天巫女姫 | |||
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ブランド名 | Grooming | ジャンル | アドベンチャー |
発売日 | 2003.07.18 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(168x230x41mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | Disc1 : 599.1MB、CD-DAなし Disc2 : 304.5MB+CD-DA=619.3MB、CD-DA16トラック |
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原画 | しかとみよ | シナリオ | 小沢伝七、永里しの |
音声 | 女の子のみフルボイス、柘翁そのか、手塚まき、木村あやか、細田なな、川瀬ゆづき | ||
インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 36箇所 | 歌 | あり(2曲、OP・ED) |
おまけ | 画像閲覧、夏の想い出、音楽鑑賞 | ||
対象属性 | 純愛、陵辱、巫女さん、巫女装束、女教師、ストッキング、ツインテール、お兄ちゃん、 触角、紫髪、ボブカット、黒髪、ストレートロング、リボン、眼鏡っ娘、幼馴染み、和服、 オーバーニーソックス、着物 |
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1プレイ時間 | 8〜10時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
幼い頃に両親を亡くし、育ててくれた祖父も他界して途方に暮れていた主人公。 そんな主人公に、遠い親戚であるという御巫あやめから、実家でもある神社で 一緒に暮らさないかと誘われる。行くあてもない主人公は、その話にのることに して、10年ぶりに神社に戻ってきた。そこには、あやめの他に3人の巫女が住み 込みで働いていた。そして新しい学園生活も始まり、新しい友人や幼馴染みと 出逢う。そうして騒がしくも楽しい日々を暮らしているうちに、主人公のまわりで 不思議な事件が起こり始める。果たして主人公の運命は。この地方に伝わる 不思議な伝説とは……という、アドベンチャー。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 御巫 あやめ(みかなぎ あやめ)。(CV:川瀬ゆづき) 身寄りをなくした主人公を、実家でもある神社に誘った女性。 主人公の両親が亡くなってからは、宮司代行として神社を守っていた。 明るくおちゃらけた性格で、酒癖が悪い。 比良坂 菊里(ひらさか くくり)。(CV:木村あやか) 神社に住み込みで働く巫女。家事全般が得意で、優しくて気の利くいい娘。 主人公のことを「お兄ちゃん」と呼び慕う。 橘 椿(たちばな つばき)。(CV:手塚まき) 神社に住み込みで働く巫女。無表情無感動。 一見すると物静かでおとなしい感じだが、実はかなり変。可変攻撃型冗談娘。 御巫 咲耶(みかなぎ さくや)。(CV:柘翁そのか) 神社に住み込みで働く巫女。優等生で外面は良いが、内面は攻撃的で激しい。 最初の出会いが最悪だったため、主人公のことをことあるごとにいじめる。 天使のように明るい笑顔で、酷いことを言う悪魔(笑) 中条 美月(なかじょう みつき)。(CV:細田なな) 主人公のクラスメイト。主人公と過去にあったことがあるらしく、主人公にその 時のことを思い出せとしつこく迫る。いつも明るく元気でハイテンション。 絵は雰囲気のある色っぽい絵でいいですね。可愛らしさも併せ持っています。 CGの処理も丁寧で綺麗です。独特の雰囲気を醸し出していて、作品を盛り 上げてくれますね。画面サイズが800x600ということもあって、見応えあります。 ただ、背景はところどころ「あれ?」と思うところもちらほら。教室にいる女の子、 なんか変(^^; 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともそれなりに用意されています。表情が変化 すると、一緒にポーズも変化するような感じですね。 ただ、若干シーンの雰囲気とポーズや表情が合ってないかなー、と思える所も 見受けられました。 キャラクターは巫女さんたんまり。殆どのヒロインが一緒に住んでいることも あって、常に会話に絡んでくるような感じで活き活きしています。 菊里可愛すぎ。めちゃめちゃいい娘です(T_T) ラブラブになったときの咲耶もめっちゃくちゃ可愛いですし、無表情にボケを かましたり身も蓋もない突っ込みをする椿もラブリーですけどねー。 音声はキャラクターとのイメージは合っていると思います。ただ、演技の方は 若干物足りなさを感じました。