Love Split〜5番目の季節〜
ブランド名 rouge ジャンル 高密度恋愛アドベンチャー(乳ゲー?)
発売日 2003.08.08 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(155x224x52mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 698.4MB、CD-DAなし
原画 綾風柳晶 シナリオ 鏡裕之
音声 あり、桂花蓮、冬樹みずほ、水城ありさ、しおみれい、桜川美亜
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 39箇所+クイックセーブ1箇所+
オートセーブ4箇所
あり(2曲、OP・ED)
おまけ CG、EVENT、MUSIC
対象属性 純愛、巨乳、ポニーテール、リボン、お兄ちゃん、浴衣、うさ耳、バニー、裸エプロン、
赤髪、ストレートロング、チャイナドレス、爆乳、金髪、縦ロール、ヘアバンド、タカビー
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 8

レビュー
概要
この作品は2つのストーリーからなっています。

1つはエレナ編。大学合格を果たした主人公。合格発表の場で見かけた女性、
北条エレナに一目惚れした主人公は、彼女が所属するボウリング部に入る
ことを決意する。しかしエレナは、入部を認めないと言い出すのだった。
果たして主人公は、無事ボウリング部に入部し、エレナのハートをGET出来る
のか……。

そして、もう1つはルナ編。二浪の末、大学入学を果たした主人公。しかし、
一緒に合格を目指していた従妹・ルナは落ちてしまい、浪人生活を送る事に
なる。昔から、お互い気になる存在だった2人は、ルナの受験勉強の中で、
急速に接近していく。果たして2人は、お兄ちゃんと従妹という関係を、踏み
越えることが出来るのか……。

2つのストーリーは完全に独立していて、設定も微妙に違っています。
ただ、登場人物は同じで、メインヒロインが違う、という感じになっている、
高密度恋愛アドベンチャーです。……乳ゲーらしいです(^^;
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

北条エレナ。(CV:桂花蓮)
主人公の合格した大学の4年生で、ボウリング部のキャプテン。
思ったことをストレートに口にするため、かなりキツい印象。

鮎川ルナ。(CV:冬樹みずほ)
主人公の父方の従妹。昔から仲が良く、主人公のことをお兄ちゃんと呼び
慕っている。

今川樹里。(CV:水城ありさ)
主人公の双子の弟・風丸の彼女。さっぱりした性格で、面倒見がよい。
困っている人がいると放っておけない。

北条ありさ。(CV:桜川美亜)
エレナの母親。夫を亡くして1人でエレナを養っている。
優しく物わかりの良い母親。

藤原京子。(CV:しおみれい)
エレナのライバル。高飛車な性格で、ことあるごとにエレナに絡んでくる。

絵の方は、目が小さめで可愛らしさと色っぽさを併せ持った感じの絵ですね。
どのキャラクターも不自然なぐらい胸がデカいのが印象的です(笑)
ちょっと慣れるまで気になるかもですが(^^;
横顔になると若干バランスが崩れる所もありますが、それほど数は多くない
ため、あまり気にはなりませんでした。表情変化のパターンも多く、テキストと
シンクロした表情をするため、感情移入はし易いです。
ただ、Hシーンではいきなり表情のパターンが減ってしまうのは残念。
CGの処理については、一部明るい背景の時にやや輪郭がぼやける傾向が
ありますが、そこそこのクオリティはあるかと。ただ、個人的にはちょっと影の
付け方がキツく感じる所もありました。ややばらつきがある感じですね。
立ち絵の方は、ポーズ変化こそほとんどないものの、表情変化はそれなりに
用意されており、感情がよく伝わってきます。
ただ、テキストと絵の食い違いが一部見られて、ちょっと気になりました。
純白の透き通るようなワンピース……あのー、めっちゃ赤いんですけど?(^^;
パールのネックレスもかかってないし……。
「同じ車両に乗客はいない」……いや、めっちゃ後ろにいますけど(^^;
他にも、「4番スパットの上を通過した」と言いながら、絵では3番スパットの
上を通過していたりとか。ややちぐはぐな印象がありますね。
あと、ルナの部屋、2階に上がる階段があるのですが……最初、階段がその
まま天井にぶち当たっているように見えました(^^; 奥は天井ないんですね。

キャラクターは、メインとなるのはクールでキツいエレナと、甘えん坊のルナ
の2人だけがメインで、他のキャラクターはサブキャラとなっています。
エレナは最初めちゃめちゃキツくて嫌な感じだったのですが、プレイしている
うちにめちゃめちゃ可愛らしく愛しくなりました(^^)
ルナは最初からべったりで可愛らしかったのですが、こちらは逆にプレイして
いるとだんだんしっかりしてきて、見守るような感じになりました。
そして特筆すべきはサブキャラ達。みんなむっちゃくちゃいい味出してます。
特に主人公の友達・青山と、弟の彼女・樹里さんはすっごい良かったです。
最初はルナ萌えしてたんですが、プレイしているうちにいつの間にかエレナ
LOVEになってました(^^)

