まほこい〜エッチな魔法で恋×濃しちゃう〜
ブランド名 アトリエかぐや ジャンル AVG
発売日 2004.02.27 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(152x225x41mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 1.23GB(DVD-ROM)
原画 choco-chip シナリオ 神無月ニトロさんきち
もみあげルパンR速水漣
音声 女性のみフルボイス、北都南、鳩野比奈、萌木唯、金田まひる、青山ゆかり、乃田あす実
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 30箇所 なし
おまけ CG鑑賞、シーン再生、音楽鑑賞
対象属性 魔法少女、萌え、純愛、陵辱、触手、黒髪、ストレートロング、お兄ちゃん、ショートカット、
幼なじみ、オーバーニーソックス、触角、母乳、女教師、リボン、ボブカット、ヘアバンド、
天然娘、ストッキング
1プレイ時間 2〜4時間 お奨め度 6

レビュー
概要
父親の仕事の都合で、義妹とともに3年ぶりに故郷の街に帰ってきた主人公。
幼なじみと再会し、新しいクラスメイトも交えて引っ越しの片づけをしていた。
そして、ピザをとろうとして間違えて(?)マジカルデリバリーサービスに電話し、
半熟魔法少女を注文してしまう。やってきた魔法少女・ショコラは、着地に
失敗して天井に穴を開けてしまったため、魔法でそれを修復しようとする。
しかし、魔法は暴走し、そこにいた女性達はみんな魔法少女になってしまう。
さらに、主人公も呪われてしまい、2週間ほどで人ではなくなってしまうという。
助かるためには、女の子達を特訓して完熟魔法少女にし、呪いを解いてもらう
しかない。しかし主人公は、呪いで女性とエッチなトラブルを引き起こしてしまう
体質になっていた。果たして主人公は、女の子達を特訓して、無事元の身体に
戻ることが出来るのか……という、マジカルエッチアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

沙倉日菜乃(さくらひなの)。(CV:金田まひる)
主人公の義妹。大人しく控えめでちょっぴり人見知りだが、お兄ちゃんのことを
大事に思う優しいいい娘。

鳴瀬葵(なるせあおい)。(CV:萌木唯)
主人公の幼なじみ。日菜乃とともに、主人公と義兄弟の誓いを交わした(笑)
魔法少女のクセに格闘戦を挑む、近距離戦闘型魔法少女。
逃げ足とお金の計算は速い(笑)

望月茜(もちづきあかね)。(CV:鳩野比奈)
主人公と同じ転校生。他力本願がテーマ(笑)
頭の触角がトレードマーク。触角を3本にしても圏外らしい(^^;
とっ散らかってるわりには、妙なところで現実的な魔法少女(笑)
# 「食べるなら痛くないようにして」……負け根性旺盛な魔法少女(笑)

ショコラ・デ・カプチーノ。(CV:北都南)
マジカルデリバリーサービスで届いた魔法少女。魔法を暴走させて、主人公が
呪われるハメになった張本人。明るく元気で前向きな女の子。

蒼摩綾(そうまあや)。(CV:乃田あす実)
主人公たちの担任教師。優しく温厚な性格だが、威厳がなく、誰も言うことを
聞いてくれない。おっとりぽわぽわした天然さん。
子供の頃は、ワニになりたかったらしい(笑)
# 「気を取り直して次はタコになりたいと思ったの」……どうにでもして(^^;

神城夕姫(かみしろゆき)。(CV:青山ゆかり)
主人公の幼なじみで、葵の友達。無口で口べた。人付き合いが苦手なため、
なかなか友達出来ない。感情表現に乏しく何を考えているのかよくわからない。

