るな・るな!〜Lunar Lunatic〜
ブランド名 TOUCHABLE ジャンル ミスディレクションビジュアルノベル
発売日 2004.08.13 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(167x232x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 515.6MB、CD-DAなし
双玉親子盤 : 91.3MB、CD-DAなし
原画 スミスミ シナリオ しだれ桜
音声 あり、天天、森川陽子、比未子、理多
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 18箇所 あり(1曲、OP)
おまけ CGモード、回想モード、音楽モード、スペシャル
対象属性 陵辱、ツインテール、無口、ポニーテール、リボン、お兄ちゃん、セーラー服、看護婦、
ナース服、体操服、ブルマ、オーバーニーソックス、スクール水着、
メイド服、ガーターベルト、ストッキング、姉妹丼、母娘丼
1プレイ時間 4〜5時間 お奨め度 4

レビュー
概要
祖父を亡くし住んでいた家を引き払った主人公は、アパートを見つけるまでの間、
親戚の清川家にやっかいになることになる。清川家は双子の娘とその母親の3人が
暮らしていたが、その3人ともが主人公にアプローチをかけてくる。果たして、
主人公の運命は……という、ミスディレクションビジュアルノベル。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

多華梨毬江(たかなしまりえ)。(CV:理多)
公園で出会った、物憂げな瞳をした少女。無口で無愛想。

清川梢(きよかわこずえ)。(CV:比未子)
主人公がやっかいになっている家の女主人。おっとりほのぼのした女性で、
主人公のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。……年上なんですけどね。

清川鮎(きよかわあゆ)。(CV:森川陽子)
主人公がやっかいになっている家の娘。元気で勝ち気で積極的な娘。

清川蛍(きよかわほたる)。(CV:天天)
主人公がやっかいになっている家の娘。おっとりしているがしっかり者。

絵の方はややクセがありますが、可愛らしい絵柄。ただ、蛍と鮎は双子という
ことで、パッと見ではちょっと見分けが付かないかも。
CGはそこそこ綺麗で丁寧。コントラストのはっきりしたわかりやすい塗りです。
立ち絵はポーズ変化はなし、表情変化はあり。ポーズのバリエーションはある
のですが、1つのシーンではずっと同じポーズです。表情変化はあるのですが、
メッセージが全画面で表示されている裏に表示されるためあまり目立ちません。

キャラクターは勝ち気な鮎とおっとりした蛍、そこにマイペースな梢と無口で
不思議少女な毬江という配置。蛍と梢はややキャラが被ってる感もありますが。

音声はキャラクターとのマッチングはそこそこ良く、演技の方も特に問題なし。
ただ、マッチングとか演技とか以前に、録音レベルの問題か再生の問題か、
音声がかなり浮いて聞こえます。ちょっと勿体ないですね。

音楽はほのぼのとした落ち着いた雰囲気の曲が多め。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌は可愛らしい感じの歌。ただ、曲が非常に薄っぺらく、なんだかアカペラで
歌っているかのようです。歌の方もややウィスパーっぽい感じで、なんだか
ぼそぼそ歌っているように聞こえてしまいます。ちょっとバランスが悪すぎる
気がしますねー。もう少し上手くミキシング出来なかったのでしょうか。
絵の方は、イメージムービー的なもの。ちょこちょことアニメーションしていて、
絵もそこそこ綺麗で、それなりに見応えがあります。ただ、歌にあまり活気が
ないので、ちょっと絵の方が活きていない感じですね。

エンディングは歌なし。ただ、絵や文字の出し方がなかなか凝っていますね。
……こんなところに凝られても(^^;
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。巻き戻しから抜ける動作
だけが、どうやればいいのかわかりません(^^;
既読スキップ、強制スキップ、巻き戻し、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は比較的軽快。
スキップ動作は高速です。

セーブ箇所は18箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時のみが保存されます。データの判別はし辛いです。
数としては選択肢がそこそこあるので、ちょっと足りない感じですね。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
メッセージは全画面表示のビジュアルノベルタイプです。
……H重視の作品に、このシステムは向いていない気がしますが……。
# 絵の前にテキストがありますので、Hシーンでも絵が見づらいのです。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「藤田聡」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が清川家にやってくるところから始まります。女ばかりの家で
暮らすことにちょっと抵抗を覚えつつ毎日を過ごしているうち、みんなから
誘惑され始めて……という感じ。

