永遠月の巫女 | |||
---|---|---|---|
ブランド名 | West Vision | ジャンル | 純愛ファンタジーAVG |
発売日 | 2003.06.20 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(168x229x42mm) | マニュアル | B5用紙2つ折り |
DISC容量 | 296.1MB+CD-DA=532.4MB、CD-DA12トラック | ||
原画 | 田島直 | シナリオ | 剛田ピンキー |
音声 | あり、如月りん、姫野ななみ、藤野花 | ||
インタフェース | ほぼフルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 10箇所 | 歌 | なし |
おまけ | 画像鑑賞、回想場面、音楽鑑賞 | ||
対象属性 | 伝奇物、純愛、お兄ちゃん、幼なじみ、巫女さん、巫女装束、黒髪、ボブカット、 兄さま、茶髪、ポニーテール、ボクっ娘、ストレートロング、着物、和服、触手 |
||
1プレイ時間 | 約2時間 | お奨め度 | 4 |
レビュー |
概要 |
主人公の住む村には古からの伝承があった。村長の家系の男子が村で突出した 2つの家系、姫月家と芦屋家から正妻と妾を娶るというもの。村長の家系である 主人公は、姫月と芦屋それぞれの家系である幼なじみ2人から正妻と妾を選ば なければならない。しかも、正妻に選んだ娘は伝承に従い生贄として捧げられる という。正妻を決めるのは二十歳の誕生日。その日まで一週間と迫り、気を利か せた両親は旅行に出かけ、主人公の家に三人で過ごすことになる。誕生日の日、 主人公は果たしてどのような選択をするのか……という、純愛ファンタジーAVG。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 姫月真夕(きづき まゆ)。(CV:如月りん) 主人公の幼なじみで許嫁。主人公のことをお兄ちゃんと慕う。 控えめで大人しい娘。朝ご飯の前には必ずあんみつを食べる(^^; 芦屋千夏(あしや ちなつ)。(CV:姫野ななみ) 主人公の幼なじみで許嫁。主人公のことを兄さまと慕う。 明るく元気な娘。思いこんだら一直線。 犬守深冬(いぬもり みふゆ)。(CV:藤野花) 生贄の儀式を執り行う神社の巫女さん。 絵の方は可愛らしい絵柄でいいですね。CGの処理も綺麗だと思います。 イベントCGもさることながら、立ち絵が綺麗でいいですね。 その立ち絵ですが、ポーズ変化こそ少ないものの、表情変化はそれなりに用意 されていますし、会話内容に合った表情をするので臨場感があります。 しかし、巫女である深冬はいいとして、他の2人はなぜ巫女装束なんですか?(^^; キャラクターは大人しく控えめなキャラと明るく元気なキャラという対照的な 2人をヒロインにした典型的なパターン。役割もはっきりしていてわかりやすい ですね。 音声はキャラクターとのマッチングはそこそこいいと思うのですが、演技の方は ちょっと微妙。セリフが棒読み気味な所が目立ちます。表情変化が多彩なだけに 演技の方がちょっと負けてしまっている感じですね。 音楽は静かで雰囲気のある曲が多いです。ほとんど自己主張はせず、BGMに 徹した感じです。 |
システム |
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。 タイトルメニューやおまけのみキーボードで操作できないっぽいです。 強制スキップのみ搭載。既読スキップやバックログなどの機能はありません。 ホントに必要最低限という感じで、物足りなさを感じます。 あと、タイトルメニューの「設定」を開くとおまけメニューになっているというのは ちょっとトリッキーだと思います(^^; 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作の方はやや重め。 セーブ箇所は10箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他に、日数とその章のタイトルが保存されます。 数としてはちょっと足りないですね。エンディングはそれほど数は多くないものの 複数用意されていますし、イベントの分岐も結構ありますので、もう少し欲しい ところですね。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。 特徴としては、Hシーンの前にはほぼ必ず服を脱がすかどうかの選択肢が出る ことと、Hシーンのラストでは中に出すか外に出すかの選択があることですね。 あと、設定で汁の量も多めか少な目かを選択できます。