Peace@Pieces
ブランド名 ユニゾンシフト ジャンル 学園@死神候補生ADV
発売日 2004.12.23 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(191x232x43mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.64GB(DVD-ROM)
原画 いとうのいぢ、ぺろ シナリオ 市川環、前田剛、@ピース
音声 あり、安玖深音、まきいづみ、風華、夏野向日葵、金田まひる、
北都南、鈴美巴、Prof.紫龍、富士爆発、宗川梗
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所 あり(3曲、OP・ED・挿入歌)
おまけ CG MODE、SCENE REPLAY、BGM MODE
対象属性 学園物、ドタバタ、ラブコメ、純愛、死神、リボン、赤髪、オーバーニーソックス、
二挺拳銃、お嬢様、ピンク髪、幼なじみ、お兄ちゃん、紫髪、眼鏡っ娘、お団子頭、
シスター、ボブカット、ボクっ娘、ツインテール、ストレートロング、縦ロール、タカビー、
体操着、ブルマ、ショートカット、金髪、触角
1プレイ時間 8〜10時間 お奨め度 7

レビュー
概要
念願叶って教師になった主人公。そんな主人公のクラスに、ある日転校生が
やってきた。その女の子は実は死神候補生で、その子の持つ、魂を無に帰す
銃が、誤って主人公に当たってしまう。それが原因で、主人公は死神や魂を
見る事が出来るようになる。前代未聞のこの状況を見守るため、その死神
候補生は主人公の家に泊まり込み、経過を見守ることになる。そして始まる
ドタバタの毎日。果たして主人公はどうなってしまうのか。その死神候補生の
女の子は、無事死神になることが出来るのか!? ……という、学園恋愛甘甘
コメディ萌シチュエーションえっちあどべんちゃー。ジャンル長いです(^^;
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

百瀬玉(ももせひかる)。(CV:安玖深音)
主人公のクラスに転入してきた、死神候補生の女の子。明るく元気いっぱい。
何をするにも一生懸命で、健気で優しい女の子。でもドジ。通称・ヒカル。

小鳥遊誉(たかなしほまれ)。(CV:風華)
主人公の幼なじみ。大財閥・小鳥遊グループのお嬢様。おっとりほんわかした
女の子だが、居合いの腕は一流。主人公のことを「お兄ちゃん」と呼び慕う。

秋月凪(あきづきなぎ)。(CV:まきいづみ)
主人公が受け持つクラスの女の子。メカ部に所属し、機械いじりが大好き。
やや無口で、感情の起伏にやや乏しい。死神候補生。通称・ナギ。

山田まりりん(やまだまりりん)。(CV:金田まひる)
メカ部所属の女の子。凪のことを慕い、常につきまとう。死神候補生。
正義のマジカル美少女極悪スーパー魔女っこ。

杏(あんず)。(CV:夏野向日葵)
学園にある教会を管理しているシスター。いつも主人公に挨拶をしてくる、
柔らかい雰囲気の女の子。やや引っ込み思案で恥ずかしがり屋。死神候補生。

デス先生。(CV:宗川梗)
死神候補生達の監視役。ぶっきらぼうで厳しいが、死神候補生や主人公のことを
思いやる優しい一面も。

華澤響子(はなざわきょうこ)。(CV:北都南)
遊華総合学園生徒会会長。常にバラを背負っている。華澤グループのお嬢様で、
同じくお嬢様の誉に敵対心を抱く。プライドが高く、自分勝手で我が儘なタカビー娘。

華澤美加(はなざわみか)。(CV:北都南)
遊華総合学園生徒会副会長。響子の双子の妹。姉同様にプライドは高いが、
優しさや思いやりも持ち合わせており、そのせいで姉に振り回されている。

早河忍(はやかわしのぶ)。(CV:鈴美巴)
行くところにバラあり敵なし、泣く子も黙る生徒会三人組の1人。生徒会書記。
恐るべき記憶力と処理能力を持つハイレベルな人材。無口で無感動。機械の
ような精密さで仕事をこなす。

