MIND+REAPER | |||
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ブランド名 | jANIS | ジャンル | ADV&SLG |
発売日 | 2003.05.16 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(167x231x40mm) | マニュアル | B6ブックタイプ |
DISC容量 | DISC I : 673.5MB、CD-DAなし DISC II : 687.0MB、CD-DAなし |
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原画 | CRASHはんぺん | シナリオ | 川内樹、嘘屋 佐々木酒人、他 |
音声 | あり、 乃田あす実、成瀬ゆら、金田まひる、成瀬未亜、榎津まお、理多、観西光、羽生友典 |
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インタフェース | メッセージ送りのみキーボード可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 20箇所+クイックセーブ1箇所 | 歌 | あり(2曲、OP・ED) |
おまけ | MEMORY、GRAPHIC、SOUND | ||
対象属性 | 陵辱、鬼畜、青髪、茶髪、ストレートロング、姉、ショートカット、眼鏡っ娘、金髪、 ツインテール、オーバーニーソックス、赤髪、黒髪、カチューシャ、ヘアバンド、 ボンテージ、レズ |
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1プレイ時間 | 9〜11時間 | お奨め度 | 6 |
レビュー |
概要 |
世界を脅かす突発性の暴動。その暴動の中生き残ることが出来る能力を 持った人間がいる。そして、プラグマチと呼ばれる組織は、そうした能力者を 保護する活動を行っている。ある日主人公は謎の敵に襲われ、そこをプラグ マチの人間に助けられる。そして主人公は自分が能力者であることを告げられ、 彼らに保護されることとなる。ただ保護されるだけというのを嫌った主人公は 敵の正体を探るための囮となることを選び、プラグマチの人たちと共に戦う ことになる。果たして敵の正体は。主人公は何故狙われているのか。暴動の 原因とは何なのか……という、ADV&SLG。 ……まあ、パッケージやメーカのサイトを見ると結構ネタばらしされているわけ ですが(^^; なお、このレビューは修正ファイルを適用した状態で書いています。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 深海真薙(ふかみ・まち)。(CV:乃田あす実) クールで他人を寄せ付けない雰囲気を持つ。感情の起伏に乏しく、抑揚のない 喋り方をする。 七風まどか(ななかぜ・まどか)。(CV:成瀬ゆら) 主人公の姉。成績優秀、優等生で真面目。主人公を養うため、プラグマチで アルバイトをしている。 森下樹里(もりした・じゅり)。(CV:成瀬未亜) 元気いっぱいの後輩。オツム軽そう(笑) 無邪気と傍若無人が混じった前向きなパワーの持ち主。 勝手にあだ名を付けて人を呼ぶ。 # メーカのサイトには主人公のクラスメイトとか書いてありますが後輩です(^^; 小日向涼乃(こひなた・すずの)。(CV:金田まひる) ドライで人とあまり関わらない。気が強く喧嘩っ早い乱暴者。 主人公に対してはもはや敵意にも似た冷たい対応をする。 霧島香奈(きりしま・かな)。(CV:榎津まお) 最近学園に転校してきた少女。控えめで大人しい引っ込み思案。 他にも敵側のキャラが数人いますが割愛。 大瀧怜とか狂子あたりはかなりいい味出してますけど。 絵の方は目が小さめのややリアルよりな絵柄で、可愛らしいというよりは 綺麗で色っぽい感じの絵柄。まあ、そういうキャラクターが多めなだけで、 樹里や香奈は可愛らしいのですが。 ややばらつきがあってシーン毎に雰囲気が違うこともありますが許容範囲。 CGの処理は丁寧ですが、塗りがやや重い塗り方のため、いまひとつキャラが 映えない感じです。ただ、作品の雰囲気を考えるとマッチしていると思います。 立ち絵はポーズ変化や表情変化はそれなりにあるんですけど、ちょっと シーンとポーズや表情のピントがズレているように感じることがありました。 キャラクターはみんな特殊な設定を持っていて、性格の方も一癖も二癖も あるキャラばかりです。ただ、負のイメージがあるキャラクターが多いため、 あまり活き活きしているという印象はなく、どちらかというと鬱々とした キャラクターが多いかも(^^; そんな中、一人で弾けてる樹里萌え(笑) 戦闘でも使いやすいですし。 ほら、そこ。どうせ長内薫も萌えなんでしょとか言わない。否定はしませんが。 あと、香奈も結構お気に入りです。使う技の名前は物騒ですが(笑) # 「皮を剥いで…」「骨まで裂いて…」って(^^; 音声はキャラクターとのマッチングはそこそこいいのですが、涼乃はもう 少し迫力というか鋭さが欲しかったかなー、という感じです。 演技の方は特に問題なし。凌辱シーンでも臨場感たっぷりです。 メインキャラの演技もいいのですが、サブキャラの演技がかなり良かったと 思います。怜の凄味の利いた渋い演技や、狂子の意味不明なことを独特の 口調でまくし立てるところなんかはかなり痺れました。 音楽は静かな曲調のものが多く、暗い重い雰囲気を醸し出してくれます。 戦闘シーンは緊迫感のある曲が流れるのですが、もう少し激しさがあっても いいかなー、と思いました。ちょっと落ち着いた感じですね。 ただ、一番長く聴くことになるであろう曲ですから、あまり騒がしすぎると 聴いていて疲れますから難しいところですが。 ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。 歌はちょっと切ない染み入るような歌でなかなかいいですね。 絵の方はキャラクター紹介とシーン紹介のような感じ。 エンディングも歌あり。こちらもオープニングと同じように切ない感じの曲で、 オープニングよりは力強さが感じられますね。 ゲームのラストからの雰囲気を上手く持っていると思います。 |
