水泳教室〜冬でもスクール水着〜
ブランド名 Waffle ジャンル スク水アドベンチャー
発売日 2004.03.26 定価 \6,800
パッケージ 紙製パッケージ(230x162x38mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 3.73GB(DVD-ROM)
原画 さくやついたち シナリオ うし子
音声 一部あり、長崎みなみ一色ヒカルカンザキカナリ、西田こむぎ、成瀬未亜
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 32箇所 なし
おまけ CG鑑賞、回想鑑賞、サウンド鑑賞
対象属性 スクール水着、義妹、ボクっ娘、カチューシャ、オーバーニーソックス、銀髪、お下げ、
リボン、金髪、ヘアバンド、ツインテール、帽子、体操服、ボブカット
1プレイ時間 7〜8時間 お奨め度 4

レビュー
概要
主人公はある事件を境に泳げなくなってしまった。義妹との約束を守るため、
スイミングスクールに通うも、改修工事のため練習が出来なくなる。そこで
知り合った女性達が合宿を企画する。女の子3人との合宿。女の子達はみな
主人公に好意を抱いており、積極的なアプローチをしかけてくる。果たして
主人公は、無事泳げるようになるのか。そして、女の子達との恋の行方は…
…という、スク水アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

稲葉菜穂(いなば・なほ)。(CV:長崎みなみ)
主人公の義妹。人見知りが激しく、大人しくて控えめな女の子。

霜村琴音(しもむら・ことね)。(CV:カンザキカナリ)
スイミングスクールのオーナーの娘で、水泳部元部長。合宿先である別荘の
持ち主。主人公を合宿に誘った張本人。全国大会優勝の実績を持つ。
おっとりとした優しい雰囲気を持つが、頑固な一面も。

葉月真央(はづき・まお)。(CV:一色ヒカル)
主人公の同級生で、水泳部。琴音とは幼い頃から付き合いがある。
明るく前向きな性格で、水泳は全国クラスだが、勉強が苦手。

絵の方は、丸みを帯びた柔らかいタッチの絵で、可愛らしい雰囲気が漂います。
やや幼く、ロリ寄りの絵柄ですね。
特徴としては、頭の装飾が動物を連想させる物になっていることでしょうか。
ただ、ゲーム中にはそれが全然活かされてないんですけどね(^^;
てっきり何かあるのかと思っていましたが……。
あと、所々挿入される、デフォルメ絵も可愛らしいですね。
CGはほんわかした印象の塗りで、原画の味を上手く活かしていると思います。
立ち絵はポーズ変化なし、表情変化はあり。表情の変化ははっきりしていて、
感情がよく伝わってきます。

キャラクターは大人しく控えめな義妹、明るく活発な同級生、落ち着いていて
優しい先輩と、はっきりとしたわかりやすい配置。サブキャラはもれなくロリ
キャラですが。

音声はパートボイスで、通常イベントでは音声がないことも多いです。
会話主体で進むので、ちょっと勿体ないかも。
キャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なしです。
菜穂はややセリフが聞き取りづらいこともありましたが、元々そういうキャラ
ですし。

音楽はコミカルな曲から静かな曲まで幅広く取りそろえられています。
綺麗な音色のクリアなサウンドが多く、聴き心地がいいです。
そして、ゲーム中には効果音がふんだんに使われており、雰囲気を上手く盛り
上げてくれます。ただ、スキップ出来ないのはちょっと辛いですけど。

ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。
……いや、アニメーションと言うほどの物ではなく、簡単なゲーム紹介的なごく
短いものなんですけど。歌はなし。むしろ無音。さすがにちょっと寂しいです(^^;
絵の方も、立ち絵を表示しつつ、簡単なメッセージが出るだけですので、特筆
すべき点はなし。

エンディングは、「実録!! 水泳教室キャラクター完成までの道のり」と題して、
ゲーム開発裏話がスタッフロールと平行して流れます。なかなか面白いのですが、
内容は結構イタいです(^^;
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、台詞ログ、自動送り搭載。
台詞ログはマウスのホイール機能に対応しています。「台詞ログ」と言いながら、
台詞以外の地の文も表示されるのはご愛敬。まあ、表示されないと困りますし。
メッセージ送りもホイールで可能になっています。
スキップはCtrlキー押下によってのみ可能で、やや煩わしいです。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作もそこそこ高速ですが、Ctrlキーをずっと押して
いないといけないのは辛いですね。

