なついろ 星降る湖畔の夏休み | |||
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ブランド名 | ACTRESS | ジャンル | AVG |
発売日 | 2003.10.31 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(167x228x40mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | 674.6MB、CD-DAなし | ||
原画 | 葛葉恭司 | シナリオ | - |
音声 | ヒロインのみフルボイス、西田こむぎ、YUKI、鳩野比奈、草柳順子 | ||
インタフェース | メッセージ送りのみキーボード可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 60箇所 | 歌 | あり(1曲、OP) |
おまけ | CG、回想、音楽 | ||
対象属性 | 純愛、凌辱、ボブカット、エプロンドレス、メイド服、黒髪、お兄ちゃん、お嬢様、 病弱、ウエディングドレス、首輪、ピンク髪、ポニーテール、リボン、裸エプロン |
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1プレイ時間 | 2時間弱 | お奨め度 | 3 |
レビュー |
概要 |
幼い頃に母を亡くし、先日父を亡くした主人公。父の会社を継ぐように言われ、 現実逃避のため母が亡くなった村へ墓参りに出かける。そこで主人公は4人の 少女達と出会う。彼女達との交流を通じて、主人公は母親の悲しい思い出や、 父親が亡くなった辛い現実から脱することが出来るのだろうか……という、 アドベンチャーゲーム。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 入江茉莉(いりえまつり)。(CV:西田こむぎ) 別荘の管理をしてくれている少女。感情表現に乏しく、あまり表情に出ない。 倉茂真衣佳(くらしげまいか)。(CV:YUKI) 主人公の許嫁……らしい。おっとりぼけぼけ天然娘。 主人公のことを「おにいちゃん」と呼び慕う。 室星朱音(むろほしあかね)。(CV:鳩野比奈) 備蓄庫に侵入してカンパンを貪り食っていた謎の少女。 無邪気で元気いっぱい。食欲魔人。 桜庭李(さくらばすもも)。(CV:草柳順子) 別荘の近所に住んでいる娘で、茉莉のことを「茉莉ねぇ」と呼び慕っている。 主人公のことも「おにぃ」と呼ぶ。明るく元気な女の子。 絵の方は、若干クセはありますが、柔らかいタッチの可愛らしい絵柄ですね。 CGの処理も原画の雰囲気を活かした丁寧な仕上げになっていると思います。 立ち絵はポーズ変化・表情変化とも豊か。とてもアクションが大きいので、見て いて楽しいですし、感情も伝わって来やすいです。 キャラクターはみんな個性的。基本的にみんなほのぼのしているいい娘で、 会話シーンもとても和みます。キャラクター同士の会話も楽しいですね。 みんな可愛くて1人を選ぶのは難しいですが、強いて言うなら茉莉でしょうか。 音声はキャラクターとのマッチングも良好。朱音はもう少し元気いっぱいな 感じでも良かったかなー、とは思いましたが、許容範囲。 演技の方も問題なし。李の元気いっぱいなところとか、茉莉のあまり感情を 表に出さないところはよく表現されていたと思います。 ただ、このゲームは主人公の名前変更可で、初期状態の名前(直毅)の時 だけ音声が入るようになっているのですが……「直毅」と「さん」「くん」などの 間に微妙な間があって、かなり違和感を覚えました。 さらに、名前を変えると、名前部分だけが無音となり、「さん」や「くん」は そのまま発音されるため、違和感バリバリです。もう少し言い回しを変える とか、何か出来なかったのでしょうか。 音楽は静かで穏やかな雰囲気の曲が多めですね。もちろん、李や朱音の テーマは明るく元気な感じですけど。 ゲームを開始すると、短いプロローグの後にオープニングアニメーションが 流れます。歌は明るくポップな感じで、馴染みやすいですね。ただ、若干 安定性に欠ける気はしましたけど。 絵の方はキャラクター紹介、シーン紹介的なもので、特筆すべき点はなし。 |
システム |
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。 強制スキップ、バックログ搭載。既読スキップはないようです。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 必要最低限のシステムという感じで、やや物足りなさを感じますね。 描画はiWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は比較的軽快。 セーブ箇所は60箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、自由に記述できる一口メモが保存されます。 それ以外の情報がないため、メモにきちんとコメントを入れておかないと、どの データがどこでセーブしたものかわからなくなりそうですね。 数としては、選択肢はそこそこ多いものの、それほどセーブ/ロードを多用する 必要はないと思いますので、これだけあれば充分かと思います。 システムはマップ移動場所選択&選択肢決定型のアドベンチャー。 池上村観光協会発行「池上村ぶらり旅みちのくMAPイイ旅夢キブン」から移動 場所を選択します。……この村の観光案内には「李の自宅」とかまで書いてある のですか(笑) マップ上にはどこに誰がいるのかが表示されていて、誰に会いに行くかを決定 するような感じですね。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは、主人公が母親の眠る村の別荘を訪れ、4人の少女と出会うところから 始まります。 