おね〜さんDAY☆BY☆DAY
ブランド名 AZURITE ジャンル 日替わりおね〜さん同居AVG
発売日 2004.03.26 定価 \7,800
パッケージ 紙製パッケージ(152x217x32mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 496.3MB、CD-DAなし
原画 シルエットさくら シナリオ 神無月如月
音楽 11曲、山本秀樹 あり(1曲、OP)、茜沢ゆめる
音声 女性キャラのみ、しおみれい、一色ヒカル、小倉結衣、水城ありさ、文月かな、
成瀬未亜児玉さとみ
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 28箇所 CG枚数 108枚
おまけ CGモード、回想モード、音楽鑑賞モード
対象属性 お姉さん、純愛、陵辱、ピンク髪、ショートカット、オーバーニーソックス、ボブカット、
眼鏡っ娘、銀髪、ストレートロング、ストッキング、帽子
、ふたなり
1プレイ時間 約3時間 お奨め度 4

レビュー
概要
主人公は一人暮らしの貧乏学生。母親に捨てられ、面倒をみてくれた従姉の
お姉ちゃんとも生き別れ、再会を夢見て毎日を過ごしていた。そんなある日、
主人公の前に「お姉ちゃん」を名乗る女性が現れた。主人公のことが心配で、
世話をしてあげたいと言ってくる。しかし、その申し出をしてきた女性は5人も
いたのだった。かくして、毎日1日ずつ主人公のお世話をする日替わり同居が
始まった。はたして、本当の「お姉ちゃん」は誰なのか。主人公は母親と再会
することが出来るのか……という、日替わりおね〜さん同居AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

蒼井摩志子(あおいましこ)。(CV:しおみれい)
月曜日担当。大学生。主人公のことを溺愛しており、甘やかしまくる。
料理は苦手。「姉さん」と呼ばれると萌える。

伊万里ひらく(いまりひらく)。(CV:一色ヒカル)
火曜日担当。雑誌社に勤める活動的な女性。さっぱりとした性格で、主人公の
悩みを聞いたり相談に乗ったりしてくれる。

今戸佳恵(いまどよしえ)。(CV:小倉結衣)
水曜日担当。おっとりボケボケマイペースなドジっ娘。保母さん。
子供が大好きで、主人公のことも子供のように扱う。

有田悠子(ありたゆうこ)。(CV:水城ありさ)
木曜日担当。歯科医。クールで知的な女性。理屈っぽく、物事を理論的に考える
傾向がある。

瀬戸ユリカ(せとゆりか)。(CV:文月かな)
金曜日担当。社長秘書。色気たっぷりのゴージャスなお姉さん。
主人公のウブなところを気に入っている。

大文字にあ(だいもんじにあ)。(CV:成瀬未亜)
公園で出会う、明るく元気で天真爛漫な少女。
主人公のことを「がく兄ちゃん」と慕う。

信楽晶(しがらき ひかる)。(CV:児玉さとみ)
専門学校での知り合い。無口で無愛想、ぶっきらぼう。
ちなみにこの作品は女性のみ音声ありなのですが……女性?(^^;

絵の方は、シーンによってばらつきが激しく、安定性に欠ける絵柄。
あるシーンではむっちゃくちゃ可愛いのですが、別のシーンではヒラメみたいに
目が離れていたり、ちょっといくらなんでも……という感じです。
CGの処理もやや粗く、立ち絵などは線の処理も気になります。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。パターンは多くないものの、会話に
合わせて変化するため、演出としては問題ないでしょう。

キャラクターは、ほとんどが年上のお姉ちゃんキャラということで、主人公は
甘えていくような感じ……と思いきや、結構主人公の方がしっかりしている事も
あって、べたべた甘える感じではありませんでした。

音声は、キャラクターとのマッチングも良く、演技も全く問題なし。
とても安定した演技で、感情表現もばっちりで、キャラクターの感情がひしひしと
伝わってきて素晴らしいです。文句なし。

音楽は、穏やかで静かな曲が多め。ちょっと切ない雰囲気が漂う曲が多く、
雰囲気を醸し出しています。ただ、ちょっと音数が少なかったり、音色が
チープに思えるところもありましたけど。

