まじぷり-Wonder Cradle- | |||
---|---|---|---|
ブランド名 | PurpleSoftware | ジャンル | アドベンチャー |
発売日 | 2004.05.28 | 定価 | \9,240 |
パッケージ | 紙製パッケージ(168x231x40mm) | マニュアル | B6ブックタイプ |
DISC容量 | 2.94GB(DVD-ROM) | ||
原画 | 岩崎考司 | シナリオ | 山田光一郎 |
音声 | 女性のみフルヴォイス、 海原エレナ、春日アン、紫華すみれ、一色ヒカル、金田まひる、如月美琴、AYA |
||
インタフェース | ややキーボード操作可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 90箇所+クイックセーブ3箇所 | 歌 | あり(2曲、OP・ED) |
おまけ | CG鑑賞、シーン鑑賞、音楽鑑賞、なぜなにまじぷり | ||
対象属性 | 萌え、コメディ、感動、純愛、ギャグ、魔法少女、義妹、お兄ちゃん、触角、ボブカット、 犬耳、カチューシャ、スクール水着、ポニーテール、リボン、体操服、ブルマ、白衣、 ストレートロング、猫耳、しましま、ショートカット、緑髪、ウェイトレス、エプロンドレス、 メイド服、お姉ちゃん、赤髪、ツインテール、オーバーニーソックス、女教師、紫髪 |
||
1プレイ時間 | 9〜12時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
主人公は白羽学園に通うごく普通の学生。ある日通学途中に自動販売機が 暴走して困っている女の子に出会った。その女の子は転校生で、主人公の クラスに編入してくる。そして、トラブル続きのドタバタな毎日が始まる…… という、ドタバタラブコメアドベンチャー。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 姫川未亜(ひめかわみあ)。(CV:春日アン) 主人公の従妹。主人公がずっと世話になっている家の娘で、妹のような関係。 主人公のことを「おにいちゃん」と呼び、慕う。主人公に対して、恋愛感情を 抱いている。昔、虐められていたこともあり、ちょっと控えめで大人しい娘。 恥ずかしがり屋で、恥ずかしくなるとスカートをにぎって振り振りする。 料理が好きで美味しい料理を作るが見た目が酷い。カレー味が大好きで、 どんなものでもとりあえずカレー味にしようとする。頭に犬耳を装備。 八重崎歩(やえざきあるく)。(CV:紫華すみれ) 通称・アルク。未亜達にはアルちょんと呼ばれる。 未亜の親友で、未亜ファンクラブの会長。未亜のことが大好きで、ふとした 拍子に萌えてしまうと暴走する。未亜絶対主義者。 未亜以外の人に対しては尊大な態度を取る、無礼が服を着て歩いている ようなヤツ。うさぎ耳の悪魔。 姫川茗子(ひめかわめいこ)。(CV:如月美琴) 未亜の母親で、主人公の叔母。自宅の1階で喫茶店「エールブラン」を経営 しているパティシエール。おっとりのほほんとした穏やかな性格で、物知り。 「なるほど」が口癖。 立石恵梨華(たていしえりか)。(CV:金田まひる) ピチピチフィッシュバーガーの店員。ただし、注文はことごとく間違える。 言葉を略すのが好きで、その略し方も文章の頭文字だけのため、意味不明。 「N.M.Y」→「なんか、マジ、ヤバい」みたいな。わかるかっ。 北島空(きたじまそら)。(CV:一色ヒカル) エールブランでバイトしている女の子。主人公の1つ年上で、主人公や未亜に 自分のことを「おねーちゃん」と呼ばせたがる。まったりのんびりした性格で、 「まう〜」が口癖。あらゆる擬音が「まう」で表される。 # ものを食べるときまで「まうまうまう」。 ##「まうまう」だと別物になりそう。 放送部所属で、昼休みに「昼ドキッ! おねーちゃん」という番組を放送している。 アイスが大好きで、アイスをおかずにご飯を食べる。 頭の中は、常にハッピー(笑) 明日葉有里(あしたばゆうり)。(CV:海原エレナ) 主人公と自動販売機の前で出会った転校生。明るくハキハキとした女の子で、 とてもノリがいい。口癖は「死にっさらせ」。……物騒なヤツである。 # 赤ん坊言葉の「ちにっちゃらちぇー」は激萌え。 桜朱鷺乃(さくらときの)。(CV:AYA) 主人公のクラスの担任。主人公の事を気に入っている。面倒くさがりでズボラ。 細かいことは気にしないおおらかな性格。つまり大雑把。酒好き。お祭り好き。 絵の方は、めっちゃめちゃ可愛いらしい萌えな絵。いや、すげぇ好みなもので。 ちょっと幼い感じの丸みを帯びたらぶりーな絵柄です。 CGの処理も綺麗で、明るい色遣いが可愛らしさを際だたせている感じです。 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてころころ変化する ため、見ていてとても楽しいです。特に、リボンや犬耳などもぴょこぴょこ動く のが、コミカルでいいですね。 キャラクターは個性豊かな面々揃い。もはや、個性豊かと言うより、アクが 強いと言った方がしっくり来るかも。