喪失郷 | |||
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ブランド名 | 美遊 | ジャンル | 耽美系ノベルズアドベンチャー |
発売日 | 2003.03.07 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(165x230x40mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | Game Disc I : 526.6MB、CD-DAなし、CD-ROM XA Game Disc II : 635.9MB、CD-DAなし、CD-ROM XA |
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原画 | みけこ | シナリオ | 大森ごはん、Shayne、 稲妻號、御厨隆 |
音声 | フルボイス、お名前呼びシステム、 みやびりん、南雲涼、つるた陽美、暁ゆう、柏倉れん、春野桜雪、朝比奈さゆり、 桐乃香澄、織田マリ、かわの亜衣、武井真中、KYO-KA、オイリーはな、堀川忍、 しがけんじ、中村昭男、風早裕介、石黒貴之、五反田正人、金山業、鉄仮面 |
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インタフェース | メッセージ送りのみキーボード可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 20箇所 | 歌 | あり(1曲、ED) |
おまけ | 画像鑑賞、回想鑑賞、音楽鑑賞、ボツ鑑賞 | ||
対象属性 | サスペンス、ミステリー、鬼畜、陵辱、赤髪、ストレートロング、リボン、バスガイド、 眼鏡っ娘、着物、お下げ、和服、紫髪、ツインテール、黒髪、人妻、ショートカット、 OL、お嬢様、タカビー、帽子、ロリ、アイドル、オーバーニーソックス、縦ロール、 銀髪、母娘丼、金髪、美少年 |
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1プレイ時間 | 2〜4時間 | お奨め度 | 6 |
レビュー |
概要 |
恋人の美由紀とスキー旅行に来た主人公。しかし吹雪の中でバスが立ち往生 してしまう。助けを求めてとある山奥の村にたどり着いた主人公たちは、雪が やむまでその村の旅館に泊めてもらうことになる。しかしその村は鬼の伝説や 不思議な儀式などの伝わる村で、主人公の身の回りでも不思議な現象が起こり 始める。この村はいったい何なのか。主人公は恋人と一緒にこの村から脱出 することが出来るのか……という、耽美系ノベルズAVG。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下のとおり。 柳根美由紀。(CV:みやびりん) 主人公の彼女。 楠美智恵。(CV:春野桜雪) 主人公の乗っていたバスのバスガイド。 葛樹奈津夜。(CV:南雲涼) 伏見館の女将。 葛樹小夜。(CV:つるた陽美) 奈津夜の娘。物静かで優しい娘。 葛樹ゆき。(CV:暁ゆう) 奈津夜の娘。あまり喋らないが結構激しい性格。 新城聖美。(CV:織田マリ) バカOL3人組の1人。騒がしいのーてんき娘。 小早川紀香。(CV:桐乃香澄) バカOL3人組の1人。キャリアウーマンタイプ。 島村絵里子。(CV:かわの亜衣) バカOL3人組の1人。大人しく丁寧な物腰。しかし言いたいことはハッキリ言う。 浅賀美佐子。 誠人と一緒に旅行に来ている派手な女。 舞島美紗。(CV:KYO-KA) ロリっ子アイドル声優。 青嶋香織。 夏樹の義理の母親。 倉田沙代子。 祐次の妻。夫と加代子と共に旅行に来ている。大人の色気が漂う。 柏木加代子。(CV:武井真中) 滅多に口を開くことがない。 村田君枝。 新婚。旦那さんと一緒に旅行していた。 蔡儀麗花。 村長の一人娘。わがままで高飛車。 クリス。 村長の家で暮らす少女。麗花のお守り役。 アンヌ・セラ・ローゼッタ。(CV:朝比奈さゆり) クリスの母親。 ……キャラ多っ(^^; 男性キャラも負けず劣らず多いのですが割愛。上記キャラ紹介で声優名が 書かれていないキャラがいるのはエンドロールに記述がないキャラがいる ためです。おそらく兼ね役だからでしょうけど。 絵の方はなかなか色っぽく可愛らしい絵ですね。キャラがかなり多い訳ですが 描き分けもきっちりされており好感触。 