ハーレムDAYS | |||
---|---|---|---|
ブランド名 | BLACK PACKAGE | ジャンル | えろえろまったりあどべんちゃー |
発売日 | 2004.02.13 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(163x230x38mm) | マニュアル | B6ブックタイプ |
DISC容量 | GAMEDISC : 596.9MB、CD-DAなし MUSICDISC : 394.0MB+CD-DA=642.0MB、CD-DA15トラック |
||
原画 | 大越秀武 | シナリオ | 春日晶、なかぢ、K-TOK、 永沢壱朗、ONE、村上真 |
音声 | あり、紫苑みやび、金田まひる、木葉楓、楠鈴音、成瀬未亜 | ||
インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 36箇所 | 歌 | あり(2曲、OP・ED) |
おまけ | CGモード、シーン回想、音楽モード、女の子のキモチ | ||
対象属性 | 純愛、義妹、お兄ちゃん、黒髪、ボブカット、ヘアバンド、オーバーニーソックス、 ポニーテール、リボン、着物、眼鏡っ娘、お下げ、裸エプロン、レズ、姉妹丼、 ストッキング、ストレートロング |
||
1プレイ時間 | 7〜8時間 | お奨め度 | 5 |
レビュー |
概要 |
両親が旅行に出かけ、冬休みの間義妹と2人きりで生活することになった主人公。 しかしそこに、幼馴染みの同級生と、その姉が家出をして押し掛けてくる。 学園での成績が悪く、休み明けの試験でいい成績を残さないと留年するという 状況の主人公は、幼馴染みやクラス委員長に家庭教師をして貰いつつ、勉強を する毎日。そんな中、女性達は、主人公をあの手この手で誘惑し始める。 果たして主人公と女性達の恋の駆け引きの行方は。そして、主人公は留年を 免れることが出来るのか……という、えろえろまったりあどべんちゃー。 ……その状況でまったりしてちゃいかんだろ(^^; |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 かな。(CV:成瀬未亜) 主人公の義妹。遠慮がちな性格で、人見知りも激しい。寂しがり屋で甘えん坊。 なお、姓がないのは、このゲームは主人公の名前が可変だからです(笑) 楠木遥香(くすのき はるか)。(CV:金田まひる) 主人公の幼馴染み。父親と喧嘩をして家を飛び出し、主人公の家に転がり込む。 というより、無理矢理押し掛ける。 気が強く直情的で、主人公といつも言い合いをしている。手が出るのも早い。 # 「…どうだ、凄いだろう。俺はこんな傍若無人な奴と、今まで対等に渡り合って # きたんだぞ」(笑) 楠木千秋(くすのき ちあき)。(CV:紫苑みやび) 遥香の姉。遥香を監視するため、一緒に主人公の家で暮らすことになる。 のんびりマイペースで、いつも笑顔。しかし、妙なプレッシャーがあり、遥香も 主人公も逆らえない。 井上真琴(いのうえ まこと)。(CV:木葉楓) 主人公のクラスの委員長。学年一の成績を誇る優等生。生真面目で一途。 主人公の成績が悪いことを気にかけ、家庭教師役を買って出てくれる。 「井上真琴」という名前より、圧倒的に「委員長」と呼ばれることの方が多い(笑) 立花悠(たちばな ゆう)。(CV:楠鈴音) 滅多に登校することのない謎の少女。よくギターを弾いている。 主人公のことを何故か気に入り、ことあるごとに付きまとう。 やたらノリがよく、下品なネタも平然と言う。自分勝手で我が儘放題。 絵の方は、可愛らしく、ほのぼのとした雰囲気を持った、柔らかい絵柄ですね。 ただ、ちょっと絵が安定していないように感じました。特にかなは、幼かったり 大人っぽかったり、きっちり描き分けが出来ていないように思えます。 CGの方も、ややバラつきが見受けられました。綺麗な絵も多いのですが、一部 塗りがテカっているような感じで、やたら浮いているものがありました。 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。ポーズ変化は少ないですが、表情 変化は結構豊富で、会話に合わせて変わるため、感情移入もしやすいです。 