Like Life | |||
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ブランド名 | HOOK | ジャンル | AVG |
発売日 | 2004.05.28 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(190x269x40mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | Disc1 : 534.6MB、CD-DAなし Disc2 : 557.9MB、CD-DAなし Original SoundTrack : CD-DA=195.5MB、CD-DA8トラック |
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原画 | 松下まかこ、らっこ | シナリオ | 川波無人、セルシオ、 はね、神無月如月 |
音声 | あり、新堂真弓、九条信乃、草柳順子、大花どん、大野まりな、 しょにー小倉、後藤舞、まきいづみ、毬岡留美、文月かな、神月あおい、 朝霧恵吏、針名さや香、桜井昴、沙楽、竹内りぃる、梨本悠里、モモ、由貴、佐凪由宇、 田畑利徳、武田充紘、永倉仁八、吉月昴一、羽田共 |
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インタフェース | ほぼフルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 49箇所+オートセーブ1箇所+ クイックセーブ1箇所 |
歌 | あり(3曲、OP・ED・挿入歌) |
おまけ | CG&Remembrance&Music -Mode- | ||
対象属性 | コメディ、ほのぼの、純愛、学園物、ギャグ、感動、金髪、リボン、幼馴染み、天然娘、 ストレートロング、オーバーニーソックス、体操服、ブルマ、女教師、眼鏡っ娘、お下げ、 紫髪、触角、病弱、銀髪、ウェディングドレス、帽子、ボブカット、ヘアバンド、お兄様、 お嬢様、メイド、エプロンドレス、ピンク髪、ドジっ娘、猫耳、尻尾 |
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1プレイ時間 | 5〜6時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
主人公は、両親が海外住まいのため、年若い叔母と二人暮らし。隣に住んでいる 幼馴染みと仲良く過ごしている、ごく普通の学生だった。しかしある日、主人公の 携帯電話が女の子の姿になってしまった。街でも、物が人間の姿になり、話をする ようになってくる。そして、学園でも、主人公のクラスに続々と転校生が押し寄せる。 そして始まるドタバタの毎日。果たして主人公はどうなってしまうのか……という、 ドタバタコメディアドベンチャー。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 宮里結未(みやさとゆみ)。(CV:新堂真弓) 主人公の幼馴染みでお隣さん。両親が共働きであまり家に帰ってこないため、 主人公の家によくやってくる。もはや家族の一員。主人公のことが大好きで、 主人公のことを第一に考える。健康食品マニアの超絶脳天気マイペース天然娘。 # 「怒っちゃやー」……激らぶりー。 沢木椿(さわきつばき)。(CV:九条信乃) 主人公のクラスに転校してきた女の子。主人公のことを知っているらしく、 馴れ馴れしく話しかけてきて、いきなりうち解ける。普段は冷静で一歩引いた ところから全体を見渡す感じだが、熱くなりやすく、一度熱くなってしまうと そこしか見えない乱暴娘になる。病弱で、いきなり吐血する。しかも大量に。 # 都合が悪くなると、とりあえず吐血してみる。 高坂姫子(こうさかひめこ)。(CV:草柳順子) 主人公の携帯電話。ある日突然女の子の姿になり、高坂家の居候となる。 主人公の持ち物であることを主張し、常に主人公のそばにいようとする。 世間知らずで常識知らずの明るく無邪気な女の子。 # マグネシウム合金製らしい。胸とかも触ったら固いのか? 有川あとり(ありかわあとり)。(CV:大野まりな) 主人公のクラスに転校してきた女の子。引っ込み思案で恥ずかしがり屋。 人見知りも激しくて、人付き合いもヘタなため、やや無口。ドジっ娘。 麦チョコが好物で、いつもポケットに入れている。 竜胆寺絆(りんどうじきずな)。(CV:大花どん) 主人公のことを「お兄様」と慕う、超弩級のお嬢様。主人公のクラスに突然 転校してくる。下級生なのに。 他にもサブキャラクター(主に物(笑))がいっぱいいますが、割愛。 絵の方はポップで可愛らしい絵柄。表情がはっきりしていてポーズも派手な ため、身体全体で感情を表現しているような躍動感のある絵ですね。 CGは明るいきらきらした色遣いで、原画のポップな雰囲気を上手く活かして いると思います。処理も丁寧で、綺麗ですね。 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともあり。ポーズ変化はアクションが大きく、 表情変化もコミカルでコロコロ変わるため、見ていてとても楽しいです。 結未が殴られたり照れたりしてる時の絵が、激烈らぶりー。 ただ、イベントCGと立ち絵で結構差があったのはちょっと気になりました。 