松島枇杷子は改造人間である。
ブランド名 Rateblack ジャンル 全力全開改造人間ADV
発売日 2005.08.26 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(167x232x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 891MB(DVD-ROM)
原画 よしむらけんたろー、今井武志 シナリオ 岩清水新一、伊藤ヒロ、奈落ハジメ、
獨伝把奥朗、黒崎将弘、高橋成史、
泥生シミー
音楽 17曲、与猶啓至、チルダ、細井聡司 あり(1曲、OP)、中原涼
音声 女性キャラフルボイス、ありす、三咲里奈、木村あやか、白井綾乃、湖杉カンナ、水瀬雫
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 84枚
おまけ CG LIBRARY、SCENE REPLAY、SOUND LIBRARY
対象属性 学園物、陵辱、ショートカット、赤髪、眼鏡っ娘、ヘアバンド、お嬢様、スクール水着、
紫髪、ストレートロング、猫耳、肉球、ボブカット、金髪、女教師、ポニーテール、羽根、
体操服、ブルマー
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 4

レビュー
概要
テロがはびこる東京に、群馬からやってきた星山亜紀。しかし亜紀は東京に
着いて早々にテロに巻き込まれる。そこに現れたのは謎の女性2人組。2人は
あっさりとテロリストを倒す。正義の味方に憧れる亜紀は、彼女達と共に
戦いたいと思うようになる。果たして亜紀は、東京を守れるのか……という、
全力全開改造人間アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

星山亜紀(ほしやまあき)。(CV:木村あやか)
群馬から東京に出てきた、明るく元気一杯の女の子。テロに巻き込まれた
ところを枇杷子達に助けられ、共に戦いたいと憧れる。正義オタク。
# 赤城山のエネルギーで変身する正義の味方グンマちゃん……(^^;

松島枇杷子(まつしまびわこ)。(CV:ありす)
亜紀を助けた改造人間1号で、亜紀が転校してきたクラスのクラスメイト。
クールで無表情で無感動。言うことはキツい。

天野霞(あまのかすみ)。(CV:三咲里奈)
亜紀を助けた改造人間2号で、亜紀や枇杷子のクラスメイト。
大金持ちのお嬢様だが、偉ぶったところのない優しい女の子。

勝屋萌菜香(かつやもなか)。(CV:湖杉カンナ)
枇杷子の親友で、唯一、強いツッコミを入れられる存在。
口は悪いがお人好し。「和菓子」と言われるとキレる。

松原美穂(まつばらみほ)。(CV:水瀬雫)
お金持ちのお嬢様。霞に憧れ、藤山先生に愛情を抱く。

矢追敏美(やおいとしみ)。(CV:水瀬雫)
枇杷子のクラスメイトで、アニメ大好きっ子。同人誌即売会にも足繁く通う。
ボーイズラブ好きで、カップリングには拘りがある。

森永栗子(もりながくりこ)。(CV:水瀬雫)
枇杷子のクラスメイト。自分の思っていることを表に出さない女の子。
ただし、腹の中では黒いことを考えている。

藤山先生(ふじやませんせい)。(CV:白井綾乃)
枇杷子のクラスの担任。ほんわかした雰囲気の女性。

朝日麻紀(あさひまき)。(CV:湖杉カンナ)
新聞部部長。常にスクープを求めて走り回っている。
# 「ウチの学院には、漫研も現視研もないのよ」……まあ、現視研はないと
# 思うけどね……ふつー(^^;

絵の方はスッキリとした可愛らしい絵柄。ただ、表情に乏しく思えるところが
あったり、ややシーンによってばらつきも見られます。
CGは派手な色遣いの、独特の塗り。ちょっとべたっとした印象があります。
立ち絵はポーズ変化はなし、表情変化はあり。変化のパターンはあまり多くない
ですが、会話に合わせて変わるので、感情移入はしやすいかと。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。クールでぶっきらぼうな枇杷子と、優しく
真面目な霞、そしてアツく元気一杯の亜紀という配置になっています。
そこに、個性豊か……というか、クセのあるサブキャラが絡んでくる、という
感じですね。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。一部兼ね役を
やっている声優さんもいますが、特に気になることもありませんでした。
ただ、録音レベルにかなりばらつきがあって、シーンによって音量がバラバラの
ため、ちょっと聞きづらかったです。

音楽は透明感のあるクリアなサウンド。ピアノを中心とした曲が多く、とても
聴き心地がいいです。

ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。
歌は独特の雰囲気を持った、ちょっと渋めの歌。イントロがやたらめったら
爽やかで、どうしようかと思いました(^^;
絵の方は、キャラクター紹介・シーン紹介的なもの。曲に合わせて切り替わり、
なかなか見応えはあるのですが、元々曲がそれほどアップテンポではないため、
ややインパクトには欠けるかも。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りやシナリオ決定などは
キーボードでも出来ますが、各種メニューはキーボードで出せないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はやや重めです。

セーブ箇所は80箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と自由記述のコメントが保存されます。
数としては、選択肢というものが皆無のため、これだけあれば充分すぎるかと。
まず使い切ることはないでしょう。
# 選択肢は、ゲーム全体で1つだけです(^^;

