、お嬢様、オーバーニーソックス、先輩、
ストッキング、ショートカット、眼鏡っ娘
1プレイ時間 10〜14時間 お奨め度 4

レビュー
概要
「紅」と呼ばれる、特殊な能力を持った殺人者達を狩る者である主人公。
「組織」からの命により、街にはびこる「紅」を狩り続ける。そんなある日、
藤野亜梨子と出会うことにより、主人公の運命は変わり始める。死と狂気に
満ちた毎日の中で、主人公の向かう先は……という、ノベル型アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

一原睦月(いちはらむつき)。(CV:歌織)
主人公の師匠。義妹ということになっている。自分のことを「オレ」と言う。
成長が止まっているため妊娠もしない。中で出しまくりのやりまくりでもOK(笑)

藤野亜梨子(ふじのありす)。(CV:松永雪希)
紅に襲われている所を主人公に助けられた。記憶を失い、行き場もないため、
主人公の家で過ごすことになる。物静かで大人しい。

八月姫野(やつきひめの)。(CV:桜川未央)
主人公に指令を運んでくる連絡屋。組織で1・2を争う能力者の家系。

春野桜子(はるのさくらこ)。(CV:歌織)
主人公が通う学園の保健医。組織には属さない能力者。
Bluelight Magicのヒロインですね。能力が知りたい人はそちらをどうぞ(笑)
# Bluelight Magicの時より、能力がえげつなくなっている気はしますが(^^;

久留美桂(くるみけい)。(CV:日向裕羅)
慕っていた自慢の姉を惨殺された娘。事件の犯人のことを知っており、姉を
慕うあまり、自分も同じように殺して欲しいと願う少女。

嵯峨野沙綺(さがのさき)。(CV:成瀬未亜)
とある金持ちに捕らえられている能力者。おとなしくおどおどとしていて、
内にこもった感じの娘。与えられる仕打ちも諦めて受け入れている。

御崎涼子(おざきりょうこ)。(CV:かわしまりの)
沙綺を捕らえている金持ちの娘。沙綺に同情して近づき、今では親友となる。
物腰は優雅で凛としているが、自分の家のことを快く思っておらず、何かを
腹の中に秘めている素振りも。

工藤由理(くどうゆり)。(CV:華花)
主人公の先輩。誰とでも気軽に接することが出来る、明るく元気な女性。

沢渡晴香(さわたりはるか)。(CV:一色ヒカル)
学園に通う普通の学生。しかし、ある日を境に友人達からのいじめを受ける
ようになる。バス停で良く会う他校の男子と付き合っている。

田上夏美(たがみなつみ)。(CV:日向裕羅)
晴香をいじめているグループのリーダー的存在。プライドが高く、ちょっと
したことですぐに熱くなる。

鈴木理絵(すずきりえ)。(CV:成瀬未亜)
晴香をいじめているグループの1人。非常に冷たく、キツい口調の娘。

横瀬紀子(よこせのりこ)。(CV:桜川未央)
晴香をいじめているグループの1人。自分から進んでいじめているというより、
他の2人に便乗しているだけという感じ。

絵の方は、可愛らしく色っぽい絵ですね。基本的に柔らかい雰囲気の絵なの
ですが、狂気に走ったときの表情などはとても迫力がありました。
CGの方も、やや繊細さには欠けますが、まあ綺麗だと思います。ただ、一部
色遣いがあまりにも不自然に感じることもありました。ゲームの雰囲気が暗い
感じのため、桜子の髪の毛なんかはかなり浮いて感じましたし。
立ち絵とイベント絵で色合いが全然違ったりしますしね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともあり。どちらもあまり派手な変化はありま
せんが、感情はよく伝わってきます。

キャラクターは、キレたヤツばかり。基本的に出てくるキャラクターはみんな
能力者で、どこか普通の人とは違うわけですけど。それにしても、狂った
キャラが多いです。

音声は、ややキャラクターから浮いているように感じることがありました。
睦月の声はちょっと無理あるかも。まあ、元々見た目と中身にギャップの
あるキャラではありますけど……。
演技の方は問題なし。特に、「紅」となって狂気に走った人の演技は鬼気
迫るものがあり、なかなか聞き応えがありました。特に、亜梨子や沙綺の
演技はかなり良かったです。

