御魂のゆき
ブランド名 LiFox ジャンル 和風伝奇アドベンチャー
発売日 2005.03.25 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(160x228x34mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 GAMEDISK : 668.1MB、CD-DAなし、Alpha-ROM
original soundtrack : CD-DA=524.0MB、CD-DA28トラック
原画 阿倍野ちゃこ シナリオ 御巫紫苑、たかなみれい
音楽 28曲、筒井香織 あり(2曲、OP・ED)、柚木まき
音声 女性キャラフルボイス、緒田マリ、山咲真紀、北川真梨、柏倉れん、萌原ぶり、楠鈴音
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 93枚
おまけ Graphic、Scene、Character、Music
対象属性 伝奇物、陵辱、ピンク髪、ボブカット、帽子、お兄ちゃん、メイド、黒髪、ストレートロング、
リボン、ストッキング、ガーターベルト、お嬢様、眼鏡っ娘、お下げ、巫女装束、巫女さん、
銀髪、ツインテール
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 6

レビュー
概要
両親を亡くし、従妹と二人で暮らしていた主人公。ある日、従妹宛に親類を
名乗る男性から三珠村への招待状が届く。招待状を見た従妹は、その村に
行きたがったため、心配になった主人公は、一緒について行くことにする。
その村は古くからの言い伝えと、因習を持った不思議な村だった。そして、
その村ですごすうち、主人公は不思議な夢を見るようになる。果たして、
この村に眠るものは何か。主人公とこの村の関係は……という、和風伝奇
アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

白岡沙耶(しらおかさや)。(CV:緒田マリ)
主人公の従妹。幼い頃に両親を亡くし、主人公の家に引き取られ、実の兄妹の
ように育ってきた。大人しく控えめで、人見知りの女の子。
主人公のことは「お兄ちゃん」と呼び慕う。

秋元はづき(あきもとはづき)。(CV:柏倉れん)
三珠村村長の屋敷で働くメイド。あまり感情を表に表さず、クールに振る舞う。
職務に忠実で、仕事もてきぱきとこなす。

真野絵梨佳(まのえりか)。(CV:北川真梨)
村長の娘。甘やかされて育ったため、我が儘で高飛車。男性とあまりり接しない
ように言われており、主人公にも冷たく接する。

夏山織恵(かやまおりえ)。(CV:楠鈴音)
商店で働くお姉さん。明るくはきはきしたお姉さん。

守屋成実(もりやなるみ)。(CV:萌原ぶり)
村の神社の娘。主人公のことを気に入っており、ことある毎にアタックしてくる。
明るく元気な女の子。

真由(まゆ)。(CV:山咲真紀)
伝説にある黒の巫女姫。まぐわった者を奇魂と呼ばれる不死者にする力を持つと
言われている。

絵の方はスレンダーで可愛らしい絵柄。幻想的な雰囲気も漂う、綺麗な絵柄だと
思います。
CGは鮮やかで綺麗な処理になっていると思います。ただ、ちょっと鮮やか過ぎる
ように思えるときもちらほら。まあ、さほど気にならないでしょう。
立ち絵はポーズ変化、表情変化ともにあり。目パチ・口パクも用意されています。
会話の内容に合わせて切り替わるため、感情移入はしやすいです。
また、流れる水や揺れる風鈴など、背景にもアニメーションが使用されており、
シーンをより一層盛り上げてくれます。

キャラクターは大人しいキャラと騒がしいキャラがはっきり分かれる感じ。
基本的に、静かで大人しいキャラが多く、まったりとした会話が繰り広げられます。
どのヒロインも特殊な設定を持っており、それがストーリーに絡んで来ます。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
ただ、静かなキャラと騒がしいキャラの差が大きく、録音レベルにも差があるため、
音量の調節はちょっと難しいかも。

音楽は静かでもの悲しい雰囲気の曲が多め。次いで、ほのぼのとした穏やかな
曲が多いです。

ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。
歌は綺麗な旋律の、とても雰囲気のある曲。
絵の方は、結構アニメーションしていて、とても綺麗です。あんまりグリグリ動いて
いるという感じではないのですが、幻想的な雰囲気を醸し出す、とても綺麗な演出
だと思います。

エンディングも歌あり。歌は伝承歌のような、独特の雰囲気を持った歌。
ゆったりとした静かな曲で、エンディングの雰囲気を盛り上げてくれます。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで可能ですが、スキップやメニュー操作はキーボードで出来ない場合が
多いです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しています。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。ただし、グラフィックエフェクトをONにしていると、描画で
ちょっと待たされます。
スキップ動作は比較的高速。ただし、グラフィックエフェクトをOFFにしないと、
描画にエフェクトがかかって待たされますので、あまり早くないです。

セーブ箇所は100箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルと、自由記述のコメントが保存
されます。また、データ1つずつに上書き禁止の属性を付けることが可能です。
数としては、基本的にオンリープレイが必要で、さらに選択肢の効果はすぐに
わかるものが多いため、これだけあれば充分だと思います。

