お兄ちゃんやめて2
ブランド名 GAIA ジャンル AVG
発売日 2003.09.19 定価 \5,800
パッケージ DVDタイプのトールケース(143x228x22mm) マニュアル 葉書サイズのペラ紙1枚
DISC容量 236.7MB、CD-DAなし、CD-ROM XA
原画 上末由深 シナリオ 赤山元由
音声 女性フルボイス、アクアウェーブのみなさん
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 3箇所 なし
おまけ アルバム
対象属性 お兄ちゃん、ロリ、青髪、ストレートロング、オーバーニーソックス、緑髪、ツインテール、
体操服、ブルマ、ボブカット、レズ
1プレイ時間 約30分 お奨め度 1

レビュー
概要
知り合いが旅行に出る3日間、娘のお守りを頼まれた主人公。そのまた知り合いの
娘達も加わって連休を過ごす。何をして遊ぶのか……というアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

亜紀。
見た目は大人しいが、ことあるごとに突っかかってくる。ぶっきらぼうで
かわいげがない。言葉遣いも男っぽく乱暴。

理沙。
明るく元気な女の子。無邪気で主人公にもよく懐いている。

玲於奈。
おっとりしているが、知識が豊富で、言うことは理屈っぽい。

絵の方は、激しく人を選ぶ微妙な絵。バランスとかかなり怪しいですね。
CGの処理も稚拙。線の処理なども粗く、色遣いも雑に感じます。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにありますが、ポーズは変化量が小さく、
表情もシーンの切り替わりのタイミングぐらいでしか変わらないため、あまり
変化している印象がありません。

キャラクターは、明るく元気な子、おっとりしてるけど理屈っぽい子、ちょっと
ひねた子とバラエティには富んでいるのですが……どうも、今ひとつ性格が
定まっていない感じで、掴み切れませんでした。というか、キャラクターを
掴めるほどのボリュームはありませんし。

音声は微妙。なんだか棒読みっぽいのもさることながら、たまに音が割れたり
するのはちょっと……。もう少し、きっちりとレベル調整をして欲しいものです。
それと、キャストが「アクアウェーブの皆さん」って、すげぇアバウトですね(^^;
以前から何度もパッケージに書かれているキャストと実際の声優さんが違うと
いうことをやってきたメーカですから、こうしておけば間違いはないんだとは
思いますけど、いくらなんでもねぇ……。

音楽は一昔前のBGMという感じで、薄っぺらいチープな曲。曲数も少なく、
いつも同じ曲が流れているという印象です。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
通常プレイ、早送り、巻き戻し、逆向きプレイ搭載。逆向きプレイとは、文字
通り、メッセージを1つずつさかのぼって進めるものです。バックログと同じじゃ
ないか? と思うかも知れませんが。やってみればわかります。これをバックログ
だなんて言うのは、バックログに失礼です。使いづらすぎ。
他に、文字パネルを押すことによるパネルの除去、音量スライダック等があり
ます。……スライダックって……。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
これだけ粗い絵を、800x600xで表示する意味って何なんでしょうね……。
動作は重め。メッセージ速度を調整しても、見た目全然変わらずたらたらと
表示されます。表示中にスペースキーを押すかクリックをすれば一瞬で表示
されることはされますが。
あと、CPU利用率もべったり100%で、非力なマシンだと辛いかと思います。

セーブ箇所は3箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時のみが保存されます。
数としては充分です。てゆーか、セーブなんていりません。
ちなみに、ゲームがインストールされているディレクトリに作成された拡張子
DATのファイルがセーブデータで、そのファイルを各自保存することによって
ゲームデータを長期保存することが可能だそうです。いらねー。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が3人の娘のお守りを頼まれるところから始まります。
まず最初に、「さて、今日から3日間、俺が君たちのお守りをする。だから
俺の命令には絶対に服従してもらわないといけない」などと言い放ちます。
こいつ無茶苦茶です。

そして、食事に用意されていたチャーハンを電子レンジで温めようとします。
しかし、電子レンジが動きません。「最近のレンジは機能が多いからなぁ。
この家のレンジには何か魔物が棲んでいるのだろうか」……こいつバカです。
そこでその家の娘である亜紀から一言。「コンセント」。
プレイやめようかと思いました。ありえない。ありえないよ、こんな主人公。
神が認めようとも私は認めない。

その後、楽しみの時間、バスタイムに突入します。「覗かないでよ〜」「当たり
前だろ」……ええ、当たり前のように乱入します。でも何もしません。微妙に
ヘタレです。こいつ。

その日は何事もなく終わり、次の日の朝。いや、起きたら昼。ご飯を食べて、
みんなで遊ぶことに。何をして遊ぶか。「お医者さんごっこ」「運動会」。
……あまりにもアレな選択肢ですね。さすがお兄ちゃんです。

お医者さんごっこは、体の隅々まで調べます。ええ、もちろん体の奥も。
「大変だ。口の中にコンピュータウィルスが発生している」……意味不明です。
そして、消毒と称して浣腸したり、膣の温度を測ったり、好き放題です。
3人の治療が終わると、「THE END」のロゴと共に、「プログラムを終了して
ください。」という素敵メッセージが。なめんな。

運動会は、組体操、準備運動の後、障害物競走と綱引きをします。4人で。
しかも、綱引きは何故か綱をまたいでいます。さらに、どうして下半身裸に
なるのか、私には理解出来ません。
その後、再び組体操を始めます。組体操には、松葉崩しと似たような形の
ものがあるようです。奥が深いです。
体操が終わって、うとうとしてしまった主人公は女の子に起こされます。
「エッチしようぜ」……今あんた何て言いましたか。さっきまで体操してたの
とか全部スルーですか。すげぇや。
そして、Hが終わると、お医者さんごっこと同様、スタッフロールも何もなしに
「THE END」。もう、何も言う気になりません。

H度は低め。尺も短く、描写も淡泊、何よりあまりに唐突で、何の脈絡もなく
シーンに突入するため、面食らっているうちに終わります。

テキストは、誤字はさほど気にならないのですが、前後の脈絡を全く無視した
唐突な内容は、読みやすいとかそれ以前の問題に思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は2日間。え? 3日間の連休じゃなかったのかって? そんなこと私に
聞かれても困ります。きっとアレです。「3日間のお守りを頼まれたからって、
ゲーム期間が3日とは限らないんだよ」というアンチテーゼなのです。深いね。

ワンプレイは約30分。内容の割には長いです。まあ、コンプリートするのに
1時間とかからない気もしますけど。

難易度は低め。選択肢全てがイベントの分岐になっている感じです。攻略に
詰まる事はないでしょう。最後までプレイする気になるかどうかは別問題。
総評
お奨め度ですが、何か辛い事があったり、人生が嫌になった人にお奨め。
下には下がある、と、前向きな気持ちになれるかも知れません。
これ以上ないぐらいダメージ受けて、人生やめたくなるかも知れませんが。

唐突で脈絡のない電波なシナリオ、お絵かきBBSで書いたのかと思うぐらい
粗いCG、レベルの揃っていない統一感のない音声、バリエーションの少ない
チープな音楽、色々と機能はあるがことごとく使えないシステムと、どこを
取っても一級品な作品でした。マイナスの方向で。

これに5800円払う勇気のある方は、是非チャレンジしてみてください。
新しい世界が開けるかも知れません。

最後に。エンディング(?)からタイトルに戻れても、バチは当たらんと思うの
ですが……。


もう一度言おう。
二度と買わねぇよ!!

プレイ時間よりレビュー書く時間の方が長いのって虚しいよね。



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