FESTA!! -HYPER GIRLS POP-
ブランド名 Lass ジャンル HYPER GIRLS POP ADV
発売日 2005.12.22 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(167x231x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.23GB(DVD-ROM)
原画 萩原音泉みけおう
あかり☆かずと
シナリオ LEGIOん、みなみかなか、剣技マナ
音楽 26曲、飯塚博 あり(3曲、OP・ED)、
真理絵、HYPER GIRLS、川村まみ
音声 フルボイス、常磐もも、草柳順子、金田まひる、青山ゆかり、かわしまりの、佐本二厘、
水鏡、成瀬未亜、山本直、西田こむぎ、子安武人、大久保けんたろう、紫陽花、城崎彦太
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 167箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 106枚
おまけ CG鑑賞、シーン回想、音楽鑑賞
対象属性 学園物、ドタバタ、ギャグ、コメディ、ブルマ、体操服、ボブカット、リボン、鎌、幼馴染み、
スクール水着、ウェイトレス、帽子、青髪、女教師、眼鏡っ娘、緑髪、ストレートロング、
天然娘、浴衣、ツインテール、先輩、後輩、オーバーニーソックス、お嬢様、タカビー、
ストッキング、銀髪、白衣、黒髪、巫女さん、巫女装束、銃器、二挺拳銃
1プレイ時間 4〜8時間 お奨め度 4

レビュー
概要
父親が海外に長期出張に出ることになり、生まれ故郷の「まほろば市」に戻り
独り暮らしを始めることになった主人公。しかし、主人公が幼い頃に住んで
いたまほろば市は、オレンジ色の点線によって御剣町と鏡町とに真っ二つに
分かれてしまっていた。主人公の通う学園も2つに分かれており、毎年行われる
学園祭の結果によって、学園内の勢力図も変わってしまうと言う。果たして
主人公の学園生活はどうなるのか……という、ハイパーガールズポップADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

早坂恋水(はやさかれみ)。(CV:草柳順子)
主人公がまほろば市に住んでいた時の幼馴染み。明るく元気で純粋な女の子。
犬キャラ。鼻が良く効き、嬉しいと顔を舐めたり匂いをかいだりする。
将来的には盲導犬か麻薬犬に育てるつもり(笑)
主人公のことを「たーくん」と呼ぶ。貧乏。

千神奈々子(ちかみななこ)。(CV:常磐もも)
主人公と同じ比に引っ越してきた女の子。おとなしく控えめな女の子。

音無美香(おとなしみか)。(CV:山本直)
国語教師。生真面目でやや堅物だが、優しいいい先生。ちょっぴりお茶目な
一面もある、親しみやすい先生。

日下部琴子(くさかべことこ)。(CV:佐本二厘)
恋水の親友。おっとりボケボケ天然娘。本が好き。むしろLOVE。
図書委員で、小説を書くのも好きな文学少女。知識も非常に豊富で頭も切れる。

千神双葉(ちかみふたば)。(CV:金田まひる)
奈々子の妹。明るく活発な女の子。スポーツ万能。
お姉ちゃんが大好きで、いつも一緒にいる。

獅堂彩音(しどうあやね)。(CV:青山ゆかり)
鏡町を統括する名家、獅堂家のお嬢様。高慢で高飛車で、人を見下したような
態度を取る。かなり頭は悪い(笑)
# 「わたくしもたまにはものを考えますのよ」……たまになんだ……(笑)

貴京(ききょう)。(CV:水鏡)
彩音の側近。凄腕の剣術使い。無口・無表情で冷静・冷徹。彩音の命令に忠実。
ただし、センスはちょっとズレている。

澄零(すみれ)。(CV:水鏡)
貴京の双子の姉。杖術の使い手。貴京とは違い、明るく感情表現豊かで、融通も
効く親しみやすい性格。彩音の無茶な命令には、苦笑しながら従ったり、軽く
たしなめたりと、常識も持ち合わせている。

響紗南絵(ひびきさなえ)。(CV:成瀬未亜)
社会科教師。アバウトで面倒くさがりでやる気のない、好奇心といたずら心で
行動しているような教師。美香とは学生時代からの知り合いだが、性格の違い
からかいつもいがみ合っている。言動はまんまオヤジ。

久遠寺凛(くおんじりん)。(CV:かわしまりの)
まほろば市にある神社の巫女さん。凛とした雰囲気のクールな女性だが、実は
銃器マニア。

ですの少女。(CV:西田こむぎ)
まほろば市の境界付近に現れる、ブルマ姿で大鎌を持った謎の少女。
語尾に「ですの」を付けて喋る。「ですのノート」という謎のノートを持ち
歩いている。ですのノートですの(笑)
# でぃすの(笑)

