黒愛 一夜妻館・淫口乱乳録
ブランド名 CLOCK UP ジャンル 娼婦調教ADV
発売日 2004.06.25 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(163x230x38mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 DISK1 : 585.8MB、CD-DAなし、Alpha-ROM
DISK2 : 657.3MB、CD-DAなし
DISK3 : 469.8MB、CD-DAなし
原画 たかぴこ、黒石りんご シナリオ 青匣新力、巽ヒロヲシャア専用○
ORU、なかなか、マンサク
音声 あり、金松由花木葉楓、鷹月さくら、大波こなみ、白井綾乃、吉川華生涼森ちさと
北都南、紫苑みやび
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所+オートセーブ1箇所 あり(1曲、OP)
おまけ ALBUM、MEMORY
対象属性 調教、陵辱、館物、寝取られ、黒髪、ストレートロング、幼馴染み、病弱、ショートカット、
浴衣、カチューシャ、メイド、メイド服、エプロンドレス、ご主人様、ストッキング、レズ、
ガーターベルト、チャイナドレス、銀髪、縦ロール、リボン、ゴスロリ、触手、ホットパンツ、
金髪、看護婦、ナース服、女教師、ポニーテール、人妻、お兄ちゃん、緑髪、ボンデージ、
ツインテール
1プレイ時間 5〜9時間 お奨め度 4

レビュー
概要
主人公は、幼馴染みで姉代わりでもある内海綾香と付き合っていた。しかし、
彼女は心臓の病に冒されており、早急に手術をしないと余命幾ばくもないと
診断される。手術費用は非常に高額で、現状ではとても工面できる額ではない。
そこで主人公は、叔母に手術費用を借りるために、綾香を残して東京に出向く。
叔母は、手術費用を提供する代わりに、主人公に条件を提示した。それは、
街を徘徊して美女を見つけ、館に連れ込んで調教師、娼婦として育てろという
ものだった。果たして主人公は、綾香を救うことが出来るのか。館に隠された
秘密は……という、娼婦調教ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

内海綾香(うつみあやか)。(CV:金松由花)
母を亡くし身寄りのない主人公を引き取った家の娘で、主人公の姉代わり。
幼い頃から病弱で、心臓に爆弾を抱えている。
主人公のことを「チーくん」と呼ぶ。小さい物はすべてそう呼ぶらしい。
……世の中、チーくんだらけですね。
# 主人公は「綾ネェ」と呼び慕う。

十川葉月(そがわはづき)。(CV:木葉楓)
館で働くメイド。普段は明るくはつらつとした女の子だが、館の中では感情を
殺し、仕事に徹する。

雅。(CV:白井綾乃)
館の住人で、主人公と同じ一族の血を引いている。フェロモン全開のお色気
ねーちゃんで、人をからかうのが大好き。

荒神六華(こうじんりっか)。(CV:大波こなみ)
主人公の叔母にあたる人で、館の女主人。しかし、見た目は非常に幼い。
主人公のことを何故か「兄さま」と呼ぶ。

乾玲緒奈(いぬいれおな)。(CV:吉川華生)
大学で出会った学生。フランクで気さくなさっぱりとした性格。好奇心旺盛で
行動実践派。

ジュリアンヌ・桃原(じゅりあんぬ・とうばる)。(CV:涼森ちさと)
病院で働く准看護婦。アメリカ人とのハーフで、日本語がやや怪しい。
天然ボケの爆乳ドジっコナース。

方丈ほのか(ほうじょうほのか)。(CV:北都南)
葉月の通う学園の教師。神の教えに忠実で、困っている人がいると放っては
おけない。目が不自由。

城ノ内美奈子(じょうのうちみなこ)。(CV:鷹月さくら)
葉月の先輩で弓道部部長。一途で健気な女の子。男性に対して免疫がない。

水野かをり(みずのかおり)。(CV:紫苑みやび)
喫茶店の女主人。ほのかの姉で、人妻。優しく親しみやすい女性。

絵の方はやや線が少な目のあっさりした絵柄ですが、可愛らしく、お色気も
たっぷりです。
CGはちょっと粗い部分が目立ったりもしますが、そんなに気になるほどでは
ありません。ただ、全体的にやや大味で、物足りなさを感じます。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともあり。アクションが大きく、感情がよく
伝わってきます。場面に合わせて明度が調節されていたり、立ち絵が浮くと
いう事はありません。なかなかいいですね。
イベントCGよりも立ち絵の方が丁寧に描かれているように感じます。

