_summer
ブランド名 HOOK ジャンル まったり純恋学園ラブコメADV
発売日 2005.07.15 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(190x269x41mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 ゲームディスク1 : 559.6MB、CD-DAなし、Alpha-ROM
ゲームディスク2 : 544.1MB、CD-DAなし
ゲームディスク3 : 534.7MB、CD-DAなし
SOUND TRACK with DRAMA : CD-DA=372.2MB、CD-DA9トラック
原画 松下まかこらっこ シナリオ 川波無人、セルシオ、
天崎カケル、keikei&たとむ、原人
音楽 33曲、松浦貴雄 あり(2曲、OP・挿入歌)、
橋本みゆき、遊女
音声 あり、まきいづみ、金田まひる、草柳順子、北都南、青山ゆかり、成瀬未亜、鳥居花音、
神月あおい、高嶺悠賀、オイリーはな、一色ヒカル新堂真弓、桃井いちご、星野みく、
倉田まりや、中澤アユム、前中礼二、盛啓介
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 90箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 101枚
おまけ CG&REMEMBRANCE&MUSIC MODE、PRINCESS COIN
対象属性 純愛、学園物、ほのぼの、コメディ、幼馴染み、ストレートロング、青髪、巫女装束、
巫女さん、ボブカット、触角、セーラー服、帽子、義妹、お兄ちゃん、ツインテール、
ピンク髪、お下げ、リボン、女教師、ストッキング、お嬢様、黒髪
1プレイ時間 6〜8時間 お奨め度 7

レビュー
概要
海辺の片田舎の街で、幼馴染み達と平和な毎日を暮らしていた主人公。
しかし、修学旅行の時、友人から「好きな奴、いるか?」と聞かれ、この夏の
間に恋人を作りたいと考える。そして、主人公の周りの人間関係が動き出す。
果たして主人公は、夏までに恋人を作れるのか……という、まったり純恋学園
ラブコメADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

波多野小奈美(はたのこなみ)。(CV:まきいづみ)
主人公の幼馴染みでお隣さん。母親がおらず、父親も家を空けがちの主人公の
家の家事を一手に担っている。優しく、面倒見が良く、ほんわかとした雰囲気の
女の子。主人公のことを「たっくん」と呼ぶ。

海老塚信乃(えびづかしの)。(CV:金田まひる)
主人公の幼馴染み。短気で、すぐに手が出る暴力女。でも、友達思いで優しい
一面もある元気少女。

海津沙奈(かいづさな)。(CV:草柳順子)
主人公の妹。素直で可愛らしい女の子。朝が弱く、自分を起こすことが主人公の
アイデンティティだと言い張る(笑)
主人公のことは「お兄ちゃん」と呼び慕う。

天野千輪(あまのちわ)。(CV:北都南)
沙奈のクラスメート。無感情で表情も乏しく、神出鬼没でつかみ所がない。
一見物静かで大人しいが、思ったことをずばずばと言ってくる小悪魔。
占い同好会を設立した行動派。

七緒日向子(ななおひなこ)。(CV:成瀬未亜)
担任の先生。春に赴任したばかりの若い先生。おっとりマイペースな女性。
通販で無駄遣いしまくるため貧乏で、いつも腹ぺこ。挙げ句の果ては生徒に
昼飯をたかる。教師としての威厳なし。

島津若菜(しまづわかな)。(CV:青山ゆかり)
主人公より1つ上の先輩で、学園のアイドル的存在のお嬢様。独特の古風な
口調で話す。あまりお嬢様お嬢様しておらず、話はしやすい。
お嬢様として特別扱いされるのが嫌いで、普通に接してくれる主人公の存在を
ありがたく思っている。お目付役の由乃に頭が上がらない。

川上由乃(かわかみゆの)。(CV:神月あおい)
若菜の付き人。主人公より1つ下の後輩。若菜同様、古風な話し方をする。
若菜に対して意見できる唯一の人物。

絵の方は線の細い、可愛らしい絵柄。原画家さんが2人いるのですが、やや
絵柄に差があって、しかもシーン毎のばらつきも若干大きい気がします。
小奈美なんかは、たまに首が据わってないように思える絵も……。
CGは明るく発色のいい色遣いで見栄えがよく、また丁寧に処理されていると
思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてコロコロ切り
替わり、迫ってくるときはアップになったり、逃げていくときはスライドしたりと、
演出もなかなか凝っていて、見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。みんな性格付けがとてもはっきりして
いて、感情移入しやすく、会話もとても楽しいです。
みんな活き活きしていていいですね。
千輪ちゃんと日向子先生がいい味出し過ぎです(^^)

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技も問題なし。
小奈美は最初、ちょっとおっとりしすぎかなー、と思ったのですが、聞いている
うちに馴染んできた……というか、むしろハマりました(^^;
ただ、主人公や沙奈の苗字を「かいづ」と呼ぶキャラと「かいつ」と呼ぶキャラが
いるように思えるのですが……どっちが正解?(^^;
# 一応、「かいづ」というテキストがありましたが……。

音楽は明るく爽やかな曲が多め。清涼感溢れる雰囲気で作品を包んでくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで爽やかな曲。夏をイメージさせる、なかなかいい歌ですね。
絵はキャラクター紹介・シーン紹介的なもので特筆すべき点はなし。
ただ、背景が凄く綺麗で印象的でした。

