巫女みこナース
ブランド名 PSYCHO ジャンル コメディAVG
発売日 2003.05.23 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(166x220x30mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 490.0MB、CD-DAなし
原画 桂ともえ、かんたか シナリオ 沙村武士
音声 フルボイス、
Ruru、芹園みや、内村みるく、AYA、みる、佐倉徹、前中礼二、秋田邦彦、広野大地
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 50箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ おまけモード、CGモード、音楽モード
対象属性 看護婦、巫女さん、シスター、チャイナ服、ナース服、バカゲー、コメディ、巫女装束、
ポニーテール、赤髪、オーバーニーソックス、黒髪、リボン、青髪、ガーターベルト、
ストッキング、眼鏡っ娘、ツインテール、エプロンドレス、緑髪、お下げ、女医、白衣、
関西弁、お団子頭、先輩、猫耳、ボブカット、ピンク髪、ウェディングドレス、金髪、
お嬢様、紫髪
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 4

レビュー
概要
医者を目指す主人公は、祖父が院長を務める病院で研修医をやることになる。
しかしその病院は現在、次期院長選挙のまっただ中。さらに新しい看護婦の
衣装を選ぶ人気投票も開催されており、巫女やシスターの衣装をモチーフに
したナース服を来た看護婦のいる変な病院だった。果たして主人公はそんな
病院で無事に医者としての腕を上げることが出来るのだろうか……という、
コメディAVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

御子柴二葉(みこしばふたば)。(CV:Ruru)
病院で働く看護婦。巫女ナース服を着用している。
元気いっぱいの娘。あわてん坊でドジでそそっかしい。←意味一緒(^^;
# 「わたし、放置ですか……? 泣きますよ……?」(笑)

須藤美希(すどうみき)。(CV:芹園みや)
病院で働く看護婦。シスターナース服を着用している。
二葉の先輩で、二葉が失敗するたびに怒鳴りつけている。

佐和遼子(さわりょうこ)。(CV:内村みるく)
看護主任。真面目で頑張り屋。病院内のふざけた雰囲気を快く思っておらず、
なんとかしようと頭を悩ませている。

鮎川ひとみ(あゆかわひとみ)。(CV:AYA)
女医。明るくさばさばした性格で、細かいことは気にしない。関西弁。
常日頃からチャイナドレスっぽい服を身につけ、チャイナナースの普及を
目論んでいる。

東条院遙(とうじょういんはるか)。(CV:みる)
入院患者。しかしいたって健康。東条院グループのお嬢様で、人を陥れて
遊ぶのが大好き。

柴田恵美(しばたえみ)。
副院長秘書。謎の女性。

瑠璃崎りる(るりざきりる)。
院長先生の秘書。無口で感情表現に乏しい。何故こんな小さな娘が秘書を
やっているかは突っ込んではいけないところなのでしょう。きっと。
# あからさまにルリ@機動戦艦ナデシコなわけですが(^^;

月夜野みゆり(つくよのみゆり)。
院長の娘。耳が聞こえない。猫耳の髪飾りを着けている。


絵の方は可愛らしくていいですね。奇抜な服装も結構ハマってます。
イベント絵はCGの処理も綺麗だと思います。
立ち絵の方も綺麗なのですが、ポーズ変化がなく、表情のパターンもそれほど
多くないため、やや寂しいですね。何より、絵がちょっと引き気味で小さいため、
表情の変化も小さくて解りづらいのは勿体ないです。
もっと立ち絵を大きくするか、表情の変化を派手にするか、もしくは立ち絵と
別にフェイスウインドウを付けるとかすれば良かったんじゃないかなー、と
思ったりするんですけどね。

キャラクターは個性的なキャラ揃いなのですが、中でも男性陣は変すぎ。
院長は「わしが極楽病院院長、月夜野平八であるっ!」ですし、副院長2人は
もれなくアレな人、特に月夜野腎(ハゲ)は、あの格好で病院内をうろつくのは
かなりどうかと思います(^^;
ただ、サブキャラも含めるとかなりの数のキャラクターがいるわけですが、何を
しに出てきたのかわからないキャラも多数いて、せっかくの個性的なキャラを
上手く生かし切れていない感じですね。
とりあえず瑠璃崎りる萌え。←お約束
キャラとしては鮎川先生が結構好きですけどね。美希もいい感じ。