絵の方は可愛らしく活き活きとした絵柄。メインの原画家さんは2人いて、
御剣町のキャラと鏡町のキャラではっきり分かれているようですね。
特に気になることはありませんでした。
CGは明るく鮮やかな色遣いで、とてもよく映えますね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともあり。会話に合わせてコロコロと切り
替わり、コミカルな表情も多く、見ていてとても楽しいです。
演出で金だらいが落ちてくるアニメーションがあるのですが……重い(^^;
カクカクしていて、全然雰囲気出てないっス……。

キャラクターは個性豊か……というよりもはや変なキャラクター揃い。
一癖も二癖もあるキャラクターばかりで、もはや無茶苦茶です(^^;

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
男性や主人公の声も含めた完全フルボイスになっています。
そのため会話はとても臨場感に溢れていて楽しいです。

音楽は明るく楽しい曲が多め。ほのぼのとした曲や軽快な曲、コミカルな曲など
作品の雰囲気をよく盛り上げてくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポで明るく楽しい可愛らしい歌。ノリが良く、聴いていてわくわく
してくるような歌ですね(^^)
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出がなかなか凝って
いて、動きもあって、見ていて楽しいです(^^)
とてもポップで楽しいオープニングですね。

エンディングも歌あり。こちらは出演者みんなで歌っているのでしょうか。
楽しい雰囲気の曲で、作品を上手く締めくくっている感じです。
まあ、歌に関してはノーコメントで(^^;

また、某エンディングは別の曲が使われています。ハスキーな歌声が独特の
雰囲気を醸し出しつつ、津から強さや暖かさを感じる、なかなかいい歌ですね。
余韻も残る、聴きやすい歌だと思います。
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。設定メニューで各機能を
任意のキーに割り当てることが出来るようになっています。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、自動送りモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。画面の描き換えがもたつきますね。
スキップ動作は高速です。

セーブ箇所は167箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシナリオタイトル、自由記述の
コメントが保存されます。
数としては、分岐のポイントが明確ですし、これだけあれば充分でしょう。
使い切ることはないかと。

システムは選択肢決定型+ストーリースティック選択型のアドベンチャー。
ストーリースティックとは、7つのストーリー選択肢が表示され、その中から
任意のストーリーを選んで見ることが出来るシステムです。
まあ、言ってしまえば誰のイベントに入るかを選択するものですが、その
選択肢にどのキャラのイベントか、どんなイベントか、イベントの重要度
などが見られるようになっています。
また、複数のキャラが同時に喋るとき、メッセージウインドウ(吹き出し)が
2つ3つ出る「マルチウインドウシステム」があり、その状態だと、メッセージ
ウインドウの中をクリックしても、メッセージ送りが出来なくなっています。
そのかわり、クリックしたウインドウが前面に出てくるようになります。
突然このシステムが発動すると、ちょっと戸惑いますね(^^;
そして、条件を満たすと最後のストーリーを読むことが出来る、シナリオ
追加型のシステムになっています。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「黒田孝弘(くろだたかひろ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がまほろば市にやってくるところから始まります。
街が御剣町と鏡町に真っ二つに分かれていて、最初に主人公がどちらの町に
所属するかを選び、その町の中でストーリーが展開していきます。

ゲームは終始、明るく楽しくコミカルに展開していきます。
てゆーか、開始1分で主人公死亡エンドになる、斬新な作品ですね(笑)

御剣町であれ鏡町であれ、ドタバタで明るく楽しい日常が繰り広げられます。
キャラクターも個性豊かなキャラばかりで会話はとても楽しいですし、
ストーリースティックによって好きなストーリーを読めたり、コミカルな
イベントも数多く用意されていて、各所にギャグやパロディもちりばめられて
いたりと、テンションの高い、面白おかしく展開していきます。

ラストは唐突にあっけなく終わります。一応目標は学園祭を成功させることで、
メインヒロインはそこまできっちり描かれているのですが、キャラによっては
学園祭はかなりほったらかしになっていたり、サブヒロインに至っては学園祭
まで辿り着かずに終わったりと、「え? 終わりなの!?」と思うこともしばしば。

まずプレイしていて気になったのは、異常なまでのテンションの高さ。
キャラクターがみんな個性豊かで、会話もハイテンションに進むのですが、
最初こそ楽しんでプレイできたんですけど、だんだん辛くなってきて、最後の
方はなんだかぐったりしてしまいました(^^;
メリハリに欠けていて盛り上がりにも欠ける気がしますし、ギャグやパロディを
無理矢理詰め込んでテンション上げている感じで、やや空回りしているような
印象を受けました。金だらいの連続はさすがにウザいです……。
また、パロディには結構実名が出てきたり、小説のタイトルなどは固有名詞が
バリバリに出てくるので、ちょっとドキドキしました(^^;