ゲームを開始すると、オープニングアニメーションが流れます。
歌はしっとりと落ち着いた歌でなかなかいい……のですが、いくらなんでも
エコーかけすぎ。カラオケBOXですか、ここは。エコーなんかかけなくても、
充分歌唱力はあるんですから、むしろ邪魔だと思うんですけど。
なんでわざわざこんなことをしたのでしょうか。何かの演出? もしかして、
お風呂場で歌っているシチュエーションとか? ……そんなバカな。
絵の方はキャラクター紹介が殆ど。あまり動きもなく、特筆すべき点はなし。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで可能ですが、セーブなどのメニューは出せないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ搭載。
バックログはマウスのホイールで表示させることは出来ませんが、表示させた
後はホイールで操作可能です。
スキップは、「読んだところだけスキップ」の設定にしても、読んでいないところ
までサクッと飛ばしてくれるので、もはや既読スキップとは言えません。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作も高速です。

セーブ箇所は28箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時のみが保存されます。どのデータがどこでセーブした
データかの情報が入らないため、記憶だけが頼り。ちょっと不親切ですね。
数としては、選択肢はそれなりにあるものの、効果ははっきりとしているものが
多く、また1周が短めのために、これだけあればなんとかなるでしょう。
ちなみに、ロードした時に選択肢の文字が消えているとか、カーソルを合わせ
ても光らなくなる、といった現象が発生しました。それほど実害はないのですが、
ちょっと気になりました。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。選択肢によって各キャラクターの
好感度が上がっていくタイプですが、実は主人公の財産も選択肢によって変化
しており、バイトに全然入らなかったり、無駄遣いをしていると、欲しい物が買え
なかったりすることがあるので注意が必要です。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公の元に5人のお姉ちゃんがやってくるところから始まります。
毎日日替わりでお姉ちゃんにお世話されているうちに、次第に気持ちを通わせ
あって……という、王道な展開です。

ゲームは基本的に終始ほのぼのとした雰囲気で進みます。
主人公は昔母親に捨てられており、一人暮らしをしているが貧乏で、今住んで
いるアパートも近々取り壊しのために立ち退きを要求されているという、端から
見ればかなりヘビーな環境に置かれています。
しかし、本人はのんびりマイペースで、そのこともあまり苦に思っておらず、
表面上はさほど緊迫感はありません。ただ、主人公はとんでもなくお人好しで、
そのうえ人から文句を付けられやすく、プレイしていて結構辛い気持ちになる
こともしばしば。地上げ屋が訪れてきたりもしますし。

そして、サクサクと進めていると、某シナリオで「bg03aが見つかりません」と
いうダイアログが出て、強制終了。
わはははははは。ぶっとばーす。修正ファイルを入れれば改善されましたが、
いくらなんでもねぇ。それに、修正ファイルを当てても「コンビニの裏」と言って
いる背景がめちゃめちゃ自室なんですけどねっ。
# さらに、修正ファイルを当てても、まだ同様のエラーが出る箇所が……。

ラストは気持ちを通わせ合った、純愛ラブラブな雰囲気の終わり方で、プレイ
後の気分はそこそこ爽快です。ただ、エンディングに至るシナリオは短く、
あっという間に終わってしまうのがちょっと残念。もう少し引っ張って欲しいな、
と思いました。

さて、ゲームの雰囲気は何故「基本的にほのぼの」と言ったかというと、この
ゲームは黒ルートがあり、そちらのルートは強姦、陵辱、殺人など、かなり
ダークな内容になっています。エンディングも救いのないものが多く、プレイ
していてかなり辛いです。はっきり言って、雰囲気ぶちこわし。
なんでこんなルートを入れたのか、理解に苦しみます。

そして、整合性も気になる部分がありました。
佳恵が来たのは一昨日なのに昨日と言ってみたり、バイト先のガラスが修理
されていたのに次に行った時はまだ修理されていなかったり。別に複雑でも
何でもない、単純なイベントの繋がりなんですから、きっちり整合性を取って
欲しいところです。

