恋もも
ブランド名 fizz feat.GIGA ジャンル ももいろ学園ラブストーリー
発売日 2005.11.25 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(270x190x41mm) マニュアル B5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC1 : 406.5MB、CD-DAなし
GAME DISC2 : 650.1MB、CD-DAなし、Alpha-ROM
ORIGINAL SOUNDTRACK : CD-DA=590.0MB、CD-DA22トラック
原画 闇野ケンジ シナリオ 雪村戌(Sortilege)
音楽 21曲、ave;newa.k.a.dRESS あり(1曲、OP&ED)、
ave;new feat.佐倉紗織
音声 あり、手塚まき、杏、三咲里奈、茶谷やすら、春乃いちご、ひらり、星野みく、森野花梨
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所 CG枚数 110枚
おまけ CG鑑賞、音楽鑑賞、回想、おまけ
対象属性 純愛、学園物、ミステリー、ファンタジー、幼馴染み、黒髪、ストレートロング、
オーバーニーソックス、ショートカット、先輩、ボブカット、後輩、ホットパンツ、
浴衣、体操服、ブルマ、眼鏡っ娘、ポニーテール、リボン
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 6

レビュー
概要
両親が留守がちだった主人公は、親戚の家に預けられることが多かった。
そして、両親が長期出張に出ることになり、主人公はその家で暮らすように
なる。その家には1つ年上の女性・葉月がおり、姉弟のように暮らしていた。
そんなある日、家に謎の少女が転がり込んでくる。その少女が言うには、
主人公を危険から守るためにやってきたという。果たしてその少女の正体は。
主人公に迫る危険とは……という、ももいろ学園ラブストーリー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

朱鷺坂葉月(ときさかはづき)。(CV:杏)
主人公の従姉で幼馴染み。ほのぼののほほんとした雰囲気だが、結構我が儘で
やきもちやき。主人公のことを本当の弟以上に可愛がっており、お姉さんぶろう
とする。ご飯好き。茶道部所属。

小波真季(こなみまき)。(CV:ひらり)
葉月のクラスメイトで、主人公の先輩。大雑把で自由奔放な女性。
あのね真季さん。あぐらはどうかと思うの(^^;

堀部千晶(ほりべちあき)。(CV:茶谷やすら)
新入生で茶道部の新人。主人公の1つ下の後輩。口数少なく大人しいが、意志は
強く、責任感も強い。やや真面目で堅物。和服が好き。

咲峰百花(さきみねももか)。(CV:手塚まき)
主人公を守るためにやってきた少女。明るく元気一杯の女の子。
危険を察知する能力を持つ。

西木絢歌(にしきあやか)。(CV:三咲里奈)
百花の友達……というより、保護者的存在。同じ家に下宿している。柔らかい
雰囲気を持つ大人の女性。死の気配を感じる能力を持つ。

早鏡美奈美(さかがみみなみ)。(CV:春乃いちご)
駅前で出逢った、頭にぬいぐるみ(らしきもの)を乗せている少女。
やや感情表現に乏しく、世間知らず。

キサ。(CV:星野みく)
美奈美の家で働く家政婦で、早鏡家に仕えている。無口で物静か。物腰丁寧だが
言うことははっきり言う。

絵の方はほんわかした柔らかいタッチの絵柄。とても可愛らしく活き活きとした
魅力的な絵柄だと思います。
CGは明るくはっきりした処理になっていて、見やすいと思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。会話に合わせてぱたぱたと切り替わり、
アクションも大きく、コミカルな表情もあって、見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かなキャラクター揃い。ほとんどのキャラは特殊な設定を
持っていて、不思議な雰囲気が漂います。
千晶がめちゃめちゃ健気で可愛らしくてらぶりー(^^)

音声はキャラクターとのマッチングもよく、演技の方も問題なし。

音楽はほのぼのとした曲が多め。作品の雰囲気を柔らかくしてくれています。

ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。プロローグが
終わった時点でも流れますけど。
歌はアップテンポでビートの効いた、でもちょっと可愛らしさも漂う曲。
もうちょっとパンチがあってもいいかな? とは思いましたが。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出が凝っていて
見応えはあります。ただ、絵がぱたぱた切り替わるのはいいのですけど、
ちょっと落ち着きがないようにも思えました。

エンディングも歌あり。歌はオープニングと同じ物です。
曲調が結構激しいため、ちょっとエンディングの雰囲気とは合っていないように
感じました。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、一部
メニュー操作はキーボードで可能ですが、各メニューの呼び出し等はキーボー
ドでは出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常時も音声のリピート再生は可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。画面エフェクトをなしにしないと、描画でいちいち待たされ
ます。ただ、エフェクトを切っていると、場所の移動等がめちゃめちゃ味気なく
なってしまいますけど。
スキップ動作は比較的軽快。

セーブ箇所は80箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数としては、それほど選択肢は多くないため、これだけあれば充分かと。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。一応フラグ型のようですが、選択肢
1つでシナリオが分岐したりもします。また、条件を満たさないと入れない
シナリオもあるようです。

Alpha-ROMによるプロテクトが施されており、初回起動時のみディスクチェックが
入ります。2回目以降はディスクレス起動可。
バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「守占香月(もりうらかづき)」固定です。

