Orange Pocket-オレンジポケット-
ブランド名 HOOK ジャンル AVG
発売日 2003.06.13 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(190x270x40mm) マニュアル A4用紙2つ折り
DISC容量 DISC1 : 615.8MB、CD-DAなし
DISC2 : 523.1MB、CD-DAなし
ORIGINAL+SOUND TRACK : CD-DA=223.3MB、CD-DA11トラック
原画 武田弘光 シナリオ はね、川波無人、三浦裕介、
セルシオ
音声 あり、北都南、成瀬未亜、萌木唯、青山ゆかり、中瀬ひな一色ヒカル、文月かな、
三木本彩響、児玉さとみ、闇寺司、福元コヒロ本条真琴、船阪、乃田あす実
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 20箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ CGモード&回想、音楽モード
対象属性 純愛、萌え、学園物、金髪、リボン、セーラー服、体操服、ブルマ、スクール水着、
黒髪、眼鏡っ娘、お兄ちゃん、後輩、オーバーニーソックス、裸エプロン、巫女さん、
巫女装束、女教師、銀髪、ボブカット、メイド服、ピンク髪、触角、猫耳、バニー、
尻尾、ツインテール、先輩、エレベーターガール、帽子、和服、ストレートロング、
青髪、着物、ナース服、浴衣
1プレイ時間 5〜7時間 お奨め度 6

レビュー
概要
のどかな田舎の学園で暮らす主人公。ある日、以前主人公が住んでいた町から
幼馴染みが転校してくる。久しぶりの対面にとまどう主人公だが、その幼馴染み
ナズナはすぐに学園にも馴染み、仲間の一員となった。
それを機に、主人公の周りの人間関係が変わり始める。今まで考えたことの
なかった「恋人」という関係。果たして主人公達の関係はどのように変わって
いくのか……という、純愛学園AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

綾瀬ナズナ(あやせなずな)。(CV:北都南)
主人公の幼馴染み。昔、主人公が転校して以来逢っていなかったが、ある日
主人公のいるこの学園に転校してくる。学業優秀・スポーツ万能の優等生。
明るく元気で真面目で頑張りやさん。

小見川円(おみがわまどか)。(CV:萌木唯)
主人公のクラスメイト。元気いっぱいの暴走突撃娘。

藤木咲乃(ふじきさきの)。(CV:中瀬ひな)
主人公のクラスメイト。冷静沈着。円のお守り役。

黒崎恵留(くろさきえる)。(CV:青山ゆかり)
主人公のご近所さんで後輩。この町に引っ越してきた主人公に初めて出来た
友達。主人公のことをお兄ちゃんと慕い、留守がちの両親に替わり、主人公の
身の回りの世話をしてくれる。優しいいい娘。

神沼桐子(かみぬまきりこ)。(CV:一色ヒカル)
主人公のクラスメイト。クールで無口。

七緒美典(ななおみのり)。(CV:成瀬未亜)
恵留の親友。非常に間延びした話し方をする。何故かいつも枕を抱いている(^^;
非常にマイペース。とてつもなくマイペース。この上なくマイペース(笑)

前原羽弥(まえばらはや)。(CV:文月かな)
主人公の先輩。ただしちんまい(笑)
わがままで自分勝手な短気暴力女。

綾瀬ユーキ(あやせゆーき)。(CV:三木本彩響)
主人公の家のお隣さん。毎朝のように主人公を起こしに来る。

空木朋佳。(CV:児玉さとみ)
主人公の担任教師。細かいことは気にしない気さくな性格。

立花柊。(CV:三木本彩響)
主人公の親友、奥村崋山の妻(笑)

源ありか。(CV:福元コヒロ)
羽弥の親友。明るく優しい親しみやすい性格。

神沼すず。(CV:本条真琴)
桐子の妹。素直で無邪気な子。

絵の方は可愛らしい絵柄でとってもらぶりーです。
イベントCGは丁寧に処理されており、発色の良い絵はとてもよく映えます。
立ち絵はポーズ変化も大きく、表情変化も非常に豊かなので会話シーンが
とても楽しく、感情移入しやすいです。恵留のリアクションがすっごい好き☆
ナズナの笑顔も最高ですね。

キャラクターは様々な個性をもったキャラクター勢揃い。中でも美典の個性は
ずば抜けている気がします(^^;
基本的にいいヤツばっかりで、みんな活き活きしていますね。
恵留らぶりー。このキャラは私には回避不可能です。優しくていい娘なの(T_T)

ところで、主人公が恵留と初めてあったとき、恵留はまだランドセルだった。
そして、主人公がこの街に引っ越してきたのは4〜5年前。……ノーコメント(笑)
卒業したら進学してみたりとか、たまに出てくる「生徒」という文字も見なかった
ことにしておきましょう(笑)
# そもそもユーキはかなりどうかと思う(^^;