CGの処理は一部ちょっと暗いくすんだような絵はありましたが総じてレベルは 高め。線の処理なども丁寧でとても綺麗です。 立ち絵は1画面に3キャラ入る引いた感じの絵になっており、ちょっと小さくて 物足りなさを感じます。ポーズ変化はほとんどなく、表情変化も少ないために 若干寂しいですね。まあ、ほとんどがイベント絵で進むため、さほど気になら ないかも知れませんが。 キャラクターは個性的なキャラが多いのですが、なにぶん数が多いため、 1人1人の出番が少なめで、登場頻度の高いキャラ以外は今ひとつ印象に 残りづらいですね。 とりあえずマキちゃん萌え。……嫌っ、そんな目で見ないでっ(^^; # 広場で遊んでいる女の子です(^^; ##じゃあ美紗萌え。←それもどうだろう 音声はキャラクターとも比較的合っていると思います。なにぶんキャラが多い ので、全員ばっちりとはさすがにいきませんが……。 演技の方も問題ないレベルだと思います。陵辱シーンなども臨場感たっぷり。 そして売りであるお名前呼びシステムについて。このゲームは主人公の名前が 変更可能なのですが、あらかじめ用意されている中から選べばその名前を 音声付きで呼んでくれます。しかもそのときの会話の流れや感情に合わせて イントネーションも変化するため、とても自然に感じます。凄いですね。 ただ、主人公の名前を呼んでくれるキャラは限られているのがちょっと残念。 実質的にはほとんど恋人の美由紀がメインですし。 そしてこの音声なんですが、全体的に音量が一定ではなく、シーンによって、 また同じシーンでもセリフによって音量が違うため、非常に聞き取り辛いです。 せっかくお名前呼びシステムや主人公を含めたフルボイスと、音声周りには 気合が入っているだけに、これは非常にもったいないですね。 音楽は静かな曲、不思議な雰囲気な曲、そしておどろおどろしい曲が多い ですね。広がり・深みのある曲でなかなかクオリティは高いと思うのですが、 ゲーム中ではBGMに徹している感じで目立ちません。 エンディングは歌あり。歌はしっとりとした切ない歌で、引き込まれるような 感じです。ただ、エンディングによってはやや雰囲気合ってませんけど。 |
システム |
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。 強制スキップ、メッセージ履歴、自動送りあり。スキップは強制スキップのみで、 未読/既読の判別はありません。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方はやや重め。 CPU利用率はさほどでもないのですが、絵の切り替わりなどがかなり遅く、 いらいらします。画面効果をなしにしてもやっぱり重いです。 セーブ箇所は20箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、章番号orシーン名が格納されます。 イベントの数や分岐、エンディングがかなり多いため、この数では到底足りない かと思います。 システムは移動場所選択&選択肢決定型のアドベンチャー。 移動場所はかなり多く、特定の条件を満たすまで延々と移動することが可能 ですので、かなり自由度が高いです。ただ、どこに誰がいるのか全くわからず、 時間帯(訪れる回数?)によっているキャラが変わったりしますので、空振りも 多く、結構大変です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは主人公たちスキーツアー客が吹雪で足止めされ、近くの村で雪が やむまで宿を借りるところから始まります。そしてその宿で過ごすうち、身の 回りで不思議なことが起こり始め、その真相を究明しようとする話です。 ゲームは終始淫靡な雰囲気で進みます。何かをするたび、どこかに移動する 度にHなイベントが発生するような感じで気が抜けません(^^; プレイしていてまず感じたのですが、時間の概念がかなり怪しいですね。 朝起きて食事までにいったいどれだけ時間潰してるんですか(^^; 村中あっちこっち歩き回ったり、旅館の中を歩き回ったり、風呂に入ったり。 特定の条件を満たすまで次のシーンに進まず自由に移動できるシステムの 弊害という感じですね。もう少し時間を意識させるような作りにして欲し かったです。プレイしていて今何時ごろなのか全然わかりませんでした。 # てゆーか、他にも客いっぱいいるのに朝から露天風呂でHかよ(笑) そして、シナリオの整合性もやや怪しいですね。 