彼女達と毎日を平和に過ごしているうちに、次第に誰かとの仲が進展していき、 母親のことや父の遺した会社のことを吹っ切っていくという感じですね。 前半は明るくコミカルな雰囲気で進みます。平和な日常という感じで、ほのぼの した雰囲気が漂っていますね。 そして後半、誰かと思いを通わせあってからは、主人公の抱えた問題や、少女の 苦悩などを絡めたシリアスな展開になります。 その問題を乗り越えて、ハッピーエンド……という感じですね。 さて、気になった点ですが、あまりに多いですね。順番に触れていきます。 まず、整合性がめちゃくちゃです。 それまで散々湖畔に行っていたクセに、突然「あそこにはあまり行きたくない」と 言ったり、午後から来るはずの茉莉と朝ご飯の後かたづけを一緒にやったり、 前の日に「明日は肉が食べたい」と言ったにも関わらず次の日の食事シーンでは 「肉食べる気分じゃないんだよなぁ…」と言ったり。しかし、夕飯に肉を食べたい とリクエストしたのに、昼飯にも冷しゃぶを出してくる茉莉はちょっとラブリー(笑) あと、パッケージには、茉莉の母親は過労で倒れたと書いてあるのですが、本編 では骨折したことになってます。……どっち? それと、テキストの使い回しがちょっと目に付きますね。別キャラのシナリオでも 同じようなテキストが出てきて、名前が変わっているだけ、という箇所がいくつか ありました。同じキャラのシナリオの中でも、似たようなイベントがあったり、もう 少し幅が欲しかったですね。 そして、伏線や設定を消化せず、投げっぱなしの所が多々あるのも気になります。 「明日はご馳走ですよ」と言うだけ言っておいて、食事シーンはスルーされたり。 朱音のリュックの秘密とかもほったらかしですか?(^^; 私の見ていないイベントで語られているのでしょうか……。 # 「あのとき」というのがいつのことなのかも語られていないような。 さらに、イベント1つ1つが短く、描写も非常に淡白で、面白みに欠けます。 しかも、折角魅力的なヒロイン達がいるにも関わらず、ヒロイン同士の掛け合いは 少なめで、ほとんど主人公と1対1の会話です。あまりにも勿体無いですね。 結果、ストーリーが淡々と進み、何の盛り上がりもなくあっさりとエンディング、と いう感じです。 そして、そのエンディングに至る過程ですが、途中で主人公やヒロインが豹変する ことが多々ありました。特にバッド系のエンディングで顕著なのですが、ほとんど 何の前触れもなく主人公がぶち切れたりヒロインが弾けたり、ちょっと付いて行け ないように感じました。 H度は低め。各ヒロインとも複数回用意されているのですが、内容が非常に淡泊で 尺も短め。純愛系のゲームかと思いきや凌辱的なシーンもあったりするのですが、 そういったシーンもたいして盛り上がりもなくあっさり終わります。 テキストはあっさりしていて読みやすいですが、あっさりしすぎていて何も伝わって 来ない感じです。もう少し描写は丁寧にしてほしいところですね |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は約2週間+α。1日ずつプレイするタイプです。 ワンプレイは2時間弱。音声を最後まで聞かずにさくさく進めたら、ヘタすると 1時間やそこらで終わってしまいます。 難易度は低め。基本的に狙ったキャラクターと逢い続けるだけですし、エンドの 分岐も解りやすいので特に問題はないかと。 ただし、1つだけやたら条件の厳しいエンディングがあるので、ちょっと注意が 必要ですけど。 |
総評 |
お奨め度ですが、奨め辛すぎ(^^; キャラクターはとても魅力的なのですが、描写が淡白な上にヒロイン同士の会話が 少なめで、折角のキャラクターが活かしきれていない感じ。 ほのぼのとした雰囲気はすっごくいいのですが、後半はそんなもの無視するかの ように無茶苦茶な展開があったりして、折角の雰囲気が台無しです。 さらに、イベント1つ1つが短く、間の繋がりも弱いため、全体的に説明不足という 印象があります。さらに不整合もあり、いっそう繋がりが弱くなっている感じです。 ワンプレイ時間も短めで、ほとんど盛り上がりもないままラストまで突っ走るため、 「え? もう終わったの?」という感じです。 すんなり行けば10時間かからずコンプリート出来ると思いますし、ボリューム的にも 全然物足りない感じです。 システムも、既読スキップがないなど、繰り返しプレイがやや煩わしく感じるかも 知れませんね。 # そもそも、最後までやる気力を維持するのが難しいかもですが(^^; 絵は若干クセがあって人を選ぶものの、綺麗で可愛らしいですし、キャラクターも 魅力たっぷり、声優さんの演技もいいですし、音楽も雰囲気を盛り上げてくれます。 しかし、これらの素材をシナリオが全て台無しにしている感じで残念です。 さらに、作品の雰囲気から、純愛ラブラブなストーリーを想像する人も多いと思うの ですが(私もそう思ってました)、実は凌辱系のシーンが結構あったり、かなりキツい イベントもあって、純愛ほのぼの系の作品を期待している人は、泣くことになるかと 思います。あ、いや、感動して、とかではなく(^^; なので、そういう作品を求めている人は避けた方が無難かと思います。 逆に、陵辱を期待しても、言うほどのものではないので期待はずれでしょうけど。 ともかく、壮絶なまでに電波なストーリー。特に、バッド系のエンディングは無茶苦茶 唐突で脈絡もありません。主人公はもとより、ヒロインまでもがいきなり豹変する 様は、見ていて愉快です。 ライターさんの名前が公表されていないのに、作為的なものを感じます。 最後に。星、降ってねーし(笑) なんとなーく、タイトルが似ている「なつかげ」と似たような感じの作品という印象が あります。雰囲気が似通っているのもさることながら、シナリオが短いとか、説明が 足りないとか、整合性が怪しいとか、とっても良く似ていますね。 ……そんなところ似てても嬉しくねーよ!(~^; もっとタイトルの似ている「なないろ」とは……全く似てないですな(^^; |