鳥籠 | |||
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ブランド名 | ACTRESS | ジャンル | AVG |
発売日 | 2004.02.27 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(230x167x40mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | 692.8MB、CD-DAなし | ||
原画 | 士崎多結 | シナリオ | TAK(てく) |
音楽 | 16曲、Glass Road | 歌 | あり(1曲、OP)、水澄鈴 |
音声 | あり、飯田空、歌織、mi-ko、yuri、成瀬麻衣 | ||
インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 90箇所 | CG枚数 | 93枚 |
おまけ | CG、回想、音楽 | ||
対象属性 | 館物、陵辱、メイド、ボブカット、お下げ、金髪、義妹、お兄様、黒髪、ストレートロング、 リボン、ピンク髪、触角、オーバーニーソックス |
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1プレイ時間 | 2〜3時間 | お奨め度 | 4 |
レビュー |
概要 |
母親を亡くした主人公は、大富豪である父親の屋敷を訪れた。そこで主人公は、 使用人の部屋に住まわされ、父親から1人の少女の世話をするように言われる。 巨大な鳥籠の中に住んでいるその少女は、たとえようもなく美しい声の持ち主 だが、人前でほとんど口を開くことがない。父親は、その声を聞きたいがため、 毎晩のようにその少女を陵辱していた。主人公は、この少女の世話をする中で どのように変わっていくのだろうか……という使用人アドベンチャー。 ちなみに、タイトルは「鳥籠(とりかご)」であって、「烏龍(うーろん)」ではありません ので注意(笑) |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 ナムチ。(CV:mi-ko) 屋敷で働くメイド。おっちょこちょいなドジっ娘だが、いつも一生懸命で明るく 元気な女の子。 ヴィマーナ。(CV:歌織) ダンダ・バットラの夫人。物腰が柔らかく、妖艶さと気高さを兼ね備えた女性。 夫がマーリシャに心を奪われ相手にされていないため、寂しさを覚えている。 シャクナ。(CV:成瀬麻衣) ダンダの前妻の娘で、主人公とは義理の妹ということになる。心優しく純真な 娘で、主人公のことを「お兄様」と呼び慕う。夢見がちな少女。 シャストラ。(CV:yuri) シャクナの姉。父親が若くして亡くなったため、愛情をダンダに求めている。 気が強くプライドが高く、突然屋敷に現れた主人公に対して冷たい態度を取る。 マーリシャ。(CV:飯田空) 鳥籠の中に住まわされている少女。優雅で気品にあふれ、優しさに満ちている。 例えようもない程の美しい声を持っているが、普段は決して口を開こうとしない。 絵の方は、独特の雰囲気を持った、繊細で綺麗な絵柄。可愛らしさと色っぽさを 兼ね備えたような感じですね。ややクセはありますが、それが独特の魅力を引き 出している感じです。舞台がエスニックな感じで、衣装も独特の雰囲気を持って います。 CGの処理は丁寧で、繊細な絵がうまく活かされていると思います。 立ち絵は、ポーズ変化・表情変化ともあり。会話に合わせてころころ変わるため、 見ていて楽しいです。特にナムチは変化が大きく、面白いですね。 # ナムチの驚いた顔がすっごい好き(^^) キャラクターは独特の雰囲気を持ったキャラクター揃い。全く口を開こうとしない マーリシャや、明るく元気いっぱいなナムチなど、とても個性豊かです。 しかし、なんと言っても一番特徴的なのは主人公でしょう。この主人公、なんと オーバーニーソックスを履いています(笑) いや、そういう衣装なんでしょうけど、見たときは目が点になりました(^^; 音声は、キャラクターとのマッチングはほぼいいのですが、ナムチはやや見た 目の印象と声がズレているように感じました。というか、見た目と性格が違うと いう感じでしょうか。キャラクター自体と声は合っていると思いますけど。 マーリシャは「例えようもなく美しい声の持ち主」という設定ですが、実際は さすがにそこまで言うのは大げさな気はしますけど、それでも充分綺麗な声で 雰囲気は出ていると思います。ただ、残念ながらあまり喋らないんですよね(^^; 音楽は、ゆったりとした静かな曲が多め。次いで、張りつめたような緊迫感の ある曲が多いです。シーンとよく合った曲が使われており、独特の雰囲気を うまく盛り上げてくれます。 ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。 歌はゆったりとした幻想的な、独特の雰囲気を持った歌で、聴いていて引き込ま れるような感じです。 絵の方は基本的にキャラクター紹介・シーン紹介的なものなのですが、こちらも 幻想的な演出がされていて、絵自体も非常に綺麗で、見応えがありました。 |
システム |
