巫女舞〜ただ一つの願い〜
ブランド名 etude ジャンル AVG
発売日 2004.11.26 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(165x230x38mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC 1 : 630.3MB、CD-DAなし
GAME DISC 2 : 627.5MB、CD-DAなし
Privilege Sound Track CD : CD-DA=595.8MB、CD-DA29トラック
原画 植田亮 シナリオ 伊藤光司、草里マア、秋史恭、
健速、九頭竜坂瞬
音声 あり、神村ひな、霜月のどか、武田美緒、成瀬未亜、北都南、清瀬純
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所+クイックセーブ1箇所 あり(2曲、OP・ED)
おまけ 画廊(Garllery)、回想(Reminiscence)、音楽(Music)
対象属性 巫女さん、巫女装束、幼なじみ、ボブカット、リボン、ポニーテール、黒髪、ピンク髪、
ツインテール、オーバーニーソックス、和服、着物
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 6

レビュー
概要
故郷の村を通る電車が廃線になるということで、最後の記念にと10年ぶりに
故郷を訪れた主人公。しかし、手違いで泊まる場所を確保し損ない、途方に
暮れていた。そこに、偶然幼馴染みの夏希がやってきて、夏希が住み込みで
働いている神社に居候させてもらえることになる。そこで、祭りの手伝いを
しつつ過ごすうち、懐かしい記憶を思い出す。果たして主人公は、この村に
何を遺すのか……という、ノスタルジックアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

美坂夏希(みさかなつき)。(CV:神村ひな)
主人公の幼馴染み。神社に居候して巫女として働いている。
明るく元気いっぱいののーてんき娘。いつもテンション高めで、何をするにも
体当たり。大雑把でドジ。

橘琥珀(たちばなこはく)。(CV:武田美緒)
神社で働く巫女さん。堅物で生真面目。主人公に対しては冷たくあたる。
剣道の腕は一流。

風見久音(かざみひさね)。(CV:成瀬未亜)
神社の娘で、巫女さん。おっとりぼけぼけしていて、自分の意見というものを
ほとんど持たない。

風見久奈(かざみひさな)。(CV:北都南)
神社の娘で、久音の妹。おませで傍若無人。久音と一緒にいることが多く、
久音をいいように使う。

大澤茜(おおさわあかね)。(CV:霜月のどか)
神社で働く巫女さんで、駄菓子屋も切り盛りしている。明るく活発な女の子で、
お金に関する処理能力が高い。

絵の方はやや個性的な、でも可愛らしい絵柄。目がまん丸という印象があって、
ちょっぴり愛嬌がある感じですね。
CGはやや淡い色遣いが雰囲気を醸し出していていいですね。ノスタルジックな
印象を与えてくれる感じです。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともあり。変化はアクションが大きく、会話に
あわせてころころ変わるので、感情移入しやすいです。

キャラクターは明るく元気なキャラが多めで、おっとりのほほんの久奈と、
真面目一直線の琥珀がちょっと雰囲気違いますね。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も良好。
夏希は最初いっぱいいっぱいな印象を受けましたけど、しばらくプレイして
いると、すぐに慣れました。

音楽は静かで切ない曲から明るく楽しいコミカルな曲まで幅広く用意されて
います。どの曲も非常に綺麗なメロディとクリアなサウンドで聴き心地が良く、
シーンの雰囲気ともよくマッチしています。曲数も豊富に用意されており、
とても聴き応えがありますね。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はゆったりとしながらも力強い歌で、なかなか聞き応えがあります。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。シーン紹介というより、舞台
紹介と言った方がいいかも。キャラはほとんどいなくて、背景ばかりです。

エンディングも歌あり。こちらもゆったりとした曲で、穏やかな雰囲気が漂う
しっとりした歌ですね。エンディングの雰囲気を盛り上げてくれます。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は80箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付が保存されます。
数としては、選択肢はそこそこありますが、それほどセーブ/ロードは必要ない
かと思いますので、これだけあればなんとかなるかと。