菊里や椿はほとんど不満はありませんでしたが、 他のキャラはやや気になるところも。特に咲耶はちょっと微妙かも……。 音声で気になった点がもう1つ。このゲームは主人公の名前変更可なのですが、 名前の呼びかけ部分は音声がありません。そう、名前の部分だけ……。 つまり「○○くん」とか「○○ちゃん」と呼ぶ場合、「くん」や「ちゃん」はそのまま 発音されるわけで、これは相当な違和感があります。 修正ファイルを入れることによって、この「くん」や「ちゃん」も発音しないように 出来るのですが、「○○くんもどう?」というセリフは「もどう?」と発音されるので、 どっちにしろ違和感は残ります。 もう少し融通の利く呼びかけ方にするか、もしくは「あんた」とか「きみ」などの 代替する言葉を入れるか、そもそも主人公の名前を変更不可にするとか、 何かなかったんですかねぇ。 音楽は雰囲気のある曲が多く、作品を盛り上げてくれます。和楽器を使用した 曲が結構あって、雰囲気を醸し出していますね。 ただ、効果音に関してはちょっと微妙かも。特にHシーンの水音系が浮いて 聞こえることがありました。あと、砂浜を歩く音がやたら大げさですね(^^; # 6月の始めにツクツクボウシが鳴いてたり……。 ゲームを開始すると短いプロローグの後にオープニングアニメーションが流れ ます。歌はとても雰囲気のある、いい歌ですね。若干歌声が明るめな感じが するのですが、もっとしっとりさせても良かったかも。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介が主で、特筆すべき点はなし。 ただ、ウインドウサイズが800x600の中に640x480のムービーが表示されて、 その周りは真っ黒なのはちょっと寂しいというか、浮いているというか。 # オープニングで使われている絵やセリフ、よく考えたらすげっぇネタバレして # いるような気がするのですが(^^; ##ムービーは設定で全画面表示にも出来るようですね。 エンディングも歌あり。歌は力強い、希望を抱かせるような歌で、本編最後の 雰囲気とも合っていていいですね。 ……いや、一部激しく合わない終わり方もありますが(^^; ただ、エンディングはスキップできないので注意が必要かも。無理矢理終了 させることは出来ますが……。 |
システム |
インタフェースはフルキーボードサポート。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、自動モード搭載。 バックログはマウスのホイール機能にも対応しており、メッセージ送りも ホイールで可能です。さらに、バックログ中の音声再生や、次の選択肢へ ジャンプする機能などもあって、非常に使い勝手がいいですね。 あとは音声の個別設定があれば完璧かも。 ただ、スキップの設定が初期設定では「未読もスキップ」になっているので 注意が必要です。気付かずにそのままスキップしてしまうと、読んでいない 分子用までサクサク飛ばしてくれます。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は軽快。 セーブ箇所は36箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付が保存されます。 ……画像は小さすぎてよくわからないかも。もう少し大きくても良いのでは……。 数としては、エンディングが結構多い作品ですので、もう少し欲しいかなー、 という感じですね。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。選択肢追加型の システムになっていて、クリアする毎に新たな選択肢が増えていきます。 メッセージは通常全画面表示になっているのノベルタイプなのですが、Hシーンの 時のみメッセージウインドウ表示になります。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは身寄りをなくした主人公が、実家でもある神社に戻ってくるところから 始まります。 前半は終始コミカル……というよりギャグで進みます。主人公が滅多やたらと テンション高く、リアクションが激しくて愉快です。 周りのキャラクターもおチャラけたキャラが多く、会話がとても楽しいです。 # 椿のボケ・突っ込みは破壊力絶大(笑) 後半になると、この地方に伝わる伝説も絡めた、ややシリアスな展開になるの ですが……ちょっといいシーンでもギャグに走ったりするので(^^;、いまひとつ 緊迫感に欠けるところもありました。 シリアスなところは徹底的にシリアスを貫いてもいいと思うのですが……。 せっかく盛り上がった雰囲気を叩き壊すようなシーンがいくつかありました。 # 主にあやめ(笑) ##次いで椿(^^; エンディングは数も種類も豊富で、純愛ラブラブなエンドから、救いのない暗い エンドまで、色々と揃っていて楽しめます。 