確かにキミはココにいた | |||
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ブランド名 | あんでる★ | ジャンル | AVG |
発売日 | 2005.07.22 | 定価 | \9,240 |
パッケージ | 紙製パッケージ(150x215x36mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | 601.6MB、CD-DAなし | ||
原画 | 綾風柳晶 | シナリオ | 2さうざんと内藤 |
音楽 | 18曲、Angel note、ヘルシー丈夫 | 歌 | あり(1曲、OP&ED)、中山★マミ |
音声 | フルボイス、須本綾奈、北条明日香、茶谷やすら、一条和矢、鳩野比奈、 韮井叶、金田まひる、児玉さとみ、夏木ツナ、伊藤瞳子、桃屋一子、東花梨 |
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インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 39箇所+オートセーブ1箇所 | CG枚数 | 76枚 |
おまけ | 音楽モード、CGモード、回想モード | ||
対象属性 | 金髪、幼なじみ、ショートカット、青髪、ポニーテール、リボン、眼鏡っ娘、ストッキング、 ストレートロング、赤髪、ボブカット、カチューシャ、オーバーニーソックス、ツインテール、 黒髪 |
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1プレイ時間 | 2〜7時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
主人公は、オンラインゲーム「竜の黄昏」で有名なプレイヤー・ヒビキで、 相棒のケンとともに毎日楽しくゲームを遊んでいた。しかしある日、その ケンが突然姿を消す。「僕はここにいたよね」という言葉を残して……。 一度もケンのプレイヤーに逢ったことがなく、一度逢いたいと思っていた 主人公は、消息を絶ったケンをなんとか探しだし、プレイヤーと逢うため 情報を集め出す。果たして主人公は、ケンと逢うことが出来るのか…… という、ネットゲーム恋愛AVG。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 名木沢ライム(なぎさわらいむ)。(CV:須本綾奈) 主人公と同じ学園に通う同級生。アメリカ系のハーフで、家も近所の幼なじみ。 明るく元気だが、ちょっと気が短く、考えるより先に行動する。 ネットゲームでは、竜使いのムイラを操り、ヒビキとは恋人になっている。 橘胡桃(たちばなくるみ)。(CV:北条明日香) 主人公のパーティーでは最年長。オフ会を開くときは、いつも幹事を引き受けて くれる頼れる女性。真面目で、やや頭が固い。 ネットゲームではシスターマヤを操る。 桝沢玲子(ますざわれいこ)。(CV:茶谷やすら) 自由奔放で脳天気、空気を読まないやりたい放題の女性。 ネットゲームではへっぽこ魔法使いレイコを操る。パーティーのお荷物(笑) 他にもヒロインはいるんですが、キャラクター紹介をした瞬間にネタバレに なりかねないので(^^;、割愛。 絵の方は活き活きとした可愛らしい絵柄。色気も兼ね備えており、とても魅力的 だと思います。 CGはちょっと色遣いがキツかったり、やや粗い印象はあるものの、雰囲気はよく 出ているかと思います。 # 「輝く金茶のセミロングの髪に、露出度の高いお色気たっぷりのセクシーな服装」 # と書かれているキャラが、赤っぽい髪に、アンミラっぽい服装なんですが(^^; 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともになし。ただし、メッセージウインドウ横に フェイスウインドウが表示され、その表情はコロコロと変わり、コミカルな物も 用意されていて、見ていて楽しいです。ライムのあきれた顔がらぶりー。 そして、ネットゲーム中のキャラクターはポーズ変化も表情変化もなく、フェイス ウィンドウもないんですが、キャラの感情を表すエモーション演出が入るため、 雰囲気は出ていてなかなかいいですね。 キャラクターはみんなネットゲームに参加しており、現実世界では様々な顔を 持っています。それぞれ、ネットと現実の考え方が違っており、現実の自分を 知られることを極度に嫌う人もいたりと、個性がよく出ていると思います。 ネットゲームのキャラクターとプレイヤーでは全然性格が違ったりするのが 面白いですね。 音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。 ただ、ネットゲーム中は音声がなく、ネットゲームパートは結構多いため、 そーんなに音声は多くない印象があります。 これを「フルボイス」と言うのは、ちょっと無理がある気がします……。 