突撃天使かのん Assault Angel Canon
ブランド名 RaSeN ジャンル 変身ヒロイン触手凌辱AVG
発売日 2004.07.16 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(169x220x30mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 Disc1 : 609.8MB、CD-DAなし、Alpha-ROM
Disc2 : 610.0MB、CD-DAなし、CD-ROM XA
原画 田宮秋人桐沢しんじ、竜胆 シナリオ assault
音楽 13曲、Angel Note あり(1曲、OP&ED)、奥山マヨ
音声 あり、芹園みや、桜ちえり、西田こむぎ、柘翁そのか、寺沢えみり、如月美琴
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 79箇所+オートセーブ16箇所+
クイックセーブ4箇所
CG枚数 64枚
おまけ CG MODE、Replay MODE、MUSIC MODE
対象属性 魔法少女、触手、凌辱、ボクっ娘、ショートカット、オーバーニーソックス、ガーターベルト、
黒髪、ストレートロング、銀髪、メイド、紫髪、ボブカット、ポニーテール、人妻、眼鏡っ娘、
金髪
1プレイ時間 4〜5時間 お奨め度 5

レビュー
概要
記憶を失った青年・赤穂敬一は、免許証を頼りに和泉市にやってきた。そこで
2人の女の子と出会い、共に行動することになる。しかしそこに、デスパイアと
呼ばれる魔物が現れ、敬一に襲いかかる。その時、敬一の体内から出てきた
クリスタルが反応し、2人の女の子は変身する能力を得る。そして、何も分から
ないまま、デスパイアとの戦いに赴く少女達。果たして敬一は、記憶を取り戻す
ことができるのか。少女達の運命は……という、変身ヒロイン触手凌辱AVG。

このゲームは「魔法天使ミサキ」の1年後が舞台となっており、設定や舞台は
同じになっています。ですので、ちらほらと前作との比較なども出てきますが
ご容赦の程を。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

花菱かのん(はなびしかのん)。(CV:芹薗みや)
アサルトエンジェル。明るく元気いっぱいな女の子。即断即決即実行で、常に
前向きに見えるが、心の中には暗いものを抱えている。

月影久遠(つきかげくおん)。(CV:桜ちえり)
ホーリーエンジェル。大人しく控えめな女の子。両親を亡くしており、親戚の
家でやっかいになっている。そのため、家では遠慮がち。

雪吹霧香(いぶききりか)。(CV:西田こむぎ)
シャドウエンジェル。プライドが高く、協調性の低い高飛車お嬢様。
デスパイアと因縁があり、それが理由で戦い続けている。

悠薙紅(ゆうなぎあかね)。(CV:寺沢えみり)
霧香つきのメイド。常に霧香の傍におり、霧香のために働く。やや無口で堅物
だが、スピード狂で、ハンドルを握ると人格が変わる。

葉月深晴(はづきみはる)。(CV:如月美琴)
久遠が世話になっている家の主。夫は単身赴任中。久遠を実の娘のように
可愛がっている。人をからかうのが好きで、母親と言うよりお姉さん的タイプ。

ミント。(CV:柘翁そのか)
イクシードエンジェル。エンジェル達の元締め。デスパイアと戦う使命を持つ。
前作にも登場したキャラで、未だに美咲の家に住み着いている。

絵の方は、原画家さんが複数いて、見事なまでに絵柄、クオリティともバラバラ。
かのんはややクセがあるものの、可愛らしく活動的な雰囲気が良く出ていると
思います。霧香はやや地味な印象はありますが、まあ綺麗で可愛らしい印象が
あります。問題は久遠。なんか、もう、シーン毎のクオリティがバラバラ。
フェイスウインドウの絵なんか、かなりヤバい領域です。ちょっとこれはねぇ。
CGはこれまた絵によってクオリティバラバラ。全体的に、もう少し絵柄の統一を
考えて欲しいところですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともになし。ただ、メッセージウインドウ左上に
フェイスウインドウがあり、そこは会話に合わせてコロコロと表情が変わります。
ただ、先述の通り、久遠なんかはかなりヤバい絵が多いです。

キャラクターは明るく元気なかのん、大人しく控えめな久遠、そしてプライドが
高く強気な霧香と、三者三様。基本的にはかのんが話を引っ張っていくような
形になります。

音声はキャラクターとのマッチングはほぼよし。ただ、演技の方は、これまた
キャラクターによってかなり差があるように感じました。かのんなんかは明るく
元気いっぱいなところや、陵辱シーンなども臨場感たっぷりに演じられている
のですが、久遠や紅はちょっと物足りなさを感じました。