あと、スクリプトの問題でしょうけど、シーンと絵が合っていないところがちらほら 見受けられました。 夜、寝る時、パジャマで主人公の部屋に来たかなが、寝る前になっていきなり 私服になったのはびびりました(^^; # 「珍しく下ろしている髪のお陰で」……めっちゃ普段通りですが……。 キャラクターは、みんな個性的で、はっきりと性格付けがされており、5人とも 方向性が違っていて被ることなく、バラエティ豊かな感じです。 ただ、委員長と悠は、見た目と言動にギャップがあるように感じました。 でも、委員長萌え。めちゃめちゃええ娘や(T_T) 音声は、キャラクターとのマッチングはほぼよし。ただ、委員長と悠に関しては そもそも見た目と言動にちょっとズレがあるため、音声も絵と見比べると若干 違和感はありました。ただ、言動や性格付けと声は合っていると思いますので、 声優さんの側には問題はないと思います。 演技の方は全く問題なし。叫ぶ所や泣く所なども、よく感情が伝わって来ます。 あと、この作品は主人公の名前を変更可能なのですが、呼びかけ部分は飛ば したり、うまく代名詞を入れたりして、違和感はほとんどありませんでした。 そして、Hシーンなどの伏せ字部分は、ピー音はなく、無音になるタイプなの ですが、無音にする部分がややズレているためか、ちょっと気になりました。 ふつうは「ん」の部分を無音にすると思うのですが……。 音楽はゆったりとした感じの曲が多め。全体的にやや静かな印象です。 ただ、コミカルな曲や弾むような曲もあり、バリエーションは豊かですけど。 ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。 歌は爽やかでポップな明るい歌。流れるような旋律が心地よいです。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点は特になし。 しかし、オープニングアニメーションに発売日とか必要スペックとかが表示され るのはなかなか斬新ですね。……店頭デモかよ(^^; エンディングも歌あり。ゆったりとした静かな曲で、包み込むような暖かさを 感じるような感じです。エンディングらしいエンディングという感じで、作品の ラストをしっとりと締めくくってくれます。 |
システム |
インタフェースはフルキーボードサポート。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 通常のメッセージ送りもホイールで可能になっています。 次の選択肢まで飛ぶことも出来たり、必要と思われる機能は全て入っている ような感じの、優れたシステムだと思います。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は軽快。メッセージスキップも快適ですし、次の選択肢まで飛ぶことも 出来ますので、ストレスなくサクサクとプレイできると思います。 セーブ箇所は36箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、日にちとシーンタイトル、そしてシーン画像が 保存されます。 数としては、選択肢はそれほど多くないですし、効果が明確なものが殆どです から、これだけあれば充分足りるかと思います。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは、主人公の家に幼馴染みの2人が転がり込んでくる所から始まります。 住まわせてもらうかわりに、家事をやったり、主人公の勉強を見たりすることを 条件として出し、しまいには家賃代わりに身体を差し出してきたりします。 ……多分に、己の欲求を満たすため、だったりしますが(^^; 前半は、各キャラクターが主人公にアプローチしてくるという感じの、ちょっと コミカルでほのぼのした展開が続きます。 後半になると、各ヒロインが主人公への思いを爆発させ、主人公に言い寄って きたり、主人公の周りにいる女性を排除しようとしたりします。 基本的にみんな主人公のことを好きなわけで、当然ここでぶつかり合いが発生 して、修羅場が出てきます。 人間の欲望が渦巻くドロドロした展開で、ほのぼのという感じじゃないですね。 