音楽は優しくゆったりとした感じの曲が多め。柔らかい雰囲気で作品を包んで くれるような感じです。 ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。 歌は穏やかな感じの曲で、ちょっと切なさの漂う、でも力強い感じの、なかなか いい歌だと思います。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はなし。 エンディングも歌あり。曲はオープニングと同じなのですが、エンディングの 雰囲気ととってもよく合っています。というか、歌詞を聴いていても、これは 元々エンディングのために作られたような感じですね。ぴったり合っていて、 なかなか良かったです。 |
システム |
インタフェースはフルキーボードサポート。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 通常のメッセージ送りもホイールで可能です。 ネットゲームパートでは、メッセージウインドウの形状が変わり、チャット ウインドウと情報表示ウインドウという形になります。メッセージも下から上に 流れていき、ホントにチャットで会話しているような雰囲気が良く出ています。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は比較的軽快。ただし、ネットゲーム内の会話は、エモーション演出が 入るため、やや引っかかる感があります。スキップ動作は高速です。 セーブ箇所は39箇所+オートセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、章タイトルとシーン名が保存されます。 数としては、選択肢の数はあまり多くなく、分岐も明確で、これだけあれば 充分かと思います。 システムは選択肢決定型のアドベンチャー。 ゲームは章ごとに進むのですが、各章に対応するヒロインがいて、条件を 満たすとそこでそのヒロインとのエンディングを迎えて終わります。 特徴は「エモーション演出」。これは、ネットゲームパートで、キャラの 感情を表すための視覚的な演出です。なかなかコミカルで楽しいです。 ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。 主人公の名前は「玖珂響(くがひびき)」固定です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームはネットゲームで主人公とコンビを組んでいたキャラクター・ケンが、 ある日突然今日で最後と言い、「僕はここにいたよね」という言葉を残して 去ってしまうところから始まります。 一度もケンのプレイヤーに逢ったことのない主人公は、何とか探し出して、 一目逢いたいと思い、情報を集めようとする……という感じ。 ゲームは章立てて進み、各章にヒロインが用意されています。 主に、そのヒロインからケンに関する情報を集め、その過程でヒロインと 仲良くなっていき、条件を満たせばそのままエンディング、という感じです。 結構緊迫した雰囲気でストーリーが展開することが多く、この先どうなるのか ドキドキしながらプレイできました。 ラストは、各章で分岐してエンディングに入る場合、かなり取って付けた 印象があります。ケンを探すこととか、ネットゲーム自体をほったらかして、 いきなりそのヒロインとの生活を始めたり、唐突で、強引な印象が強いです。 しかもそれが、選択肢1つで決まってしまうので、さらに唐突感が漂います。 終章までプレイした、いわゆるメインのエンディングは、ちょっと切ない ながらも胸に響くような終わり方で、こちらはとても良くできていたと 思います。 特筆すべきは、ネットゲームでの演出。メッセージウインドウはチャットの ような表示になっていて、とてもよく雰囲気が出ていますし、エモーション 演出によってキャラクターの感情も表されていて、なかなか楽しいです。 ネットゲームの雰囲気を、上手く活かしている感じですね。 H度は並。某ヒロインを除いて、各ヒロインとも複数回(2〜3回)用意されて います。描写の方はそこそこ濃厚ですが、尺はやや短め。 内容は、純愛系のごく普通のHがほとんどで、それほど変わった内容の ものはありません。まあ、酔った勢いで襲いかかられたり、いきなりお尻を 差し出されたりはしますけど(^^; テキストは若干誤字・脱字が見受けられますね。キャラクターの名前なんかも 脱字があったり、ちょっと気になりました。文章自体はテンポ良くて読みやすく、 ネットゲームパートも独特の雰囲気が良く出ていたと思います。 ただ、顔文字が多用されるため、苦手な人は気になるかも。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は不明。平然と数週間が経過していたりもしますので、日付を意識 することはないでしょう。 ワンプレイは2〜8時間。めちゃめちゃ幅がありますが、これは、最初の章で エンディングを迎えた場合と、最後の章でエンディングを迎えた場合、という 感じですので。 難易度は低め。分岐の選択肢は明確ですし、内容も素直ですので、苦労する ことはないでしょう。1つだけ、ちょっと見付けづらいエンドがあるかもですが、 まあそれもそーんなに苦労はしないかと。 |
