CARNIVAL-カーニバル- | |||
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ブランド名 | S.M.L | ジャンル | サイコ陵辱ノベル+ADV |
発売日 | 2004.05.14 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(168x230x40mm) | マニュアル | 700x173mm用紙7つ折り |
DISC容量 | Orange : 629.7MB、CD-DAなし Blue : 309.5MB、CD-DAなし |
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原画 | 川原誠 | シナリオ | 桑島由一、瀬戸口廉也、 たにみちNON、寿衣谷 |
音声 | フルボイス、ダイナマイト☆亜美、吉川華生、白井綾乃、岩泉まい、伊藤瞳子、 長崎みなみ、氷河流、柏木信人、榎津まお |
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インタフェース | ややキーボード操作可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 100箇所+クイックセーブ1箇所 | 歌 | あり(2曲、OP・ED) |
おまけ | CG、SCENE、BGM | ||
対象属性 | 陵辱、幼なじみ、ツインテール、浴衣、黒髪、ボブカット、金髪、ポニーテール、お嬢様、 タカビー、ストッキング、ガーターベルト、猫耳、尻尾、ロリ、お兄ちゃん、紫髪、婦人警官、 婦警さん、緑髪、ショートカット、姉妹丼 |
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1プレイ時間 | 3〜4時間 | お奨め度 | 6 |
レビュー |
概要 |
主人公は、嫌なことがあると、その前後の記憶をなくしてしまうという、変な体質を 持っていた。ある日、主人公は記憶がないうちに起こったことが原因で、殺人の 容疑をかけられ、逮捕される。しかし、護送中のパトカーが事故を起こしたため、 思わず逃げ出してしまう主人公。行き場のない主人公は、幼なじみの理紗を頼り、 匿って貰う。そして、偶然、理紗の身体に暴行された痣があるのを見た主人公は、 その犯人を探すために行動を開始した。果たして、主人公の運命は……という、 サイコ陵辱ノベル。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 九条理紗(くじょうりさ)。(CV:ダイナマイト☆亜美) 主人公の幼なじみ。お金持ちのお嬢様で、容姿端麗、成績優秀。明るく前向きな 性格で、人当たりがよい。主人公のことを気にかけ、何かにつけて世話を焼く。 渡会泉(わたらいいずみ)。(CV:吉川華生) 主人公のクラスメイトで、理紗の親友。クールでやや斜に構えたところがあり、 人付き合いは上手くない。知識が豊富で、やや理屈っぽい。 志村詠美(しむらえいみ)。(CV:白井綾乃) 主人公の1つ上の先輩。学園ナンバーワンの人気を誇る女性。何故か主人公の ことを嫌い、いじめを行う。高飛車で高圧的。 志村麻里(しむらまり)。(CV:大波こなみ) 夏祭りで主人公と出会った不思議少女。猫耳、尻尾を装着し、何故か招き猫を 背負っている。可愛らしい服装は、姉の趣味らしい。明るく純真で、屈託のない 無邪気な女の子。 九条香織(くじょうかおり)。(CV:長崎みなみ) 理紗の母親。おっとりのほほんとした性格で、常にマイペース。しかし人を見る 目は鋭く、主人公の本質を見抜いているかのような言動も。 高杉百恵(たかすぎももえ)。(CV:伊藤瞳子) 夏祭りの見回りをしている警察官。主人公が隠れている理紗の家を見回りに来る。 職務に忠実で正義を貫くことに一途な女性。 絵柄は可愛らしく愛嬌のある個性的な絵柄。決してバランスが整っている訳では ないのですが、独特の雰囲気が非常に印象的で、魅力的です。 CGの処理も独特で、原画の雰囲気を上手く活かしていると思います。 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。表情の変化が大きく、会話の内容に 合わせてコロコロ変わるため、見ていてとても楽しいです。コミカルな表情が多く、 演出もなかなかいいですね。 キャラクターは一癖も二癖もある個性的なキャラクター揃い。みんな活き活きと していてなかなかいいです。ただ、キャラクターによっては出番に圧倒的な差が あり、今ひとつ活かされていないキャラクターもいて、ちょっと勿体ないかも。 音声は、キャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。 基本的に主人公以外フルボイスなのですが、シナリオによっては主人公にも声が 入るため、人によっては合わないかもですね。ただ、設定でOFFにすることも出来 ますので、特に問題はないかと。 # 男性のみボイスオン、なんて設定も出来ます。やる人いるのでしょうか。 音楽は、不思議な雰囲気の曲が多め。静かで切ない感じの曲も多いです。 アップテンポでハードな曲もあり、緊迫感なども上手く表現されていて、作品の 雰囲気を盛り上げてくれます。 ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。 