システムはマップ移動場所選択+選択肢決定型のアドベンチャー。
マップには、重要なイベントの発生するキャラクターが表示されるため、攻略は
しやすくなっています。ただ、キャラクターが表示されないところでもイベントは
発生するため、全てのイベントを見ようと思うと大変かもですが。
選択肢は、その場でシナリオが分岐する、ぶっちゃけバッドエンド直行する事が
結構あるなど、効果はわかりやすいです。

本ゲームは、インストールの時点でプロテクトのチェックが行われ、以降も起動の
度にディスクチェックが行われるようです。
したがって、ディスクレス起動不可。バックグラウンドでの動作は可能です。
主人公の名前は「白岡大樹(しらおかひろき)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公と沙耶が三珠村にやってくるところから始まります。
今年は村の伝承からちょうど500年目にあたり、伝承にある巫女姫の血筋である
沙耶に、舞を踊って欲しいと村長から依頼される。
戸惑いながらも依頼を受け、舞の練習をする沙耶。そんなおり、主人公は、毎夜
不思議な夢を見る……という感じの、伝奇要素の詰まった展開です。

ストーリーは、終始独特の雰囲気で進みます。古い習わしがある村で、さらに
周囲の人は一癖も二癖もあるような人たちばかりで、非常に閉鎖的で、ある種
緊迫感のある雰囲気が流れています。

そして、村に伝わる伝承を中心として、主人公が毎夜見る夢や、ヒロイン達の
設定を絡めて、伝奇的なストーリーが展開します。

ラストはそれなりにすっきりとは終わりますが、手放しでハッピーエンドと言える
わけでもなく、どこか切なさが漂う感じです。

特筆すべきは、優れた演出、画面効果の数々。立ち絵はポーズ・表情変化の
他、目パチや口パクも用意されており、背景もアニメーションするなど、細かい
ところも凝っていて、感情移入しやすいです。

また、ストーリーも伝承を中心とした伝奇的な展開で、過去の話も絡めて展開
していくのはなかなか面白く、引き込んでいくようなシナリオです。
ただ、後半はやや駆け足で、ラストもちょっとあっけなく、今ひとつ印象に残ら
ないのはちょっと勿体ないかも。

H度はやや低め。各ヒロイン複数回用意されていますが、シナリオによっては
1回しかないヒロインなんかもいます。バッドエンドでシーンのバリエーションが
多いキャラもいますし。描写はややあっさり目で、尺も短めです。
内容は、純愛的なものは少なめで、陵辱的なものや、寝取られ的なものまで
あるため、苦手な人にはちょっと辛いかと思います。
主人公が絡むシーンでも、ちょっと乱暴だったりしますし。
どちらかというと、ストーリーの一部として組み込まれたシーンが多く、純粋な
Hシーンとしての意味合いは薄い気がします。

テキストは誤字等はほとんど気になりません。ただ、伝奇物であるがために、
難しい言い回しが多く、また難しい漢字も多く出てきますが、言葉の説明は
少なく、ルビも小さく見づらいので、ちょっと読むのは大変かもです。
プレイ時間・難易度
ゲームは八月一日から始まります。
ゲーム期間は約2週間。1日ずつプレイしていきます。

ワンプレイは3〜4時間。テンポも良く、プレイしやすいと思います。
もう少しじっくり描いてもらってもいいかな? とは思いましたが。

難易度は低め。重要なイベントが起こるときは、マップ上にキャラクターが
表示されますし、選択肢も間違えると即バッドエンドになるなど、解り易い
作りになっていますので、それほど苦労することはないと思います。
ただ、全てのイベントを見ようと思うと、ちょっと面倒かもですが。
総評
お奨め度は、独特の雰囲気が漂うちょっと切ない伝奇物が好きな人にお奨め。
村の伝承を中心とした伝奇ストーリーは、なかなか読み応えもあり、引き込む
力を持ったシナリオだと思います。

設定はなかなかしっかりしており、雰囲気も良く、演出も凝っていて、お話に
入り込みやすくなっていると思います。

ただ、後半ちょっと駆け足になってしまい、話を追いかけるのに必死でやや
感情移入し辛く感じたのと、ラストがあっけなく、今ひとつ盛り上がりに欠けて
いるのは勿体ないかな、と思いました。

そして、陵辱や寝取られ要素もあり、全体的に重苦しいダークな雰囲気も
流れているため、明るく楽しい純愛ストーリーが好きな人には全く向かないと
思います。ほとんど笑いの要素もないですし。

若干物足りなさはあるものの、とても丁寧に作られていて、引き込まれるような
力のあるストーリーは結構楽しめると思いますので、雰囲気が気に入った人は
是非どうぞ。

最後に。この村、もう長くねーな……(^^;


主人公、ふつーに死体遺棄です(^^;
そして、ある意味、死姦!?



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