前半はほのぼのした雰囲気で過ごします。清川家の女性達と仲良く過ごすうち、
みんなから誘惑を受けて流されていく……という感じです。

そして後半。いきなり電波でサイコな展開となり、ダークでシリアスな話が続き
ます。前半のほのぼのした雰囲気から一転し、唐突に始まるサイコな話は、
あまりにも突飛でついていくのが大変でした。

ラストはダークな展開……かと思いきや、いきなりご都合主義な感じのハッピー
エンドになったりと、ちょっと拍子抜けです。
いや、もちろんバリバリダークなエンディングもありますけど。

気になったのは整合性。見たこともないものを見たと言ったり、聞いたことの
あることを聞いてないと言ったり、かなりちぐはぐです。
まあ、元々何の前触れもなく突拍子もない話が展開しますから、さほど気に
ならないかも知れませんが……。
# 「だって私、演劇部だもん。言わなかったっけ?」「いや、聞いてない」
# ……めっちゃ聞きましたけど(^^;
##「ブラの上からでも、その感触は…」…って、浴衣っぽい服で、明らかに
##ブラしてないんですけど(^^;

H度は並。各ヒロインとも複数回用意されていますが、描写はややあっさりして
おり、尺の方もそれほど長くないです。しかも、前半は寸止めとかおふざけ的な
シーンが多く、マトモなHシーンは結構少ないです。
さらに、後半は凌辱的なシーンが多く、シーンの途中から始まるような場合も
多々あって、今ひとつ感情移入出来ませんでした。

テキストは誤字満載。ちょっとしたタイプミスから、もはや意味不明なアクロバ
ティックな誤字まで取りそろえられています。一番酷いのは、蛍と鮎が間違って
いるところが何箇所ありました。ホントに入れ替わっているところもあるのですが、
そうでないところでも食い違いがあったり、ちょっと雑すぎです。
あと、地の文が三人称のため、ちょっと戸惑うかも知れませんね。
プレイ時間・難易度
ゲームは3月1日から始まります。ゲーム期間は3週間。1日ずつプレイしていく
タイプです。ただ、起きたら夕方だったなんてことはザラですけど。

ワンプレイは4〜5時間。テンポ良く進むので、長さは感じませんでした。

難易度はやや高め。選択肢によって結構イベントが分岐し、今現在誰寄りの
ストーリーが展開しているのかがわかりづらいため、エンディングの条件は
ちょっとわかりづらくなっています。
総評
お奨め度ですが、不思議でサイコな電波系ストーリーが好きな人にお奨め。
前半こそまったりほのぼの進むものの、後半はいきなりダークでシリアスな
展開になり、ともすれば置いてけぼりを食らいかねないぐらいです。

キャラクターも、昨日気まずかったかと思ったら、次の日の朝にはいきなり
フレンドリーだったりと、態度がコロコロ変わり、ヘタをすれば性格まで
変わっているような感じで、感情移入しづらく、ついていくのが大変です。
Hシーンもぶつ切りだったり誤字満載で意味を理解するのに手間取ったりと、
ストーリーを追うのも大変で、やや馴染みづらかったです。
# まさにLunatic。

ただ、設定自体は結構しっかりしていて、それさえわかればキャラクターの
明確な法則があるのですが、それがわかる頃にはクリアしているわけで。
もう少し、上手く組み立てられなかったのかなぁと、ちょっと残念です。
# 1周目のプレイでは、設定が全然語られませんから。

音声やシステムにもやや問題があったり、整合性など丁寧さにも欠けて、
ちょっと勿体ない印象が強いです。もう少し、丁寧にきっちり作って欲しい
ところですね。
とりあえず、プレイする時は1周目はなんとか耐えて下さい。このゲームは、
2周目からが本番ですので。……まあ、2周目以降も、ちょっと説明が追加
される程度ではありますが……。

ちなみに、パッケージとかオープニングデモをみると、ほのぼのラブコメな
内容を想像しがちですが、実際は結構ダークですので、ラブコメ好きな人は
ご注意を。エンディングによってはかなりヘコめます。

最後に。「トレイ顔とを立てて落ちた」……「トレイが音を立てて落ちた」と
書きたかったんでしょうけど……(^^;


このゲームのジャンルは「ミスディレクションビジュアルノベル」なわけですが、
これって「ラブコメものだと思わせてダークな作品を買わせる」という意味なの
でしょうか。……よーするに、詐欺?(^^;



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