歌はアップテンポでなかなか格好いい感じの歌。聴き応えがあります。 絵の方はフルアニメーションでとてもよく動いており、TVアニメのオープニング なんかと比べても遜色ないぐらいの出来に思えます。 ただ、絵柄が本編の絵とかなり違っていたり、やや絵が粗かったりします。 本編では丸みを帯びた愛嬌のある絵柄なのが、オープニングではなりを潜め、 すっきりシャープになってしまっているのはちょっと残念。 あと、画面下部に「この映像はイメージムービーです」と常に出ているのは ちょっと鬱陶しいかも。 そして、タイトルメニューでそのまましばらく放置すると、バージョンの違う オープニングが流れます。歌は上記イメージムービーと同じもの。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介が主になっていて、あまり動きは ないのですが、演出はなかなかいいと思います。絵の方も、本編の絵が 使われていて、こちらは全く違和感はありません。 エンディングも歌あり。歌はパンチの効いたアップテンポの格好いい系の曲。 なかなか雰囲気はいいのですが、ちょっとラストの雰囲気とは離れている気が しないでもないです。 |
システム |
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢の決定は キーボードで出来ますが、メニューの操作などは出来ないようです。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しています。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は比較的軽快。スキップも高速です。 セーブ箇所は100箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、シナリオのタイトルが保存されます。 数としては選択肢の数が非常に少ないため、まず使い切ることはないでしょう。 全イベントの頭でセーブしても足りるのではないでしょうか。 システムは、選択肢決定型のアドベンチャー。1つのシナリオをクリアすると、 次のシナリオがプレイできるようになる、シナリオ追加型のシステムになって います。追加されるシナリオは、別キャラの視点から見たもので、ザッピング 的な感じになっています。 あと、通常シーンはメッセージ全画面表示のビジュアルノベルタイプですが、 イベントシーンではメッセージウインドウが現れ、そこにテキストが表示され るようになります。 ディスクレス起動不可。バックグラウンドでの動作は可能です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは、主人公が殺人容疑で捕まり、パトカーの事故に乗じて逃走するところ から始まります。 まず、プロローグが激しく自己完結でクセのあるテキストのため、ここで引く人も かなりいるかもですね。ちょっと独りよがりで、主人公の人物像も掴み難いように 思えます。 そして、幼なじみの理紗の家に匿ってもらい、偶然理紗の身体に痣があるのを 見た主人公は、理紗に暴行を働いた犯人を捜し出そうとする、という感じです。 その後、話は主人公の過去や事件前後の回想を絡めつつ進んでいきます。 ストーリーは終始緊迫感のある、ちょっとダークでシリアスな雰囲気で進みます。 しかし、登場人物がみんなやや脳天気で、今ひとつ緊張感に欠ける気がします。 みんな物事をすっごく軽く受け止めているような感じで、感情移入しづらいです。 特に主人公、感慨浅すぎ。あんた、殺人の容疑かけられてるんだから(^^; ラストはなんとなくハッピーな感じではありますが、手放しで喜べるような終わり 方ではなく、ちょっと後味の悪さや切なさが残ります。 まあ、エンディングによっては、それまでのことをさらっとスルーしたような乱暴な 終わり方もあったりしますけど。 特徴としては、演出と心情描写、そしてストーリーの構成でしょうか。 演出に関しては、特に表情の変化など絵的な演出が優れていて、独特の愛嬌 あるアクションの大きな表情が、感情を上手く表現してくれます。 心情描写は、ストーリーの構成とも絡んでくるのですが、その時キャラクターが どのように思っているかなどが徐々に解ってくるようになっていて、ストーリーに 引き込むような感じになっています。 そしてストーリーの構成ですが、シナリオ追加型のシステムになっていることに 加えて、過去の回想なども絡めてストーリーが進行する為、設定や謎が徐々に 明らかになってくる感じで、ストーリーを盛り上げてくれます。 ただ、最初は主人公とプレイヤーの間に情報格差が大きいわけですが、それを あまり感じさせない展開はなかなか良いですね。 問題点としては、キャラクターの扱い。キャラクターによって出番にかなり差が あり、一部のキャラクターは何をしに出てきたのか全くわからないような状態 だったりします。ストーリーはごく限られたキャラクターだけで進められ、他の キャラクターはおまけ程度で、ちょっと勿体ない気がします。 H度は並。各ヒロインともほぼ複数回用意されています。ただし、ヒロインに よって回数にはかなり差があり、内容もかなり違ってきます。 尺もキャラによってかなり差があり、描写の方も様々です。ただ、総じてやや あっさりめの感じがします。どちらかというと、H自体より、心情描写に重点が 置かれているため、Hさはやや控えめな感じです。 