システム |
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、自動送り搭載。 バックログはマウスのホイール機能に割り当てられており、音声の再生も 可能になっています。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は軽快。 ただしシミュレーションパートは敵側のターンが結構遅いです。 セーブ箇所は20箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 章の変わり目にはセーブするかどうかの確認が出てくるのは親切ですね。 セーブデータはセーブ日時の他に、章の番号とタイトルが保存されています。 イベントの分岐が結構あるため、数としてはもう少し欲しいところですね。 システムは選択肢決定型のアドベンチャー+戦闘シミュレーション。 アドベンチャーパートは選択肢の結果で誰よりのシナリオになるかが決定 するような感じです。 シミュレーションパートは2Dクオータービューのマップ画面に敵味方のキャラが 配置され、素早さの順に行動していく半リアルタイム型の戦闘シミュレーション となっています。 移動や能力使用、防御などの行動はAPを消費して行い、MPが溜まっていると 特殊な能力を使用出来るようになります。 APは毎ターン一定値回復し、MPは敵に殴られると増えます。 ……敵に殴られると増えるMPって、マゾ・ポイントですか?(笑) そして、特定の技を連続して発動させることによって、コンボが発動します。 各キャラクター数種類(4種類?)のコンボが用意されていて、それを使うと戦闘を 有利に進めていける可能性があります。 ……たまに全然使えないコンボもありますので(^^; 戦闘に勝つとそのまま話が進み、負けるとリトライするかギブアップするかを 選択できます。リトライするともう一度その戦闘を最初からやり直すのですが、 その時にコンボを1つ紹介して貰えます。そして、リトライしたときは経験値の 入り方が増えるようです。 あと、負けたとき用のイベントが用意されていることが多々ありますので、 一度は負けてみるのも良いかも知れません。 ただし、一度もリトライせずに進めた場合、ボーナスがあったりします。 ……かなり身も蓋もないボーナスで、ヘタするとそれ以上プレイする気を なくしてしまいかねないのですが(^^; システム的な問題として、動作の不安定さがあげられます。 修正ファイルを入れていない状態だと、戦闘で特定のマスにキャラクターが 入った時点で異常終了するという現象が発生します。 修正ファイルを入れてもリトライした時に違うシーンから始まったりしますし、 まだ若干不安定な部分がありますね。 1度OSごと叩き落とされたこともありますし。これは私の環境依存かもですが。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは姉と2人で日常を過ごしていた主人公が、謎の敵の襲撃を受けるところ から始まります。そして主人公を狙っているのが何者かを割り出すため、 主人公は囮となって戦うことになります。 ゲームは章立てて進みます。 序盤は主人公が一連の事件に巻き込まれつつ、共に戦う仲間達と出逢っていく という感じで話が進みます。主人公が戦うと言いましたが、実際にはみんなに 守ってもらっているだけです。その割には序盤から戦いまくってますけどね(^^; 仲間に訓練してくれと頼んだり、訓練もなしに戦うことは難しいと言われても、 既にそれまで戦いまくっているので説得力がありません(^^; 中盤以降、事件の真相が明らかになってきて、主人公についても情報が出てきて ストーリーが動き始め、そのまま一気にクライマックスに、という感じです。 ただ、序盤から結構情報は出されているので、中盤に入った頃にはたいていの 設定は読めちゃってるんですけどね(^^; そしてラストは……なんというか、これ、ハッピーエンドなんですか?(^^; キャラによってはハッピーエンドらしいエンドもありますけど、設定を考慮して その後のことを考えたりすると結構未来は暗い気がします(^^; まあ、元々かなり救いのない設定&世界観の作品ではあるのですが。 ストーリーはあちこちに伏線が張り巡らされており、それらが徐々に解決されて 行く様はなかなか面白いのですが、前述したとおり序盤から結構情報が出される ためにある程度伏線も読めてしまうため、ややドキドキ感には欠けました。 それでも最後の方は「どうなるんだろう」と思いながらプレイしていましたが。 ……まあ、最後の方の展開はかなり急……というか、やや強引ですけどね(^^; 惜しむらくはせっかく緊迫したストーリーが展開しているところに戦闘が入って シミュレーションパートが始まると、そこで話の流れが止まってしまうためその 後のストーリーに入り込みづらいという所でしょうか。