音楽は、ポップで軽い感じの曲が多め。ちょっと意外かも。
もちろん、おどろおどろしい曲、切ない雰囲気の曲も用意されています。
ただ、ハードな曲はほとんどないですね。戦闘・凌辱がメインなんですけど。

ゲームを起動すると、短いプロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。
歌はアップテンポでビートの効いた、スピード感のある格好いい歌。パンチの
効いた歌声が、なかなか渋くていいです。
絵の方は、キャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、アップテンポな曲に
合わせて切り替わるのは、見ていて気持ちいいです。結構よく動いてますし、
なかなか見応えありますね。ただ、ちょっと粗い絵も混じっているのは残念。

なお、ゲーム中の変身シーンもアニメーションになっています。
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。メッセージ送りや選択肢決定、
メニュー操作などもファンクションキーやショートカットを使用することによって
キーボードで可能なのですが、希に選択肢の決定が出来なかったり、選択肢
の出ている時はセーブ/ロード画面が出せなかったりと、やや不安定です。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声も自動的に再生され
ます。ただ、何故か直前のメッセージが表示出来なかったりします。
さらに、メッセージウインドウからはみ出して、一番下の行のメッセージが読め
なかったりと、使い勝手は悪いです。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそれほど高速ではありません。

セーブ箇所は79箇所+オートセーブ16箇所+クイックセーブ4箇所。
セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、話数とサブタイトル、シーン画像とメッセージ、
そして自由記述のコメントが保存されます。
数としては、それほど選択肢も多くありませんし、これだけあれば足りるかと。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。フラグによってシナリオが分岐する
タイプですが、後半は選択肢1つでルート分岐、バッドエンドへ直行したりします。

このゲームにはAlpha-ROMによるプロテクトが施されています。初回起動時のみ
ディスクチェックがあり、それ以降はディスクレスで起動可能です。
バックグラウンドでの動作は可能ですが、音声の再生は止まります。また、その
状態からフォーカスを戻すと、音量の調節が上手くできないのか、大音量で流れ
たりするので注意。主人公(?)の名前は「赤穂敬一」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは敬一が記憶を失い、和泉市にやってくるところから始まります。そこで
かのんと久遠に出会い、一緒に行動しているとデスパイア「ジェネラル」に襲撃
され、ひょんなことからかのんと久遠はエンジェルに変身してデスパイアと戦う
ことになる……という感じです。
最初は訳も分からないまま義務感で戦っていた少女達が、次第に戦う意味を
見つけ、自分の意志で積極的に戦っていくことになります。

ゲームは章立てて進んでいきます。
ストーリーは、終始緊迫感溢れ、淫靡な雰囲気で進みます。
通常イベントは明るく楽しいものも多いのですが、どこか影のある会話が多く、
手放しでほのぼのしているような雰囲気ではありません。
そして、デスパイアとの戦いになると、緊迫感溢れる展開、そして戦いに負けると
淫靡な凌辱シーンが展開されます。
負けると凌辱されるというのが前提にあるため、展開はやや重苦しく、ダークな
雰囲気で進んだりもします。
また、追いつめられた状況で仲間同士の関係がぎすぎすするような人間ドラマも
展開されます。

最後は一応ハッピーエンド的に終わったりもするのですが、そこまでの展開とか、
終わったときの状況を考えると、手放しでは喜べない、どこか影のある終わり方
という感じですね。なんだか、まだまだ話は続きそうな感じで。
バッドエンドも数多く用意されており、こちらは救いのないものがほとんどです。
でも、ある意味こっちがメインかも。

このゲームの特徴としては、基本的なストーリーは1本で、それを各ヒロインの
視点から見ていくような構成になっています。つまり、かのんシナリオでは、
かのんの視点からストーリーを追っていくような感じになります。
したがって、明確な主人公は存在せず、個別ルートに入ったヒロインが主人公
という感じで進みます。

で、まず目に付いたのが整合性のでたらめさ。上記のように、個別ルートに
入ると、各ヒロインの視点で話が進むわけですが、そうすると他のヒロインが
何をやっているのかはあまり描写されません。しかし、シナリオではそういった
見えていない部分の出来事も起こっているとして話が進むため、見たことも
ない話が当然のように出てきたりします。特に久遠ルートが顕著で、かのんに
関するイベントはほとんど描写されていないにも関わらず、かのん関連の話が
よく出てくるため、かのんルートをプレイしていないと意味不明です。