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームの方は、主人公の20歳の誕生日まであと一週間と迫り、2人の幼なじみと その日まで一緒に暮らし始めるところから始まります。 誕生日になると2人の幼馴染みのうちどちらかを正妻に、もう片方を妾に選ば なければならず、正妻に選ばれた方は生贄として捧げられることになっています。 主人公は苦悩しながらも2人に対する気持ちを確かめていき、次第にどちらかに 惹かれていく……という感じで、ちょっともの悲しさが漂う展開になります。 まず気になったのは基本的な設定。主人公の家系は姫月家と芦屋家から妾と 正妻を選ばなければならない、とのことですが……それって、姫月家と芦屋家は 速攻で絶えてしまいませんか?(^^; もしかして両家とも子沢山なのでしょうか……。 # 少子化に歯止めをかける、社会派な伝承ですね(笑) しかも、生贄として捧げなければいけないのは100年に1回。……そんな都合良く 20歳の誕生日を迎えられるのでしょうか(^^; それとも別に正妻になった直後でなくてもいいんでしょうか? だとしたら別に 主人公が選んだ正妻でなくても、父親の正妻を差し出してもいいわけで(笑) ちょっと設定に無理があるような気がします。 で、誰もが「そんな伝承無視しちゃえばいーじゃん」と思うでしょうが、そこは きっちり抑えられていて、避けられないようになっています。 そして主人公はなんとかこんな伝承はなくせないかと残り少ない時間を使って いろいろと調べます。もちろん2人に手を付けておくことは忘れませんが(笑) そして最後は……あっけないというか潔いというか……(^^; 自分が好きな人以外のことはあっさり流してしまえる主人公に乾杯。 アフターフォローなしですか(^^; エンディングによってはかなり強引な、「それで幸せなのか?」的なラストに なったりするのもちょっと……。 Hシーンはそこそこ濃いめ。各ヒロインとも複数回用意されていますし、服を 脱がすかどうかを選べたり、拘りも感じられます。 ただ、基本的には純愛Hですので、あまりハードな内容ではありません。 1つ気になったのは、幼なじみは2人とも初めてのハズですが、ほとんどそんな 描写がないということ。というか、2人とも初Hの時はほとんど痛がってない気が するのですが……。2回目以降で痛がったりするんですけどね(^^; それに、1回目2回目あたりはなかなか描写も濃くていいのですが、それ以降に なってくるとなんだかマンネリに思えて今ひとつHさがなくなってきたように感じ ました。これはあれですか? 早くも倦怠期ですか? わずか1週間で(笑) # 痛がるポイントがちぐはぐなのがこう感じさせているのかも知れませんけど。 テキストは若干誤字はあるものの、禁則にも気を遣ってあり読みやすいかと。 ただ、禁則の回避のためか、やや強引な改行が見受けられましたけど。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は主人公の誕生日までの1週間。1日ずつ進めていきます。 ワンプレイは2時間程度。結構あっさり終わる印象です 難易度は低め。エンディングは複数ありますが、ほとんどは条件が簡単に わかると思いますのでそれほど苦労することはないかと。 ポイントとなる選択肢さえ解ってしまえば簡単だと思います。 |
総評 |
お奨め度ですが、伝奇物が好きな人にはお奨め。 最初の設定はやや強引ですが、途中で「そう来たか」と思わせるような設定が 出てきたり、雰囲気は楽しめるかと思います。 そして、幼なじみ二人はなぜか巫女装束ですし、本物の巫女さんも出てきます ので巫女好きな方もどうぞ。Hシーンでは半脱ぎも選択できますので、ご満足 戴けるかと思います(笑) ただ、シナリオが短めで展開がやや駆け足気味なのと、元々の設定がかなり 強引なのもあって、今ひとつ物語の世界には入り込み辛いかも知れませんね。 そして最大の弱点はボリュームのなさ。ワンプレイ2時間程度なわけですが、 共通部分がかなり多いため、スキップを使えば5時間とかからずコンプリート 出来てしまいます。強制スキップのみなので自力で既読判定をする必要が ありますけど。しかも1回のプレイでイベントの大半は見ることが出来るため、 繰り返しプレイは作業になりがちです。 さらにシステムもやや重く、メッセージスキップは強制スキップのみですから 繰り返しプレイがちょっと辛いのもマイナスですね。 キャラクターは可愛らしく、特に立ち絵は目を引く物があり、話の雰囲気は なかなかいいのですが、ちょっとシナリオの面と音声の面で感情移入が阻害 されてしまっているようで残念です。 もう少し設定をうまく利用して、ラストの方を盛り上げてくれれば、もっと 楽しめたと思えるだけに勿体ないですね。 最後に。主人公の身に起こる異変、あれは結局何なんだ?(^^; # 深冬に舐めてもらう口実か?(笑) |