絵の方は、とても可愛らしい絵柄。イベント絵はとても綺麗で可愛らしく、
魅力たっぷりです。ただ、立ち絵とイベント絵でちょっと雰囲気が違うのは気に
なります。それに、イベント絵もシーンによっては異常に幼く見えることもあり、
ちょっと安定していない感じですね。
CGの処理は綺麗で丁寧。ポップで明るい雰囲気を醸し出しています。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてころころ変わり、
目パチあって、感情移入度は高めです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。中でも幼なじみの葵と転校生の茜は、
なかなか愉快な奴です。もちろん、トラブルメーカーのショコラや、義妹の
日菜乃もみんないい味出してますし、サブキャラクターも魅力的です。
夕姫が可愛すぎ(T_T)
# イブは二人っきりでそりゃあもうイチャイチャしてやるぜ作戦(笑)

音声は、どうも今ひとつキャラとマッチしていない印象が。しばらく聞いて
いれば慣れるレベルではありますけど、最初はちょっと違和感がありました。
ショコラや茜は合っていると思いますが。
演技の方は特に問題なし。ただ、葵は元気キャラの割にはちょっぴり迫力に
欠ける気はしましたけど。
それと、音声にはピー音が入っているのですが、「ん」の所に絶妙に消しが
被さっているため、ほとんどまる聞こえ状態です。

音楽は、明るくポップでほのぼのした曲が多め。基本的に明るい雰囲気の
作品ですので、よく雰囲気が出ていると思います。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや移動場所・選択肢
決定はキーボードで可能です。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常時も、ホイールでのメッセージ送り、音声の再生は可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は比較的軽快。

セーブ箇所は30箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルとシーン画像が保存されます。
数としては、エンディングやイベントの数は多いものの、ほぼ同時攻略が可能な
ため、これだけあれば足りる感じですね。

システムは移動場所選択+選択肢決定型のアドベンチャー。
移動場所選択は、カーソルを合わせると誰がいるのか表示されるため、空振り
することはありません。ちなみに、誰もいない所でもアイテムが手に入ることが
あるのですが、アイテムがあるところは、カーソルを合わせるとマップの一部が
光るので、判るようになっています。
ヒロインはそれぞれ完熟度のパラメータを持っていて、これが5つそろうと完熟
魔法少女となることができ、ゲームは「恋ルート」に進みます。
一方、主人公はダークポイントというパラメータを持っており、選択肢の結果に
よって、これが増えていきます。これが6つ揃うと主人公は闇に飲み込まれ、
ゲームは「濃ルート」に進みます。
「濃ルート」では、持っているアイテムによってシナリオが追加されます。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が3年ぶりに故郷に帰ってきて、魔法少女の呪いを受ける
ところから始まります。主人公は、約2週間で人間ではないものになってしまう
ということで、魔法少女となってしまった義妹と幼なじみ、クラスメイトと、元凶で
ある半熟魔法少女の4人を特訓し、完熟魔法少女にして、呪いを解いて貰おう、
という話です。

前半はコミカルでエロエロな展開が続きます。エッチなトラブルを引き寄せる
体質になってしまった主人公が、半熟魔法少女達と一緒に行動するため、
当然トラブルが発生します。

会話はとてもコミカルで、各所にパロディが盛り込まれています。
「燃えろ私のコスモ!!」……若年層にはいまいちピンと来ないかけ声(笑)
# セブンセンシズの覚醒(笑)
##はじめの○歩がトレーニングテキストの主人公(笑)

後半は、大きく「恋ルート」と「濃ルート」に分かれます。
「恋ルート」は、その名の通り純愛ラブラブなシナリオで、ヒロインの誰かと結ば
れた主人公が、色々な問題を乗り越えつつ、お互いの気持ちを更に深めていく
という展開になります。こちらのルートは甘ったるいラブストーリーで、シナリオに
よっては破壊力絶大な萌え萌えバカップル状態になります。
葵や茜はかなり破壊力デカかったです。
ショコラシナリオなんかは、ちょっぴりほろっとするような展開もあって、なかなか
良かったです。

「濃ルート」は、「恋ルート」とはうって変わって、凌辱ドロドロのダークな展開に
なります。「恋ルート」がほとんど純愛系の普通なHシーンしかないのに対して、
こちらは異常なHのオンパレード。基本は触手攻めで、それ以外にも魔法を
使ったりアイテムを使ったり、普通ではあり得ないシーンの連続。
ストーリー性なんてほとんどなく、ひたすら凌辱するだけです。
最後も救いのない終わり方……というか、バッドエンドになります。
# スタッフロールは流れません。