音声はいまひとつキャラクターとのマッチングが悪い気がします。プレイして
いればすぐに慣れるレベルだとは思いますけど、この人とこの人は入れ替えた
方が合うんじゃないかなーと思うことが多々。演技の方は全く問題ありません。
とりあえず、美典の喋り方は破壊力絶大。……最後まで聴くのはかなりイライラ
しますけど(笑)
あとこの音声ですが、録音レベルがキャラ・シーンによってバラバラですね。
突然やかましくなったり非常に聞き取りづらくなったりしますので、もう少し
レベルは一定に保って欲しかったです。別に叫んでいる訳でもないシーンの
声がデカかったり、つぶやいている訳でもないのに小さかったりするのは
感情移入の阻害にもなりますし。
しかし、主人公の父親、なんでこんなにテンション高いかな(^^;

音楽はゆったりとした穏やかになれる感じの曲が多いですね。あまり目立たず
BGMに徹したような感じですが、単体で聴いてもそこそこイケると思います。

ゲーム開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
プロローグをプレイしていて、「あ、次にオープニングに入るな」というのが
はっきりわかる、とてもわかりやすい展開(笑)
歌の方はアップテンポで爽やかな歌……なのですが、ちょっとビブラートを
かけすぎな感じ。ただ単に揺れているだけに聞こえてちょっと気持ち悪いかも。
絵の方はアップテンポな曲に合わせてテンポよく切り替わり、動きの方も結構
あってなかなかいい感じ。演出も凝ってますね。

エンディングも歌あり。歌の方はちょっと切ない感じの静かな曲で、なかなか
雰囲気が出ていていいですね。こちらはオープニングと違い素直な歌い方で
入り込みやすいです。絵の方は本編中の絵ですが、演出はいい感じ。
システム
インタフェースはメッセージ送りと選択肢決定のみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能にも対応しています。
メッセージスキップはシーンが変わると止まってしまいますし、シーンの変わり目
でも何でもない所で止まってしまうこともあるので、いまひとつ使い勝手が悪い
です。バックログもシーンが変わるとクリアされるので、微妙に使えないですね。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は重め。
効果の設定を「軽い」にしてもぜーんぜん変わらない気が(^^;
CPU利用率はぶっちぎり100%で、他のアプリケーションは非常に重くなります。
……どこでこんなにマシンパワー食ってるんでしょうか?(^^;

セーブ箇所は20箇所。セーブ/ロードは選択肢が出ている場所とまっぷせれくと
画面以外で可能。……使いたいところで使えないのね……(T_T)
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内時間が保存されます。
数としてはゲームのボリュームを考えると全然足りないのですが、セーブしたい
と思うところでセーブできないのでどーでもいーかも(^^;

システムは移動場所選択&選択肢決定型のアドベンチャー。
移動場所選択は移動場所の上にそこにいるキャラクターが表示されるため
空振りすることはありません。ただ、移動場所を選択せずしばらく放っておくと
別の移動場所が表示されることがあるので注意が必要です。

選択肢決定も、RTCと呼ばれる選択するまでの時間によって反応が変わる
というリアルタイム選択肢があるため気が抜けないですね。ちなみに私は
ハンディタイプのトラックボールを使っているので素早い操作がやりづらく、
なかなかリアルタイムに選択肢を選べなくて苦労しました(T_T)

そして、このRTCの選択するタイミングによって、プレミアHと呼ばれる通常
見ることの出来ないHシーンを見ることが出来るようになります。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公のいる学園に幼馴染みのナズナが転校してきて……3ヶ月
経ったところから始まります(^^;
夏に転校してきたはずなのに、本編は11月から始まってちょっとびっくり。
というか、いきなり月曜日が学園祭の振り替えで休みって言われても(^^;
…って、11月3日が日曜だったなら4日は素直に文化の日の振り替えだろ(^^;

前半はほのぼのとした平和な雰囲気で進んでいき、ヒロイン達との親交を
深めていく感じですね。そして後半、仲良くなったヒロインとの個別ルートに
入り、お互いの気持ちを確認してハッピーエンドという、とてつもなく王道な
展開。安心してプレイすることが出来ると思います。

まずシナリオ全体的なことについてですが、無駄な描写を極力省いた感じで、
ところどころ突然話が飛んだりなんの説明もなく唐突に話が進んだりする
印象があります。本編開始時点でいきなりナズナが転校してきてから3ヶ月
経ってたり。注意しておかないと流れからおいていかれる可能性があります。
他にも、恵留が主人公の家に来て食事を作ってくれるとか、ユーキと主人公の
関係だとか、そういった説明や描写がほとんどないまま進むため、状況を理解
するのがちょっと大変です。

あと、シーンの取っ掛かり部分だけを描写してその後のシーンはすぱっと
飛ばされたりすることもありました。「本日の料理はこれでーす」と言った後、
何事もなかったかのように次のシーンに移ってしまうのはどうかと思います(^^;
# せめて食事をした描写ぐらい入れてください(^^;

そして、キャラクターによってシナリオのボリュームや内容にかなり差がある
というのも気になりますね。キャラクターによっては後半唐突な展開になったり
しますし、ちょっと感情移入はし辛いかも。

