双子モノ PureVer.
ブランド名 PSYCHO ジャンル AVG
発売日 2005.06.21 定価 \2,800
パッケージ なし マニュアル なし
DISC容量 239.3MB(ファイル)
原画 桂ともえ、大和えりな シナリオ 綺月鏡水
音楽 7曲、下地和彦 あり(1曲、ED)、Rita
音声 あり、紬叶慧、比未子、天天、森川陽子、七星優
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 50箇所 CG枚数 39枚
おまけ おまけモード、CGモード、音楽モード
対象属性 パロディ、学園物、純愛、陵辱、ピンク髪、触角、妹、お兄ちゃん、ストレートロング、
眼鏡っ娘、巨乳、ストッキング、黒髪、ヘアバンド、オーバーニーソックス、女教師、
ポニーテール、金髪、リボン、近親相姦
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 6

レビュー
概要
母一人子一人で育ってきた主人公は、半年前に母親を亡くし、ふさぎ込んで
いた。友人達の励ましもあって、ようやく普通に生活できるようになった主人公は、
ある日1本のビデオテープを見付ける。そのビデオテープには、主人公の前で
赤ん坊を抱いている母親が映っていた。自分に妹がいると解った主人公は、
肉親がいる喜びに、生きる気力を取り戻す。そんなある日、主人公の家に
女の子が訪れる。その女の子は、主人公の持っているものと同じビデオテープを
持っており、自分が妹だと言う。さらに、別の女の子もまた妹だと主人公の家に
やってくる。そして、どちらが本当の妹か解らないまま、3人の同居生活が始まる。
果たして本当の妹はどちらなのか……という、純愛アドベンチャー。

どこかで聞いたような話ですが、気にしたら負けです。きっと。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

琴塚芹奈(ことづかせりな)。(CV:紬叶慧)
主人公の妹(仮)。明るく元気な女の子で、ちょっぴり乱暴者。強気で、感情の
起伏も激しい。

華美谷麻紀(かみやまき)。(CV:天天)
主人公のクラスメイトの優等生。おっとりとした口調の巨乳美人。

椎名陽芙美(しいなひふみ)。(CV:森川陽子)
主人公のクラスメイト。ミステリアスな雰囲気の漂う女の子。ときどき
意味不明なことを口走ったり、何でも知っているような口ぶりで話す。

射麻茜(いまあかね)。(CV:七星優)
主人公のクラスの担任。おっとりマイペースな先生で、とても優しい。

簑沢春奈(みのさわはるな)。(CV:比未子)
主人公の妹(仮)。大人しく、控えめなお嬢様。気が小さく、すぐ気絶する。

絵の方は丸みを帯びた可愛らしい絵柄。原画家さんが2人いて、ちょっと絵柄は
違いますけど、メインとサブに分かれているため、それほど気にはならないかと。
CGは明るく発色の良い色遣いで、綺麗に処理されていると思います。
立ち絵はポーズ変化は無し、表情変化はあり。表情は会話に合わせてコロコロ
切り替わり、感情移入しやすいです。
ただ、メインヒロイン2人以外は、いついかなる時でも制服着てますけど(^^;

キャラクターは明るく元気な芹奈と、大人しく控えめな春奈という対照的な
配置に、個性豊かなサブキャラ達が絡んでくるという感じ。
……まあ、あからさまにどこかで見たようなキャラクターなわけですが(^^;

音声はキャラクターと合っている……とは思うのですが、どうしてもパロディ
元のキャラクターに引っ張られてしまって、どうも違和感を覚えてしまいました。
パロディ元を知らなければ、そーんなに気にならないと思うのですが……。
演技の方は、特に問題なし。まあ、こちらもパロディ元の声優さんと比較して
しまうのはアレですが。
あと、録音レベルがバラバラで、麻紀なんかはかなり聴き取りづらいです。

音楽はほのぼのとした曲に静かだゆったりした曲、緊迫感のある曲と、シーンに
合わせた曲が使われています。ただ、曲数はあまり多くないので、いつも同じ
曲が流れているような印象はありますが。

エンディングは歌あり。歌はゆったりとした静かな曲で、染み入ってくるような
感じがなかなかいいですね。エンディングらしいエンディングという感じです。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで出来ますが、メニュー操作などはキーボードでは出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常時も、音声のリピート再生は可能です。
メッセージウインドウが、白背景でやや透過度高めになっていて、白い文字が
非常に読みづらいです。透過度や背景色、文字色が変えられれば良かったの
ですが……。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。
動作はやや重め。しばらくプレイしていると、画面の切替がだんだん遅くなって
いくように思えます。CPU利用率も100%近いです。
スキップ動作は比較的高速です。

セーブ箇所は50箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像が保存されます。
数としては、それほど選択肢も多くなく、エンディングも少ないので、これだけ
あれば充分かと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
選択肢によって、イベントが分岐するタイプです。

ディスクレス起動可。というか、そもそもディスクがありません(^^;
バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「綱島稔」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公の家に、芹奈がやってくるところから始まります。
自分は主人公の妹だと言い、主人公の家に居着きます。
そして、春奈も主人公の学校に転校してきて、自分は妹だと言い、主人公の
家で3人で暮らすことになります。