キャラクターは様々なタイプのキャラクターがいますが、総じて控えめな
印象がありますね。色ボケの雅と気さくな玲緒奈、脳天気なジュリの3人は
ちょっと雰囲気違いますけど。それ以外のキャラクターは、どこか似た
ような雰囲気をまとっています。そして、どのキャラクターも何かを抱えて
いるような感じで、ところどころに影が見えます。

音声はキャラクターとのマッチングはほぼ良し。演技の方も概ね良好。
ただ、ジュリに関しては通常の演技とHシーンの演技にやや差があるように
感じました。まあ、どのキャラクターもHシーンの演技はかなり落差はあり
ますけど。ジュリは通常シーンで突き抜けてますからねー。
なお、淫語にピー音はなく「ン」の部分が無音になっているだけなので、何の
違和感もなく自然に聴こえます。

音楽は静かでもの悲しい雰囲気の曲が多め。BGMに徹した、あまり目立たない
曲が多いですね。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はしっとりとしたちょっと切ない歌で、伸びのある高音が心地良いです。
ただ、曲にややまとまりがなく、歌とのバランスもいまひとつで、せっかくの
綺麗な曲と伸びのある歌が、今ひとつ活かしきれていないように思えて残念。
絵の方はキャラクター紹介と、若干ストーリー的な物も見受けられますが、
特筆するほどのことはなし。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで可能ですが、メニュー操作やスケジュール決定はキーボードでは出来
ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作もそこそこ高速です。

セーブ箇所は100箇所+オートセーブ1箇所。タイトルメニューにはQUICK LOADと
ありますが、クイックセーブはなく、選択肢などで自動的にセーブされるオート
セーブが実装されています。セーブ/ロードは徘徊モード、キャラ選択、払い下げ、
最終キャラ選択以外で可能です。……欲しいところでセーブ出来ない感じ。
セーブデータはシーン画像とメッセージの一部が保存されます。セーブ日時は
保存されませんので、ちょっとデータの判別がしづらいかも。
数としては、選択肢はそこそこあるものの、一番セーブしたい徘徊モードの決定
画面や、キャラ選択でセーブできないため使いどころが少なく、これだけあれば
充分かと。

システムはキャラクター選択・選択肢決定型のアドベンチャー。
まず徘徊モードでは何曜日に誰に会いに行くかを週単位で決定します。
その後、調教モードでは誰を調教するかを選ぶキャラ選択があります。
調教が終わると、キャラを払い下げするかどうかを決定し、最後は最終キャラ
選択で選んだキャラのエンディングに向かう……という流れになっています。

主人公の名前は変更可。ただし、変更できるのは下の名前だけで、姓は「五丈」
固定です。呼びかけは、「チーくん」「ノワキ」「坊や」「五丈さん」「ご主人様」など、
不自然にならないように工夫されています。

このゲームはAlpha-ROMによるプロテクトが施されてています。初回起動時のみ
ディスクチェックがあり、それ以降はディスクレスで起動可能です。
バックグラウンドでの動作は可能です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が館を訪れ、手術費用を出す代わりに美女を館に連れ込む
ことに同意する所から始まります。綾香を助けるためと仕方なく仕事を始めて
いくが、次第に女の子達や館の秘密を知っていく……という話。

まず前半は徘徊モードで、館に連れ込む女の子を選定します。と言っても、
誰に会うかを決定するタイプですので、この段階で誰を狙うか既に決まって
いるようなものですが。
そして、女の子とうち解け、秘密を知ったり聞き出して、館に連れ込みます。

館に連れ込むと、調教モードに入り、娼婦としてひたすら調教を施します。
基本的に主人公が連れ込む女性は娼婦としての素養があるため、凝った
調教を施すわけでもなく、ただひたすらHなことを仕込む、という感じです。

ラストは、うやむやのうちに終わったり、強引にまとめられていたり、かなり
後味の悪い終わり方があったりと、すっきり終わるシナリオは殆どありません。
そもそも、大前提としてあった綾香の存在がかなりないがしろにされるため、
感情移入も出来ない、取って付けたようなシナリオに思えます。

まず気になったのは娼婦のあり方。冒頭で「命令されて従うだけの奴隷は
いらない。自ら身も心も捧げる娼婦を育ててくれ」と言われたにも関わらず、
育てた娼婦はほとんど「ご主人様の命令で」とか「ご主人様のために」とか
言ってるんですけど。これって、奴隷と何か違うんですか?