他にも、細かい設定レベルでも食い違いが見受けられました。久遠の母親って、
強盗に襲われたということになっていたのでは?
なんか、交通事故とかいう単語がいきなり出てきたんですけど。

H度は高め。各ヒロインとも複数回用意されており、描写は濃いめ。ただ、尺は
やや短めのものが多いです。特徴としては、触手などを持ったデスパイアによる
凌辱シーンが多いこと。Hシーンのほとんどはデスパイアに負けたエンジェルが
凌辱されるもので、純愛ラブラブなシーンはほとんどありません。というか、
ノーマルなHシーン自体がほとんどありません。
ですので、凌辱とか、触手とかが苦手な人には辛いでしょう。逆に、触手好きな
人にとっては、それなりに満足できる内容かと思います。
ちなみに、サブキャラのHシーンも存在しますが、おまけ的な扱いで、あっさり
終わる物がほとんど。名前のないサブキャラなんて、絵すら無かったり、一瞬で
殺されたりと、あんまりな扱いです。

テキストは、やや誤字が目に付きます。そして、テキストのレベルでも、整合性が
取れていない部分がありました。
# 「葉月さんを誘ったら?」は酷くないですか? 葉月さんはあんただ(^^;

あと、メッセージウインドウからはみ出してしまって、読めないメッセージが
あったりするのはちょっと。特に、バックログは行間の設定が違うのか、3行しか
表示できないために、4行あるメッセージは最後の1行が必ず切れます。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は街に平和を取り戻すまで。ゲームは章立てて進むため、日付は
意識する必要がありません。というか、ほとんど描写されません。
話数に関しては、まあ、1クールぐらいで。

ワンプレイは4〜5時間。章立てて進むこともあり、プレイはしやすいと思います。
テンポも良く、サクサクと進められます。

難易度は低め。前半で誰のシナリオに入るかが決定し、後半は選択肢1つで
バッドエンドに直行するような感じになります。バッドエンドにもイベントが用意
されているため、コンプリートするためには全ての選択肢を網羅する必要が
ありますね。選択肢の数はそれほど多くないため、さほど手間ではないでしょう。
総評
お奨め度ですが、変身ヒロイン触手凌辱物が好きな人にお奨め。というか、
そーいうゲームです。純愛ラブラブなHはほとんどなく……というか、人間
同士のHシーン自体がほとんどないため、かなりマニアックな内容になって
います。ツボにハマれば、たっぷり楽しめることでしょう。

ストーリーの方も、最初はなんとなく戦い続けていた少女達が、次第に戦う
意味を見つけてデスパイアに立ち向かっていくところが描かれており、凌辱
され続けても挫けず立ち上がる様は、変身ヒロイン物の王道な感じです。

ただ、個別シナリオを各ヒロイン中心の視点で描いたせいか、それ以外の
ヒロインが絡むイベントはさらっとスルーされ、にも関わらずストーリー上は
そのことが出てくるため、意味不明になることもしばしば。
最初にかのんシナリオをプレイしておかないと、分からなくなることが多い
ようですので、まずかのんシナリオからプレイするのが良いでしょう。

そして、一番強く感じたのは、全体のちぐはぐさ、ばらばらさ。上記イベントの
整合性の話もそうですが、絵柄に統一性がなくクオリティにかなりの差があり、
音声もキャラによって演技がバラバラだったり、システムもメッセージ表示の
問題や操作性の問題など、詰めが甘いところが多々見受けられます。
したがって、全体的に見るとどうにもちぐはぐで、完成度が低い作品に思えて
なりません。
もう少し丁寧に作ってあれば、もっと受ける印象は違っていたと思えるだけに
ちょっと残念です。

あと、このゲームは「魔法天使ミサキ」の続編にあたる作品で、舞台や設定が
同じで、一部キャラは前作から引き続き登場したり、名前だけ出てきたりします。
別に前作をプレイしていなくても充分楽しめるとは思いますが、前作をプレイ
していればさらに楽しめると思いますので、出来れば前作からプレイしましょう。
まあ、前作は今作に輪をかけてちぐはぐさ、バラバラさが目立ちますけど(^^;

最後に。こんなヤバい状況なのに、のんきに部活動に励む美咲。天使失格(笑)



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