絵の方は、とても可愛らしく、活き活きとした絵柄。元気溌剌な感じがとても
よく伝わってくる、躍動感に溢れる絵柄ですね。輪郭がしっかりと描かれて
おり、パッと見でわかりやすい、印象に残る絵柄だと思います。
CGの方も、原画の雰囲気を活かした、コントラストのはっきりした明るく解り
やすい処理になっていると思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。ポーズ・表情ともにアクションが
大きく、会話に合わせてころころ変わるので、見ていて楽しく、感情移入も
しやすいです。

キャラクターは、明るく元気なキャラと、おっとりほんわかなキャラとに大きく
分かれている感じ。どのキャラクターも個性豊かで活き活きしていて、会話も
とても楽しいです。
杏LOVEー。健気でええ娘や(T_T)
いや、ヒカルもナギも誉もいい娘ですけど。……え? まりりん? ……うん、
元気な娘だよね(笑)

音声は、キャラクターとのマッチングも良く、演技の方もばっちり。
元気な演技と沈んだ演技のギャップもしっかり表現されており、どのキャラも
文句なしです。

音楽は綺麗な旋律の曲が多め。ゆったりとした曲からコミカルな曲まで、広く
用意されていますが、どれもとても綺麗な曲で、単体でも充分聴けますね。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポでノリのいい曲。流れるようなスピード感のある歌ですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、コミカルなデフォルメ
絵も多くて、見ていてとても楽しいです。
それが、曲に合わせてパタパタ切り替わるのは、かなり見応えがあります。
惜しむらくは、歌が結構渋めのボーカルのため、やや絵の雰囲気と合っていない
ように感じることでしょうか。もっと可愛らしい感じのボーカルの方が、雰囲気は
合ったんじゃないかなーと思うんですけど。

エンディングも歌あり。ただし、特定のエンディングだけのようです。
歌の方はしっとりとした落ち着いた曲で、染み入ってくるような感じです。

さらに、ゲーム中の特定シーンで、挿入歌が流れます。静かで切ない、とても
優しい感じの曲。シーンとぴったり合っていて、気持ちが伝わってくるようです。
ただ……ちょっと使いどころ外しているような気も。盛り上がる手前で流れて、
盛り上がりきった時にはもう歌が止まっているので、今ひとつ印象に残って
ないんですよねー。いい歌なのに、ちょっと勿体ないかも。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログは音声の再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はやや遅め。

セーブ箇所は100箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシーンタイトルが保存されます。
数としては、それほど選択肢は多くなく、効果も解りやすいので、これだけ
あれば充分かと思います。

システムは、選択肢決定型のアドベンチャー。途中、移動場所選択もありますが、
これも移動場所を選択肢の中から選択する形になります。各移動場所には、誰が
いるのかも表示されているので、迷うこともないでしょう。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「村上久斗」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、主人公のクラスにヒカルが転校してくるところから始まります。
ヒカルは死神候補生で、学園内の迷える魂を無に帰していたが、誤って主人公を
撃ってしまい、主人公は死神や魂が見えるようになったのでさあ大変。
死神候補生が死神になるための試験をサポートしつつ、ドタバタの学園生活を
送っていく……という感じ。

前半は、明るく楽しくコミカルに進みます。個性豊かなキャラクター達が繰り
広げるドタバタ劇はとても楽しく、キャラクター同士の会話も面白くて、とても
プレイしやすいです。

後半は、各ヒロインの抱えた問題などが表に出てきて、それを解決していくと
いう、ややシリアスな展開。ただ、それほどドロドロすることはなく、比較的
あっさりと解決するので、気分が悪くなったりすることはないでしょう。
ややあっさりしすぎな感はありますけど。