音楽は静かで、もの悲しい感じの曲が多め。綺麗な旋律で、広がりのある
感じで、包み込むような雰囲気の曲ですね。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はなし。緊迫感のある、ちょっとおどろおどろしい曲です。
絵の方はキャラクター紹介やシーン紹介が中心ですが、どちらかというと
プロモーションムービーという感じですね。なかなか演出は凝っていて、
ゲームの雰囲気が掴めます。
……まあ、これを見た時点で泣きそうになったわけですが(笑)
ラストの演出(というか、タイトルメニューが出るときの演出)が、かなり
ショッキングでした(^^;
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
メッセージ送りもホイールで可能です。
メッセージスキップは、一度バックログを出す or 右クリックをして、その時に
出てくるメニューから実行する必要があり、若干面倒です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方は比較的軽快。

セーブ箇所は60箇所+クイックセーブ10箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と自由記述のコメントが保存され
ます。数としてはこれだけあれば充分でしょう。それなりに選択肢はありますが、
重要なものは限られていますし、シナリオの分岐は少ないですから。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
メッセージは全画面に表示されますので、ノベルと言った方がいいかも。
ゲームは章立てて進んでいき、1つの章をクリアすると、次の章がプレイできる
ようになる感じです。また、章によっては、クリアしたあとにサイドストーリー的な
話を見ることが出来るようになる場合もあります。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、「紅」を狩り続ける能力者である主人公が、「紅」に襲われて
いる亜梨子と出会う所から始まります。記憶もなく、行く当てもない亜梨子を
連れて帰り、そこから話が動き始める、という感じです。

ストーリーは前半からひたすらダークで重い展開。「紅」による連続殺人事件を
解決するために、真犯人の「紅」を殺す、という話ですから、明るく楽しくなる
訳はないのですが。
# ところどころコミカルなシーンがあるにはありますけど。

身近な人や、意外な人が「紅」となり、その人たちを討ち果たしていくという、
ちょっと切なく、キツいストーリーです。

複雑に絡み合う人間模様や、「紅」に堕ちていく様が上手く描かれており、
なかなか読み応えのあるストーリーでした。

ただ、物語が動き始めるのはかなり後半になってからで、そこから一気に話が
進むような感じで、ちょっと駆け足気味に感じ、描写不足に思いました。
もう少し早くから話を動かしても良かったのでは。
# いや、最初から伏線は張り巡らされていますけど。

それまで全然シナリオに絡んでくる素振りのなかったキャラに、実は個別の
エンディングが用意されていたりとか、ちょっとびっくりしました。
まあ、そんな状態のキャラが、きっちり描ききれるわけがないのですが(^^;

H度は高め。純愛系のノーマルなシーンと、陵辱系のキツいシーンが半々
ぐらいでしょうか。基本的に主人公が絡む物はノーマルです。
描写は丁寧で、尺の方もそこそこ長め。数もシチュエーションも豊富に用意
されており、充分満足できるかと思います。
ただ、一部、絵や音声がなくてひたすらテキストだけで進むシーンがあったり、
ホテルに入るところまでを描写して、次のシーンは全く別のシーンだったりと
いうこともありました。どうせだったらきっちり描写して欲しかったかも。

テキストは、句読点の打ち方がやや微妙。そこは句点だろうと思えるところが
読点になっていて、さらに文章が続いたり、読点が無くだらだら長い文章が
あったり、かなり読みにくいです。
狂気を表すために、ワザと句読点をなくしているのはいいのですが、普通の
文章でも、しょっちゅう句読点が皆無だったりしますし。
さらに、読点の位置も、文章の区切りとズレていることが多く、音声のブレスが
入る位置と、読点の位置が合っていないこともしばしば。
そして、狂ったセリフの中には誤字が多数混じっているのですが、どこまでが
ワザとやっているのかの判断が出来ません。そのぐらい出鱈目です。
もちろん、普通の文章の中にも多数誤字・脱字が見受けられます。
表現の統一性もなく、あるキャラクターのことを、同一人物が「少年」と呼んだり
「青年」と呼んだりすることもあったりして、戸惑います。
小難しく、抽象的で、やたら長いセリフが多く、読んでいてかなり疲れますし、
読む気も失せます。
つーか、「一色タン」って何ですか? 一色ヒカルさんのことですか?(笑)
# 「いっしょくたん」とでも書きたかったのでしょうか。それもおかしいですが。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。章立てて進むため、日付を意識することは殆どないかと。

