ている・ている
ブランド名 CLOVER ジャンル のすたるじっくもののけアドベンチャー
発売日 2003.12.12 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(236x164x52mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 Disc1 : 575.9MB、CD-DAなし
Disc2 : 311.8MB、CD-DAなし
オリジナルサウンドトラック : CD-DA=572.3MB、CD-DA19トラック
原画 シナリオ 中本穂積
音声 あり、矢沢泉、彩夏、須本綾奈、ありす、綾有蘭、奥田香織、成瀬未亜、椎菜涼
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所+クイックセーブ1箇所 あり(1曲、OP)
おまけ CG鑑賞、シーン鑑賞、音楽鑑賞
対象属性 ほのぼの、ギャグ、コメディ、獣耳、尻尾、銀髪、着物、タヌキ耳、ボクっ娘、猫耳、
金髪、うさ耳、ボブカット、関西弁、お兄ちゃん、ツインテール、リボン、お団子頭
1プレイ時間 10〜12時間 お奨め度 6

レビュー
概要
主人公は獣医。山の中にあるアパート・六冥館で開業することになっていた。
しかし、その館に住む住人達はなんとモノノケで、主人公はモノノケ専門の
医者となってしまう。果たして主人公は、六冥館の住人達を癒していくことが
出来るのだろうか……という、のすたるじっくもののけアドベンチャー。

六冥館……やたら格調高そうな響きの割に、物騒な字のアパートだな(^^;
場所は池袋の根津山……って、実在してるし(^^;
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

千影。(CV:椎菜涼)
六冥館の管理人さん。漢方、和方に長けている医者。
池袋に帰化したモノノケしか診察せず、モノノケ達と直接は関わらない。

ミン。(CV:ありす)
六冥館の譜代の女中。駄菓子屋をやっているタヌキのモノノケ。
控えめで大人しい性格だが、優しく思いやりのあるいい娘。
茶釜を見ると入ろうとする。
# 「もういいんです…私なんてブンブクなんです」(笑)

コマ。(CV:彩夏)
六冥館の住人。銀猫のモノノケ。元気いっぱいでいつも生傷が絶えない。
人間嫌いで、主人公にも素っ気ない態度を取る。
ただし、主人公が人間だとは気付いていない。

ソロ。(CV:矢沢泉)
コマの姉。金猫のモノノケ。昔、尻尾を1本切り落とされて以来、体調を崩し
病の床に伏せっている。

伊織。(CV:綾有蘭)
六冥館の住人。鷹匠のウサギ。……わけわからんわっ(^^;
池袋には帰化していない。そのため、千影の治療を受けられず、主人公を
頼ってくる。

志乃。(CV:成瀬未亜)
六冥館の近所に住む、童心。元気いっぱいでいつも走り回っている。

チキ。(CV:須本綾奈)
六冥館の前に立っている杏の木に宿る門神。力が衰え、夏眠している。

ルルコ。(CV:奥田香織)
川の守り神である川姫。

ぼっこ。
蔵に閉じこめられている娘。音楽が大好き。

タマ。
志乃やぼっこの友達。言葉を発しない。

絵の方はすっきりとした可愛らしい絵柄ですね。あまりクセもなく、すんなり入り
込めるような感じです。ただ、構図によっては若干バランスが崩れている感も
ありますけど。
CGはやや淡い色遣いで、ほのぼのとした独特の雰囲気が出ていていいですね。
処理も丁寧だと思います。
立ち絵はポーズ変化はありませんが、表情変化はあり。変化は小さめですが、
耳も一緒に動いたりするので見ていて楽しく、感情移入はしやすいですね。

キャラクターは全員モノノケということで、個性豊かな面々揃い。そんな個性
豊かな面々の中で、一番個性がキツいのは人間の主人公だったりしますが(^^;
いくら目立つためだからって、医者が猫耳カチューシャに尻尾を付けてるのは
どうかと思うぞ(^^; やたら理屈っぽくて、緊張時に理屈に逃げる癖があったり。
# 「いつの日にか耳をくすぐりまくって仕返ししてやるっ」……子供か、お前は(^^;
コマがなかなかお気に入り。素直になれなくてつっけんどんなところとか、
照れてわたわたしている所とか、眠くてほわほわしている所とか、すっげー
可愛いです(^^) 他のキャラクターもみんな魅力的で好きですけどねー。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技も問題なし。
個性豊かで独特のクセのあるキャラクターが多いのですが、みなさんきっちり
特徴を掴んだ演技をなさっていて好感が持てます。

音楽はほのぼのとしたコミカルな曲が多め。作品の雰囲気と良く合っており、
ゲームを盛り上げてくれます。

ゲームを開始すると、オープニングアニメーションが流れます。
歌はポップでほのぼのとした感じ。聴いていて穏やかで暖かい気持ちになれる
ような感じですね。ただ、音量がやたら小さいのはちょっと残念ですけど。
絵は基本的に静止画のシーン紹介的なものですが、こちらも暖かい雰囲気の
絵が多く、ほんわかした雰囲気が漂っています。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定は
キーボードで可能ですが、メニューの呼び出し等は出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能にも対応しており、音声の再生も可能です。
メッセージ送りもホイールで可能になっています。
ただ、初期設定では音声の終了待ちの設定になっているため、音声が鳴って
いるときにメッセージを送ろうとすると、2回メッセージ送り動作をしなければなら
ないので注意が必要です。設定を変えれば、音声が鳴っているときでも普通に
メッセージを送れるようになります。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は軽快。メッセージ送りも高速です。