初回起動時はフルスクリーンモード固定で、他のウインドウ位置を破壊して
下さるステキ仕様です(T_T)
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公の家(厳密には葉月の家)に百花がやってくるところから始まり
ます。百花が言うには主人公に危険が迫っており、百花は主人公を守るために
やってきたという。そして、ドタバタな毎日が始まる……という感じ。

前半はドタバタコメディで、コミカルに進みます。テンション高く、会話も
楽しいです。

後半はミステリータッチの緊迫した展開。切ない展開なども用意されていて、
メリハリの効いた様々な展開が楽しめます。

ラストはちょっと切ない終わり方もありますが、基本的に綺麗にすっきりと
終わります。ちょっとご都合主義な印象もありますが、クリア後の気分は
爽やかでしょう。

まず気になったのは圧倒的な描写不足。各ヒロインは様々な設定を持って
いるのですが、その設定があまり活かされず、さらっと描かれたかと思ったら、
もうエンディングという感じで、物足りなさを感じます。
特に、ここをもっと描いて欲しいというポイントがさらっと流されて、そのまま
次のイベントに行ってしまうので、あっけなく思います。溜めがないというか、
カタルシスに欠けるというか。
# チャーハン作るシーンとか細かく描写するぐらいなら、個別ルートに入って
# からを、もう少し丁寧に描いて欲しいなー、と。

また、時系列がぽんぽん飛ぶため、ちょっとついて行きづらく感じました。
特に前半はまだ作品の雰囲気が掴めていないので、いきなり過去の話になったり
別のところの話になったりすると、ちょっと戸惑います。
さらに、各キャラの名前が出てくるのが遅く、1シーンまるまる「女子学生」のまま
会話して、次のイベントでやっと名前が判明するとかいうこともあって、より一層
入り込みづらくなっている気がします。
他にも、伏線や設定を延々と引っ張ることが多いのですが、ほとんどバレバレな
設定を延々と引っ張られても、いまいち面白みがありません。

H度は低め。各ヒロインとも1回。(回想では2つに分かれているものもありますが)
尺はそこそこ確保されていますが、描写の方は比較的あっさり。内容も純愛系の
ノーマルなシーンがほとんどで、やや面白みに欠ける気がします。
なお、各ヒロインをクリア後におまけでそのヒロインのおまけHシーンを見ることが
出来、それはそこそこ描写も濃厚です。
……どうしてこれを、本編でも使用しなかったのでしょうか。勿体ないです。

テキストはちらほら誤字等が見受けられますが、それほど気にはならないかと。
ただ、絢歌ルートでみょーに誤脱が目立つ気が。
あと、ちょっと気になったのは話し言葉がやや固いこと。普通の話し言葉で
「昨夜」を「さくや」とはあまり言わない気がします。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。時間の経過はほとんど意識する必要はありません。

ワンプレイは5〜6時間。共通パートが多いため、1周クリアすれば、スキップを
使うと大幅に時間を短縮できます。

難易度は並。基本的に狙ったヒロイン寄りの選択をしていればOKですが、
選択肢の効果がやや解りづらく、選択肢を1つ間違えるだけで別のシナリオに
入ってしまったり、条件を満たさないと入れないシナリオがあったりと、
クリア順によってはちょっと苦労するかも知れません。
総評
お奨め度ですが、ちょっと不思議な雰囲気の純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
ただの純愛物ではなく、ミステリー要素やファンタジー要素なんかもあって、
独特の雰囲気が漂う作品です。
ヒロインも個性豊かで魅力的で、様々な展開を楽しむことが出来ます。

ただ、各イベントはあっさり描かれており、特に個別ルートに入ってからは
展開が非常に早く、新しい設定が出てきたと思ったらちょっとイベントがあり
そのままエンディングに直行したりと、物足りなさ・あっけなさを感じます。

パッと見はほのぼの純愛ストーリーですが、ミステリー要素、サスペンス要素、
ファンタジー要素、サイコ要素、不思議系、電波系、三角関係など、様々な
要素が詰め込まれています。
ただ、あまりにも色々な要素を詰め込みすぎたため、結局やりたいことが何か
わからず、色々やろうとして焦点がぼけてる感じが強いです。
特にラストは切ない展開や感動的な展開が多く用意されているにも関わらず、
あっさり描かれて終わっているためカタルシスに欠け、泣いたりするところまで
いかなかったのが非常に残念です。
もうちょっとメリハリを付けて、ラストは丁寧に描いて貰えたら、きっとだくだく
泣けたと思うんですけどねー。

設定はとても面白いと思いますし、ヒロインは個性豊かで様々な展開が楽しめ
ますし、絵は可愛らしく音声もばっちりと、素材は非常にいいものが揃って
いると思うのですが、調理してみたらごく普通の家庭料理が出来ちゃった、
みたいな感じで、勿体ないですね。
もう少し上手く調理すれば、最高の料理が出来たんじゃないかなーと思える
だけに残念です。消化しきれていない設定もかなりありますし。

ただ、ラストのあっけなさに目を瞑れば、メリハリのある様々なシナリオが
楽しめますし、ヒロインも可愛らしくて普通に純愛が楽しめるかと思います。
絵柄が気に入って、色んな要素の入ったストーリーを楽しみたい人は是非。

最後に。真季エンドきぼー。


ちょいネタバレなつぶやき。

絢歌の設定、いくらなんでも最後までひっぱり過ぎだと思う(^^;
「そんな木あったのかよ!」という感じです(^^;
まあ、うすうすは感じてましたけどね……。



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