ワンプレイは10〜14時間。テキストが読みにくいため、かなり時間がかかって
しまいました。さらっと読み進めれば、10時間程度でクリアできるとは思います。
テキスト量が結構多いため、読むスピードでかなりプレイ時間は違って来るかと
思います。
あと、クリアするとサイドストーリー的なおまけシナリオを見ることが出来るように
なることがあり、それらを全て見ながら進めるかどうかで変わって来ますね。

難易度は低め。ほとんど共通シナリオになっていて、ポイントとなる選択肢は
比較的わかりやすくなっていますので、それほど苦労することもないでしょう。
セーブ/ロードを駆使してフラグを立てまくっておけば、殆ど繰り返しプレイ
することなくコンプリート出来るようです。
総評
お奨め度ですが、狂気に包まれたサスペンスタッチの作品が好きな人にお奨め。
人の死がすぐ身近にある環境で繰り広げられるストーリーは、緊迫感があり、
鬼気迫るものがあります。
キャラクターも狂気に満ちた尋常ではないキャラクターが多く、殺伐とした独特の
雰囲気を作り上げています。
これだけ「死んで」「殺して」という台詞が出てくる作品は、なかなかお目にかかれ
ないと思います(^^;

問題点は、とにもかくにもテキストの読みづらさ。狂気を表現するセリフの中で、
句読点のない、長ったらしいものが出てくるのはまだ納得出来ますが、通常の
セリフでも平然と長ゼリフが出てくるのはちょっと……。
声優さんも収録大変だったろうなー、と、いらぬ同情をしてしまいそうです。
はっきり言って、読んでいてとても疲れるテキストです。

そしてシナリオの方ですが、後半にいきなり話が急展開するため、最後の方は
やや描写不足になり、ラストは取って付けたような終わり方になっているのが
残念です。
起承転結で言うと、全体の8割ぐらいが「承」という感じで、「転」「結」が非常に
短いため、どうしても尻切れトンボな印象があります。
決して「承」の部分が面白くないという訳ではないのですが、本編と余り関係の
ない話を延々と読まされた挙げ句、「どうしてそうなったのか」という説明もない
まま、ご都合主義なラストに突入されてもねぇ……。
# というか、何も解決してないエンディングもあるのですが(^^;

キャラクターの描写はなかなかいいですし、狂気に包まれた様はなかなか見応え
があり、ストーリーの展開や、設定自体は結構面白いと思うのですが、どうしても
このテキストではストーリーに入り込むことは出来ませんでした。
テキストがもっとしっかりしていて、後半をもっと丁寧に描いてくれれば、かなり
楽しめたと思えるので残念です。プロットのレベルでは面白いと思うんですけど。
キツいストーリー苦手な私が、面白いと思うぐらいでしたから。
もう少し、テキストが丁寧で読みやすければ、全く印象が違ったと思うのですが。
# テキストが読みやすくて、後半の描写がきっちりしていたら、お奨め度 6 は
# 付けたと思うんですけど。
##ダークな話の苦手なこの私が(笑)

最後に。「金と権力振りかざし、テロリストだって地獄行き☆」……ヤな魔法
少女だな(^^; てゆーか、魔法使ってねーし、それ(笑)
# おまけシナリオが一番面白い(^^;


ところで、桜子さんって何しに出てきたんですか?(^^;
「蒼い魔法」でも伝授しに来ましたか?(笑)
# 制御できないテレポートを、是非披露して欲しかったです(笑)
##むしろ、ユキを出せ(笑)



ロビーに戻る  レビュートップに戻る