総評 |
お奨め度ですが、ネットゲームと現実の間で揺れ動くストーリーが好きな人に お奨め。……すんごい限定されてる気がしますが(^^; あと、ちょっと切ないラブストーリーが好きな人にもお奨めできるでしょうか。 それに該当するのはメインルートだけですが(^^; ネットゲームパートは、とてもよく雰囲気が出ていますし、ネットと現実の 間で揺れ動く心や、ネットゲームをしている人の心理などを上手く描いた、 なかなか感情移入しやすいストーリーだと思います。 特に、ネットゲームをやったことがある人なら、共感できる部分も多いかと 思いますし、ネットゲームの抱える問題なども提起されていて、興味深い 内容だと思いました。 ただ、全体的に見ると、強引で早急な展開が目立ったり、取って付けたような エンディングが見受けられたり、主人公が最後の最後でヘタレたりと、やや 目に付くところもありました。 しかし、各所でハッとさせられるセリフがあったり、メインルートではかなり 切なく悲しい展開や、感動的な展開が用意されていて泣けましたし、随所に キラリと光るところも見受けられました。 「僕はここにいたよね」というセリフや、「確かにキミはココにいた」という タイトルは、とても良く考えられていると思います。 エンディングの歌も、作品の内容を見事に表してくれていると思います。 全体的に見ると、かなり作りは粗く、練り込まれていない点も見受けられますが、 各所に心を掴むようなセリフや、考えさせられる展開があって、かなり楽しむ ことが出来ました。 まあ、基本的にメインのルートが1本だけで、そこから各エンドに分岐するタイプの ため、ボリューム的にはやや物足りなさもありますし、メインルート以外は取って 付けたような終わり方ですが、ネットゲームをやったことのある人や、やったこと はなくてもネットで活動している人であれば、共感できる部分も多いかと思います ので、雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。 ただ、このゲームを語る上で、1つ避けて通れないポイントが……。 それはマニュアルにあります。まず、マニュアルの表紙に書いてある凄い一言。 「※ネタバレ注意」 ……待て。マニュアルって、ゲームをプレイする前に読むものじゃないのか? それがネタバレ禁止て。読めないじゃん! いったい何のためのマニュアルなんですか……。 まあ、キャラクター紹介をした時点でネタバレになりかねないですから、 言いたいことはわかりますけど、それならパッケージにもキャラクター紹介は 載せないで欲しいんですが……。 そしてこのマニュアル、ゲーム中の絵も結構使われていたりするのですが、 その中に、本編で見たことのない絵が……。 しかもその絵って、本編で切望されるような絵なんですが……。 まあ、それについてはネタバレになるので最後に叫ぶとして。 ホント、このマニュアル(とパッケージ)のせいで、かなりポイントを落として いるような気がするのですが……このゲーム……。 以上のことを踏まえた上で、気にしないという人は是非どうぞ。内容的には、 こういうことを気にしなければ、それなりに楽しめるかとは思いますし。 ……なんであのCGを使わなかったのか、激しく疑問ですが……。 ちなみに、お奨め度は、マニュアルのことは度外視して、さらに私が個人的に 好きな部類のシナリオだったということもあって、かなり甘めになっています。 マニュアルの事を考えたり、ボリューム面などを考慮すれば、-2 ぐらいしても いいぐらいですので、そのあたりはご注意を。 最後に。えーっと、喰っちゃった女の前で、別の人と付き合うことになった ことを発表するというのは、いったいどういうプレイですか(^^; # 無神経にも程があるぞ、この主人公(^^; さて。マニュアルに載っていた絵に関するネタバレ絶叫コーナー(笑) ポロリもあるよ! ちゅーか、沙織とのHシーンがないっちゅーのうどういう了見だ! いや、風呂場でいちゃいちゃするのはありましたけど、ありましたけど! でもでも、マニュアルには、沙織とのHシーンの絵もあったじゃん! ……ホント、なんでこのイベントを削っちゃったんでしょうね……。 ゲームをクリアしたときは、結構感動的で、清々しい気分だったのに、 このマニュアルを見て台無しですよ。 「たかがネットゲームで知り合っただけの仲間なのに……大切なんだよ」 というセリフなんかは、かなりぐっと来たんですけどねぇ……。 あと、沙織とのハッピーエンドも見たかったなー、と。 もしかしたらそれが、あの本編で使われていない絵かも知れないと思うと、 やりきれなさが残ります。 是非、完全版を出して欲しいところですね。 |