特筆すべきはキャラクター描写の巧みさ、会話の面白さでしょうか。
主に「恋ルート」ですが、ヒロインとの会話やヒロイン同士の会話もコミカルで
とても面白く、また萌えることも出来ました。中でもいい味を出していたのが
クラスメイト達。愉快な奴らばっかりで、会話がとても楽しかったです。
ただ、シナリオによっては個別ルートに入ってからは他のヒロインがほとんど
出てこなくなったり、クラスメイトが出てこなかったりもしますけど。

全体を通して、日付の扱いがちょっと微妙ですね。24日で学校終わりと言って
いるシナリオがあれば、25日も出ているシナリオがあったり、もう10日以上前の
ことを「昨日」と言ったり。まあ、それ程気にする必要はないかも知れませんが。

そして、もっとも気になったのは、主人公の呪いとか、女の子達が魔法少女に
なったこととか、ゲームの最初と最後でかなり設定……というか、意味合いが
違っていること。主人公が2週間で人間ではないものになってしまうという話も、
期間がずるずる延ばされるため緊迫感がないですし、あるシナリオでは女の子
達は普通の人間に戻りますが、別のシナリオではそのままだったりと、当初の
目的が変わってしまっています。
そのため、ストーリーに一貫性がなく、今ひとつ感情移入は出来ませんでした。
うやむやのうちに、都合良く誤魔化されてしまった気がします。
そもそも、魔法少女が来たら、魔物が現れるというのが当たり前のように通用
しているのがなんとも(^^;

H度は高め。「恋ルート」は純愛系のシーンがほとんどなのですが、各キャラ
複数回用意されており、描写も濃いめで尺もそこそこ用意されています。
シチュエーションやバリエーションはあまり幅がありませんけど、見ていて頬が
ゆるむような萌え萌えなシーンが多く、なかなか良かったです。
「濃ルート」の方は、その名の通り濃厚なシーンの連続。ただ、殆どのシーンは
触手が出てきて、内容もいたぶるような凌辱が殆どで、見ていてあまり楽しい
ものではありませんでした。
そして、「濃ルート」では持っているアイテムによって追加シーンが用意されて
いるのですが、それが結構短く、ちょっとあっけなく感じました。
さらに、アイテムで銀の鍵・金の鍵を持った状態で濃ルートに入ると、途中で
「地獄の同意書」というものが現れ、その内容に同意すると、よりエスカレート
した行為を見ることが出来ます。
こちらは「濃ルート」の中でもとりわけ酷い凌辱で、腹が膨らむまで空気浣腸、
気絶するまで鞭打ちなどが平然と出てきます。中でも最強(最凶・最狂)なのが、
魔法で乳首を肛門に替えた浣腸プレイ。 ありえない。
「魔法ならではの常識を超えたエッチシチュエーション満載!!」……超えすぎ
です。もはやぶっちぎってます(^^;
ですので、耐性のない人は、「地獄の同意書」には同意しないことをお奨め
します。そもそも触手の苦手な人は、「濃ルート」自体キツいでしょうけど。

テキストは、誤字もさほど目に付かず、禁則等にも気を遣ってある読み易い
テキストだと思います。ただ、茜の髪型を「触覚」と書かれているのですが、
これは「触角」ではないでしょうか(^^;
# 感じるの?(^^;
プレイ時間・難易度
ゲームは11月5日の金曜日から始まります。
ゲーム期間は約2週間……のハズが、シナリオによって2ヶ月弱引っ張ります。
まあ、最初は1日ずつプレイしていくものの、「恋ルート」に乗ってからは、何か
イベントのある日だけをプレイするだけですし、「濃ルート」に至っては、日付の
経過がありません。

ワンプレイは2〜4時間。どれだけのイベントを起こすかにもよりますが、
最短で「濃ルート」に入った場合は2時間弱、出来る限り全てのイベントを
見つつ、「恋ルート」に入った場合は4時間強、というところでしょうか。
まあ、プレイし易い長さだと思います。