良かった点としては、キャラクター同士の絡み・掛け合いが良かったです。
個別ルートに入っても他のキャラクター(特に崋山や恵留)が話に上手く絡んで
来たり、サブキャラもストーリーを盛り上げてくれるので広がりのある展開に
なっていると思います。キャラクターは基本的にみんないいヤツばかりなので、
プレイしていて気持ちいいです。
# 桐子はクラスメイトのクセにほとんど出てきませんが(^^;

Hシーンは純愛物としては結構濃いめではないでしょうか。
各キャラクターとも複数回用意されていてそれぞれ尺も長め、描写も丁寧だと
思います。純愛物ゆえハードなプレイはありませんが、シチュエーションは色々
用意されていますし、なかなか楽しませてくれます。
そして、RTCをうまく選択することによって見ることの出来るプレミアHは、通常
シーンの別バージョンで、マニアックな服装になっています。
……通常シーンからしてマニアックなキャラもいますけどね(^^;

テキストは、若干誤字は見受けられますがさほど気にならない程度。
あまりクセもなく読みやすいと思います。「役不足」の用法を正しく理解している
所が見受けられてなかなか良かったのですが、残念ながら将棋は打ちません。
指しましょう(笑)
# 「指す」と書いてあるところもあるんですけどね。
プレイ時間・難易度
ゲームは11月3日の日曜日から始まります。ゲーム期間は約2ヶ月。
……シナリオによってはその後も3ヶ月とか1年続いたりしますけどね(^^;
前半(11月)はほぼ1日ずつプレイすることになりますが、後半(12月)は
シナリオによっては一気に10日飛んだりとかします。

ワンプレイは5〜7時間。シナリオによってかなりボリュームに差があります。
12月に入るまではだいたい同じボリュームですが、それ以降の差がかなり
激しいためシナリオによってプレイ時間はかなり違うかと。

難易度はかなり結構高め。普通にクリアするだけなら狙ったキャラに逢い
続けて常識的な選択肢を選んでいればいいのですが、それでもRTCを選ぶ
タイミングやマップの切り替えなどもありますので、ちょっと油断するとクリア
できなくなったりします。
そして何よりプレミアH。こいつを見つけだすのは至難の業です。
RTCで上手く選択すると通常とは違う音が鳴るのですが、音の違いが結構
微妙だったりしますし、どれがキーになっているRTCかというのがわからない
ためかなり厳しいです。
他にもタイトルメニューで隠しコマンドを入れないと見られないCGがあったり、
コンプリートしようとするとかなり大変かと思います。
総評
お奨め度ですが、萌え系学園純愛物が好きな人にはお奨め。
キャラクターの描写は秀逸で、どのキャラクターも活き活きとしていますし、
なかなか萌える展開も用意されているのでかなり楽しめると思います。
Hシーンも純愛物としては濃いめですし、猫耳あり裸エプロンありナースありと
各種属性持ちにもたまらない展開盛りだくさんですので、萌え重視の人には
なかなか良いかと思います。

問題点としては、とにもかくにも圧倒的な説明不足。まず、マニュアルから
してA4ペラ1枚で、RTCなんかの説明が全くありません。
本編のシナリオに関しても同様で、主人公とナズナの関係とか、ユーキとの
関係とか、恵留との関係とか、さらっと流されていて、個別シナリオに入ら
ないとわかりません。もう少し事前にある程度の説明がないと、感情移入は
し辛いです。主人公とプレイヤーの情報格差は出来るだけなくして欲しいです。

シナリオの方もキャラクター間の差が大きく、キャラによってはほとんど何の
盛り上がりもなくエンディングになったり、かと思えば唐突にファンタジックな
展開になったり、もう少し統一して欲しかったです。とりあえず、普通に萌え系
純愛ストーリーとして面白いんですから、ヘタにファンタジックな展開とか持ち
出さなくてもいいのになー、と思いました。

そして、メッセージスキップはそこそこ高速なのですが、元々テキスト量が
かなり多く、さらに時間経過を示すアニメーションがちょっと遅めなので、
最初から最後までスキップしても結構な時間が掛かり、繰り返しプレイは
ちょっと辛いです。そもそもシーンの切り替わりとかでスキップが止まって
しまうので使いづらいですし。さらにRTCやマップ切り替えがあるため気を
抜くことが出来ないので、コンプリートするのはかなり疲れると思います。
システムが軽くてスキップの使い勝手が良ければ、間違いなくお奨め度に
あと1点は加えたと思うのでちょっと残念です。

ともあれ、絵は可愛らしくシナリオもかなり萌えられると思いますので、萌え
重視の人は是非どうぞ。ほのぼの純愛ストーリーでキツい展開はほとんど
ないため、安心してプレイできるかと思います。ただ、難易度は高めで、特に
プレミアHはなかなか見付けられないと思うので、素直に攻略などを頼った
方がいいかもですが。

最後に。「うむ、上になってもらった」(爆笑)
# 崋山、侮れん……。

勇気を持ってたった一歩を踏み出せば、思いは届く。いい言葉ですね。
ちょっとぐっと来ましたですよ(^^)

ところで、恵留がブラックジャック強かったのって、もしかして能力を使った
イカサマ?(^^; ……恵留の評価だうーん(笑)



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