インタフェースはフルキーボードサポート。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、自動再生搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しています。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は軽快。スキップもそこそこ高速なのですが、シーンの切り替えで、たまに 引っかかることがありました。 セーブ箇所は90箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、その時のメッセージが保存されます。 数としては、選択肢の数はそこそこ多いものの、効果が明確なものが多いため、 これだけあれば充分足りるかと思います。 システムは、移動場所選択+選択肢決定型のアドベンチャー。 移動場所には誰がいるのか表示されませんが、散歩の時は4箇所、自由時間の 時は7箇所と、それほど数は多くないため、それほど苦労することもないかと思い ます。特に自由時間の移動は、時間の許す限り移動が可能ですので、何も起こ らなければすぐに次の移動をすることが出来ますし。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは、主人公が父親の屋敷を訪れる所から始まります。屋敷に着くなり、 主人公は街で噂に聞いていた少女の世話を任されることになる。主人公は、 その少女の不思議な魅力に次第に惹かれていく……という感じです。 ストーリーは終始、雰囲気が統一されないまま進みます(笑) マーリシャ関係のイベントは、散歩などは爽やかな雰囲気なのですが、夜は 淫靡な感じですし、ナムチ関係のイベントはギャグっぽいですし、シャクナの イベントは可愛らしい感じで、今ひとつ統一感がありません。 まあ、狙ったキャラのイベントだけを起こしていれば、統一はされると思い ますけど……。 気になったのは各キャラのイベントの関連性。各キャラのイベントはほぼ独立 していて、出来るだけイベントを起こすようなプレイをすると、何度も同じ事を 別のキャラから聞かされたりします。 そして、イベントの間の整合性も微妙で、一度も聞いたことのない話を知って いるように語ったり、ぼかしたような言い方が目に付きました。 # 「私たちみたいな魅力的な女性が何度もモーションをかけていたのに」 # ……いつどこでですか。私は、屋敷に来た時にしか貴方に逢っていない(^^; さらに、展開の唐突さも気になりました。突拍子もない設定が突然出てきて、 しかし主人公はそれをすんなり受け入れてしまったりと、かなり展開が急で、 油断するとストーリーから置いていかれてしまいます。 そもそも、なんでマーリシャの世話は男性がやらないといけないんですか?(^^; 主人公が突然神話について語り出したり、今まで聞いたことのないような事を 当たり前のように言い出したり、主人公とプレイヤーの間の情報格差も大きい ように感じました。ちょっと感情移入はし辛かったです。 H度はやや低め。各ヒロインとも複数回用意されていて、マーリシャに至っては 2桁あるわけですが、尺が短めで描写もあっさりめのため、今ひとつ感情移入 しきれず、気付いたら終わっているという感じです。 さらに、全シーンの半分近くを占めるマーリシャは、基本的にあまり声を出さ ないため、内容が淡泊で印象に残りませんでした。 そして、マーリシャのHシーンはダンダに陵辱されるものが大半のため、ヒロ インが主人公以外のキャラに抱かれるのが苦手な人には辛いでしょう。 まあ、描写が淡泊なため、私はそれほど気にはなりませんでしたが。 テキストは、誤字等はさほど気にならないのですが、描写が淡泊で短いため、 訴えかけてくるものがないような感じですね。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は約1週間。日付の表示等はないのですが、ゲーム中で「屋敷に 来てから5日目」などというセリフがあったりします。 ワンプレイは2〜3時間。狙ったキャラのイベントだけを起こして2時間弱、 出来る限りのイベントを起こして3時間弱というところでしょうか。 内容があっさりめということもあって、短く感じます。 難易度は低め。基本的に狙ったキャラと逢っていればOKです。自由時間の 移動が何度でも可能なため、ある程度同時攻略も可能になっています。 |
総評 |
お奨め度ですが、独特の雰囲気を持った不思議な作品が好きな人にお奨め。 設定のベースにはインド神話があって、キャラクターの名前もそれにちなんだ ものがほとんど(全て?)です。 インド神話を知っている人は、プレイしていて「にやっ」と出来るようなところも あったりして、そういう意味でも楽しめる作品です。 ただ、全体的に圧倒的な説明不足・描写不足で、話が唐突に展開する印象が 強く、ストーリーについていくのが大変です。 エンディングもあっけなく終わるものが多く、「え? もう終わりなの?」と思うことが 多々ありました。サブヒロインの中には、イベントを2つぐらいこなしたら、もう エンディングという感じのあっけなさ過ぎなキャラもいましたし。 イベント間の繋がりも弱く、整合性も微妙で、それがより一層、唐突な印象を 強めているような気がします。 描写や演出も淡泊であまり印象に残らず、ボリューム自体も少な目のため、 ホントにあっさり終わる感じです。 絵は綺麗ですし、独特の雰囲気を持った背景や設定はいいと思うのですが、 それを全然活かし切れていない勿体ない作品だと思います。 もう少し話を膨らませて、各ヒロインのイベントを増やし、感情移入出来る ようにして欲しいものです。今のままでは、感情移入する前に話が終わって しまいます。一言で言えば「薄い」という感じの作品でした。 最後に。主人公の名前「アルジュナ」……なんか地球少女っぽいですね(笑) # いや、インド神話の方なんでしょうけど(^^; 以下、ちょっぴりネタバレっぽいつぶやき。 ちなみに、「ナムチ」はインド神話の悪魔ですね。……まんまだー(笑) まあ、ヴィマーナって飛行船ですし、シャストラなんて本ですか(^^; しかし、このゲームって、「マーリシャって神様なんだ☆」「ふーん」という 感じの、感動も何もないすげぇドライな展開ですね(^^; もうちょっと「うっそでー」とか、「証拠を見せてみろよ」とか、何か一悶着 あっても良さそうなものですが……。 シャストラとうち解けるのも、異常にあっけないですし……。 それに、父親の部屋にバレないように忍び込む方法なんて、ちょっと考えれば いくらでもあるような……(^^; |