そして、めっちゃくちゃ気になったのは整合性。はっきり言ってでたらめです。
一度も見ていないことや知らないことが当然知っているかのごとく出てきたり、
何度も同じイベントが繰り返されたり、同じセリフが出てきたり。
各キャラ個別シナリオの進行状況を全く無視して、通常イベントが発生する
ため、キャラクターの反応が矛盾しまくりです。特に葉月の反応は、イベントの
進行と全くリンクしていないため無茶苦茶です。

朝起きたらいきなり夕方なんてのはザラで、しかも1回みたイベントがもう一度
流れたり。葉月が病院に来たとか、妹が入院してるとかも知らないし、主人公が
熱出してぶっ倒れたなんていつの話だよ。
霊水のこととか、伊月のこととか、葉月シナリオを進めてないとわかんないし。
パイズリしてるのに「喉まで飲み込め」は無茶だろう。フェラしてるのか、パイ
ズリしてるのかはっきりしてください。
毎回毎回「どうもオレはこの携帯電話でのメールが苦手だ」ってウザいよ。
「やっぱり処女だったのか」なんてセリフを1回のHシーンで3回も聴かされたら
うんざりです。
「オレは以前、伊月ちゃんにまた遊びに来ると約束したのを思い出した」
いや、そんな約束してないし。

何が問題って、徘徊モードやキャラ選択が、それまでのシナリオ進行に全く関係
なく自由に出来てしまうことでしょう。各キャラ個別のイベントと、通常イベントが
全くリンクしておらず、一度も調教していないのに薬漬けにされてぼろぼろに
なっているなんてことが平然と起こります。
一番酷いのは最終キャラ選択で、一度もイベントを見ていないキャラでも選択
出来てしまい、見たことも聞いたこともないような話や設定が突然出てきて、
ネタバレだけばらまいてBAD ENDに入るというステキ仕様。嫌がらせですか?

なんかもう、話の繋がりが無茶苦茶で、今ヒロインがどんな気持ちでいるのかが
全然解らず、ストーリーが成り立っていません。そして、ゲームとしても成り立って
いるとは思えません。論外です。

H度はかなり高め。各ヒロインとも複数回用意されており、描写はかなり濃厚。
尺もたっぷりと取られていて、じっくり楽しむことが出来ます。
シチュエーションは様々ですが、サブタイトルにもあるとおり、口淫と、乳への
攻めがかなり多くなっています。あと、お尻と。
調教シーン自体はそれほどハードでもなく、ただテクニックと快楽を教え込む
だけという感じなのですが、お客を取るシーンではかなり鬼畜で凄惨なシーンが
あり、耐性のない人は辛いでしょう。さらに、娼婦を育てるということで、当然
お客を取るわけですから、主人公以外の男性に抱かれるシーンも多々あります。
さらに、明確な寝取られシーンもあるため、耐えられない人もいるかと。
Hシーンで特筆すべきは、パッケージを見て一番気になった単語「うどんフェラ」。
何だろうと思ってプレイしてみると、口の中にうどんを詰め込んだ状態でフェラ
するという、あまりにもそのまんまな行為に絶句。それって気持ちいいの?
つーか、どうせだっら糸こんにゃくとかの方が良くない? ……いや、私は経験
したことはありませんけど。お願い、信じて。
# フェラへの拘りも、ここまで来ると脱帽を通り越して笑えます。

テキストは、誤字脱字がめっちゃくちゃ多いです。あまりにも多いので、1周目の
プレイ時に数えてみたのですが、30を越えた時点でもう数えるのはやめました。
いくらなんでも多すぎでしょう。もう少しきっちりチェックして欲しいところです。
# 「看病らしい事はなに一つしちゃくrなかったが……」はさすがにどうかと。
##「もう少し加減してジ遊ぶと思ったのが甘かった!」とか「この笑顔こそが、
##オレあ守りたいものなのだ」とか、気付きませんかねぇ。

さらに、くどい言い回しがかなり目立ちます。先述した、何度も同じセリフを
繰り返すというのもそうですが、パッケージの「後4ヶ月後までに大手術をしな
ければ余命幾ばくもない」という表現や、「誓って浮気などしないと宣誓しよう」
「雅さんさんに」など、突っ込みどころ満載です。
# セミロングのショートヘアを乱して?(^^;