音声はキャラクターとのマッチングも良くていい感じ。ルナは最初ちょっとだけ
違和感を覚えましたが、すぐに馴染みました。
演技の方はみんな安定していていい感じです。特に樹里の演技はかなり力が
入っていて良かったです。ルナを説教するところとか、痺れました。
男性キャラも結構いい味出していますので、音声が欲しかったところですね。

音楽は、ちょっと切ない感じの静かな曲が多めですね。ゲームの雰囲気とは
合っていると思います。
効果音で、除夜の鐘の音がやたら軽いのはちょっと気になりましたが(^^;

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌の方はちょっと切ない雰囲気の漂う綺麗な歌ですね。澄んだ歌声が心地
よいです。ただ、演奏の方はちょっとパーカッションが強く、気になりました。
絵の方はシーン紹介のような感じで特筆すべき点はなし。桜の花びらが散る
演出なんかはなかなか良かったです。

エンディングも歌あり。静かな曲に力強いボーカルの、なかなかいい歌なの
ですが、ちょっとラストの雰囲気と合っていないかな? と感じました。
もっと勢いのある、爽やかで広がるような曲の方が良かったかも。
爽快感が欲しかったですね。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能にも対応しています。バックログ中の音声
再生も可能です。
全てキーボードで操作できるのはありがたいのですが、選択肢などはマウス
カーソルが自動的に移動してくるため、選択肢を選んだ後、マウスカーソルが
画面内に残ってしまうのは残念ですね。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作の方は比較的軽快。メッセージスキップ動作も高速でいいですね。

セーブ箇所は39箇所+クイックセーブ1箇所+オートセーブ4箇所。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とその時の表示メッセージが保存
されます。数としては、選択肢の数はそこそこあるものの、イベントの分岐等は
あまりないため、これだけあれば足りるかな? という感じですね。
クイックセーブとオートセーブもありますし、なんとかなるでしょう。
ただ、私はクイックセーブ・オートセーブ共に殆ど使いませんでした。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
テキスト表示は基本的にメッセージウインドウですが、一部状況説明などで
全画面表示になることもあります。
あまり全画面表示にする意味は感じませんでしたけど……。
シナリオ・プレイ感
ゲームを開始すると、まず性格診断があります。それに答えていくと、2人の
ヒロインのうち、どちらのシナリオに入るかが決定します。
……性格診断に答えながら「これはどう考えてもルナに行くよなぁ」と思って
いたら、やっぱりルナでした(^^; あからさまにルナ寄りの選択をし続けていた
ような気がします。私。
この性格診断、毎回バカ正直に答えていたら、一生もう片方のシナリオは
プレイできないのでは……(笑)

ゲームの方は最初の性格診断で大きく2つのストーリーに分かれます。
まず当然のように入った(笑)ルナ編ですが、基本的にルナを大学に合格させ
ようとするストーリー。その中で、ルナと主人公の距離が縮まっていくという、
まあ恋愛物の王道な感じです。
ルナが主人公を想う気持ちや、受験に対する不安などがひしひしと伝わって
きて、なかなか良かったです。受験の時や、合格発表の時はホントにドキドキ
しました。

エレナ編の方は、エレナに一目惚れした主人公が、エレナに近づくために
ボウリング部に入り、なんとかエレナと仲良くなろうとするストーリー。
……こう書くとすげぇ軟派な話に思えますが(^^;、結構真面目です。
ボウリングのリーグ戦や対抗戦なども絡めて展開していくストーリーは見所
満載で、なかなか楽しめました。
スプリットを取るシーンとか、デートの待ち合わせの時なんかは、ホントに
ハラハラしました。
こちらも、最初冷たい態度をとっていたエレナが、段々主人公に心惹かれて
素直になっていくところが丁寧に描かれており、とても良かったです。
ボウリングをしているときのエレナさんが輝いていてステキです(^^)

まず、どちらのシナリオにも言えることですが、キャラクターの心情描写が
秀逸です。視点を主人公とヒロインで切り替えることにより、細かい感情の
動きまで丁寧に描写されているのがいいですね。
特に切ない気持ちの描写は、想いが伝わってきて非常に良かったです。
気持ちを通わせあうシーンは、どちらも感動的でうるうるしました。
そして、シナリオのヒロインとは別のヒロインのルートに入ったとき、つまり
浮気したときなんかは、切なさと罪悪感大爆発です。