H度は低め。メインヒロインは純愛ルートと裏ルートの2つ用意されています。
尺はやや短めで、描写も淡泊なため、今ひとつ盛り上がりに欠ける感じです。
黒ルートでは主人公以外のキャラに襲われたり、相手が主人公でも陵辱的な
内容だったりと、バリエーションは豊かですが、やはり短めで、物足りなさを
感じます。
このHシーンで最も気になったのは人称の変化。今まで「姉さん」とか「にあ
ちゃん」と呼んでいたのに、Hシーンになるといきなり「あの人」や「あの子」
と呼んだりするのは興ざめ。今まで名前で呼んでたのに、なんでいきなり……。
しかも、目の前にいるにも関わらず「あの」て。どうしてこんな人称の変化を
させたのか、理解に苦しみます。

テキストですが、誤字・脱字がやや目立ちます。そして、行頭に『。』が来ることも
多々ありました。さらに、文章が途中で終わっているところもあったりして、やや
丁寧さに欠けるテキストです。
問題なのは、1行に収まるべきテキストが収まりきれておらず次の行にかかって
いるため、結果、改行が増えて隠れてしまっているメッセージがたまにあること。
無茶苦茶です。最低です。論外です。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は8週間。各お姉ちゃんと8回過ごせば終わりです。1日ずつ進行して
いくタイプです。

ワンプレイは約3時間。かなりお手軽な感じです。しかも、全体の8割ぐらいが
共通シナリオになっているため、2周目以降はメッセージスキップを使えばあっと
いう間に終わってしまいます。

難易度は並。個別ルートに入るのはそのキャラ寄りの選択をしていればいいので
比較的簡単です。ただ、引っかけ的な選択肢があったり、所持金によってクリア
出来なくなるシナリオもあったりするので注意が必要です。
そして、黒ルートに入るためには所持金を減らさないといけないのですが、条件を
掴むまではやや戸惑うかも知れません。
総評
お奨め度ですが、いろんなお姉ちゃんと過ごす、簡単お手軽ストーリーが好きな
人にお奨め。
ただし、あまり主人公がお姉ちゃんにべったり甘えるわけではないですし、お姉
ちゃんから誘惑されてHなことをしたりするわけでもありません。さらに、結構
シビアな状況に置かれているため、まったりとしている訳でもありませんので、
のんびりほのぼのストーリーは期待しない方がいいでしょう。

気になるのは共通パートの多さ。5人のお姉ちゃんと日替わりで過ごす日常
パートは全て共通で、繰り返しプレイしたときは全てスキップが効きます。
しかも、1度でもその日のイベントを見ていれば、選択肢でどれを選んでも全て
スキップが効いてしまうという親切仕様。そのため、2周目以降は1周があっと
いう間に終わります。もう少し日常のイベントにも幅が欲しいところですね。
というか、ここがこのゲームの肝じゃないんですか?

そして、次いで気になったのはシステム周りの貧弱さ。
インタフェースは必要最低限という感じで、スキップも既読判定がでたらめ、
さらに特定のルートでは百発百中異常終了するなど、お粗末としか言いようが
ありません。テキストも反禁則が多く、それが引き金となって、画面内に収まら
ないことがあったりと、1度でもテストプレイをすれば気付くような問題が各所に
見受けられます。

さらに、事前の情報やパッケージを見て受けるであろう「お姉ちゃんに甘えて
まったりのんびりストーリー」という印象を、あざ笑うかのごとく挟まれている
黒ルートは、もはや嫌がらせとも思えます。そんな展開求めてません。

共通部分が多く丁寧さに欠けるシナリオ、必要最低限の機能で不具合満載の
システム、ばらつきの大きいCGにチープな雰囲気の漂う音楽と、全体的に見て
今ひとつ感の漂いまくった作品です。
唯一、音声だけは素晴らしい出来だったのだけが救いでしょうか。
もう少し、丁寧な作品づくりをお願いしたいところです。

最後に。「姉さん、着替え、ここに置いとくね」……待てこら。何故お前が
姉さんの着替えを持っている(^^;


各ヒロインには個別エンディングがあるわけですが、誰のフラグも立っていない
状態で見られる通常エンド、これが一番この作品の根幹で、面白く、満足出来る
エンディングだったりするのがなんだかなぁ、な感じです。
どうしてこれをメインに持ってこないんでしょうね。すっごい出来いいのに。

で、にあの耳って、結局ホントにあるんですか?(^^;



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