難易度はやや低め。「恋ルート」は狙ったキャラクターと会い続けていれば
OKですし、「濃ルート」もダークポイントを5つ集めた状態で、狙ったキャラと
逢った時にもう1つ増やせばOKですので、苦労することはないと思います。
ただ、コンプリートするためにはアイテムを全て集めた状態で「濃ルート」に
入る必要がありますし、サブキャラのルート見つけるのはちょっと手こずる
しれません。
ちなみに、期間はたっぷりありますので、4人を同時に進めることも可能です。
まあ、「恋ルート」に関しては、個別ルートに入ってからも長いので、同時攻略
といっても、あまり時間の短縮にはなりませんけど。
総評
お奨め度は……難しいですね(^^;
「恋ルート」は、甘ったるいラブラブストーリーがメインで、バカップルぶりは見て
いて微笑ましくなるほどですので、純愛ラブコメ萌え萌えストーリーが好きな人に
お奨めです。
「濃ルート」は、触手をメインとした凌辱の嵐で、銀の鍵・金の鍵を集めた時に
見られるシーンは普通にはあり得ない、魔法物ならではの凌辱シーンの連続で、
触手好き・凌辱好きの人にはお奨めできるかと思います。
ただし、基本的にいたぶるような凌辱がメインですので、ちょっと対象範囲は
狭い感じですけど。

問題は、この2つの相反するルートが混在していること。これによって、純愛
好きな人にも、凌辱好きな人にもお奨めしづらい作品になってしまってます。
純愛好きで凌辱苦手な人は、「濃ルート」はとても耐えられないと思いますし、
触手大好き凌辱上等な人は、「恋ルート」は退屈で、見ていてむず痒いかも。

絵柄がとても可愛らしく、そういうキャラが凌辱されるのを見てみたいという
人も多いのかも知れませんけど、やはり純愛ラブラブな展開の方が雰囲気に
合っていると思います。
そういう作品を求めている人にとって、嫌悪する対象とも言える凌辱シーンを
持ってくることで、わざわざ手に取る人を減らしているような気がします。
もっと作品の方向性をきっちり決めた方が、プレイするときに安心できると
思うのですが。

それと、先にも書きましたが、話の最初と最後で、主人公の呪いや魔法少女
達の考え方が変わっており、これも作品の一貫性のなさに拍車かけている
ように感じます。あまりにご都合主義で、今まで何のために頑張ってきたのか
わからないような感じで、プレイしていて今ひとつ報われません。

「魔法」という設定を使うことによって、純愛好きと凌辱好きの両方を満足
させようという意欲作なのかも知れませんが、私にはどっちつかずでどちら
からも敬遠されかねない、勿体ない作品に思えます。

お奨め度は 6 としていますが、「恋ルート」だけを抜き出した場合、純愛
好きな人に対してはお奨め度 8 は付けてもいいでしょう。
「濃ルート」だけを抜き出した場合、凌辱好き、かつ触手好きな人になら、
お奨め度 7 ぐらいでしょうか。
それぞれのパートはそれなりに評価できます。ただ、作品全体としてみると、
どうしてもお奨めはしづらいんですよねぇ。
純愛好きで、かつ凌辱・触手好きな人になら、お奨め度 7 付けてもいいと
思うのですが。

それぞれのルートや各イベントを見れば、なかなか良くできていて面白いの
ですが、相反する2つの要素を合わせてしまったために、結局どっちつかずに
なってしまったような印象があります。ちょっと残念です。

最後に。「ちょっと……これ、いろいろキツい……」(笑)
# 魔法「少女」?(笑)


茜シナリオのオチはちょっとねぇ。いくらなんでもやりすぎな気が。
本気で殺意を抱きそうになりました(^^;

「ちょっとエッチな喫茶店に入ったりとか、最終電車まで痴漢したりとか」
……それ、反則です(笑)



ロビーに戻る  レビュートップに戻る