システムは選択肢決定型のアドベンチャー……というか、シナリオ選択型、と
言った方がいいかもですね。ゲームを開始すると、まずどのシナリオを見るかを
選択し、そのシナリオをプレイし終わったら、次はどのシナリオを見るかを選ぶ
という感じです。シナリオを1つクリアすると、それに対応した新たなシナリオが
増えるようになっています。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公……って誰なんでしょうね(^^;
一応タイトルにもなっている「松島枇杷子」でしょうか。でも、一番視点が
多いのは「星山亜紀」のような気もします。とりあえず、主人公っぽいキャラの
名前は固定です。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れるのですが、それが
終わってタイトルメニューに行くときに、何やらステキメッセージが。
「DC120V154_32.dllが見つからなかったため、このアプリケーションを開始でき
ませんでした。アプリケーションをインストールし直すとこの問題は解決される
場合があります。」……えーと、なんですか、これ?(^^;
……まあ、その後、ゲームは普通にプレイできるからいいけどさ……。
# 私の環境の問題ですかね? なんか、Windows XPのDLLっぽい……。
シナリオ・プレイ感
ゲームは亜紀が東京にやってきてテロに巻き込まれ、枇杷子達に助けられる
ところから始まります。
亜紀が転校した学校で枇杷子と霞に出会い、亜紀も2人とともに戦うことを
決意する……という感じ。

ストーリーは1話完結型のシナリオを順番に読んでいくような形で進みます。
どのストーリーも、基本的に淡々した雰囲気が漂っています。コミカルな部分や、
アツい部分もありますが、根底に流れる雰囲気はかなりシュールなので、やや
メリハリには欠ける気がします。

展開も非常に淡々としていて、かつハイペースで進むため、あっという間に1話が
終わるような印象があります。
あまりにテンポ良く進むため、置いて行かれそうになることもしばしば。
また、改造人間、特に枇杷子は人を殺すことをなんとも思わないため、あっけに
とられることも多々ありました。
何の関係もない人を大量に巻き込んで殺したり、知り合いですらためらいもなく
殺したりするので、ちょっと馴染めない人も多そうですね。

H度はやや低め。各ヒロインとも複数回用意されていますが、尺は短めで、描写も
かなりあっさり。また、いわゆるごく普通のらぶらぶなHシーンはほとんどなく、
ちょっと変わったシーンばかりなので、Hシーンとしては物足りなさが強いです。
また、怪物のHシーンも多いのですが、外見が異形になっているため、なか
なかシュールです(^^;
陵辱的なシーンもそこそこあります。

テキストは誤字はちらほらと見受けられます。一部、一瞬意味がわからない
ようなものも。
# 「菜得」……? ああ、「納得」か(^^;
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。ゲームは1話完結のシナリオを順番に読んでいくように
なっていて、最終話まで進めば終わりです。←当たり前

ワンプレイは5〜6時間。シナリオ1つ1つは1時間程度でサクサク進むため、
プレイはしやすいと思います。

難易度は低め。基本的に次にどのシナリオを読むかを選ぶだけで、クリアする度に
シナリオが追加されるので、それを見ていくだけです。
総評
お奨め度ですが、改造ヒロイン戦闘物が好きな人にお奨め。
テロリストとの戦いはクールで非情、かなりシュールな展開が用意されています。
テンポ良くサクサクと進むためプレイもし易く、Hシーンもバリエーション豊かで
色んなシチュエーションを楽しめます。

ただ、ストーリーの展開があまりにも突拍子なく、かつ淡々と進むため、油断
すると、すぐ置いて行かれます。
展開も早く、あっさりと終わることが多いため、余韻に浸る暇もなく、次に進む
感じですので、やや物足りなさも感じます。
また、いきなり無茶苦茶な展開が出てきたり、あたまの悪い設定が出てきたり、
かなり電波な内容で、バカゲーかと思えるようなところもちらほら。
ちょっとついていくのは大変かもですね。
シナリオ名からして、「ビッグサイト沈没 血に染まる徹夜組 徹夜は禁止です」
とか「人間爆弾 きゃっち・ゆあ・はぁと」とか、あたま悪そうなのが多いですし(^^;

狙い所が今ひとつよくわからず、あれよあれよという間にストーリーは進み、
突拍子もない展開や無茶な設定が平然と出てくる様は、ある意味清々しいです。
もう少し、落ち着いた作品作りをしてもいいのではないでしょうか……。

ちょっと理解しがたい内容で、お奨めはし辛いのですが、痛快ハチャメチャ
ストーリーが好きな人はどうぞ。平然と人を殺したり、かなりキツい描写が
あったりと、殺伐としたシュールな内容ですけど。

最後に。てゆーか、みんな群馬が好きすぎる(^^;


以下、ちょいとネタバレな叫び。まあ、そんなに影響ないとは思いますが。


えとですね。サブキャラ殺しすぎ(^^;
というか、クラスメイトとか親友が改造されて敵として出てきて、それを何の
感慨もなくあっさり殺して終わりという、めちゃめちゃ殺伐としたストーリー
なんですがっ(^^;
いくらなんでもシュールすぎて、ちょっとついて行けませんでした……。
改造されて、意味もなく仲間に陵辱されたりしてるしね(^^;

「もう二度と、大切な人を殺させない」……いや、殺してるのはあんただから(^^;




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