さらにさらに、人称の不一致も気になりました。あるシーンでは「ご主人様」と
呼び、別のシーンでは「ノワキ様」と呼び、また別のシーンでは「五丈さん」と
呼ぶなど、全く統一されていません。そう呼ぶようになった経緯や説明があれば
いいんですけど、展開によってはそういった説明がすっとばされるため、違和感
バリバリです。

さらにさらにさらにメッセージウインドウに文字が収まりきらず、画面外にはみ
出しているところもありました。もうどうにでもしてって感じ。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は4ヶ月? スケジュールは週単位になっていて、それで数えると18週
あるわけですが、途中2,3日寝込んだりとかしてますからねぇ。

ワンプレイは5〜9時間。シナリオによってかなり差があります。娼婦として調教
するキャラは調教モードがありますが、そうでないキャラは調教する必要がない
ため、2〜3時間は短めになっています。
メインの話であると思われる、綾香HAPPYルートが一番短いというのはどうかと。

難易度は高め。普通にクリアするだけなら、狙ったキャラと会い続けていれば
いいのですが、全シーンを見ようと思ったらかなり大変です。
かなり条件が厳しいイベントがありますし、そもそもキャラクターの反応が
好感度と全くリンクしていないため、どのぐらい話が進んでいるのかが全く
わかりません。
総評
お奨め度ですが、ひたすらエロエロな調教物が好きな人にお奨め。
目を付けた女性を娼婦としてひたすら調教する展開はかなりエロく、Hシーンも
たっぷり尺が用意されており描写も濃厚なため、かなり感情移入度は高いです。
さらに、口や胸、お尻への拘りも凄く、それらが好きな人にはたまらない内容に
なっているかと思います。

しかし、このゲームで褒められるのはこれだけで、濃厚なHシーンを除くと、
いたるところにアラが見えます。

誤字脱字やくどい表現、おかしな表現をはじめ、もはや管理していないんじゃ
ないかと思えるぐらいでたらめなフラグ管理、不安定なシステム、セーブしたい
ところでセーブ出来ない不親切な設計、ややチープでのっぺりしたCG、Hシーンと
通常シーンで落差の激しい演技、繋がらないストーリー、ご都合主義で強引な
展開など、突っ込みどころが多すぎてどこから突っ込めばいいのやら。

特に、誤字脱字や整合性に関しては、しっかりテストプレイをすればある程度は
改善できるわけで、それがこれだけ大量に残っているということは、商品としての
クオリティはかなり低いと言わざるを得ません。
せっかくの濃厚なHシーンも、全て帳消しにするぐらいのレベルの低さに閉口。
ストーリーをマトモに追えないような状態では、どうしようもないですね。
誤字脱字はまあ目を瞑るとしても、整合性が無茶苦茶でストーリーに繋がりが
なくなっているのは辛すぎます。
徘徊モードで誰と会うか、調教モードで誰を調教するかなど、プレイヤーに選択
する幅を与えて自由度を高くしたんでしょうけど、そのせいでフラグ管理が崩壊
して、ちぐはぐな展開になってしまっては本末転倒でしょう。
いっそのこと、最終キャラ選択を一番最初にやって、そこで選んだキャラクターの
話を選択肢やキャラ選択一切なしにノベルタイプで進めて貰った方が、はるかに
楽しめたと思います。ベースのストーリーやHシーンは非常にいいんですから、
純粋にそれを楽しませて欲しかったです。

折角のストーリーやHシーンを、システムのせいで台無しにしてしまった、非常に
勿体ない作品に思います。
Hシーンは一級品、しかしそれ以外、特にシステム面は最低クラスという、とても
ちぐはぐな作品になってしまっています。
整合性さえちゃんとしていて、もう少し誤字等が少なければ、お奨め度 7 を付け
てもいいと思えるぐらいの作品だけに、ホントに残念です。
# 逆に、これでエロも薄かったらお奨め度 2 を付けるところですけど。

「Hシーンさえ濃厚だったら、他はどうでもいいよ」という人にお奨めできる
作品だとは思います。ただし、見るのが難しいシーンもあったりしますし、
Hシーンにもステキ誤字があったりしますけど。

最後に。「こんな事したって、ちっともセックステクはあがらないんじゃなか?」
……なんでいきなり訛るんですか(笑)


いきなり何の説明もなしに人の心を覗けるようになってもね(^^;
まあ、普段から一度も聞いたことのないことを当然のように知っているという、
エスパーっぷりは発揮してましたが(笑)



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