まあこれはある程度仕方 ないことですけど。もう少し戦闘にメリハリがあったり、戦闘中にもっと会話が あったりすると変わったかもですね。 Hシーンは……なかなか評価が難しいです。 描写の方は結構丁寧で臨場感もあるのですが、Hシーンの半分以上がその相手を 壊すために行われているもので、Hさよりも痛々しさを感じるためにあまりHだ という印象は受けませんでした。 それ以外のH、つまり主人公と各ヒロインとのHシーンですが、これはごく普通の HがほとんどでH度としては並程度でしょう。 各シーンの尺はシーンによってかなり違うのですが、印象としてはやや短めの ような気がします。 あと、凌辱系のシーンは戦闘で負けたときに見られるのですが、戦闘に勝ち 続けると見られないため、H度は途端に下がります(笑) # 陵辱なしの純愛物に早変わりします。 テキストはやや誤字が目立つものの、致命的な物はありませんのでまあ許容 範囲だと思います。 あと、セリフ部分はメッセージウインドウで、説明部分はメッセージ全画面表示 という形式になっているので、慣れるまでちょっと戸惑うかも。 特に、メッセージの表示速度を一瞬に設定していると、説明メッセージに入った 時点で画面が文字で埋め尽くされたりするのでちょっとびびります(^^; |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は特になし。今回の事件が解決するまでという感じです。 メーカのサイトに書かれているので書いちゃいますが、全8〜9章です。 メーカのサイトには9章と書いてありますが8章で終わるキャラがいるのは 気にしてはいけません。 ワンプレイは9〜11時間。やや長いですね。シミュレーションパートをどれだけ すんなりクリア出来るかでかなりプレイ時間は変わってくると思いますが。 2回目以降のプレイでは1度クリアした戦闘はスキップできるようになります ので、プレイ時間はかなり短くなると思います。 難易度はやや低め。シミュレーションがどれだけ得意かによって変わってくる とは思うのですが、負けてもリトライすることが出来ますし、そもそも負け ないと見られないイベントもあるため、クリアするだけを考えればそれほど 難しくないと思います。 ただ、条件によって見られるイベントが変わったりしますので、コンプリート しようと思うとやや難しいかも知れませんね。 |
総評 |
お奨め度ですが、鬼畜・凌辱好きの鬱系作品が好きな人にお奨め。 作品自体がかなり暗い・重い雰囲気で(樹里除く(笑))、設定を知れば知るほど 救いがなくなり、ラストもハッピーエンドなのかどうか微妙なエンディングが ほとんどという、かなり重く切ない作品です。 # 念のために言っておきますが、樹里の設定もホントは重いですからね(^^; # ただ言動がやたらめったら明るいだけで。 ということで、ほのぼの純愛とか、明るくハッピーな作品を求める人は避けた 方が無難です……というか、かなりキツいです(^^; 最後の方なんて平然と人が死んでいって、しかもそれを何でもないことの ようにやたらあっさり流されますし(^^; 君らドライすぎ……。 メイン級のヒロインでも、本人のシナリオから外れたらまるでゴミのように あっさり殺されたりするのはちょっと……。 あと、設定やシナリオの中で抽象的な表現や、難しい単語が飛び交うので、 そういうものに耐性がない人にはちょっと辛いかもですね。 そして、戦闘はシミュレーションとなっているため、シミュレーションが 苦手な人にはちょっと辛いかもですね。負けてもリトライを繰り返せば いずれ勝てる程度の難易度とはいえ、苦手な人にはかなり苦痛でしょうし。 繰り返しプレイ時の配慮がされているのはいいのですが、イベントを見る ためには戦闘で負けなければならなかったりしますし。 あと1つ気になったのは、何度も何度も同じ描写を見せられることがある点。 具体的には主人公の頭痛描写ですが、プレイヤーに印象づけるために何度も 繰り返し似たような描写を挟んだんだと思いますけど、正直ウザいです。 しかも画面効果にやたらフラッシュが多用されているため、見ていると目が チカチカしてきてやる気をなくします。もう少し考慮して欲しかったですね。 この描写が1回や2回じゃなく、軽く2桁ありますから。 こんな感じで、かなり人を選ぶ作品になってしまっていると思います。 ただ、話自体は伏線が張り巡らされていてなかなか深い話になっていますし、 主人公を取り巻く環境の変化などは非常によく描写されていますので、 ツボにはまればかなり楽しめるかと思います。 シミュレーションパートもコンボを探したり戦術を練ったり結構楽しめる ように作られていますし、繰り返しプレイも考慮に入れられているのは 好感が持てます。 お奨め度は6としていますが、設定などを見てツボにはまりそうだなーと 思った人は+1しても問題ないと思います。 ちなみに、メーカのサイトやパッケージで結構ネタばらしされていますので、 シナリオを100%楽しみたい人はプレイ前に見ない方がいいかもですね。 メーカのサイトはけっこー間違いだらけですし(^^; 最後に。ボクシンググローブを常に持ち歩いている娘はちょっとアレかも(^^; 余談ですが、私は最初このゲームのタイトルを「MIND REPAIR」だと思って いました。なので、「へー、陵辱物っぽいけど実は癒し系なのかな?」などと とんちんかんなことを考えてました。 実際は癒しのカケラもない鬱系の作品だったわけですが(^^; ところでマインドリーパー(精神を刈る者)って、ソウルテイカーの親戚か 何かですか?(笑) |