そして、サブキャラクター達がとても活き活きしていていいですね。
どちらのシナリオでもサブキャラクターが絶妙にストーリーに絡んできて、
話に厚みが出ています。主人公がヒロインを励ましたりするだけでなく、
サブキャラクターがヒロインを励ましたり、主人公を叱責したり、人間模様が
うまく描かれていてとても良かったです。
ルナに説教する樹里が無茶苦茶格好いいですね。声優さんの演技も最高です。
鈴木に説教する青山もかなり痺れました。ここは音声が欲しかったところです。

H度は比較的高め。両ヒロイン共結構な回数用意されていますし、各シーンの
尺は、シーンによって差がありますがそれなりに長めですし、描写も丁寧だと
思います。胸に対する拘りが凄いですね。胸ばかり攻めすぎ(笑)
ただ、2回戦に突入したにも関わらず、その部分の描写はカットされていたり
することが結構あって、やや消化不良気味かも。
あと、Hシーンでは表情などのパターンがやや少なくて残念。テキストでは盛り
上がってきているのに表情はずっと同じなので、やや感情移入はし辛かった
ように思います。
# 初めての描写もほとんどありませんね。

テキストは誤字も少なく、テンポの良い読みやすいテキストですね。
禁則にも気を遣ってあり、とても丁寧に作られている感じです。
ただ、メッセージの表示がウインドウの時は、背景色が薄いグレーで、その上に
白い文字が表示されるため、モニタによっては若干見づらいかもですね。
さらに、メッセージ全画面表示の時も、バックの絵の輝度があまり落ちていない
ために、やはり白い文字はやや見づらいです。特に背景が明るい場合は。
このあたりをもう少し調整するか、自分で調整できるようになっていれば良かった
と思うんですけどね。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は約1年。前半は基本的に1日ずつ進めていくような感じですが、
中盤からは何も起こらない日はテキスト1〜2行程度で流され、後半になると
イベントの発生するところだけをつまむようになります。
なので、期間は1年ありますが、中だるみしたりはしないでしょう。

ワンプレイは5〜6時間。テンポが良く、感情移入度も高いため、プレイ中は
全く長さを感じず、プレイしやすかったです。

難易度は低め。最初の性格診断でシナリオが決定して、あとはそのキャラの
エンドに行くか、もう片方のキャラのエンドに行くかという感じですから、殆ど
悩むことなく進められると思います。
ただ、最初の性格診断の時に選んだ項目で好感度が変わっているのか、全く
同じ選択肢を選んでもルートが異なったりするので、ちょっと注意が必要です。
最初の性格診断であまりにどちらかに偏った選択をしてしまうと、別キャラの
ルートに入ることが出来なかったりしますので。
総評
お奨め度は、純愛ストーリーが好きな人にお奨め。キャラクターの心理描写が
非常に巧みで、とても感情移入し易いです。お互いに気持ちを通わせ合う時の
ドキドキや、気持ちを通わせ合ったあとのラブラブな展開、そして浮気をして
しまった時の切ない気持ちや罪悪感など、キャラクターの気持ちを余すところ
なく感じることが出来ると思います。
告白をして結ばれてそれで終わりではなく、そこからが始まりという感じで
二人やその周りの人達の気持ちがしっかり描かれているのがいいですね。
そしてもちろんHシーンも充実していますし、胸への拘りが凄い作品ですので、
巨乳好きな人にはたまらない逸品かと思います。

シナリオは大きく2本に分かれますが、どちらもよく練られており充分に楽しむ
ことが出来ました。
エレナシナリオは設定を余すところなく使い切った感じで、非常に厚みのある
ストーリー展開が素晴らしいです。
ルナシナリオは1つの目標に向かって突き進むような感じなので、やや広がり
という面では欠けますが、キャラクター同士の繋がりという面では優れており、
こちらも充分楽しめました。

難点としては、シナリオが2本だけということで、若干ボリュームに欠けるかと
思われる点ですね。ただ、2本のシナリオは完全に独立していて共通部分が
ありませんから、トータルで見ればそこそこのボリュームはあるかと思いますし、
あまり長くして中だるみするより、このぐらいのほうが個人的には好きです。

テキストと絵の食い違いや、Hシーンでの若干の消化不良など、細かいところを
言い出すと出てきますけど、それを補って余りある心情描写・人間関係描写が
ありますので、充分満足できるかと思います。
絵柄や雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。そして、ルナに、エレナに、萌え
転がってください(^^)

最後に。「もう惚れてるわよ。お馬鹿さん」
# ああっ、もうっ、エレナらぶっ☆ ←バカ



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