ただ、どのエンディングもどこかに疑問点や謎が残るような感じになっていて、 全てのエンディングを見て初めて全貌が明らかになる、という感じです。 徐々に設定がわかっていくので、話に引き込まれますね。次が気になるという 感じです。……まあ、一部ほったらかしな設定とかもあったりしますけど(^^; ただ、シナリオによってはかなり唐突な展開になったり、抽象的で判りにくい 展開になったり、ご都合主義な展開になったり、ややバラつきを感じました。 バリエーション豊か、とも言えるのですが、もう少し全体で統一感があっても いいかなー、と思いました。まあ、純愛と陵辱が同居している時点でかなり 無理はあるかも知れませんが……。 そして、一部、整合性が取れていないように思える部分もありました。 主人公が神社に住んでいることがバレているにも関わらず、「これでバレずに すむ」的なセリフが出てきたり、主人公が神社に来たのは6月1日にも関わらず、 8月15日に「ここへ来てから二ヶ月弱」と言ってみたり。 あと、6月1日からセミが鳴いているのはいいとして、ツクツクボウシが鳴いて いるというのは、さすがに時期はずれな気が(^^; いや、これは効果音の問題 かも知れませんけど……。 Hシーンは濃いめ。どのキャラも複数回用意されていますし、純愛系・陵辱系 両方取り揃えられており、着衣・半脱ぎも満載で、なかなか良げ。各シーンの 尺もそこそこ長めで描写も丁寧、2回戦もあったりと、充分満足できる内容かと 思います。 テキストは、勢いで押し切る感じのノリのいいテキストで、ノってしまえば読み やすいです。ただ、かなりテンション高めのギャグチックなセリフが多いので、 合わない人はちょっと辛いかも知れませんが。 誤字・脱字はちらほら見受けられますが、まあさほど気にならないでしょう。 致命的なものはないかと思いますし。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは6月1日から始まります。ゲーム期間は約3ヶ月。 ワンプレイは8〜10時間。結構長く感じました。選択肢追加型の作品のため、 クリアする毎に新たなシナリオが増えますので、トータルで見てもかなりの ボリュームだと思います。 難易度はやや高め。普通にクリアするだけなら特に問題はないのですが、この ゲームはクリアする毎に選択肢が追加されるクリア順制御がかかっていて、 特定のエンディングを見ていないとクリアできないシナリオがあります。 なので、最初からそのシナリオを狙いに行くといつまで経ってもクリア出来ません ので注意が必要です。 そして、エンディングの数が結構多いため、コンプリートするのは大変かも。 かなりボリュームがありますので時間もかかると思います。 |
総評 |
お奨め度ですが、伝奇調の読ませる作品が好きな人にお奨め。 複雑に絡み合う設定が、徐々に明かされていくあたりはかなり引き込まれます。 そして、ヒロインのほとんどが巫女さんですから、巫女好きも当然いっとけ。 Hシーンはほとんど着衣で、巫女装束も満載ですから、満足できるでしょう(^^) ワンプレイは長めでゲーム全体のボリュームもかなりありますから、やり応えも あると思います。ただ、1回クリアするとある程度各キャラクターの役割や設定が 見えてしまいますので、2回目以降のプレイでは若干わざとらしさが目に付く所も ありますね。折角クリア順を制御しているんですから、もう少し情報は小出しに していっても良かったんじゃないかな、と思いました。まあ、それでも「ををっ、 そういう設定が!?」と思うところもありましたし、意外な展開も多く、2周目以降は 退屈ということはありませんでした。 逆に、コンプリートして全員の役割や設定が判った状態で、もう一度プレイを やり直してみるのもなかなか面白いかもですね。どういうことを考えてそういう 行動をしていたのかとか、考えると結構楽しめます。 Hシーンは純愛系・陵辱系両方揃っているのですが、純愛系のルートを進んで いるときは陵辱系のシーンはほとんど出てきませんし、雰囲気を壊したりする ことがなくて良かったです。一部、陵辱……というか、イタいシーンは出てくる こともありましたが。 あと、全体の7割ぐらいはギャグっぽい展開で、シリアスなシーンでもちらほら ギャグっぽいセリフが出てきたり、最後にオチが付いたりするのですが、シリ アスなシーンは徹底的にシリアスにして、もう少しメリハリをつけて欲しかった かな、と思いました。最後の方は、シリアスなシーンでもオチを期待してしまう 自分がいてちょっとアレでした(^^; まあ、ギャグは結構笑えますし、ノリが合えばかなり楽しめると思いますけど。 細かいことを言い出すと、いろいろあるにはあるのですが、全体で見ればよく 考えられていて、充分楽しめる作品だと思います。 ちょっとボリュームがデカくて気軽にプレイする、というわけにはいきませんが、 雰囲気が気に入った人なら是非。 最後に。「まさか……、ヤっちゃいましたか?」(笑) # ぽんぽこ菊里ちゃん1号の完成(笑) |