鬼魂〜おにたま〜
ブランド名 Berkana ジャンル ドタバタラブ活劇&和風ファンタジーAVG
発売日 2005.01.21 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(156x224x50mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 907.531MB(DVD-ROM)、CD-DAなし
Soul Disc OP&EDマキシシングルCD : CD-DA=194.6MB、CD-DA6トラック
原画 泉りとる シナリオ 前山信頼
音楽 19曲、wataru あり(2曲、OP・ED)、川村ゆみ、月兎
音声 あり、涼森ちさと、飯田空、中瀬ひな鳩野比奈
AYA、上条茗、笑顔光、高山聖、桜維のあ、月山かなる、北川葵、shin
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 60箇所 CG枚数 198枚
おまけ 回想、美術、音楽
対象属性 ドタバタ、陵辱、伝記物、学園物、女医、白衣、ストレートロング、触角、ショートカット、
オーバーニーソックス、体操着、ブルマ、女教師、金髪、眼鏡っ娘、ストッキング、レズ、
黒髪、セーラー服、リボン、先輩、後輩、お嬢様、ボブカット、お兄ちゃん、スパッツ、
猫耳、ふたなり、ショタ
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 5

レビュー
概要
幼い頃に事故で両親を亡くした主人公は、隣家に住む大和深琴が保護者代わりと
なり、学園生活を送っていた。しかし主人公は、その事故以来、普通の人間には
見ることの出来ない「鬼」の存在を見ることが出来るようになっていた。
そんな折、深夜の学園で鬼に襲われる主人公。そこに、長刀を持った少女が
現れ、鬼を一刀のもとに斬り捨てる。その後、その少女が主人公のクラスに転校
してきたところから、運命の歯車が動き出す。果たして少女の正体は。主人公の
中に眠る力とは何なのか……という、本格和風ファンタジーアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

大和深琴(やまとみこと)。(CV:飯田空)
主人公の保護者代わりで、学校の保健医。主人公のことを「悠くん」と呼び、
徹底的に可愛がる。むしろ甘やかす。マヨネーズ好きで、年下スキー(笑)
ないがしろにされたり仲間はずれにされるのを極端に嫌う。
# 「歌って! 踊れて! 魔法も使える! 魔法女帝ミコト…ここに来臨!」…帰れよ(笑)

逢坂泉(おおさかいずみ)。(CV:中瀬ひな)
主人公が所属している剣道部のマネージャー。元気いっぱいでちょっと乱暴。
深琴とは犬猿の仲。クラス委員長。

レナス=ウィンドフィールド。(CV:AYA)
主人公のクラスの担任。色気たっぷりの女教師。深琴とは古くからの知り合い。

狩野月(かのうゆえ)。(CV:涼森ちさと)
長刀を用い、鬼を狩る少女。主人公の中に眠るものに興味を持ち、主人公の
周りをうろつく。無口で感情表現に乏しく、古くさい言葉遣いをする。

坂本芽衣(さかもとめい)。(CV:鳩野比奈)
主人公の後輩で、泉とは知り合い。常に目を閉じている。気が弱く、おどおど
した態度の女の子。実家は金持ちのお嬢様。

マローネ。(CV:上条茗)
突然主人公の前に現れた女の子。深琴の親戚で、深琴が預かっているらしい。
明るく元気で無邪気な、猫のような女の子。

二階堂蘭(にかいどうらん)。(CV:高山聖)
芽衣のクラスメイト。芽衣に対して対抗心を持っており、ことあるごとに芽衣に
つっかかかっていく。

才谷あかね(さいたにあかね)。(CV:桜維のあ)
芽衣の腹違いの弟。頭が良く生意気だが、姉思いな一面も。

絵の方は繊細ですっきりしたタッチの綺麗な絵柄。輪郭線はすっきりと描かれて
いるのですが、肉感はたっぷりで、Hシーンでも充分魅力的です。
CGは綺麗な処理になっており、繊細な原画の持ち味を活かしていると思います。
立ち絵はポーズ変化。表情変化ともにあり。ポーズ変化のパターンは少ないの
ですが、表情変化は会話に合わせてコロコロ変わり、見ていて楽しいです。

キャラクターは、個性豊かな面々揃い。みんなかなり特殊な設定を持ったキャラ
ばかりで、会話もはちゃめちゃ。深琴のハイテンションっぷりが凄いです。
どんなシリアスシーンも、一瞬でギャグにしてしまえる能力の持ち主。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
ただ、音声はややこもった感じで、ちょっと聞き取りづらいことも。
月の冷めた声がステキ。

音楽は軽快な聴きやすい曲が多め。次いで、おどろおどろしい曲が多いです。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はなし。独特の雰囲気を持った、やや和風の曲をバックに、絵が流れます。
絵の方はシーン紹介的なもの。雰囲気のある絵が多く、曲とのマッチングは
なかなかいい感じです。
エンドクレジットでは、オープニングもボーカルありとなっているのですが……。

エンディングは歌あり。歌はしっとりとした中にも力強さの感じられる歌で、
独特の雰囲気がとても良く作品と合っていると思います。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能で、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。ただし、音声再生時はCPU利用率べったり100%です。
スキップ動作はそこそこ軽快ですが、画面の切り替えでちょっと引っかかります。

セーブ箇所は60箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルが保存されます。
数としては、それほど選択肢は多くないので、これだけあれば足りるかとは思い
ますが、エンディングの数を考えると、もう少しあってもいいかも。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
選択肢次第で、裏ルートに入ります。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「神岸悠」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、主人公が鬼に狙われ、そこで出逢った少女、月が主人公のクラスに
転校してくるところから始まります。