シナリオによっては、挿入歌も入ります。ゆったりとした静かな曲で、切ない
雰囲気が漂う、とてもいい歌だと思います。使い所もばっちりですね。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、各種
メニューの中はキーボードで操作できますが、メニューに入ること自体はキー
ボードで出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。
動作は比較的軽快。スキップ動作も高速です。
ただ、演出が入るところや、日付の変わるときはちょっと待たされます。

セーブ箇所は90箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付、自由記述の
コメントが保存されます。
数としては、そこそこ選択肢はありますが、効果は比較的解りやすいですし、
これだけあればなんとかなるでしょう。
むしろ、クイックセーブの方が重宝するかも。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。選択肢の積み重ねでシナリオが
分岐する、フラグ型のシステムになっているようです。
特徴としてはリアルタイム選択肢「RTC」。これは、選択肢が出たときに、
時間制限が設けられ、選択した時間によって、その後の展開が変わるという
ものです。選択は時間バーが青色の時と赤色の時、そして選択をしなかった
時の3種類があります。
あと、1度クリアすると選択肢が増える、シナリオ追加型のシステムにもなって
います。あーんまり意味を感じないのですが……。

このゲームはAlpha-ROMによるプロテクトが施されています。そのため、起動
毎にディスクチェックが入ります。従って、ディスクレス起動不可。
バックグラウンドでの動作は可能です。
主人公の名前は「海津匠(かいづたくみ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは修学旅行の時、「好きな奴、いるか?」と聞かれるところから始まります。
自分は誰が好きなんだろうと考え、この夏までに恋人を作りたいと思い、そして
周りの女の子に対する接し方が徐々に変わっていく……という感じです。

前半は、明るく楽しい学園生活が描かれ、そんな中で、色んな女の子と仲良く
なっていきます。……というか、元々仲のいい人がほとんどですが。
会話はコミカルで、各所にギャグもちりばめられていて、キャラクターはみんな
活き活きしていて、とても楽しいです。

後半は、主人公が自分の想いに気付き、ヒロインの抱えている想いも絡めて、
一気に距離が縮まる、純愛的展開。お互いの気持ちを確かめ合い、想いを
伝え合うという、ちょっと切なく、温かい展開で、これぞ純愛、という感じです。

ラストもすっきり爽やかに終わり、とても清々しいですね。

H度はやや低め。各ヒロインとも複数回(3回)用意されています。尺はやや
短めで、描写もあっさりめです。
内容的にも純愛系のごく普通なシーンがほとんどで、また初めてのキャラが
多いため、Hさよりも、ほのぼのとした温かいHシーンという感じです。

テキストはちらほら誤字は見受けられますが、それほど気にはならないかと。
すっきりしたテキストで、読みやすいと思います。ややインパクトに欠けますが。
プレイ時間・難易度
ゲームは6月17日の金曜日から始まります。
ゲーム期間は約1ヶ月半。前半は1日ずつプレイしていきますが、最後の方は
何日か飛んだりもします。また、日曜日はナチュラルにスルーされることも。

ワンプレイは6〜8時間。やや長く感じましたが、共通パートが多いため、
2周目以降はスキップを使えばかなり短縮できるでしょう。

難易度はやや高め。基本的に狙ったキャラ寄りの選択をしていればいいの
ですが、たまに引っかけの選択肢があったり、RTCを選択するタイミングも
絡んでくるため、ちょっと大変かもですね。
さらに、ゲーム中でコインを手に入れることが出来、その濃いんでおまけを
見ることが出来るのですが、コインを全て集めるのは結構大変です。
コインを集めないと見られないCGもありますからねー。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのまったり純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
何の捻りもない、真っ正面からの純愛ストーリーで、ゲームの世界にすんなり
浸れるかと思います。
突拍子もない展開もほとんどなく、安心してプレイできますね。

ただ、あまりにもまったりほのぼのしすぎて、ややメリハリに欠け、盛り上がり
にも欠ける印象があります。まったり毎日を過ごしていき、次第に1人の女の子と
距離が縮まっていき、そして結ばれる……という、純愛ストーリーの王道で、
特に大きなイベントもないまま終わるので、ちょっと物足りなさもあります。

しかし、キャラクターはみんな魅力的で活き活きとしていますし、会話もコミ
カルで面白く、また演出も凝っていて日常のシーンもとても楽しいです。
さらに、個別ルートに入っても他のヒロイン(主に幼馴染み)がストーリーに
絡んできたり、みんなに背中を押してもらったりと、友情や信頼が感じられる、
温かいストーリーはなかなか心地よいです。
安心してプレイできますし、雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

最後に。めがねの高橋さん、これが、本名ですか?(^^;


ぶっちゃけ、「Orange Pocket」との違いがよーわからんのですが(^^;
雰囲気とか展開とか、むっちゃくちゃ似てる気がするんですけど……。
まあ、「Orange Pocket」が好きな人は、楽しめるかと思います。
ホント、そのまんまなので(笑)
もちろん、システムとか描写なんかは、確実にパワーアップしてますが。



ロビーに戻る  レビュートップに戻る