セーブ箇所は32箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、ゲーム内日付と、菜穂データが保存されます。
数としては、選択肢が結構多いので、もう少し欲しいかなー、といったところ。
それと、セーブデータは1ページ4箇所のデータが8ページあるのですが、最初に
開かれるのは必ず1ページ目のため、2ページ目以降にセーブ/ロードをしようと
思ったら、ページ変更の動作が必要になり、ちょっと煩わしいです。
自動的に最新のページを開いて欲しいところですね。

システムは、選択肢決定型のアドベンチャー。選んだ選択肢によって、菜穂の
主人公に対するパラメータ(心情、欲情、信頼)が変化します。
このパラメータによって、見られるイベントが変化するようです。

システム的な特徴としては、スケスケ機能とズーム機能があります。
スケスケ機能は、文字通り、女の子の服を透けさせてしまうというものです。
ただし、透けさせることが出来るのはスクール水着だけです。えらく特化された
透視能力ですね(^^;
ズーム機能も、同じく文字通り絵をズーム表示するものです。これによって、
細かいところまでじっくり見ることが出来ます。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が水泳の合宿にやってくるところから始まります。そして、
宿に着くなり、義妹に告白され、そのまま身体を重ねます。
……いきなりな展開です。しかも、シーンの描写はなしという生殺し状態。
その後、他の女の子からもアタックを受けつつ、義妹との関係に悩みながら、
水泳の特訓をする……という流れになります。

前半はほのぼのまったりとした雰囲気。女の子達との会話を楽しみつつ、何故
主人公が泳げなくなったのかという回想なども絡めて進みます。
菜穂と気持ちを確かめ合ったり、真央とふざけ合ったり、琴音さんに甘えたり
という展開になります。

そして後半、サブキャラの登場をきっかけに、ゲームの雰囲気……は変わりま
せんが(^^;、話の流れ……もあんまり変わりませんね(^^;
# 主人公、動じなさすぎです(^^;
ともかく、話がちょっぴり動き出して、ヒロイン達もより積極的にアタックしてくる
ようになり、関係が進展していきます。

ラストは、まあ上手く綺麗にまとめた感じで、後味も悪くはないのですが、他の
ヒロインはほったらかしという印象もあります。

特徴としては、なんと言ってもスクール水着。プールでは当然として、合宿所の
中でもスクール水着の上にエプロンを着用するなど、もはや普段着状態。
スケートをするときもスクール水着なのは度肝を抜かれました。寒いだろ。
# まあ、常に素っ裸なキャラもいますけど……。
##クリスマスパーティーまでスクール水着なのは、潔さを感じます。

気になった点は大きく3つ。まずは、イベント間の繋がり。時間の経過というか、
関連性がかなり曖昧です。基本的に、朝起きて、朝食を摂って、午前中の自由
時間、昼食を摂り午後の練習、夕食、夜の自由時間という流れになっているの
ですが、1つの時間帯に複数のイベントが発生することがあり、どちらも時間が
かかりそうなものだったり、明らかに時間が戻っているような感があったりと、
かなり強引な印象を受けました。かと思えば、「ちょっと予定より早すぎるけど、
とりあえず先に行こう」などと言いつつ、途中で誰かと軽く会話しただけで遅く
なったりとか、ちょっとしたイベントで大きく時間が経過していることもありました。

そしてもう1点は、プレイヤーに対する情報の少なさ。
このゲームは、泳げない主人公が義妹との約束のためにスイミングスクールに
通い、そこが工事のため使えなくなったので合宿に来る、という話です。
しかしゲーム中で「義妹との約束」の内容や「スイミングスクールに通っていた」
ということ、「改修工事で使えなくなった」ということや、女の子達との関係すら、
最初は全然触れられません。何の前振りもなくいきなり合宿に来ていて、しかも
初っぱなのシーンが義妹からの告白シーンかという、意味不明にも程があると
いう導入になっています。
これらの説明があるのはほぼゲームの終盤で、それまではずっと疑問を持った
ままになるため、かなり気持ち悪いです。
それ以降も、ゲーム中のキャラクターにとっては当然でも、プレイヤーは全然
知らないような事実が当たり前のように出てきて、もはや置いてけぼり状態。
とても感情移入なんて出来ません。
事前にマニュアルやメーカのサイトでストーリーを知っていないと、何がどう
なっているのか解らないまま話が進んでしまいます。
# 「いつもの通りにランニングに出ようとしていた」……って、初めて知ったよ。
# 今までランニングの描写なんて一回もなかったじゃん。