自力で部屋まで戻ったのに覚えがないと言ってみたり、突然美由紀と仲違い してみたり、外から旅館に戻ってきたのに旅館の外に出たというメッセージが 表示されたり。一番酷いのは、美由紀が部屋からいなくなって探し回っている というのに、部屋に戻ってきて「ただいま」と言った後で美由紀がいないことに びっくりすること。お前はトリ頭か。もう整合性無茶苦茶です……。 これも自由度の高い移動システムの弊害ですかねぇ。 エンディングも種類が豊富で、純愛的なものからイタいものまで幅広く用意 されており、いろいろなストーリーが楽しめます。ただ、エンディングに よっては恋人である美由紀を「まあいいか」の一言でなかったことにしたり、 結局今までの話はなんだったのさ的な終わり方をするものが結構あるのは ちょっと気になりました。美由紀をなかったことにするにしても、全てを 忘れるにしても、もう少しそこに至る主人公の心理描写が欲しいですね。 Hシーンは濃いめ。陵辱的なシーンが多く、描写も濃厚なのでH度はかなり 高めだと思います。シーンごとに尺の長さはばらばらで、やたら長いシーンが あったかと思えば一瞬で終わるようなシーンもあるのですが、描写自体は どれも濃いめで、数もかなり多いので充分満足できるかと思います。 テキストは禁則の無視や誤字がちらほら見受けられます。特に禁則の無視は 特定のルートに固まって見られるため、複数いるライターさんのうち誰か1人の 担当部分にのみあるような感じですね。 そしてこのテキストですが、メッセージウインドウの背景の透過度が高めにも 関わらず、セリフが薄い色(水色やピンク)で書かれたりするため見辛いです。 もう少し配色を考えて欲しかったですね。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は5日ぐらい? 時間の経過があいまいなので、いつ日付が変わった のか今ひとつよくわかりません(^^; セーブデータを見ると1日ごとに章が変わっているのかな? という感じですが。 ワンプレイは2〜4時間。どれだけイベントを見るかでかなり変わってきます。 クリアだけを目指してどんどん先に進めるための条件だけを満たしていけば 2時間とかからずクリアできるでしょう。ただしそれだとほとんどイベントを 見られないつまんないゲームになってしまいますが(^^; 難易度は高め。ただ何も考えずクリアだけを目指すなら簡単なのですが、 全てのエンディング・イベントを見ようと思ったらかなり大変です。 特定の条件を満たすまで自由に移動でき、移動する(イベントを見る)順番に よってその後発生するイベントが変わったりしますので、イベントの関連性を 見極めないとなかなか見られないイベントなどもあり、コンプリートするのは 相当な労力が必要になります。 |
総評 |
お奨め度ですが、サスペンス・ミステリー風味の陵辱物が好きな人にお奨め。 次は何が起きるんだろうとドキドキしながら進めることが出来ますし、進め方に よって様々なエンディングに分岐するため、幅広いストーリーを楽しむことが 出来ます。……幅広すぎて当初の目的が忘れられているものも多々あったり するのですが(^^; Hシーンは主人公以外の男性に女性たちが襲われるというシーンが多いの ですが、女性たちは恋人である美由紀以外はたまたま同じツアーのバスに 乗り合わせたいわば赤の他人のため、不思議とそれほどキツくは感じません でした。まあ、苦手な人にはダメだと思いますけど。 私はそれよりも平気で人が惨殺されるようなシーンがあった方がキツかった です。生首は勘弁……(T_T) 問題点としてはやはり難易度の高さ。クリアするだけならさほど難しくないの ですが、イベントを全て見ようと思ったらかなり大変です。 そして何よりメッセージスキップが強制スキップのみで、しかもスキップ中は メッセージが表示されないため、まだ見ていないイベントまで飛ばされる可能 性が高く、易々とはスキップが使えません。このために、繰り返しプレイが 非常に辛くなっています。 動作も重めで音声のレベルもばらばらと、若干システム面が足を引っ張って いるような感じですね。 シナリオの方も、自由度の高いゲームデザインが災いしてか、イベント間の 繋がりが薄く、時間の概念や整合性にやや問題あり。 なかなか面白い設定に独特の雰囲気、引き込むような展開が用意されている ためにちょっともったいないです。 ただ、H度はかなり高めで数も豊富ですから、それだけでも充分満足出来る かと思います。全部見るの大変だけどな!(笑) 最後に。長よ、お前は何をしに出てきたんだ?(^^; |