一癖も二癖もあるようなキャラばかり。 しかも、どのキャラももれなく「イタい」というのが特徴。おやすみの挨拶に 「グンニャイ♪」などとのたまう犬耳妹や、「まう」だけで全ての感情を表現 しようとする自称おねーちゃん、未亜と組んずほぐれつすることしか考えて いない殿様女、何でも略す頭文字女、面倒が大嫌いの破天荒教師、どんな ことでもとりあえず「なるほど」と言っておく自称物知り有閑マダムなどなど。 「死にっさらせ」が口癖の自動販売機破壊暴力女が一番マトモに見える程の ステキキャラクター達です。もちろん、主人公も例に漏れず、「妹パンツ」や 「犬ッ娘ワンワン」などとのたまうイタさ加減。そんなキャラクター達が繰り 広げる会話はもはや摩訶不思議アドベンチャー。胸ワクワクの愛がぎっしり、 世界でいっとーイカしたドラマです。 音声はキャラクターとのマッチングもよく、演技の方もばっちりです。 強烈な個性を放つキャラばかりで、喜怒哀楽もかなりはっきりしているキャラが 多いのですが、どのキャラもそれがきっちり表現されていて素晴らしいです。 特に有里は、大人しいときとうるさいときのギャップが激しく、突っ込みなんかは やりすぎというぐらいです。お子さま言葉なども難なくこなし、見事の一言。 音楽は、ほのぼのとしたコミカルな曲と、静かで切ない感じの曲が多め。 清涼感溢れるクリアなサウンドで、単体で聴いても十分通用する、完成度の 高い曲だと思います。 ゲームを開始すると、5時間程度にも及ぶプロローグの後に、オープニング アニメーションが流れます。……いや、この時点でシナリオの分岐も終わって いる状態ですので、第一章とでも言うべきでしょうか。 歌は明るくポップなノリのいい曲で、清涼感に溢れていて聴きやすいです。 絵の方も、結構きっちりアニメーションしていて良く動いており、見応えが あります。ただ、本編の絵とはちょっと雰囲気違いますけど。 エンディングはちょっと切ない、染み入ってくるような歌。 明るい曲の方がすっきりするかな? とも思ったのですが、落ち着いた感じで 余韻が残り、これもなかなかいいですね。 |
システム |
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、バック ログなどはキーボードで操作可能ですが、各種メニューの操作はキーボードでは 出来ないようです。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 通常のメッセージ送りもホイールに対応しています。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は軽快。 スキップ動作も高速です。 セーブ箇所は90箇所+クイックセーブ3箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付が保存されます。 数としては、選択肢の数はそれほど多くなく、オープニングが流れるときには もうシナリオの分岐が完了している状態ですので、これだけあれば充分でしょう。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。 ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは、主人公が有里と出会い、有里が転校してくる所からはじまります。 ……いや、そこまでに1時間ぐらいはかかるんですけど。 そして、ドタバタな毎日を繰り広げているうち、大きなトラブルが発生し、 それを境にストーリーが動き出す……という感じです。 前半から中盤にかけてはドタバタコメディで進みます。個性豊かなキャラクター 達が繰り広げるドタバタ劇は、まさに「ドタバタ」で、あまりのドタバタっぷりに プレイしている方が置いて行かれそうなぐらいです。 登場人物は、みんな頭のねじが何本か飛んでいるような感じで、テンションが 高く、意味不明な言葉が飛び交い、もはや乱痴気騒ぎ状態。 そして後半、今までののーてんきでおバカな雰囲気とは一転して、シリアスで 切ない展開。このパートはキャラクターの感情描写が見事で、とても感情移入 しやすかったです。まあ、キャラクターが突飛なため、展開も唐突なのですが、 それでもぐいぐいと引き込むぐらいの力のあるシナリオでした。 最後は全てすっきりハッピーエンドという感じで、プレイ後の気分は爽快。 はっきり言って、ご都合主義で、展開も読めまくりなのですが、それでも感動 出来るという、なかなかいい終わり方だったと思います。 特筆すべきはなんと言ってもキャラクター達。個性豊かで様々な口癖や行動の 数々は、あからさまに「萌えろ」と言われているかのよう。これでもかと言わん ばかりの萌えキャラ設定は、もはや清々しさを覚えます。ちょっとイタいのが 玉に瑕ですけど。 特に主人公は、これだけ個性豊かなヒロイン達と対等に話が出来る程の人物 ですから、その破天荒さと言ったら凄いです。もはや異次元ストーリー。 まさに、登場人物はみんな異次元の天使です。熱い電波をキャッチしまくり。 H度は並。