システムは選択肢決定型+移動場所選択型のアドベンチャー。
移動場所選択も、誰に会いに行くかを選択するタイプで、特に悩むことはない
でしょう。
あと、特定の条件を満たすと、シナリオが増えるようになっています。見逃さ
ないように注意。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は変更可。呼びかけは「きみ」「あなた」「ねぇ」など工夫されて
いて、違和感はないです。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、主人公が久しぶりに故郷の村に帰ってくる所から始まります。
泊まる所がなく途方に暮れている所に幼馴染みの夏希が現れ、一週間後に
行われる七夕祭りの手伝いをするかわりに居候させてもらえることになる。
そして祭りの準備をしつつ、女の子達と交流していく……という感じ。

前半は明るく楽しい雰囲気で進みます。元気いっぱいなキャラクターが多く、
会話もコミカルでなかなか楽しいです。

中盤以降は祭りで披露される「巫女舞」に関する話や、各ヒロインの抱えて
いる問題などが表に出てきて、ちょっとシリアスな雰囲気が流れます。

後半はその問題等を解決し、主人公の過去や、村の秘密などに迫る、若干
ミステリー調な雰囲気になります。

ラストはほのぼのとした温かい終わり方……かと思いきや、最後の最後で
結構ダークな雰囲気になったりすることもあるので注意。
最後まで油断は出来ません(^^;

H度は低め。各ヒロインとも1回のみで、描写の方もあっさりめ。
そこまでのプロセスを重視した感じですね。その割には取って付けた印象が
あったりしますけど。
内容は純愛系のノーマルなものばかりで、やや面白みにも欠けるかも。

テキストは、誤字等はほとんど気にならず、テンポの良いテキストで、読み易い
と思います。ただ、テキストでは「なっちゃん」と書かれているのに、音声では
「夏希」だったり、若干音声との不整合は見受けられました。
プレイ時間・難易度
ゲームは7月31日からはじまります。厳密にはその1日前からですけど。
ゲーム期間は2週間弱。1日ずつプレイしていくタイプです。

ワンプレイは5〜6時間。前半はやや長めに感じましたが、後半は話に引き
込まれるような感じでしたので、それほど長くは感じませんでした。

難易度はやや高め。選択肢の数はそれほど多くはないのですが、フラグは
結構シビアなようで、選択肢を1つ間違えただけでクリアできなくなることも。
しかも、あまり重要そうに見えない選択肢が実は鍵になっていたりします
ので、ちょっとやっかいです。さらに、攻略に成功しているかどうかは後半に
ならないと解らないため、無駄に何度もプレイさせられる可能性があって、
ちょっと辛いですね。
総評
お奨め度ですが、ちょっぴり伝奇的な雰囲気の漂う、ノスタルジックな純愛
作品が好きな人にお奨め。
あまり大きな盛り上がりはなく淡々と進む感じですが、まったりとした
雰囲気がなかなか心地よく、プレイしやすいと思います。
ただ、ラストで結構キツい展開になったりもしますので、油断は出来ないの
ですが。

それと、巫女さん好きな人にもお奨め……と言いたいところですけど、あまり
巫女さんを正面に押し出したような感じではなく、ただ神社で働いているだけ
という印象が強くて、ちょっと勿体ないかなー、と。
あと、タイトルにもなっている「巫女舞」の扱いが今ひとつ弱く、誰が選ばれる
かという部分がさらっと流されているため、ちょっと肩すかしな感も。

あとは、基本的な話の流れはほぼ同じで、各ヒロインの抱えた問題が違うだけ
という感もありますし、最後の最後でいきなり雰囲気ががらっと変わったり、
ちょっと戸惑うこともありました。

まったりとしたノスタルジックな雰囲気はなかなか良く、キャラクターも個性
豊かで会話も楽しいのですが、やや雰囲気に統一感がなく、いきなり話が
飛ぶような印象もあって、やや感情移入しづらかったのは残念です。
設定はなかなか面白いと思うので、もう少し練り込めば、もっともっと良い
作品になったんじゃないかなー、と思うのですが。

でもまあ、独特の雰囲気は良く出ていると思いますし、お話もなかなか面白い
ので、雰囲気が気に入った人は是非。
ちなみに初回限定版のおまけ本は、結構ネタバレが入っていたりしますので、
クリアするまでは読まない方が良いでしょう。

最後に。「あたしと一緒に、七夕飾りの新たな歴史を作らないか?」(笑)
# そんなエキセントリックな七夕飾りは嫌だ(^^;



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