ラストはとてもすっきりした爽やかな終わり方。明るくさっぱり終わるので、
プレイ後の気分は爽快です。

特筆すべきは、なんといってもドタバタの描写と会話の楽しさ。ほとんどの
イベントでヒロインみんなが絡んできます。主人公とヒロインが1対1になって
他のキャラが全然出てこなくなるということはほとんどなく、とても自然に
話が展開していき、プレイしていても違和感がなくプレイしやすいです。

また、各ヒロインはそれぞれ特殊な設定を持っており、それが後半でしっかり
ストーリーに絡んでくるため、話の展開が解りやすく、これもプレイしやすい
要因になっていると思います。

ただ、そういった設定があまり説明もなく突然出てくることが多く、最初は
ちょっと戸惑うかも知れませんね。そもそも、死神候補生がどういった存在
なのかとか、そういう設定が最初は全然説明されないため、ちょっと入り込み
づらいです。

H度はやや低め。各ヒロインとも複数回用意されてはいますけど、本番は1回
しかなくて、あとはお色気シーン程度のヒロインもいます。尺も短めで、描写も
ややライトです。どちらかと言えば萌えを重視した感じで、キャラの可愛らしさを
前面に押し出したような感じです。

テキストは、誤字はほとんど気にならず、テンポも良く読みやすいテキストだと
思います。ただ、やや一文が長い傾向があり、地の文がずっと続くところでは、
若干テンポが悪くなるような印象もあります。まあ、それほど気にはならないと
思いますけど。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。季節の経過で見れば3ヶ月〜半年ぐらいですが、ゲーム
中で明示されることはありません。1日ずつプレイするタイプではなく、途中
何度か日付が飛びます。

ワンプレイは8〜10時間。やや長めの印象がありました。ただ、共通部分が
多く、1度クリアしてしまえばスキップが気持ちよく効きますので、かなり時間は
短縮できると思います。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラクターと会い続けていればOKです。
ただ、他のキャラとも会いつつ進めると、狙ったキャラ以外のシナリオに
入ってしまったりするので注意が必要です。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのコミカルドタバタストーリーが好きな人にお奨め。
キャラクターがとても活き活きしており、会話も楽しく、また設定もしっかり
していて、非常に魅力的です。
ストーリーも、テンポ良くドタバタストーリーが展開され、キャラクター同士の
掛け合いも楽しく、サクサクプレイできるかと思います。

ただ、しっかりした設定はあるものの、それがあまり説明もなく突然出て
きたりするので、ちょっと展開が唐突に感じることもありました。
また、かなり後半まで共通イベントが発生し、ヒロインの個別シナリオに
入った後でも死神候補生絡みの共通イベントが出てくるため、ちょっと話の
流れがおかしくなっている印象はあります。
関係ない共通イベントは、ばっさり切っちゃっても良かったんじゃないかなー、
と思いました。

それと、ラストはすっきり爽やかに終わることが多いんですが、そこに至る
過程はやや強引で、若干ご都合主義な印象もありますので、ちょっと好みは
分かれるところかも知れません。
ラストだけでなく、途中のイベントでも強引な展開はちらほら見受けられます
ので、気になる人はちょっと引っかかるかもですね。

しかし、雰囲気はとてもいいですし、キャラクターも活き活きしていて魅力的
ですし、話もやや唐突で強引ながらも解りやすくテンポ良く進みますし、プレイ
しやすい作品だと思います。雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

最後に。ヒカル、二挺拳銃の意味っていったい……(^^;
# 一挺ならもう少し当たるんじゃないのか?(^^;


ゲームを始めた最初の印象は、「明るい忘レナ草」でした。
まあ、死神ものではありますが、内容は全然違ったんですけど。
でも……エアリオ出すのは反則だろう、と(笑)

「忘レナ草」をプレイしている人は、にやっと出来ることでしょう。
まあ、プレイしていなくても特に問題はないと思いますけど。



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