各ヒロインとも複数回用意されており、シチュエーションも様々。 尺の方はややばらつきはありますが、そこそこ用意されています。描写の方も ちょっとばらつきはあるものの比較的濃いめ。ただ、純愛系のHで、どちらかと いうと萌えを重視したような感じですので、淫靡さはそれほど感じられません でした。ただ、可愛らしさやいじらしさなどは良く出ていたかと。 テキストは、誤字はそれほど目立ちませんが、普段滅多に目にすることのない、 一見誤字かと思えるような表現が結構使われていて、ちょっと戸惑うことも。 「対したヤツだ」とか「即行」とか「分捕る」とか。いや、「対した」は誤字ですが。 あと、キャラクターがみんなテンションが高く、一癖も二癖もあるヤツらばかり ですので、セリフも当然テンションが高く突っ走った物が多いです。 なので、ちょっと肌に合わない人もいるでしょうし、油断しているとすぐに置いて 行かれるぐらいの走りっぷりです。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは10月1日の日曜日から始まります。ゲーム期間は約1ヶ月。 基本的に1日ずつプレイしていく形ですが、最後の方は日が飛ぶこともあります。 ワンプレイは10〜12時間。シナリオによってやや差がありますが、総じて結構 長いです。前半は共通部なのですが、後半は完全に個別シナリオとなっており、 そこだけでも5〜6時間はあるため、コンプリートしようと思ったら、かなり時間が かかります。 ちなみに、全エンディングを見ると「なぜなにまじぷり」が見られるようになるの ですが、これは期待しないように。あまりに短く、あっけないです。 これだけ時間をかけてクリアしたご褒美がこれかよ、という感じですね。 難易度はやや低め。選択肢はそれほど多くなく、前半で明確にシナリオが分岐 するため、わかりやすいです。ただ、キャラによって優先度があるのか、1つ 選択肢を間違えると別のキャラのシナリオに入ってしまったりすることはある ので注意。一番調整しづらいのは、前半ほとんど出番のない恵梨華でしょうね。 どう選択すればいいのやら、という感じで。 |
総評 |
お奨め度ですが、ドタバタコメディが好きな人にお奨め。キャラクターの個性は リミットを軽くぶっちぎった突き抜けっぷりで、テンションもメーター振り切る勢い です。そんなキャラクター達の掛け合いは面白く、油断すると置いてけぼりを くらいそうなぐらいです。 しっかりキャラクターが立っていて、みんな活き活きとしています。 そして、後半はシリアスで切ない展開に早変わり。ラストはどのシナリオも かなり感動的で、展開は読めているのに泣けるぐらいです。 心情描写が巧みで、感情移入もしやすく、プレイ後も気分爽快です。 問題は、頭のねじが飛んだかのような、あまりにも突き抜けたキャラクター そのものでしょう。ほとんど暴走しているかのような会話は、人によっては かなり苦痛だと思いますし、好きな人ですら置いて行かれそうなぐらいです。 しかも、冷静に考えてみるとほとんど内容がなく、ただドタバタしているだけ という。ですので、一歩引いて見てしまうと、やや面白みに欠けます。 ギャグも爆笑できるというものはほとんどなく、どちらかというと苦笑が出る ようなものが多くて、これも人によっては全然合わないでしょう。 これが、全体の8割ぐらいを占めるので、プレイしていて疲れます。 もう少しこのパートは短めにしても良かったような気も。まあ、ドタバタ好きな 人にはたまらないのかも知れませんが。 ただ、ラストの1時間ぐらいは、どのシナリオも面白かったです。基本的に私が 大好きな展開だったというのもあって、やられたなーという感じ。 ええ、だくだく泣きましたとも。前半のドタバタからは考えられないぐらい、 すっきりとした綺麗なまとめ方で、気持ちよかったです。 アクの強いキャラクターややたらテンションの高いシナリオ、これでもかと 言わんばかりの萌えの押しつけなど、かなり人を選ぶ作品だとは思いますが、 ラストの展開は目を見張る物があり、王道でお約束な展開の読みやすい話で ありながら泣けるという、そのシナリオの力には感服。願わくば、もうちょっと こういうパートを増やして欲しかったな、というところ。 前半から中盤にかけてだけだったらお奨め度 5 ぐらいなのですが、ラストの これを見せられては、そうもいきません、という感じ。 プレイするときは、前半のイタさに苦痛を感じても、なんとか我慢して最後 までプレイしてください。そこにこそ、このゲームの真価があると思います。 ……頑張って全キャラクリアした、そのご褒美の「なぜなにまじぷり」がこれ というのはちょっと切ないですが(^^; キャラクターも可愛らしく個性豊かで、感情描写も優れている、兎にも角にも キャラクター先行な作品でした。ですので、キャラクターが気に入った人は 是非どうぞ。未体験萌えゾーンに突入できることでしょう。 最後に。K.N.G。←かなり、長い、ゲーム(笑) ゲームのテンションが高かったので、レビューのテンションも無駄に高くなって しまいました。読みにくくてすまん(^^; # I.R.S。←意味不明な、レビューで、すまん(笑) |