エンディングは、なんとか事態を収めてハッピーエンドという感じですが、進め 方によっては完全になかったことにされるキャラクターもいたりして、手放しで 喜べる感じではないことも。 特筆すべきはヒロイン達の心理描写。各ヒロインが主人公のことをどう思って いるかが丁寧に、かつ激しく描かれており、とてもよく伝わってきます。 また、エンディングを見たキャラは、タイトルメニューから「女の子のキモチ」を 選択することによって、ヒロイン視点で話を振り返ることが出来、どんな想いを 抱いていたかがよくわかるようになっています。 逆に、気になったのは全体のちぐはぐさ。 まず、イベント間の繋がりがやや薄く、突然話が飛んだように感じることが多々 ありました。午前中にイベントが2つあったりして、時間の経過も曖昧です。 Hシーンの後に、朝ご飯イベントはちょっと(^^; そして、整合性もかなり怪しいです。既に2回寝たことがあるにも関わらず、 1回しかやったことないと言ったりすることが何度かありました。 何度も同じことを相談されたり、仲直りしようと言ってきたクセに全然反省なく また喧嘩したり、もはや訳が分かりません。 極めつけは年越しイベントで、みんなと新年の挨拶をした後、部屋に戻って 「今年もあとわずかで終わりかぁ」などとほざいたり、「時計を見ると、もうすぐ 新年を迎えようとしている」などと言ってみたり。 主人公は、タイムスリップが出来るのですか。超能力少年ですか。きまぐれ オレンジロードなのですね?(笑) さらに、CGのちぐはぐさについては先に触れましたけど、会話でもなかなか スゴいやりとりがありました。 「アンタは楽しくないの?」「ごめんよくわかんないよ」「アタシもそう」 「そう言う悠はどうなんだよ」……お前、人の話聞いてないのか? 会話はキャッチボールだろう。ちゃんと相手の投げた球は受け取れよ(^^; # まあ、基本的に人の話聞かないキャラが多いわけですが(笑) ##「た、頼むから、もっと会話と会話をリンケージさせてくれよ」……その ##言葉、そっくりそのまま返すよ(^^; そして、サブキャラのルートに乗った時、メインルートが酷く浮いているのも 気になります。委員長とめちゃめちゃらぶらぷなクセに、遥香といちゃいちゃ したりとか。というか、メインヒロインのフラグを立てると、サブヒロインルートに 乗っていても、強引にメインヒロインのエンディングに引きずり込まれるのは どうかと(^^; まあ、言い換えれば、ほぼ同時攻略が可能、とも言えるんですけど……。 あと、これは酷く個人的な感想ではありますが、委員長の扱いがちょっとひど かったように感じます。委員長ルートから外れるための選択肢が、もう来て くれなくていいだとか、適当にごまかすだとか、約束をすっぽかすとか、 そんな酷い選択肢ばかりで、委員長LOVEな私には、この選択肢を選ぶのは とても辛かったです……。 # 悠シナリオでは、かなが酷い扱いを受けるわけですが(^^; H度は高め。各キャラクターとも複数回用意されており、尺もそこそこ長くて 描写も濃厚です。基本的に純愛系のラブラブHばかりなのですが、複数人の 絡むシーンがあったり、野外があったり、逆レイプっぽいものがあったりと、 シチュエーションは様々で、なかなか楽しめるかと思います。 ただ、そんなに無茶苦茶数が多いというわけではなく、1キャラあたり3〜5回 程度ですので、過度に期待はしない方がいいでしょう。 パッケージにはHCG率90%と書かれていますが、それはただ単に、通常CGが 少ないだけのような(^^; テキストは、やや誤字が目立ちます。しかも、かなりダイナミックな誤字が多く、 元々の文章を想像するのが難しいこともありました。 「京子を引かれたように顔を向ける」なんて、かな入力の人でないと、元々は 「興味を引かれたように」だなんて気づかないのでわ(^^; # かな入力では、「こ」と「み」は隣ですしね。 他にも、読点が少ないことがあったり、『。』や『」』が行頭に来ていたり、やや 丁寧さに欠けるテキストだと思います。 ただ、誤字が少なく、読点が適切で、禁則もしっかり守られている部分もあり ますから、ライターさんによってかなり差があるという感じでしょうか。 全体で見ると、統一感はありませんね。