セーブ箇所は50箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、どの章かが保存されます。
選択肢の数はそこそこ多いのですが、繰り返しプレイがあまり必要でないため
数としてはこれだけあれば足りるかな、という感じです。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
2回目のプレイからは一部選択肢が追加されるようです。あーんまり意味を
感じないのですが(^^;
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が六冥館にやってきて、獣医を開業する所から始まります。
六冥館の住人達を診察しつつ、それぞれが抱えた問題を解決していく、癒し系の
ストーリー展開。

ストーリーは基本的にまったりほのぼのコミカルに進みます。緊迫したシーンも
あるにはあるのですが、どこかほのぼのとした雰囲気が残りますね。
全体的にゆる〜い感じで、気負わず気楽にプレイできました。

ただ、所々でちょっとキツい話があったり、何度も戦闘シーンがあったりします
ので、話自体はそーんなにほのぼのしている感じでもないんですけどね。一部、
結構生々しい話があったりしますし。

そして、あまり説明もなく突飛な設定の中に放り込まれ、最初は主人公がどんな
ヤツなのかも掴めないままプレイすることになるために、慣れるまではちょっと
戸惑うかも知れませんね。主人公、理屈っぽくてうんちく多すぎ(^^;

話自体も、あまり説明もなく唐突に展開したり、当たり前のように不思議な事が
起こるので、なかなかなじめませんでした。
主人公はよく「どうして?」と聞く場面がありますが、プレイヤーからしてみたら
「なんでやねん!」と突っ込みたくなります(笑)
それぐらい、非常識でトンチキで突拍子もない話の連続です。

でもまあ、元々主人公は突然そういう環境に放り込まれている訳ですし、ある
意味主人公との情報格差は少ないのかもですけど。
ただ、主人公がアレなので、感情移入はし辛いですけど(^^;

H度はやや低め。数はそれなりに用意されているのですが、話の中で散発的に
出てくるため、今ひとつ感情移入できず、尺もあまり長くなくて、描写自体もやや
ソフトなので、ちょっと物足りないかもですね。
でもまあ、猫耳やらたぬき耳やらの変わったキャラクター達との絡みは、結構
楽しめましたけど。
# ソロ関係のシーンはそこそこ濃いめでしたけどね。

テキストは誤字も目立たず読みやすい……のですが、主人公が理屈っぽく、
やたら小難しい言い回しをしたり回りくどい言い回しをしたりしますので、
ちょっと馴染みづらいかもです。他のキャラクターも独特の口調で話すので、
馴染めない人はいるかもですね。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。平気で何日も飛んだりします。

ワンプレイは10〜12時間。結構長いですが、ゲームの9割ぐらいが共通パートに
なっていて、最後の選択肢だけでエンディングが分岐したりもしますから、コンプ
リートするのにはそんなに時間はかからないかと思います。

難易度は低め。何も考えずに進めていても、誰かのエンディングには辿り着ける
ような感じです。ただ、移動場所選択などは誰がどこにいるのか解らないため、
セーブ/ロードして確認するなどが必要かも知れませんけど。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのまったりした作品が好きな人にお奨め。
もちろん、猫耳やうさ耳など、動物好きな人にもお奨めです。他にも変わった
キャラクターがいっぱいで、ごく普通の恋愛ものに飽きた人なんかにもいいかも
知れませんね。何せ、幼稚園児までいるぐらいですから(笑)

シナリオはゆったりした雰囲気の中でコミカルに進むわけですが、モノノケ達を
癒すというテーマが根底に流れていますので、結構シリアスでキツいシーンも
あったりします。でも、独特の雰囲気のせいか、あまりキツいと感じず、すん
なり受け入れられる感じでした。
ただ、最後は短い中で無理矢理まとめようとして、ちょっと無理が生じている
ようにも感じますが。

そして、元々の設定がかなり突拍子もなく展開も唐突ですので「そういうものだ」
と受け入れられる広い心が必要かもですね。
あと、小難しく回りくどい言い回しが多いため、馴染みづらいかも知れません。
細かいことを言い出すと楽しみづらい、プレイする人を選ぶ作品だと思います。
ちょっと共通部分が多すぎる感がありますしね。

しかし、独特の雰囲気や、コミカルな会話はとても面白いので、雰囲気が気に
入った人なら楽しめるかと思いますので、是非どうぞ。
……というか、もしかして、バカゲーですか? これ(^^;
# なら、細かいこと考えちゃダメですね(笑)

最後に。六冥館は人間には見えない……って、普通の患者来ないじゃん(^^;


で、結局千影って何者なんですか?(^^;
# ……兄くん?(笑)



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