そして、各所にちりばめられている蘊蓄、説明セリフが鼻につくように感じ
ました。
まほろばの歴史説明はまあ仕方ないとして、勾玉の説明とか、ゴスロリの解説
とか、別にそんなのいいからさっさと先に進めてよ、と思うこともしばしば。
もともと演出なんかでちょっとテンポが崩れるところに、こういう話が入ると
緊張感が切れてしまう気がします。

また、ストーリースティックで好きなストーリーを選択して読めるように
なっているわけですが、その選択の仕方によっては若干整合性の怪しい所が
見受けられます。
何かをお願いしていたのにそれをさらっとスルーしたりということが平然と
行われますし。

H度は低め。メインヒロインに関しては複数回用意されていますが、尺は短めで
描写もあっさりしています。唐突に始まるシーンが多く、感情移入もし辛く、
どうにもちぐはぐな印象が強かったです。
内容は純愛系のシーンがほとんどですが、導入が唐突なものが多く、戸惑って
いるうちに終わってしまう感じです(^^;

テキストは誤字等はあまり気にならず、テンポのいいテキストだと思います。
ただ、前述の通りかなりテンション高めのため、馴染めない人はちょっと辛い
かも知れませんね。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は約2ヶ月? 日付の表示はなく、経過も解らないため、意識する
ことはないかと思います。

ワンプレイは4〜8時間。かなり幅がありますが、これはエンディングの条件を
満たしたらすぐエンディングに突入することがあるからです。
シナリオが御剣町と鏡町の大きく2つ用意されていて、イベントはストーリー
スティックにより選択する形になりますので、共通イベント自体はそれほど
多くなく、一度クリアしてもスキップの効きは悪いです。……というか、一度
見たはずのイベントでも、スキップが効かなかったりするのですが……。
なので、思ったより時間がかかるかもですね。

難易度は低め。狙ったキャラが出てくるストーリーを選び続けていれば、まず
クリアは可能だと思います。ただ、エンディングに向かう選択肢が明確に用意
されている場合が多く、それを外すとクリアできなくなったりしますけど。
まあ、選択肢はわかりやすいので、特に問題はないと思いますけど。
ただ、トゥルーエンドを見ようと思ったら、ノーマルエンドも見る必要がある
ようで、条件がわからないとちょっと戸惑うかもですね。
総評
お奨め度ですが、明るく楽しくギャグ満載のハイテンションドタバタ学園物
ストーリーが好きな人にお奨め。
個性豊かなキャラクター達と織り成すドタバタストーリーは笑えますし、
ツボに入ればとても楽しめると思います。

ただ、描画の演出や金だらい等のアニメーション演出、随所に出てくる蘊蓄、
マルチウインドウシステムなど、この作品の特徴的な部分がことごとく
テンポを悪くしている感じで、プレイしづらくなっている気がします。

また、まほろば市の歴史などに絡んだ伝奇要素があったり、単純に萌えや
ドタバタだけではないのはいいのですが……今までハイテンションに進んで
いたところに突然そんな歴史要素なんかを入れられても戸惑うだけのような
気がします。
さらに、ギャグやパロディも無理矢理入れているような感じでポイントを
外している印象があり、いまひとつ笑いに直結しませんでした。
Hシーンも取って付けたような感じで、感情移入もし辛かったですし。
どうにも、全ての要素が無理矢理詰め込まれているような感じで、各要素が
互いに全然絡み合っておらず、結果まとまりのないちぐはぐな作品になって
しまっているように感じました。何がやりたいのか掴めないんですよね……。
ベースの設定やキャラクターの設定などはとてもいいだけに残念です。
とりあえず全ての材料を鍋に突っ込んで煮込んだだけの料理、という感じ。

ノリが肌に合うかどうかが全てな作品という気がしますので、メーカの
サイトを見るなり、体験版をプレイするなりして、まずは雰囲気が合うか
確認してみる方がいいかも? と思います。
手放しではちょっとお奨めしづらい作品ですね。
まあ、前作、前々作から出てきた奈々子のストーリーが完結しますので、
奈々子ファンの人はプレイしてもいいかな? と思いますけど。
もちろん、前作・前々作をプレイしていなくても問題ないですが。

最後に。「エイプリルフール」から取って「えいぷりる」……って、それ、
ただの4月なのでわ?(^^;


ですの少女、どう見ても「DUEL SAVIOR」のナナシに見えるのですが、これは
言ってはいけないのでしょうか(^^;
髪型も、リボンも、語尾も、ほとんどまんまだと思うのですが……。



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