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは12月20日から始まります。ゲーム期間は2週間弱。1日ずつプレイして いくタイプです。ただ、先述の通り時間の経過が曖昧で、同じ時間帯にいくつも イベントが発生したりするので、時間感覚はかなり狂います(^^; ワンプレイは7〜8時間。期間の割にはそこそこ長いです。これも同上で、同じ 時間帯に複数のイベントがあって、1日にいくつもイベントが発生するために、 1日1日が結構なボリュームになっているからですね。 そして、メインヒロイン関連のイベントは、サブヒロインルートに乗っていても問答 無用で発生するため、さらに長く感じるかもです。 難易度は低め。選択肢の効果はわかりやすく、すぐに効果が確認できるものが 殆どですので、それほど悩むことはないでしょう。ただ、メインヒロインのフラグが サブヒロインよりも優先してしまうため、メインヒロインのフラグを立ててしまうと、 サブヒロインのルートでもサブヒロインのエンディングが見られなくなってしまう ので注意。遥香なんて、選択肢2〜3個でエンディングのフラグ立ってしまうよう ですし(^^; |
総評 |
お奨め度ですが、複数の女の子から言い寄られる、ラブラブな展開が好きな人に お奨め。Hシーンはかなり甘ったるくラブラブな雰囲気が伝わってきて、見ていて ほのぼのします。まさに「ハーレムDAYS」という感じですね。 ただ、「えろえろまったりあどべんちゃー」と謳っている割に、言うほどHシーンが 多いわけでもなく、途中にかなりドロドロした修羅場があったり、まったりとも言い づらい感じでした。 もう少し落ち着いた、のんびりした雰囲気の作品かと思っていたのですが。 ただ、ヒロイン達の想いはよく伝わってきましたし、感情移入もしやすかったので、 その点は良かったと思います。 問題は、先に述べた通り整合性。特に時間の経過と、回数のカウントがかなり でたらめで、プレイ中に首を傾げることもしばしば。 絵と音声のギャップや、絵とテキストのギャップもあり、今ひとつ乗り切れない ような感じです。 特に、メインヒロインとサブヒロインのイベントを同時に発生させて進めた場合、 サブヒロインとどんなにラブラブになっていても、エンディングではそんなこと 無かったかのようにメインヒロインとラブラブになっていて、切なかったです。 パーツ単位で見ればそれなりに良く、キャラクターの描写や声優さんの演技は 素晴らしいんですし、システムもストレス泣く繰り返しプレイも快適でしたけど、 全体的に見るとどうもちぐはぐで、まとまりのない作品になってしまっているのが 残念です。 もう少し全体をきっちりまとめて、統一性のある作品にして欲しいところです。 最後に。委員長、可愛すぎ(T_T) なんだか、委員長を中心にしたレビューになっちゃってますよね(^^; 委員長ルートから外れる選択肢のこととか、委員長ルートに乗っているのに 遥香エンディングになっちゃってかなりアレとか、すげぇ偏りがあって読み 直したとき「うわー」と思いました(^^; まあ、たまにはこういうレビューがあってもいいよね(^^; で、折角なのでちょっぴりネタバレ(?)っぽい感想でも。 このゲームって、基本的に主人公の周りに女の子が集まってくるドタバタ劇な 訳ですが、根底に流れるのは「主人公が留年しそうでヤバい」ということだと 思います。 それで、やたら勉強しろと言われたり、家庭教師をしてもらったりするわけで。 # 悠は早々とドロップアウトを決めているような感じですが(^^; そこまで描写されたら、試験に行く前に元気づけるとか、試験の後に結果を 気にするとか、そういうイベントがあると思うじゃないですか。 しかし……なんで初詣に行ったらそこで終わるかな(^^; 「え? そこで終わりかよ!」と、めちゃめちゃ突っ込みました(^^; 一応、エピローグで結果についてはさらっと触れてくれますが、何か違う……。 そんな投げっぱなしの終わり方ありかよ、という感じです。 でもいいんです。真琴が好きだから! ←バカ # 一番扱いの悪いキャラのような気もしますけど(^^; というか、委員長がいなかったら、ぜってーお奨め度 4 にしてたな……(笑) |