個人的には、立ち絵の方が可愛くて好きだったり。; キャラクターは個性豊かな面々ばかり。ヒロイン達はみな一癖も二癖もある キャラクターですし、サブキャラクターにいたっては、ほとんどが「物」なので、 もはや普通の人間はいない状態です。そんな中、唯一の常識人(?)である 碓井先生は、個性豊かな面々に振り回されてあまりに不憫です(^^; 氷庫さん、激烈ラブリー。主人公に対する暴言の数々がステキです(笑) # 「負け犬」(笑) 音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方もばっちり。 結未の声なんかはかなり独特なんですが、元々キャラクター自体が独特な ため、それがばっちりハマっていて素晴らしいです。 他にも個性豊かなキャラクターが揃っていますが、どのキャラクターもその 個性を生かすような声・演技の声優さんが担当されていて、キャラクターが みんな活き活きしている感じです。ブラボー。 そして、大量にサブキャラクターがいるのですが、声優さんも同様に数多く 起用されています。それでも兼ね役をやっている人がいますが、きっちり 演じ分けが出来ていて、気になることはありませんでした。 音楽はアップテンポでビートの効いた曲が多め。個性的なちょっと変わった 曲が多くて、聴いていて楽しいです。 プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。 歌はアップテンポでちょっとハードな格好いい感じの曲。結構渋くていい感じ。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。それほど目を引くものは ありませんが、絵は綺麗ですし、演出はそこそこ凝っていたかと。 エンディングも歌あり。こちらはほのぼのとした軽い感じの歌。 ただ、エンディングによってはちょっとラストの雰囲気とズレてるかも。 挿入歌もあり。静かなちょっと切ない感じの染み入るような歌。シーンと良く あっていて、上手く盛り上げてくれます。でも、歌詞の内容とシーンとは結構 食い違ってる気はしますけど(^^; あと、姫子は着信メロディーを歌うのですが……それはまあいいか(笑) |
システム |
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。メッセージ送りや選択肢決定、 メニュー内の操作もキーボードで出来るのですが、肝心のメニューを出す事 自体がキーボードで出来ないというのは残念。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 通常のメッセージ送りもキーボードで可能です。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は比較的軽快。 スキップ動作もそこそこ高速です。 セーブ箇所は49箇所+オートセーブ1箇所+クイックセーブ1箇所。セーブロードは 移動場所選択画面以外では随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と自由記述のコメントが保存されます。 数としては、結構選択肢が多く、難易度もやや高めな作品ですので、もうちょっと 欲しいところかもですね。 システムは選択肢決定型+移動場所選択型のアドベンチャー。 移動場所選択では各ヒロインのトレードマークが表示されるため、誰がどこに いるのかは判るようになっています。……が、最初はどのマークが誰のものか 判らず、ちょっと戸惑いました。 そして選択肢ですが、RTC(リアルタイム選択肢)が搭載されており、選択肢を 決定するタイミングによって、相手の反応が変わります。 また、特定のシーンでは、アイテムを手に入れることが出来るのですが、その ためにはアイテムのある場所を5秒以内にクリックする必要があります。 RTCやアイテムイベントが発生するときは、事前にwarningが表示されます。 ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは主人公の携帯電話が女の子の姿になるところから始まります。 はじめは面食らって信じない主人公ですが、街でもいろんな物が人間の姿に なっているのを見て、信じざるを得なくなってきます。そして、何故か主人公の クラスに転校生が続々とやってきて、ドタバタの毎日が始まります。 前半ははちゃめちゃドタバタコメディで進みます。次から次におかしなことが 起こり、主人公や周りのキャラクターも変なヤツばっかりなので、会話などは とても面白おかしいです。つーか、お前らちょっとは授業聞いてやれよ(^^; マトモに授業やってる所を見たことがないのですが……。先生、不憫すぎ。 # 姓名判断で名前を当てる……って、もうその時点で名前知ってるし!(笑) ##結未の一撃に対する接し方がステキです(笑) 後半は、主人公とヒロインが気持ちを確かめ合って、そしてヒロインが抱えた 問題を解決してエンディング……という流れになります。 ここではコミカルさはなりを潜め、ややシリアスになります。ただ、元々個性 豊かなキャラクター達ばかりのため、会話はやっぱり面白おかしかったり しますけど。 特筆すべきは、なんと言っても会話の楽しさ。個性豊かなキャラクター達との 会話はとても楽しく、物がしゃべるということで、校門やポストに話しかける 主人公は、端から見ているとかなりシュールです。 # いや、見た目は完全に人間になってはいますけど……。 そして、演出がコミカルでとても面白いです。立ち絵からしてキャラクターの アクションや表情変化が大きいのですが、さらに特殊効果やテキストを出す タイミングやフォントなども凝っていて、見ていて非常に楽しいです。 気になったのは、スクリプトの問題。三葉のイベントでテキストと音声が1つ ズレていたり、姫子のサッカーイベントで同じシーンが2回出てきたり(しかも 2箇所)、日付の経過処理がおかしかったり、ややスクリプトデバッグの甘さが 気になりました。 それと、シナリオによってやや内容にばらつきがあり、一部のシナリオでは 会話がうまくかみ合っておらず、話の流れが解りづらい、電波な内容になって しまっているように感じました。 # 結未親衛隊は、さすがにあれだけ理不尽に絡んでくるとウザいです。 さらに、物が突然しゃべり出したりするわけですが、ほとんどのシナリオでその ことについてあまり触れられず、当たり前のようにスルーしているのはどうかと。 「どうして」という説明もないですし。キャラクター達も、碓井先生以外は自然と 受け入れてしまっていますからねー。 # 「このところ、この辺おかしいよな……」の一言で片づける主人公萌え。 H度は並。各ヒロインとも複数回用意されていますが、尺の方はそれほど長く なく、描写もごく普通です。そもそも、絵柄がどちらかというと可愛らしさ優先と いう感じで、見た目の印象からもライトな雰囲気が漂っています。 # 決して薄くはないんですけどね。純愛物としては頑張っている方でしょう。 テキストは、ちらほらと誤字が見受けられます。Hシーンの最中にも平然と 誤字が出てきたりするのでちょっと萎え。先のスクリプトの問題とも併せて、 ちょっとテストプレイが足りていない感じですね。 文章自体は、軽いノリでテンポも良く、読みやすいと思います。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは5月10日の月曜日から始まります。ゲーム期間は約1ヶ月。 前半は1日ずつプレイしていきますが、後半はイベントのない日は飛ばしたり します。 ワンプレイは5〜6時間。前半はテンポ良く進むので時間は気になりません でしたけど、後半はややペースダウンするためちょっと長く感じました。 難易度はやや高め。普通にクリアするだけならそれほど悩むことはないかも 知れませんが、それでもRTCを選ぶタイミングなどは考えないといけませんし、 選択肢1つでエンディングが変わったりします。さらに、CGをコンプリートしよう と思ったら、ゲーム中に手に入るアイテムを全て集めて、オマケを見る必要が あるため、結構手間です。 |
総評 |
お奨め度ですが、ドタバタコメディ作品が好きな人にお奨め。 シナリオによってはべたべたの純愛があったり、切ない展開があったり、 ほろっと出来るシーンがあったりと、バラエティに富んでいて面白いです。 ややシナリオによってばらつきが大きく、まとまりには欠けている感もあり ますが、色々なタイプのシナリオが楽しめるので良しとしましょう。 ただ、シナリオによっては会話がちぐはぐで、今ひとつストーリーに集中 出来ないのは勿体ないですね。 そして後半、ヒロインと気持ちを確かめあってからも結構話は続くのですが、 その部分はコミカルさもなりを潜め少しテンポが落ちるため、ちょっと退屈で 中だるみに感じることもありました。やや強引に話を進める感じのシナリオも ありましたし。 あと、何も考えずコミカルなノリに身を委ねてしまえば気にならないのですが、 冷静に考えると「どうして物が人間になったの?」とか「人間の姿になって本来の 役目は果たせるの?」といった疑問が湧いてきます。そして、それらに対する 説明はほとんどされていないので、気になる人はいるかもですね。 そんなことを聞くのはナンセンスだ、と言ってしまえばそれまでですが。 # 氷庫さん、それ、たぶん冷やせてないから(笑) 他にも、妙が主人公の叔母だとか、結未の両親が滅多に帰ってこないとか、 そういった基本的な設定の説明がほとんどなく進むため、ちょっと置いてけぼり な感じがあるかもですね。妙が主人公の叔母だと知ったの、話がかなり進んで からでしたし……。 ですので、事前にパッケージやマニュアル、メーカのサイトで概要を見ておいた 方がいいかもですね。 スクリプトミスや誤字、シナリオによってはややちぐはぐさがあるなど、全体の 完成度としては決して高いとは言えないと思いますが、前半のコミカルでドタ バタな展開や、後半のちょっと切ない展開、そしてまったりほのぼのとした 雰囲気などはとても心地よく、楽しくプレイすることが出来ました。 CGもシナリオも、各所にばらつきは見られますが、それを補って余りあるドタ バタコミカルな展開やほのぼのした雰囲気は充分楽しめるかと思います。 雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。 最後に。すっごい市バスっぽいバスで遠足に行く主人公達がステキ(笑) あとりですが、常にヘッドマフラーをつけていたり物達と仲良かったりするので、 「こいつも何か物の変化か?」と思ったのは私だけではないハズだ(^^; そして、当然のように氷庫エンドきぼー。 物達みんなすっごいいい味だしてるので、サブキャラにしとくのは勿体ないですね。 まあ、Hシーンのあるキャラもいるのが救いですが。 |