音声の方は最初ちょっと違和感を覚えた人もいますけど、すぐに慣れましたし
それほど問題はないと思います。まあ、ばっちりハマっている、とは言い難い
ですけど……。
演技の方も、一部疑問に思えるところもあるのですが、まあそれほど気になる
こともないのでまあいいかな、と。
……何やら微妙な表現で申し訳ないですが(^^;
ひとみの関西弁とか、美希の怒鳴り声とかは良かったです(^^)
# 志朗の声、老けすぎ(笑)

さて、このゲームはフルボイスです。男性も喋ります。主人公も喋ります。
それは別にいいんです。男性キャラは個性的なキャラばかりで、なかなか楽しい
ですし。しかし1つ問題が。男性ボイス、OFFに出来ません……(T_T)
シリアスなシーンとかHシーンとか、男性ボイスが鬱陶しいと思ったときもOFFに
出来ないのは少々キツいです。

音楽は明るくコミカルな曲が多め。ゲームの雰囲気には合っていると思います。

オープニングはaviファイルで収録されており、プログラムメニューから
オープニングムービーを選択すると見ることが出来ます。
歌の方はポップなノリの明るく元気な歌。……というよりむしろあったま悪そうな
破壊ソングです。上手いとか下手とかそういうものを超越したスゴい歌です。
前半は比較的マトモだなーと思ったんですが、後半になればなるほど加速度
的におバカになっていくのがステキです。勢いで押し切る感じ?(笑)
絵の方も歌に合わせたかなりおバカな内容。ゲーム中では使われている
わけない、あり得ない絵まで入っているのが素晴らしいです(笑)
無駄に良く動いていたり、歌にぴったり合わせた絵を挿入してきたり、力入れ
すぎです(笑) でも、そういうの、大好きです(^^)
# 立直一発巫女みこナース(笑)

エンディングも歌あり。歌はちょっとしっとりした切ない感じの歌で、
他の曲とはちょっと雰囲気違う感じですね。シナリオによってはちょっと
雰囲気違いますが、概ねラストの雰囲気を上手く表しているかと。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ搭載。
バックログはマウスのホイール機能にも対応しています。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は比較的軽快。

セーブ箇所は50箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他に、シーンの画像と何話かが格納されます。

システムはオーソドックスな選択肢決定型アドベンチャー。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が研修医として祖父が院長を務める極楽病院にやってくる所
から始まります。……あまりお世話になりたくない名前の病院ですね(^^;
そしてそこで巫女っぽい衣装を着た看護婦やシスターっぽい衣装を着た看護婦
たちと共に、医者としての仕事をしていく……という話。
# 「ところで、カンファレンスって?」……お前は医者になるな(^^;
##いちおー医大は出たんじゃないのか……。

前半はコミカルな展開が続きます。登場キャラクター達は個性的なキャラばかり
ですし、院長選挙やナース服の人気投票もあってお祭りムードが漂っています。
……おめでたい病院ですね(^^;

なんか、ピンクの傘持ったお下げのあからさまに里村茜@ONEなキャラがいたり、
出須羅とかアレなキャラいっぱいいるんですけど……。
とりあえず、裸(パンツいっちょ)の上に白衣を着ている副院長(ハゲ)がいる病院
には行きたくないと思う(^^;
# 「で、デカルチャー」(笑)

そして後半は主人公が医者として成長するシリアスな展開。そんな中で支えて
くれた人と結ばれてハッピーエンド、という感じ。

まず全体的なストーリーに関してですが、イベントがぶつ切り。会話の途中で
いきなり別のシーンに移ったり、展開も飛び飛びな感じでいまひとつ感情移入
できませんでした。
主人公とヒロインお互いに惹かれていく過程の描写も乏しく、恋愛要素もあまり
感じられませんでした。
# 「オレは、キミが好きなんだ」……い、いつの間に!?(^^;

前半はコミカルな……というか、ギャグ満載の展開な訳ですが……すみません、
私、全然笑えませんでした。いや、笑うことは出来ました。その笑いはほとんど
苦笑でしたが(^^;

そして後半やたらシリアスな展開になるのですが、どうせだったら最後まで
バカを通して欲しかったですね。
最後を無理矢理ちょっといい話で締めようとしなくても……。
# そもそもそのバカな部分で笑えなかった、というのはこの際おいといて。