前半は明るく楽しくコミカルでドタバタな展開が続きます。シリアスな展開も
あるのですが、深琴が出てきた瞬間、どんなシーンでもギャグになります(^^;

至る所にギャグやパロディがちりばめられていて、会話も面白おかしく、とても
楽しいです。とりあえず、たい焼きを食べる時に「うぐぅ」は反則だと思う(^^;
# 気を抜くと落とされるぐらい過激なスキンシップ……(笑)
##「乳の大きさが戦力の決定的差でないことを……思い知らせてやるーっ!」(笑)

後半、最後の最後はさすがにシリアスになりますが、展開が早く、あっけなく
エンディングを迎えてしまう感じで、やや物足りなさを感じます。

プレイしていて気になったのは、展開の急さ、強引さ。
ストーリー中に何箇所か、ストーリーが動き始める鍵となる箇所があるのですが、
そのシーンがあまりにも急で、かつ説明不足のために全く意味不明。
気が付いたら新たな設定が出てきて、それが当たり前になっている感じです。
あと、シリアスシーンが突然ギャグになったりと、感情移入し辛いです。

H度は並。各ヒロインとも複数回用意されています。尺はやや短め。描写の方は
そこそこ濃いのですが、中途半端に終わるシーンが結構多く、今ひとつ感情移入
しきれない感じです。和泉だけはやたらエロいですけど。
表ルートは基本的に純愛系のH、裏ルートは凌辱系のHなのですが、共通パート
にも陵辱系のシーンが結構あります。ただ、それほど描写はキツくないので、
苦手な人でもなんとかプレイできるレベルでしょう。
寝取られ……とはちょっと違う気がしますが、主人公以外のキャラとの絡みも
ありますけど、こちらも描写はあっさりめです。

あと、特筆すべき点としては、主人公早すぎ(^^;
挿入した瞬間に射精することが何度も……。しかも、途中の描写が省かれている
のではなく、マジで挿入した瞬間です(^^;

テキストは誤字等もほとんど気にならず、ノリも良くて読みやすいテキストだと
思います。ただ、深琴や泉のテンションの高さについて行けるかどうかが
ポイントですけど。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。途中で数日飛んだりもするようです。
日付は意識する必要はありません。

ワンプレイは3〜4時間。手軽でプレイしやすい長さかと。

難易度は並。裏ルートに入るポイントさえ解れば、あとは狙ったヒロイン寄りの
選択をし続ければ良いため、そんなに苦労することはないかと思います。
ちょっと引っかけっぽい選択肢はありますが。
総評
お奨め度は、和風で伝奇的な雰囲気が好きで、なおかつコミカルなドタバタ
ストーリーが好きな人にお奨め。
重い設定やシリアスな背景を持ちつつも、個性豊かなキャラクター達が織り成す
コミカル会話はとても楽しく、ノリノリでプレイできると思います。

その反面、シリアスシーンでもすぐギャグになったりと、今ひとつ緊迫感に欠け、
ラストもあっけなく終わるために、今ひとつ余韻が残りません。
ご都合主義もいいところの終わり方があったり、人によっては全然合わない作品
だと思います。読ませるタイプのストーリーが好きな人にはまずダメでしょう。
あと、伝奇要素に過剰な期待を抱くと肩すかしを食らうかと思います。
伝奇要素は、キャラクターの味付け程度と思っておいた方が無難でしょう。

それと、1周がやや短めで、共通パートがかなり長いため、1度クリアすると、
スキップを使えばサクサクと進めるため、コンプリートするのにはあまり時間は
かからないかと思います。そのため、ややボリュームには欠けるかも。

伝奇物とドタバタ学園コメディを融合させ、そこにアクション要素やミステリー
要素、陵辱なんかを詰め込んだ作品で、色々と楽しめるのは楽しめるのですが、
そのどれもが中途半端になってしまっているような印象が強いです。
あまりあちこちに手を出さず、もう少しこれというところにポイントを絞って深く
描いた方が、印象には残りやすいと思うんですけどねー。
これでは、深琴のはっちゃけぶりしか印象に残りません(^^;
というか、パッケージを見て、この内容を想像できる人はいないと思います。
誰もがシリアスで格好いい話を思い描くと思いますよ……。

もう少し、ストーリーが動きはじめる部分、起承転結で言うと「転」の部分を
丁寧に描いて、ギャグとシリアスをはっきりさせてメリハリを付けて、Hシーンを
しっかり丁寧に最後まで描いてくれれば、もっと楽しめたと思うんですけどねー。
……って、結構課題点多いですけど(^^;

まあ、個性豊かなキャラクターが織り成すコミカルな会話は楽しいですし、
1周は短めでプレイしやすいですから、ノリが合いそうで絵柄が気に入った人
なら楽しめるかと思います。キャラクター重視のゲームで、キャラクターを
気に入るかどうかが最大のポイントかと思います。

最後に。あかねエンドきぼー。←無理です
# ツンデレ?(笑)


以下、ネタバレなつぶやき。


鬼、魔法使い、吸血鬼、獣人、魔眼持ち、ここは妖怪大集合ですか(笑)
# 「どうして朝から百鬼夜行しなくてはならないのか」(笑)

ところで、レナス先生が女生徒を襲ってるシーンの意味が全く不明です。
あのシーンはなんだったんだろう……。
# いや、サービスシーンと言ったらそれまでなんですけど(^^;
##てっきり、レナス先生はサッキュバスなのかと……。

「おにたま」じゃなくて「おに〜たま」なら萌えるのに(笑)



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