最後の1点は主人公の描写。主人公は過去の出来事によって泳げなくなって
おり、それをなんとかしようと合宿に来ています。しかし、なかなか泳げるように
ならず、うじうじしたり、自棄になったり、見ていてあまり気持ちのいいものでは
ありません。さらに、主人公が泳げなくなる瞬間の描写が、もはやウザいぐらい
何度も何度も繰り返されていて、さすがに閉口。プレイしていて気分悪いです。

H度はやや低め。ヒロインによって回数に大きな差があります。1回しかない
キャラがいるかと思えば、20以上のシーンがあるヒロインがいたりと、いくら
なんでも差がありすぎだろう、という感じですね。サブキャラにいたっては、
シーン自体ありません。なので、お気に入りのキャラクター次第では、物足り
なさを感じることになるでしょう。
そして、ほとんどのシーンは尺がやや短く、描写の方もやや淡泊です。もはや
淡泊というレベルではなく、よく読まないといつ挿入したのかにも気付かない
ぐらい、あっという間に終わったりします。そして、スクール水着を着たままの
シーンが多いのですが、主人公がそれに対して殆ど反応を示さず、普通の服
となんら変わりない扱いで、全然活かされていません。せっかくスクール水着を
メインとした作品なんですから、もう少しスクール水着を有効に利用した描写も
欲しいところですね。

テキストは、若干誤字は見受けられますが、さほど気にはならないでしょう。
ただ、「当然大声で話しながら食べているから、当然だとも言えるのだが……」
など、くどい言い回しやおかしな表現がちらほら見受けられます。
# 「万人になら誰でも有効」というのはどういう日本語ですか?
プレイ時間・難易度
ゲームは12月11日から始まります。ゲーム期間は2週間。合宿期間が2週間
なのですが、そんなこといつ言いましたか(^^;

ワンプレイは7〜8時間。今ひとつ盛り上がり亡くまったり進むため、かなり長く
感じました。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラ寄りの選択をし続けていればOKです。
ただし、菜穂のパラメータによって可能な行為の内容が変わってくるため、
セーブデータを見ながら、パラメータの調整をする必要はあるでしょう。
総評
お奨め度ですが、スクール水着好きな人にはとりあえずお奨め。普段着のごとく
スクール水着を着こなす様は爽快です。そして、スケスケ機能で透視することも
出来、満足度も2倍。
ただし、主人公は特にスクール水着好きという訳ではなく、お話の中ではさほど
スクール水着に拘っている訳ではないのはちょっと勿体ないですね。

それ以外の所を見ると、おかしな表現が見受けられるテキスト、繋がりの怪しい
イベント、そして主人公とプレイヤーの圧倒的な情報格差など、ちょっとマイナス
要素が多いです。
さらに、基本的なストーリーの流れは1本で、そこから各ヒロインのイベントに
分岐していく方式のため、1度クリアしてしまうとやや面白みに欠けます。
まあ、そもそもバレバレ過ぎな展開ですから、あまり影響はないかも知れません
けど。

CGはなかなかいいと思いますし、音声も問題なし、効果音は非常に有効に使わ
れていて、演出としてはなかなか良いのですが、シナリオが足を引っ張っている
印象が強いです。せっかくのスクール水着もあまり有効に活用されておらず、
途中からはいきなりファンタジックな展開になったりと、ちょっと電波なシナリオに
思えてしまいます。サブキャラなんていらないようにも思えます。というか、どうして
こんな展開を持ってきたのか、理解に苦しみます。
# スタッフロールまで電波なのはさすがにちょっと引きました(^^;

ビジュアル面や演出はいいのですが、肝心のシナリオがやや取っつきが悪く、
感情移入もしづらく、スクール水着も有効に利用されていないなど、やや残念な
出来になってしまっているように感じました。
せめて、もう少しプレイヤーとの情報格差はなくして欲しいものです。

最後に。「今日は25日なの!」……えーっと、めっちゃ24日ですが?
# 台無し(^^;


風鈴とマミュウ、結局何しに出てきたんだろう……。
こいつらいなくても、ふつーに話進む気がするんですが……。
# 風鈴の正体なんて、出てきた瞬間みんな気付くって(笑)



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