Hシーンは薄め。描写自体もやや淡泊ですし、尺も短め、回数も少な目で
物足りない感じです。
ゲームをクリアしたあとのおまけで主人公の妄想ということでいくつかの
シーンが用意されているのですが、それもおまけ程度でいまひとつ。

テキストは文体自体は特に問題ないのですが、クセのあるキャラクターが
多いためにセリフ内容も必然的に変になるので、ちょっと馴染みづらいかも
知れませんね。
あと、一部テキストと全く関係ない音声が再生される箇所がありました。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は特になし。ゲームは章立てて進み、日数の経過などは特に意識
する必要はありません。

ワンプレイは3〜4時間。テンポよく進むので短めに感じました。

難易度は低め。選択肢の効果は分かり易いため、狙ったシナリオに入るのに
悩むことはないかと思います。ただ、1人だけちょっと引っかけっぽいキャラが
いるので注意。
総評
お奨め度ですが、変な看護婦好きな人にお奨め(笑)
巫女ナース、シスターナース、チャイナナースなど、普通にはまずお目にかかれ
ないような奇抜な衣装の看護婦さんがいっぱいいますので、そういったキャラが
好きな人にはいいかと思います。

あと、バカゲー・ギャグ好きな人にもお奨めしたいところなのですが、私は殆ど
笑えなかったため、強くはお奨めしづらいです(^^;
ツボにハマれば面白いのかも知れませんけど、私にはその面白さはわかり
ませんでした。箸が転がっても笑う自信がある人にならお奨めできます(笑)

1点気になったのは、共通部分が非常に多いこと。全体の8割ぐらいが共通で、
元々あまりプレイ時間の長いゲームではないためかなりボリューム不足を感じ
ます。さらに、個別シナリオに入ったときも、喋っているキャラクターが違う
だけでセリフは全く同じだったり、ボリューム不足感に輪をかけています。
いくら同じイベントでキャラが変わっているだけとはいえ、ほとんど同じセリフを
違うキャラが言っているだけというのは……。

そして、設定の消化不足と、ラストの駆け足もかなり問題ですね。
結構深い設定を持ったキャラクターが多いのですが、シナリオ中でそれを活かし
切れておらず、最後はうやむやのウチに終わってしまうことが多いです。
事件の顛末がどうなったのかほったらかしですし。

私は二葉、美希、遼子、ひとみ、遙の順でクリアしたのですが、二葉シナリオは
まあそこそこ楽しめました。美希シナリオも設定をなんとか活かしてうまく持って
きたかなーと感じました。しかし、遼子シナリオで「それでいいのか?」と思い、
ひとみシナリオでは「それで終わりかよ!」と突っ込み、遙シナリオに至っては
「ふざんけなてめー」と思いました(^^;
後になればなるほどシナリオがつまんなくなっていったため、全体としての
印象はかなり悪くなっています。なのでお奨め度も低めになっています。
もしこれを全く逆の順番でプレイしていたら感想も違ったのかも知れませんが、
シナリオによってラストの展開に落差がありすぎるのはちょっと……。

このゲームを一言で言い表すなら「中途半端」。
バカゲーなのか、泣きゲーなのか、看護婦を見せたいのか男性キャラを見せ
たいのか、シナリオを読ませたいのかノリで突っ走りたいのか、そのあたりの
意図が全く見えてこず、非常に中途半端な出来になってしまっているように
感じます。最後にちょっぴり切ない、感動的な展開も用意されているのですが、
まわりのキャラクターがあまりにアレなので(^^;、感情移入できませんでしたし。
バカな部分もシリアスな部分もどちらも描写がやや足りず、どっちつかずに
なってしまっているのが残念です。ちょっと欲張りすぎたかな? という感じ。
ラストの展開が強引で駆け足なのも一因だと思いますが。

設定やコンセプトは非常に面白いと思えるだけに、素材を上手く活かしきれ
なかった残念な作品という印象が強いです。
ぶっちゃけた話、一番面白いのはオープニングアニメーションで、これを見て
シナリオ1本クリアしたら任務完了っぽいです。
# どのシナリオも似たような展開ですし、ね。

最後に。「ほな、ちょっとトイレ行ってきますわ」「うむ、がんばりたまえ」
……えーっと、これは笑うところですか?(^^;


りるエンドきぼー(T_T)



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