……春奈、最初、めっちゃ主人公のクラスに転入してこようとしてません
でしたか? ……妹、ですよね?(^^;

前半は、ドタバタコメディ。2人の妹に振り回されたり、個性豊かな友人達と
どんちゃん騒ぎをしたりしながら話は進みます。
元々があからさまなパロディ作品で、各所にギャグやパロディがちりばめ
られています。てゆーか、最優先事項ゆーな(^^;

後半は、ヒロインの抱えた悩みや問題、どちらが妹かという話も交えた、
ややシリアスで重い展開。ちょっとイタい話もあったりして、明るく楽しく
という雰囲気ではなく、ちょっとキツいところもちらほらと。

そして最後は、あまりにも唐突で、いきなりな終わり方。
途中の過程やそれ以外の細かいところは全部無視したような、強引な持って
行き方でちょっとびっくりしました。
シナリオによってはそれなりに自然ではありますが、それでも今までの流れに
今ひとつ沿っていないように感じます。

まず気になったのは、パロディ作品であるのはまあいいとして、あまりにも
パロディ元の作品と設定や展開が似すぎていること。
プロローグを見た時点で、エンディングまでのストーリー展開がほぼ頭に
浮かび、しかも大抵思い描いた通りに話が展開するため、今ひとつ面白みに
欠けるように思います。
まあ、パロディ元の作品を知っているから、なんでしょうけど、逆に知らな
かった場合は、やっぱり面白味に欠けるというか、普通の作品になるような
気がします。まあ、コンセプトからしてそうなので、仕方ないですか。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されており、描写は比較的濃厚。
尺の方もそこそこ用意されています。基本的には純愛系のHシーンですが、
シチュエーションは色々用意されており、充分楽しめるかと思います。
やや導入が唐突なことが多いのは、まあご愛敬。
ただ、メインヒロイン2人はいいとして、サブキャラが好きな人にとっては
物足りない……というか、Hシーンが存在しないキャラもいますので注意。
あと、「PureVer.」と言いながらも、ちょっと陵辱っぽいシーンもあったり
しますので、油断していると痛い目に遭うかも。

テキストは誤字はあまり気にならず、テンポも良く読みやすいテキストだと
思います。ただ、テキストの不統一がちょっと気になりました。
芹奈が主人公のことを「稔君」と呼んだり「お兄ちゃん」と呼んだりするのは
まだいいとして、同じキャラが「稔君」と「稔くん」という2つの表記で呼んだり、
妹たちが同級生なのか下級生なのかが混沌としているような記述があったり、
明らかに表現や配置がおかしい部分がちらほらと見受けられました。
主人公が湯船から顔を出して、それを洗い場から見ている芹奈。
「一糸まとわぬ姿で、前も隠さずオレを見上げてくる芹奈」……見上げるのかよ!
いったいどういうキャラ配置になっているんだ(^^;
# そのあと、主人公が芹奈を見上げてるんですが……。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。2ヶ月ほど? イベントのある日だけをプレイするタイプで、
日付の経過も気にする必要はありません。

ワンプレイは3〜4時間。テンポ良くサクサク進むので、あまり時間は気にならず、
プレイはしやすいかと思います。

難易度は低め。選択肢の数は数えるほどしかなく、エンディングの分岐も比較的
解りやすいと思いますので、それほど苦労はしないでしょう。
ただ、一部引っかけっぽい……というか、ちょっと意地悪な選択肢があったり
しますので、そこに引っかかってしまうと思ったエンディングに辿り着けないかも
知れませんので、要注意。
総評
お奨め度ですが、三角関係の恋愛物が好きな人にお奨め。
2人の妹と一つ屋根の下で暮らし、そのうち次第にどちらか(もしくは両方(^^;)に
心引かれていくという、ある意味王道な展開が楽しめます。
基本的には純愛物ですが、Hシーンは結構充実していますし、キャラクターも
可愛らしいので、充分楽しめるかと思います。

ただ、最大のネックは、作品のコンセプト自体。
あからさまに某作品のパロディで、キャラクターの設定や配置、ストーリー展開
までパロディ元と似通っているため、パロディ元を知っていると面白みに欠け、
知らないとよくわからないという状態に陥ってしまいかねません。
同じパロディをやるにしても、もう少しひねった方が良かったような気がします。
いくらなんでもまんま過ぎますよ……。
どうしても、パロディ元に引っ張られてしまって、キャラクターの魅力や話の
面白みが半減してしまっているように思えてなりません。

まあ、パロディ元を気にしなければ、キャラクターは魅力的だと思いますし、
ストーリーも手堅くまとまっていて充分楽しめると思いますから、気になった
人はプレイしてみてはいかがでしょうか。
価格の割には結構ボリュームもありますし、充分満足できるかと思います。

最後に。ところで、タイトルは「双子モノ」なわけですが……どこらへんが
「双子」なんですか?(^^;


まあ、あからさまに「おねがい☆ツインズ」のパロディ……というか、むしろ
パクりなわけですが(^^;
いっそのこと、キャラクターの名前を「深衣奈」とか「樺恋」にしちゃうとか、
声優に中原麻衣さんや清水愛さんを使うぐらいのことをやって欲しいです(笑)
最優先事項よ☆
あと、苺(苺ゆーな)の扱いが、ちょっと酷いような気がしないでもないです(^^;



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