陵辱的なシーンも多いのですが、その場合もHをするというより、相手を打ち のめすことに重点を置いたような感じです。 テキストは、ちらほら誤字等は見受けられますが、致命的なものはないので、 それほど気にはならないでしょう。ただ、一部おかしな表現が見受けられ、 そちらの方はやや気になりました。 # 「うつむせ」って何ですか? 「うつぶせ」じゃなく? 関西の方言ですか? ##関西では、しばしば「うつぶせ」を「うつむせ」と言ったりしますけど。 そして、一番の問題は文体そのもの。かなり個性的でクセのあるテキストの ため、合わない人には全く合わないと思います。特に一番最初にプレイする ことになるシナリオの、さらに前半は、そのクセが一番強く出ている感じで、 プロローグ部分で合わなくて引く人もいるかもですね。後半になれば、慣れも ありますが、クセはそれほど気にならなくなるかと思います。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は約4日……ですが、過去の回想やら、別視点での話がメインと なっているため、この期間には意味がないですね。 ワンプレイは、最初のシナリオをクリアするのに3〜4時間といったところですが、 全てのシナリオをクリアして初めて全ての設定が明らかになるといった構成に なっているため、1周だけで語るのは意味がないかもですね。 全てのシナリオをクリアするまでのトータルは、7〜9時間ぐらいでしょうか。 難易度は低め。選択肢の数が、ゲーム全体で両手で足りる程度で、選択肢の 全てがエンディングの分岐になっているような感じなので、苦労することはない かと思います。スキップも高速なため、サクサクとクリアしていけるでしょう。 |
総評 |
お奨め度ですが、ちょっとハードでダークな展開の作品が好きな人にお奨め。 複雑に絡み合った設定が、徐々に紐解かれていく様は見応えがあります。 ただ、Hシーンや通常シーンには乱暴なシーンが多く、各所にイタい設定もある ため、あまりプレイしていて楽しいという感じではないですね。 ハラハラドキドキしながら、ストーリーの展開を楽しむという感じでしょうか。 # 面白いけど楽しくない、という感じ。 ただ、そのハラハラドキドキ感ですが、テキストがかなり個性的で、退廃的な 雰囲気があり、キャラクターも脳天気で思慮が浅いように感じる部分が多々 あるため、今ひとつ緊迫感に欠ける気がします。 そして、折角魅力的なキャラクターがいっぱいいるのに、ほとんど有効に利用 されておらず、一部のキャラクターだけで話が進むような感じで、勿体ないと いう感が強いです。百恵なんて、お前何しに出てきたんだ? という感じ。 さらに、エンディングは複数あるのですが、バッドエンドが多く、ハッピー系の エンディングはその殆どが似たような方向性のため、今ひとつ面白みに欠ける 気がします。まあ、基本的に一本道のシナリオを、複数の視点で見たエンドが 用意されているという感じのため、似たような展開になるのは当然ですが。 バッドエンドは結構バリエーションがあるのですが、あっけなくあっさり終わる ものがほとんどで、今ひとつ盛り上がりません。「え? それで終わり?」という感じ ですね。 設定はなかなか面白く、ストーリーの構成もよくて、設定が徐々に紐解かれて いくというのはなかなか良いです。そして、魅力的な絵と優れた演出、音楽や 音声もばっちりハマっていてなかなかよくまとまっています。 ただ、せっかくそれだけのものを用意しつつ、シナリオがやや弱く、せっかくの 素材を活かしきれていないようで、ちょっと勿体ないです。もっと練り込んで、 しっかりしたものを作れば、もっともっと面白くなるような気がするだけに残念 ですね。決して悪くはないのですが、どうも物足りないという感じです。 あと、絵にしてもテキストにしてもかなり個性的でクセが強いため、プレイする 人は選ぶ作品だと思います。 ですので、迷っている人は、体験版等で感触を掴んでからの方が良いかと 思います。テキストに関する部分はなかなかわからないでしょうし。 ちなみに、お奨め度は 6 としていますが、これは全くアテにならないかも。 合う人にはすっごい面白く、合わない人には全然ダメという、はっきり二つに 分かれる作品だと思いますので。私は可もなく不可もなくだったので、この 評価にしています。 最後に。麻里はさすがに犯罪だろう(^^; # もともと殺人の容疑がかけられてるからもう怖いものなしですか?(笑) 徹底的にネタバレなつぶやき。推理小説の犯人を言っているようなものなので、 プレイする予定の人は絶対見ちゃダメ。 どのエンディングでも、結局主人公が罪を犯したことは変わらないわけで、 ラストは束の間の幸せなんですよね。それを考えると切ないですね。 そのあたりのことが、さらっとスルーされている気がしないでもないですが(^^; もうちょっと、そのあたりを前面に押し出して欲しかったですね。ラストの 描写がやや弱く感じます。 それに、泉エンドなんて、武の存在自体無視ですか(^^; # すさまじく脳天気なエンディング(笑) ##君ら、犯罪犯しすぎ(^^; しかし、このゲーム、ホントに犯罪多いですね。 殺人、暴行、誘拐、拉致、監禁、詐欺、恐喝、なんでもござれ。 もう、幼少の理紗が父親に……とか、麻里に悪戯するなんて、とっても普通に 思えてしまいます。……いいのか? こんなゲーム売って(笑) # 理紗と父親の描写きぼー。でも、あったら絶対ヘコむ(^^; |